告示令和8年3月31日

厚生労働省告示第百二十号(青少年雇用対策基本方針の制定)

掲載日
令和8年3月31日
号種
号外
原文ページ
p.164 - p.165
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AI要点

青少年雇用対策基本方針の制定

抽出された基本情報
発行機関厚生労働省
省庁厚生労働省
件名青少年雇用対策基本方針の制定

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厚生労働省告示第百二十号(青少年雇用対策基本方針の制定)

令和8年3月31日|p.164-165|原文を見る

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○厚生労働省告示第百二十号
青少年雇用対策基本方針を別紙のとおり定める(昭和五十五年法務省第七十二号)ので公示する。 青少年雇用対策基本方針は次のとおり定めるところとする。
令和八年三月三十一日 厚生労働大臣 上野賢一郎
青少年雇用対策基本方針
目次
はじめに
第1 青少年の職業生活の動向
1 青少年を取り巻く環境の変化
2 青少年等の現状
(1) 若年労働力人口の動向
(2) 青少年をめぐる雇用情勢
(3) 就業構造の変化及び就業形態の多様化並びに自立に困難な課題を抱える青少年の増大
(4) 働くことに関する青少年の意識
第2 青少年について適職の選択を可能とする環境の整備並びに職業能力の開発及び向上を図るために講じようとする施策の基本となるべき事項等
1 青少年雇用対策の方向性
2 学校卒業見込者等の就職活動、マッチング、職場定着等に向けた支援
(1) 在学段階からの職業意識等の醸成
① キャリア教育の推進を通じた職業意識の形成支援
② 関係者の連携によるキャリア教育推進の基盤整備
③ 労働関係法令に関する知識等の周知啓発
(2) マッチングの向上等による学校卒業見込者等の職業生活への円滑な移行、適職の選択、職場定着等のための支援
① 学校等から職業生活への円滑な移行のための支援
② 既卒者の応募機会の拡大に向けた取組の促進
③ マッチングの向上に資するための労働条件等の明示の徹底及び積極的な情報提供の促進
④ 労働関係法令違反が疑われる企業への対応
⑤ 就職後の職場適応・職場定着のための支援
⑥ 入職後早期に離転職する青少年に対するキャリア自律に向けた支援
3 中途退学者・就職先が決まらないまま卒業した者及び就労に当たって困難な課題を抱える者に対する支援
4 フリーターを含む非正規雇用で働く青少年の正規雇用化に向けた支援
5 企業における青少年の活躍促進に向けた取組に対する支援
(1) 青少年の雇用管理の改善に向けた支援
(2) 青少年の採用及び育成に積極的な中小企業の情報発信のための支援
(3) 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の改善、多様なニーズに対応した働き方の実現
6 職業能力の開発及び向上の促進
(1) 職業訓練の推進
(2) 職業能力検定の活用の促進
(3) 職業人生を通じたキャリア形成支援
7 ニート等の青少年に対する職業生活における自立促進のための支援
8 地域における青少年の活躍促進
9 青少年福祉施策の実施
はじめに
青少年雇用対策基本方針(以下「本方針」という。)では、青少年の職業生活に関する動向を明らかにするとともに、経済・社会の変化、少子高齢化の進行や青少年に求められる社会の期待等を踏まえ、青少年が、仕事・人・社会への積極的な関わりを通じて自信と意欲を備え、適職の選択並びに職業能力の開発及び向上を通じて継続的なキャリア形成を図り、社会の構成員として自立して健全に成長することを促すため、また、これを支える関係機関の連携による社会的ネットワークの整備を図るため、施策の基本となるべき事項を示すこととする。
本方針において「青少年」とは、35歳未満の者をいう。ただし、個々の施策・事業の運用状況等に応じて、おおむね「45歳未満」の者についても、その対象とすることは妨げないものとする。
また、青少年の雇用の促進等に関する法律(昭和45年法律第98号。以下「法」という。)第2条及 び第3条に規定するとおり、青少年雇用対策は、青少年が、その意欲や能力に応じて、有為な職業 人として成育するよう、就職支援、職業生活における自立促進等の必要な支援を行うこととしてい る。なお、同条の「青少年である労働者」は、現に働いている者に限らず、求職者やいわゆるニー ト等の青少年も含まれるものである。
本方針の運営期間は、令和8年度から令和12年度までの5か年とする。
なお、経済社会情勢の変化等に伴い、本方針の運営期間中に新たな施策が必要となる場合は、本 方針の趣旨等を踏まえて機動的に対応するものとする。
第1 青少年の職業生活の動向 1 青少年を取り巻く環境の変化
我が国は、人工知能の急激な進化やデジタル化の進展等により産業構造がこれまでにない規模 とスピードで変化するとともに、労働者の構成や働き方についても大きく変化することが見込ま れる時代を迎えている。また、人生100年時代の到来による労働者の職業人生の長期化や働き方 の多様化の進展を受け、新卒一括採用や長期雇用等に特徴付けられる日本型の雇用慣行も徐々に 変化している。
このような経済・社会環境を前提として、青少年の雇用動向を見ると、若年層の完全失業率は、 他の年齢層と比べるとなお高い水準にあるものの、低下傾向にある。
こうした中、学校等の新規卒業予定者(以下「学校卒業見込者」という。)の就職環境は新型コ ロナウイルス感染症の感染拡大に伴う悪化から回復し、求人倍率や就職(内定)率は高い水準で 推移している一方で、いわゆるフリーターと呼ばれる不安定就労を繰り返す者が近年は微増に転 じ、いわゆるニートと呼ばれる若年無業者の数も高止まりしている。
また、高等学校等卒業者の大学(学部)への進学率は、引き続き上昇傾向にあり、平成22年以 降はおおむね50%を超える水準にある。その一方で、各学校段階での中途退学者が相当程度の頻 度で発生し、これらの者がその後、いわゆる非正規雇用となる割合が高くなるとともに、就職先 が決まらないまま卒業した者や卒業後に非正規雇用となる者も一定数存在しており、継続的な キャリア形成を実現することが困難な状況となっている。
以下、これらの青少年の職業生活の動向について、より具体的なデータに基づき概観する。
2 青少年等の現状 (1) 若年労働力人口の動向
15歳から34歳までの若年労働力人口は、当該年齢層の人口そのものの減少にもかかわらず、 女性の労働参加の進展による増加もあり、近年は横ばいとなっており、令和6年で1,764万人、 総労働力人口に占める割合は25.4%となっている(総務省「労働力調査」(令和6年))。他方で、 少子化が進展する中で長期的には減少傾向にあるとともに、各種の経済・雇用政策をある程度 講ずることにより、経済成長と女性等の労働市場への参加が一定程度進むと仮定した場合で あっても、令和22年には1,580万人(ピーク時(昭和43年)の66.5%)にまで減少することが見 込まれている(独立行政法人労働政策研究・研修機構「2023年度版 労働力需給の推計一労働 力需給モデルによるシミュレーション」(令和6年)及び総務省「労働力調査」(令和6年))。 このように、中長期的に社会の支え手である若年労働力人口の減少は避けられず、これに伴い、 経済・社会システムの維持のための青少年1人当たりの負担はますます大きくなると見込まれ る。
(2) 青少年をめぐる雇用情勢
青少年の完全失業率は、令和6年で15歳から24歳までは4.0%、25歳から34歳までは3.4%と、 全体の完全失業率の2.5%と比べるとなお高水準にあるものの、平成22年頃から低下傾向にあ る(総務省「労働力調査」(令和6年))。
また、学校卒業見込者の就職状況についても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う 悪化から回復したことに加え、人手不足も影響して大学・高等学校ともに学校卒業見込者の求 人倍率や就職(内定)率は高い水準を維持しており、令和7年3月卒業者の就職(内定)率は 大学で98.0%(文部科学省・厚生労働省「令和6年度大学・短期大学・高等専門学校及び専修 学校卒業予定者の就職内定状況等調査)」となったほか、高等学校でも99.0%(厚生労働省「令 和6年度高校・中学新卒者の就職内定状況等」)となっている。
一方、学校等を卒業後、就職して3年以内に離職する者の割合は、令和4年3月卒業者につ いて、中学校卒業者で54.1%、高等学校卒業者で37.9%、大学卒業者で33.8%となっており、 中学校卒業者は、近年増加傾向にあるとともに、高等学校卒業者及び大学卒業者は、近年は微 増傾向にあり、直近は低下した(厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業 者)」)ものの、今後も低下傾向で推移するか否かは、なお見通し難いところである。
(3) 就業構造の変化及び就業形態の多様化並びに自立に困難な課題を抱える青少年の増大
青少年の就業状況について、産業別の就業者数の構成割合を見ると、令和6年では「卸売業、 小売業」が16.1%と最も多く、次いで「製造業」が15.3%、近年労働市場における需要が高まっ ている「医療、福祉」が13.0%と続いている。同じく職業別の就業者数の構成割合を見ると、「専 門的・技術的職業従事者」が23.7%と最も多く、次いで「事務従事者」が18.6%、「サービス職 業従事者」が15.2%、「販売従事者」が14.3%と続いている(総務省「労働力調査」(令和6年))。
学校卒業見込者の就職状況に改善が見られる一方で、学校等から職業生活への円滑な移行が できず、キャリア形成に困難な課題を抱える青少年の存在が見られる。就職を希望しつつも就 職先が決まらないまま卒業した者を含め、卒業後に進学も就職もしない学校等の卒業者は、高 等学校卒業者(全日制・定時制)で約4万4千人(令和7年3月卒業者)、高等学校卒業者(通 信制)で約2万4千人(令和6年度間卒業者)、大学卒業者で約4万2千人(令和7年3月卒 業者)となっている。このうち、高等学校卒業者について、卒業後に進学も就職もしない学校 等の卒業者の割合は、高等学校卒業者(全日制・定時制)で4.7%となっているのに対し、高 等学校卒業者(通信制)は26.1%となっている(文部科学省「令和7年度学校基本調査」)。
また、非正規雇用労働者のうち、不本意ながら非正規雇用で働いている青少年の割合は令和 6年では6.9%となっており、近年は低下傾向にあるものの、特に25歳から34歳までの割合は 他の年齢層の割合と比べると依然として高い(総務省「労働力調査」(令和6年))。
非正規雇用労働者の給与は、全ての世代で正規雇用労働者の給与を下回り、正規雇用労働者 に比べ、年齢による変化が小さく、就業年数を重ねても増加することなく固定化していること がうかがえる(厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」)。
フリーター数は、平成15年の217万人をピークにおおむね減少傾向にあったものの、令和4 年以降は増加傾向にあり、令和6年は136万人となっている(総務省「労働力調査」(令和6年))。 フリーター期間が長くなるほど、正規雇用への移行が難しくなる傾向が見られる(独立行政法 人労働政策研究・研修機構「大都市の若者の就業行動と意識の変容―『第5回 若者のワーク スタイル調査』からー」(令和4年))。
また、ニート数は、若年人口が減少傾向にあるにもかかわらず、令和2年には前年比で13万 人増の69万人となり、その後減少したものの、令和4年以降は増加傾向にあり、令和6年は61 万人となっている(総務省「労働力調査」(令和6年))。
高等学校・大学等の中途退学者については、高等学校で約4万5千人(文部科学省「令和6 年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)、大学等で約6万1千 人(文部科学省「令和6年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について」)となってい る。中途退学後に就職した者の就業状況を見ると、正規雇用の比率が各学校を卒業した者に比 べて著しく低く、令和3年では約5割がアルバイト・パートの形態で働いており、安定的な仕 事に就くことが困難な状況が見られる(独立行政法人労働政策研究・研修機構「大都市の若者 の就業行動と意識の変容―『第5回 若者のワークスタイル調査』からー」(令和4年))。
このような状況の下で、キャリア形成の初期段階において基本的な職業能力の開発及び向上 がなされないことにより、将来的に人的資本の質が低下し、人口が減少する中での経済・社会 への影響が懸念される。
加えて、令和6年度の小・中学校の不登校児童生徒数は約35万4千人と過去最多となってい るとともに、高等学校の不登校生徒数は、約6万8千人となっている(文部科学省「令和6年 度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)。将来的には、学校等か ら職業生活への円滑な移行に向けた支援がより重要となってくるものと考えられる。
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厚生労働省告示第百二十号(青少年雇用対策基本方針の制定) - 第164頁
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