食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針の告示
令和7年3月14日|p.84
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財務省、厚生労働省、
告示第一号
国土交通省、環境省
告示
食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(平成十二年法律第百十六号)第三条第一項の規定
に基づき、 食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針を定め、 令和七年三月十四日から適用
することとしたので、同条第四項の規定に基づき、告示する。
令和七年三月十四日
財務大臣加藤勝信
厚生労働大臣福岡資麿
農林水産大臣江藤拓
経済産業大臣武藤容治
国土交通大臣中野洋昌
環境大臣浅尾慶一郎
食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針
我が国では、食品循環資源の再生利用等の促進10関する法律(平成十二年法律第百十六号。以下「法」
という。)の制定当時、生産・流通段階において消費者の過度な鮮度志向等の要因により大量に食品が
廃棄され、消費段階において大量の食べ残しが発生していた。このようにして生じた食品廃棄物等の
大部分は、肥料や飼料等に再生利用することが可能であるにもかかわらず、利用されずに大量に廃棄
されていた。一方で、こうした大量廃棄に伴う処理費用が社会全体の負担になっていることや最終処
分場の残余容量のひっ迫等の廃棄物処理をめぐる問題が深刻化していた。このような状況の中で、食
品に係る資源の有効な利用の確保及び食品に係る廃棄物の排出の抑制を図ることを目的として、法が
制定された。その後、重量ベースで見た我が国食品産業全体の食品循環資源の再生利用等(食品循環
資源の再生利用及び熱回収並びに食品廃棄物等の発生の抑制(国民に供給された食料のうち本来食べ
られるにもかかわらず廃棄されている食品(以下「食品ロス」という。)の削減を含む。)及び減量をい
う。以下同じ。)の実施率(以下単に「実施率」という。)は、二〇〇一年度の三十七パーセントから二
〇〇五年度の五十二パーセントへと着実に向上し、一定の成果が認められたものの、一部の業種から
発生する食品循環資源については、 依然として十分に再生利用等がなされず、 大量に、 かつ、 単純に
焼却処理されていたことから、食品循環資源の再生利用等を促進するための食品関連事業者に対する
指導の強化と再生利用等の取組の円滑化を目的として、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法
律の一部を改正する法律(平成十九年法律第八十三号。以下「改正法」という。)が制定された。
改正法の施行後、我が国の食品産業全体の実施率は、二〇〇八年度の七十九パーセントから二〇一
三年度の八十五パーセントへと着実に向上し、一定の成果が認められたものの、食品廃棄物等の分別
の困難性等から食品流通の川下にいくほど低いこと、及び我が国は食料及び生産資材の多くを海外か
らの輸入に頼りながら、食品ロスを含め大量の食品廃棄物等を発生させていたことから、二〇一五年
に、食品廃棄物等の削減のため、これまで調査をしていなかった食品口スの発生状況をより実態に即
して把握することを旨として基本方針の改正が行われた。
また、二〇一九年には、事業者から発生する食品ロス(以下「事業系食品ロス」という。)の量につ
いて、二〇〇〇年度比で、二〇三〇年度までに半減させる目標を新たに定めるとともに、二〇二三年
には、カーボンニュートラル実現や食料安全保障の強化の観点から基本方針の改正が行われた。
近年、食品循環資源の再生利用及び食品口スの削減は、持続可能な社会を構築する上での重要な課
題であるとの認識が高まっている。食品循環資源の再生利用に関しては、二〇一六年一月に発覚した
登録再生利用事業者による食品廃棄物の不正転売事案を契機に、食品廃棄物の再生利用を含めた適正
な処理に係る排出事業者責任の徹底の必要性が改めて強く認識された。食品口スに関しては、二〇一
五年に国連サミットで採択された持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダ(以下「二〇三〇アジェ
ンダ」という。)のターゲットの一つとして、二〇三〇年までにこれを半減するという目標が掲げられ、
二〇一八年に我が国が策定した「第四次循環型社会形成推進基本計画」(平成三十年六月十九日閣議決
定)においても同様の目標が掲げられるとともに、二〇一九年には食品口スの削減の推進に関する法
律(令和元年法律第十九号。以下「食品ロス削減推進法」という。)が施行された。二〇二四年には、
循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行を進めるため、「第五次循環型社会形成推進基本計画」(令
和六年八月二日閣議決定)が策定され、食品関連事業者、地方公共団体その他の団体による取組が積
極的に進められているところである。食品関連事業者を始めとした関係者及び消費者の不断の取組も
あり、二〇二二年度には、事業系食品口スの量について、二〇〇〇年度比で半減させる目標を達成し
たところである。
食料の多くを輸入に依存する我が国は、気候変動等による世界的な食料生産の不安定化や、世界的
な食料需要の拡大に伴う調達競争の激化等により、食料安全保障の強化が重要課題となっている。
また、輸入に依存する農業資材やその原料について、国内資源への代替転換を推進する観点からも
食品循環資源の再生利用等の取組の促進が求められている。
二〇二〇年十月、政府は、二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボン
ニュートラルを目指すことを宣言した。「地球温暖化対策計画」(令和三年十月二十二日閣議決定)では、
二〇五〇年カーボンニュートラルと整合的で野心的な目標として、二〇三〇年度に温室効果ガスを二
〇一三年度から四十六パーセント削減する目標等を定め、その目標達成のための対策・施策の一つと
して、温室効果ガスの排出削減にも資する3R(リデュース・リユース・リサイクル)等を推進する
旨が記述されており、食品循環資源の再生利用等を通じて温室効果ガスの排出削減にも貢献すること
が求められている。
この基本方針は、このような認識の下に、食品循環資源の再生利用等を総合的かつ計画的に推進す
るため、必要な事項を定めるものである。
一食品循環資源の再生利用等の促進の基本的方向
基本理念
食品に係る資源の有効な利用の確保及び食品に係る廃棄物の排出の抑制を図るためには、食品
の製造、流通、消費、廃棄等の各段階において、食品口スの削減を含め食品廃棄物等の発生の抑
制に優先的に取り組んだ上で、食品循環資源について再生利用、これが困難な場合には熱回収を
行い、やむを得ず廃棄処分を行う食品廃棄物等は減量を推進し、もって環境への負荷の少ない循
環を基調とする循環型社会を構築していくことが必要である。
このため、 食品産業の特性、 特定肥飼料等の利用の実態等を踏まえつつ、 必要な措置を一体的
に講じ、食品循環資源の再生利用等の促進を図るものとする。