告示令和8年4月1日
国土交通省告示第千百二号(航空安全プログラムの制定)
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航空安全プログラムの制定
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国土交通省告示第千百二号(航空安全プログラムの制定)
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○国土交通省告示第千百二号
我が国の航空安全確保体制を確立し、及び民間運航の安全の確保のために講ずべき対策を示すとともに、運航安全プログラムその他の必要な事項を定める。
令和八年四月一日
国土交通大臣 金子 恭之
航空安全プログラム
はじめに
航空分野において、航空事故又は重大インシデントが発生すると、搭乗者等の生命が危険にさらされることにとどまらず、時として地上をも巻き込んだ甚大な被害をもたらす場合もあり、航空の安全の確保は、何よりも優先すべき最重要事項である。
国際民間航空条約(昭和28年条約第21号。以下「シカゴ条約」という。)の附属書19において、発生した航空事故や重大インシデントに対する事後対応だけでなく、先を見越した安全管理を行うための基礎として、シカゴ条約の締約国が航空安全プログラム(State Safety Programme。以下「SSP」という。)を実施することを規定している。SSPとは、国全体の航空の安全を管理することを目的とした、法令、規則、方針、目標、プロセス、手順及び活動を組み合わせた体系である。SSPを通じ航空安全当局が、安全方針及び安全目標を策定し、安全リスクを管理し、安全を保証し、安全の推進を図ることにより、国として航空の安全を体系的に管理するとともに、業務提供者が実施する安全管理システムと相互に連携することにより、民間航空システム全体の安全性の向上が図られることとなる。
我が国ではこれらの考え方を踏襲し、平成25年に「航空安全プログラム」(平成25年国土安全省第29号)を策定した。同プログラムにおいて、我が国の航空安全管理体制を確立し、航空安全当局が民間航空の安全の確保のために講ずべき対策等を示すとともに、これらを適切に実施することにより、民間航空における航空事故その他の航空の安全に影響を及ぼす事態を未然に防ぎ、航空安全の確保を図ってきたところである。
今般、航空安全管理に関する近年の国際的動向及び我が国の航空を取り巻く現状を踏まえ、我が国の航空の安全管理に係る体制及び機能のあり方の更なる改善と明確化を図り、航空安全当局、業務提供者その他の航空活動関係者が一体となって航空の安全の確保に取り組むため、我が国におけるSSPとして本プログラムを改めて定めるものである。
航空安全当局においては、本プログラムに基づき航空活動関係者との安全情報の共有、積極的な安全文化醸成の促進、教育訓練を通じた人員の能力向上等の活動を実施するとともに、そのための予算と人員を確保することで、航空の継続的な安全性の向上を実現していくものとする。
1. 定義
本プログラムにおいて、用語の定義は、以下に定めるところによる。
(1) 航空安全当局
国土交通省航空局(地方航空局を含む。以下同じ。)のうち、民間航空の安全を確保するための監督を行う課等をいう。
(2) 業務提供者
本邦航空運送事業者、認定事業場、指定航空従事者養成施設、公共用飛行場及び航空交通管制業務その他の航空機の運航に関する指示・支援業務の実施機関のうち、安全管理システムの確立が求められているものをいう。
(3) 航空活動関係者
航空機の運航に関係し、又は航空機の運航を直接的に支援する活動に従事する関係者をいう(民間航空の活動に従事する者に限る。)。
(4) 安全 (Safety)
航空活動に係るリスクが受入可能なレベルまで低減され制御されている状態をいう。
(5) 安全監督 (Safety oversight)
航空安全当局が民間航空の安全を確保するために行う全ての活動をいう。
(6) 安全管理システム (Safety management system)
安全リスクを管理するための体系的な仕組みであって、必要な組織体制、責任、方針及び手順を含むものをいう。
(7) 安全目標 (Safety objective)
達成することが望ましい安全の結果を明文化したものをいう。
(8) 安全パフォーマンス (Safety performance)
国又は業務提供者がどの程度の安全性を達成したかを示す測定可能な結果をいう。
(9) SPI (Safety performance indicator (安全パフォーマンス指標))
安全目標の達成に向けた進捗を含めて、安全パフォーマンスの測定又は監視のために用いる指標をいう。
(10) SPT (Safety performance target (安全パフォーマンス目標))
SPIについて、一定期間内に達成すべきものとして国又は業務提供者が計画し、又は意図した目標をいう。
(11) ハザード (Hazard)
航空事故その他の航空の安全に影響を及ぼす事態を引き起こす可能性のある状態又は事物をいう。
(12) 安全リスク (Safety risk)
ハザードが引き起こす又は引き起こし得る結果について予測される発生確率及び重大度の組合せをいう。
(13) 安全文化(Safety culture)
安全に係る個人又は組織の価値観、姿勢、能力又は行動様式の総体をいう。安全文化は、ハザー
ドが報告されることの促進、報告者の公正な取扱い、変化する要求への柔軟な対応、及び明らか
にされたハザードに学ぶことを含む。
(14) 安全データ(Safety data)
参照、処理又は分析のために収集された事実又は数値であって、安全の維持又は安全性の向上
に活用できる可能性があるものをいう。
(15) 安全情報(Safety information)
安全管理及び安全インテリジェンスの開発のため、必要に応じた処理、整理又は分析がされた
安全データをいう。
(16) 安全インテリジェンス(Safety intelligence)
安全情報の収集・分析を行うプロセスにより作り出され、意思決定を支援するものをいう。
(17) 航空事故(Accident)
航空法(昭和27年法律第231号)第76条第1項各号に掲げる事故をいう。
(18) 重大インシデント(Serious incident)
機長が航行中他の航空機との衝突又は接触のおそれがあったと認めた事態その他航空法第76条
の2の国土交通省令で定める事態をいう。
(19) 航空事故等
航空事故及び重大インシデントをいう。
2. 構成と位置付け
本プログラムは、シカゴ条約の附属書19並びに国際民間航空機関(以下「ICAO」という。)の安全
管理マニュアル(Safety Management Manual) 及び安全監視マニュアル (Safety Oversight Manu-
al) Part Aに基づき、4つの構成要素(以下「Component」という。)及び8つの重要要素(Critical
Elements。以下「CE」という。)を中心として構成されており、我が国の航空安全管理の主要事項を
明確にしたものである。
ICAOが提示している4つのComponent及び8つのCEを中心とした安全管理の枠組みを、図1に
示す。
また、本プログラムに係る取組において、航空安全当局は、人間のパフォーマンスの影響を考慮す
る必要がある。人間のパフォーマンスは人間の能力と限界の影響を受け、人間は複雑に変化する業務
環境に順応し、各人の状況解釈に基づいて合理的と考える行動をとる。航空安全当局は、こうした人
間の特性を踏まえて、1つの社会技術システムである航空分野において、人々が安全性の向上に力を
発揮できるように、方針及び手順等を策定し、実施し、及び継続的に見直すものとする。
第1 航空安全当局の安全方針等(SSP Component-1)
1.1 我が国の航空法(CE-1)
我が国では、シカゴ条約の規定並びに同条約の附属書として採択された標準、方式及び手続に準拠
した航空法が制定されている。
また、航空安全当局職員は、同法の規定に基づき安全監督を行い、必要に応じて、航空機、運航、
施設、人員、記録等を確認する権限を有している。
1.2 我が国の運用規則(CE-2)
航空安全当局は、航空法の規定に基づき、及び同法を実施するため、航空法施行令(昭和27年政令
第421号)、航空法施行規則(昭和27年運輸省令第56号)及び運用規則等に係る検討を行い、それらが
適切かつ妥当であり続けることを確保するため適宜見直しを行うものとする。
1.3 関係機関との役割分担並びに安全方針及び安全目標
1.3.1 関係機関との役割(CE-3)
航空安全当局は、関係行政機関との協力関係を構築し、安全管理を実施するものとする。また、
航空安全当局は、効果的かつ効率的な本プログラムの実施を確保するため、航空安全当局及び関係
行政機関が参加する「航空安全プログラム委員会」を設置するとともに、航空運送事業、航空保安
業務及び空港管理業務の各分野における安全情報、再発防止策及び未然防止策、安全指標等の把握・
分析等を行うため同委員会の下に分野ごとの安全部会を設けるものとする。
航空安全当局及び関係行政機関の役割の分担を次に示す。また、(1)から(3)までの組織体制並びに
航空安全プログラム委員会及び分野ごとの部会の構成員を図2に示す。
(1) 国土交通省航空局
国土交通省航空局は、国土交通省に設置される組織であり、航空機の安全の確保及び航空機
の航行に起因する障害の防止並びに航空機の航行の安全の確保に関することを所掌しており、
航空安全当局としての業務提供者に対する監督業務も担っている。
なお、国土交通省航空局は、上記のほかに航空従事者の教育及び養成並びに航空従事者に関
する証明に関すること並びに航空路、航空交通管制、飛行計画及び航空機の運航に関する情報
の提供に関することも所掌している。
国土交通省航空局は、航空安全当局としての業務を行うに当たり、(2)から(4)までの行政機関
と、情報共有、意思疎通及び調整を図るものとする。
(2) 運輸安全委員会
運輸安全委員会は、独立性の高い専門の調査機関として設置され、航空事故等の発生の原因
や航空事故による被害の原因を究明するための調査を行い、報告書の公表や、国土交通大臣又
は原因関係者に対する勧告等を実施する。また当該調査で得られた知見に基づき、航空交通の
安全に有益な情報についてタイムリーかつ積極的な情報発信を行い、航空事故等の再発防止や
航空事故による被害の軽減に努める。
(3) 気象庁
気象庁は、悪天による航空交通への影響を軽減し、航空機の安全な運航に寄与するとともに、
航空交通管制を支援するため、シカゴ条約の附属書3に基づき、航空気象情報を提供する。
(4) 捜索救難業務に関係する行政機関
航空機の捜索救難に関する事務は、航空機の捜索救難に関する協定(昭和40年3月18日)に
基づき、警察庁、消防庁、国土交通省(航空局)、海上保安庁及び防衛省が相互に協力して実
施する。これらの行政機関は、シカゴ条約の附属書12に準拠して、東京捜索救難区(我が国が
捜索救難業務を提供する捜索救難区の区画をいう。)における航空機の捜索救難を迅速かつ適確
に実施する。
図2 各機関の組織体制並びに航空安全プログラム委員会及び分野ごとの部会の構成員
1.3.2 安全方針と安全目標
1.3.2.1 安全方針
航空安全当局は、その監督の下で行われる全ての航空活動について、最大限の安全が確保されるよう、所要の方針及び手順等を策定し、実施し、また法令に係る検討を行い、それらを継続的に見直すことによって、これらを通じて安全性の向上に努める。
航空安全当局は、航空の安全性の向上のための取組として、次の事項を関係行政機関とともに実施する。
① シカゴ条約の規定並びに同条約の附属書として採択された標準、方式及び手続に準拠して、航空法その他の我が国の航空法規に基づき、民間航空の安全に係る基準等を策定し、これらに基づく処分、報告徴収、検査その他の安全監督を行うこと。
② 安全監視活動を通して民間航空の安全の傾向を常に把握し、必要に応じて、安全リスクを低減するための措置を講じること。
③ 航空安全当局及び業務提供者双方のSPI及びSPTを通じて、我が国における民間航空の安全パフォーマンスの測定及び監視を継続的に実施すること。また、安全パフォーマンスその他の民間航空の安全データ及び安全情報等を活用して民間航空の安全の傾向を把握すること。
④ 民間航空の安全に係る問題に対処するため、航空活動関係者と協調し、協議に努め、継続的に安全性の向上に努めること。
⑤ 自ら安全リスクを管理するという考え方の下、航空安全当局及び航空活動関係者の組織全体及び当該組織に属する個人(経営陣を含む。)が、例えば自らの行動の振り返り、改善、外部からの指摘を歓迎する姿勢や自発的にエラーを報告することを奨励する風土など、平時から積極的に安全リスクの更なる低減を志向し行動する安全文化(以下「積極的な安全文化」という。)の醸成を促進すること。
⑥ 民間航空の安全データ及び安全情報は安全性の向上を主たる目的として利用するという前提の下、航空活動関係者に対し、当該情報の収集、分析及び関係者との共有を奨励すること。
⑦ 本プログラムに基づく活動を効果的に実施していくため、安全管理及び安全監督のための十分な予算及び定員等の確保に努めること。
⑧ 航空安全当局の職員が自らの職責を果たすことができるよう、必要となる教育訓練を実施すること。
1.3.2.2 安全目標
我が国において、昭和61年以降、特定本邦航空運送事業者(客席数が100又は最大離陸重量が50トンを超える航空機を使用して行う航空運送事業を経営する本邦航空運送事業者をいう。)における乗客の死亡事故が発生しておらず、この「死亡事故ゼロ」を今後も維持するだけでなく、全体の航空事故等についても防止を図っていく観点から、我が国の安全目標を次のとおり定めるとともに、安全目標を達成するための一定期間の取組を定める航空安全実施計画(National Aviation Safety Plan (NASP))を定め、安全性の向上に取り組むこととする。
① 本邦航空運送事業者が運航する定期便について、死亡事故発生率及び全損事故発生率をゼロにする。
② 航空事故発生率、重大インシデント発生率及び地上作業、施設等に起因する人の死傷又は航空機が損傷した事態の発生率について、平成30年の目標値を起点としてそれぞれ15年間で50%の削減を図る。
1.3.3 文書化及び見直し
航空安全当局は、安全方針及び安全目標を含む本プログラムについて、必要な機能が文書化されることを含め、内容が適切かつ妥当であり続けることを確保するため、民間航空の安全の状況や安全情報の分析結果を踏まえ、定期的に又は必要に応じて見直しを検討するものとする。
1.3.4 危機管理に関する航空安全当局の対応
航空安全当局は、重大な事故、自然災害等に備え、対応措置の迅速かつ的確な実施を目的として、政府対策本部・現地対策本部等への国土交通省航空局の出席者、他機関との連携・調整、情報伝達の手順等の航空安全当局の役割をあらかじめ設定するものとする。
1.4 人員の要件及び訓練 (CE-4)
航空安全当局は、航空安全に関わる職員に必要な知識及び技量に関する最低要件を明確にするとともに、当該職員が適切な知識と技量を身につけ、それを維持するための教育訓練を計画的に実施するものとする。教育訓練は、可能な限りICAOで教育訓練を受けた職員を教官とするとともに、新たに任用された職員向けの初期研修、職員の技能を維持するためのリカレント訓練、特定の分野において専門的な知識を習得するための専門研修等を、主に座学と実技により実施し、実施した記録を保存するものとする。
1.5 技術ガイダンス、ツール、安全上重要な情報の提供等 (CE-5)
航空安全当局は、航空安全に関わる職員が適切に業務を遂行できるよう、業務に必要な手順等を解説した技術ガイダンスの作成やツールの提供を行うとともに、安全上重要な情報(航空情報、航空機故障情報、耐空性改善通報等)を当該職員に共有するものとする。また、安全上重要な情報その他の有益な情報を、ウェブサイト(SWIM (System-Wide Information Management)、航空安全情報ポータルサイト等)、航空安全情報管理・提供システム(ASIMS)等を通じて、航空活動関係者に提供するものとする。
第2 安全リスクの管理(SSP Component-2)
2.1 各種証明・許認可等 (CE-6)
航空法及び関係法令(以下「航空法規」という。)に基づき、航空活動を行うための証明、許可又は認可等(以下「証明・許認可等」という。)を受けた者でなければ、航空法規により規制された業務を実施してはならない。
証明・許認可等は、申請者から申請を受けた航空安全当局等において、当該申請が航空法規並びに関連告示及び通達(以下「航空法規等」という。)に定められた基準に適合しているか否か審査・検査等を行い、適合すると認めた場合に証明書等の発行等を行う。証明・許認可等の要件及び手順は航空法規等に定められている。
2.2 安全管理システムの実施の義務付け
航空安全当局は、航空法規に基づき、業務提供者に対して安全管理システムの実施を求め、監査等を通じてその実施状況を確認する。業務提供者は、(1)から(4)までに示す枠組みを基本として、航空安全当局が航空法規に準拠し業務提供者の業務の種類に応じて別途定める要件(3.1.3において「SMS要件」という。)に適合する安全管理システムを確立し、必要な文書及び体制の整備等を行うとともに、安全データ及び安全情報の収集・共有、ハザードの特定、その安全リスクの評価、必要に応じた是正措置の実施及び講じた是正措置の有効性の評価といった活動を継続的に実施しなければならない。
(1) 安全方針と安全目標
安全に関する基本的な考え方を示した安全方針、当該方針を踏まえた安全目標、SPI、SPT、安全管理に関する責任体制及び安全管理システムの文書化等に関する事項
(2) 安全リスクの管理
安全データ及び安全情報の収集、ハザードの特定、特定されたハザードに係る安全リスクの評価並びに必要に応じた安全リスクの低減措置の実施等に関する事項
(3) 安全の保証
安全パフォーマンスの測定及び監視、内部監査等を通じた業務の実施状況等の確認、安全に影響を及ぼす可能性のある変更の管理並びに安全管理システムの継続的改善等に関する事項
(4) 教育訓練及び安全に関する情報の共有
航空安全に関わる職員に必要な知識及び技能を習得させるための教育訓練並びに安全に関する情報の共有等に関する事項
2.3 航空事故等の調査
運輸安全委員会は、運輸安全委員会設置法(昭和48年法律第113号)に基づき、シカゴ条約の規定並びに同条約の附属書として採択された標準、方式及び手続に準拠して、安全管理の支援のため、航空事故等が発生した原因や、航空事故による被害の原因を究明するための調査を行う。当該調査結果は、国土交通大臣に報告するとともに、公表する。
2.4 航空安全当局におけるハザードの特定及び安全リスクの評価
航空安全当局は、関係行政機関及び業務提供者等から広く安全データ及び安全情報を収集・分析し、国全体で対応するハザードを特定するとともに、予測される発生確率及び重大度の組合せを踏まえて、当該ハザードに係る安全リスクを評価する。
特定されたハザード、安全リスクの評価結果等は、航空安全プログラム委員会及び分野ごとの部会で共有される。
2.5 航空安全当局における安全リスク管理
2.5.1 安全に係る問題解決の仕組み(CE-8)
航空安全当局は、安全に係る問題を適切かつ確実に解決するために、次の事項を含む問題解決の仕組みを確立し、継続的に運用するものとする。
① 安全監視活動(監査、調査、分析等)を通じて把握された安全を阻害する問題の記録・管理
② 安全監視活動を通じて把握された安全を阻害する問題の原因に対する、業務提供者による是正措置に関する計画の提出及び評価プロセス
③ ②の是正措置の実施状況の確認及び検証
④ ②の是正措置が不十分な場合に講じる適切かつ段階的な措置(行政指導、命令、許可・承認等の取消し等)
2.5.2 航空法規等の執行方針(CE-8)
2.5.2.1 基本の方針
航空安全当局は、航空活動関係者が航空法規等を遵守していない場合、航空法規等に基づき、不利益処分又は行政指導(いずれも民間航空の安全に係るものに限る。以下「不利益処分等」という。)を実施し、航空の安全の確保を図るものとする。不利益処分等の内容は、航空法規等に対する違反
の内容及び当該違反によって生じ得る航空事故等のリスクに見合ったものとし、次に掲げる事項についても考慮した上で判断することとする。
① 当該違反について
・意図的に行ったか。
・隠蔽していたか。
・当該違反の当事者(当該者が個人の場合は所属する組織を含む。②において同じ。)が自主的に航空安全当局に対して報告(5.1.2に規定する自発報告制度に基づく報告を除く。)を行ったか。
② 当該違反の当事者が、改善等の措置を実施しているか、又は実施する計画を有しているか。
2.5.2.2 業務提供者に対する特例
業務提供者(航空安全当局が安全管理システムの確立を求めていない航空活動関係者であって、自主的に安全管理システムを確立しているものを含む。以下この項において同じ。)の安全管理システムの確立の支援を目的として、業務提供者に対して、一定の違反を伴う事象(航空事故等を除く。)について航空安全当局と調整の上で、安全管理システムによる改善措置を講じることを認めるため、次のとおり特例に係る方針及び規定を設ける。
(1) 基本の方針
航空安全当局は、この特例を適用するに当たり、業務提供者と意思疎通を図ることを基本とする。
(2) 安全管理システムの下で確立された自主的な報告等に関連する情報を得た場合の特例
航空安全当局は、業務提供者内部における、安全管理システムの下で収集された情報等であって、秘匿報告、自主的な報告又はこれらと同等の報告に関連する情報に違反に係るものが含まれていたとしても、当該情報を不利益処分及び厳重注意その他これに類する行政指導※の根拠として使用しない。
※「これに類する行政指導」には、監査結果の書面による通知、口頭による指導、助言等航空安全当局と航空活動関係者の間のみにおいて、日常的に行われる行政指導は含まれない。
(3) 業務提供者が違反を行った場合の特例
業務提供者が違反を行った場合、航空安全当局は、当該者と対話の機会を持つ。この対話において航空安全当局は、当該者に対し、当該違反につながった不適切事案に対する是正措置及び改善行動計画を示すよう求めることとする。航空安全当局は、当該措置及び計画の妥当性及び実効性を勘案し、これらが適切であると考えられる場合は、当該違反について不利益処分及び厳重注意その他これに類する行政指導を実施しない。また、これらが不適切と考えられる場合において、航空安全当局は、当該者との対話を継続し、必要に応じて、当該措置及び計画が適切なものとなるよう指導するが、当該者がこれに従わない場合、当該者に対し、通常の不利益処分及び厳重注意その他これに類する行政指導の実施を検討する。
(4) 例外
業務提供者が行った違反について、次に掲げる場合のいずれかに該当する場合は、本項の特例は適用しない。
① 意図的に行っていた場合
② 隠蔽していた場合
2.5.2.3 自発報告制度に係る特例
5.1.2に規定する自発報告制度に係る不利益処分等の特例については、同項④に規定するところによる。
2.5.3 国全体の航空の安全に係る安全リスク管理の手法
航空安全当局は、国全体で対応する必要があるハザードについて2.4に基づき評価された安全リスクが許容可能なレベルにない場合その他の安全リスクの管理が必要な場合に、当該安全リスクを低減させるため、関係行政機関や専門家の意見を聴きつつ、国全体で講ずべき対策を検討し、実施するとともに、当該対策の有効性をSPI等により評価し、必要に応じて改善を図る。
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