告示令和8年3月19日

公安調査委員会告示第二号(無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律に基づく処分請求に対する回答)

掲載日
令和8年3月19日
号種
号外
原文ページ
p.1 - p.5
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AI要点

無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律に基づく処分請求に係る認定事実

抽出された基本情報
省庁公安審査委員会
件名無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律に基づく処分請求に係る認定事実

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公安調査委員会告示第二号(無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律に基づく処分請求に対する回答)

令和8年3月19日|p.1-5|原文を見る

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決 定
被請求団体平成12年1月28日、公安審査委員会によって、3年間、公安調査庁長官の観察に付する処分を行う決定を受け、平成15年1月23日以降令和6年1月12日までの間に、3年ごとに、順次同決定に係る処分の期間を更新する決定を受けた「麻原彰晃こと松本智津夫を教祖・創始者とするオウム真理教の教義を広め、これを実現することを目的とし、同人が主宰し、同人及び同教義に従う者によって構成される団体」と同一性を有する、「人格のない社団Aleph」の名称を用いる団体
主たる事務所の所在地埼玉県越谷市北越谷一丁目20番6号
「さくらマンション」101号室
代表者氏名高橋 利通
昭和33年7月23日生(当67年)
職業団体役員
住所大阪府大阪市生野区新今里三丁目10番13号
令和8年1月29日、公安調査庁長官田野尻猛から、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律(平成11年法律第147号。以下「法」という。)第12条第1項前段の規定に基づき、被請求団体に対する法第8条の処分の請求(以下「本件処分請求」という。)があったので、当委員会は、審査の上、次のとおり決定する。
主 文
1 被請求団体は、令和8年3月21日から起算して6日間、別紙物件目録記載1から15までの土地、建物の使用をしてはならない。
2 被請求団体は、令和8年3月21日から起算して6日間、金品その他の財産上の利益の贈与を受けてはならない。
理 由
第1 本件処分請求の内容等 本件処分請求に係る処分の内容及び請求の原因となる事実等は、令和8年1月29日付け別添1「処分請求書」(以下「本件処分請求書」という。)及び同日付け別添2「令和8年1月29日付け「令和8年1月29日付け処分請求において使用禁止を求める土地及び建物の特定について(通知)」と題する書面について(回答)」(以下「本件通知回答」という。)記載のとおりであり、公安調査庁長官提出に係る証拠書類等の目録は、別添3「証拠書類等一覧表(公安調査庁提出)」記載のとおりである。
第2 本件処分請求に係る意見聴取の通知等について
1 被請求団体の代表者について
被請求団体の「運営規則」では、被請求団体の運営機関は合同会議であり、同会議は合議によって団体運営上の諸問題を取り扱うこととされ、同会議における互選により選出された運営委員により構成される運営委員会の共同幹事は対外的に本団体を代表するとされている。また、運営委員会の「副幹事は、共同幹事が欠けたとき、その職務を代行する」とされている。
被請求団体は、公安調査庁長官に対し、令和7年8月5日付け第103回「報告書」(法第5条第5項において準用する同条第3項に規定された報告の書面。なお、同「報告書」について、被請求団体は「第18回報告書」と表記)を「人格のない社団Aleph 運営委員会共同幹事 佐々木正光」名義で提出した後、同年9月7日、合同会議において、共同幹事として田中和利を選出し、その後、公安調査庁長官に対し、同年11月14日付け第104回「報告書」(被請求団体は「第19回報告書」と表記)を「人格のない社団Aleph 運営委員会共同幹事 田中和利」名義で提出しており(以下、これらの「報告書」を順次、「8月報告書」、「11月報告書」といい、これらを総称して「本件各報告書」という。)、本件処分請求の直近には、被請求団体の代表者として、後記①の者を記載していた。
これを受け、公安調査庁長官は、当委員会に対し、被請求団体の代表者を後記①の者とし、本件処分請求書を提出した。
その後、被請求団体は、公安調査庁長官に対し、令和8年2月15日付け第105回「報告書」(被請求団体は「第20回報告書」と表記)を「人格のない社団Aleph 運営委員会副幹事 高橋利通」名義で提出したため、公安調査庁長官は、同月16日、当委員会に対し、同「報告書」により被請求団体の代表者の変更が確認され、後記②の者が代表者である旨の「通知書」及び根拠資料を提出した。それによれば、同月15日時点で、運営委員会共同幹事が欠けていること及び後記②の者のみが「運営委員会副幹事」とされていることが認められる。これを受けて、当委員会としても、現在の被請求団体の代表者は後記②の者であると認めた。
① 氏名 田中和利 昭和26年12月25日生(当74年) 職業 団体役員 住所 京都府京都市南区上鳥羽鍋ケ淵町507番地
② 氏名 高橋利通 昭和33年7月23日生(当67年) 職業 団体役員 住所 大阪府大阪市生野区新今里三丁目10番13号
2 意見聴取の通知について
当委員会は、本件処分請求を受けて、法第16条の意見聴取を令和8年2月25日に行うこととし、その意見聴取に係る法第17条第1項の通知につき、同条第2項の規定に基づき同月9日付けの官報で公示する方法で行うとともに、同条第3項の規定に基づく通知書の送付として、同年1月30日、本件処分請求書に代表者として記載されていた前記1①の者に対して、「意見聴取期日等通知書」及び「陳述書及び質問書提出告知書」を送付した。これらは、いずれも、同月31日に配達された。
なお、当委員会は、公安調査庁長官から前記1記載の「通知書」が提出された後、念のため、前記1②の者に対し、同年2月17日付けで前記「意見聴取期日等通知書」と同じ内容の書面を送付し、同書面は、同月18日に配達された。
第3 当委員会における審査の概要
1 当委員会が行った措置
当委員会は、被請求団体に十分な防御の機会を与えるため、法の予定するところではないものの、当委員会の裁量により、公安調査庁長官提出に係る①本件処分請求書、②本件通知回答、③証拠書類等目録、④証拠書類等と証明すべき事実との関係を明らかにした書面(証拠説明書)及び⑤証拠(別添3記載の証拠書類等(同記載の番号543を除く。)を被請求団体に開示することとし、これら全てについて、被請求団体に閲覧の機会を付与するとともに、被請求団体の代理人たる弁護士(以下「代理人弁護士」という。)から求めがあれば、前記①から④まで並びに⑤のうち別添3記載の番号1、8、30、63、114、143、216、237、339、456、499及び523(「総括調査書」、「証1」から「証11」まで)の各証拠書類等の各写しを貸すこととして、その旨及びその証拠書類等の閲覧日(令和8年2月9日及び同月10日)等を被請求団体に連絡した。
また、当委員会は、被請求団体に対し、前記第2の2記載のとおり送付した「陳述書及び質問書提出告知書」において、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の規定に基づく規制措置の手続等に関する規則(平成11年公安審査委員会規則第1号)第7条に定める書面(意見を陳述した書面及び公安調査庁の職員に対し質問しようとする事項を記載した書面)を令和8年2月16日までに提出するよう求めた。
2 被請求団体の対応
これに対し、被請求団体は、前記1の①から⑤までの閲覧をせず、代理人弁護士も選任しなかったし、前記1の意見を陳述した書面及び公安調査庁の職員に対し質問しようとする事項を記載した書面の提出もしなかった。
そして、被請求団体は、その役職員等が正当な理由なく前記意見聴取期日に出頭せず、かつ、法第20条第3項に規定する陳述書及び証拠書類等を提出しなかった。
3 そこで、当委員会は、法第21条第1項の規定に基づいて意見聴取を終結した上、公安調査庁長官が提出した本件処分請求書及び本件通知回答並びに証拠書類等につき審査を遂げて、本決定に至ったものである。
第4 当委員会の認定
1 被請求団体が法第5条第4項の処分を受けている団体であること
(1) 当委員会は、平成12年1月28日、法第5条第1項の規定に基づき、「麻原彰晃こと松本智津夫を教祖・創始者とするオウム真理教の教義を広め、これを実現することを目的とし、同人が主宰し、同人及び同教義に従う者によって構成される団体」に対し、3年間、公安調査庁長官の観察に付する処分を行う決定をした(以下、この決定を「本件観察処分決定」といい、同団体を「本件観察処分対象団体」という。また、上記の麻原彰晃こと松本智津夫を「松本」という。)。本件観察処分決定は、同年2月1日に官報で公示され、その効力を生じた。
そして、当委員会は、本件観察処分対象団体について、いずれも法第5条第4項の規定に基づき、平成15年1月23日、平成18年1月23日、平成21年1月23日、平成24年1月23日、平成27年1月23日、平成30年1月22日、令和3年1月6日及び令和6年1月12日に、順次、3年間、公安調査庁長官の観察に付する処分の期間を更新する旨を決定した(以下、令和6年1月12日の決定を「第8回期間更新決定」という。)。第8回期間更新決定は、同月29日に官報で公示され、その効力を生じた。
(2) 当委員会は、第8回期間更新決定において、本件観察処分対象団体は、その名称を「宗教団体・アレフ」、「宗教団体アーレフ」と変遷させ、前記平成18年1月23日の決定後には、「Aleph」の名称を用いるようになり、第8回期間更新決定時には「Aleph」の名称を用いる集団等を中心として活動している旨を認定した上で、「Aleph」の名称を用いる集団が、本件観察処分対象団体と同一性を有する団体であって、法第5条第4項に規定する「第一項の処分を受けた団体」に含まれると認定するとともに、「Aleph」の名称を用いる集団について、法第5条第1項第1号、第4号及び第5号に掲げる事項に該当し、引き続きその活動状況を継続して明らかにする必要があると認めて、観察処分の期間を更新した。
(3) 被請求団体は、令和6年1月15日に、その名称を「Aleph」から「人格のない社団Aleph」に変更したが、第8回期間更新決定によって観察処分の期間更新新決定の効力が及ぶこととされた前記(2)の「Aleph」の名称を用いる集団と同一であると認められる。
したがって、被請求団体は、法第5条第4項の処分を受けている団体に該当する。
2 被請求団体が法第5条第5項において準用する同条第3項の規定による報告をしなかったこと
(1) 被請求団体は、第8回期間更新決定により、法第5条第5項において準用する同条第3項の規定に基づき、同項各号に掲げる事項(以下「要報告事項」という。)を、令和7年5月1日から同年7月末日までの分については同年8月15日を期限として、同月1日から同年10月末日までの分については同年11月17日を期限として、それぞれ公安調査庁長官に報告する義務を課されていた(以下、これらの報告を順次、「8月報告」、「11月報告」といい、これらを総称して「本件各報告」という。また、これらの報告において対象とされる期間(令和7年5月1日から同年10月末日までの間)を「本件報告対象期間」という。)。
被請求団体は、本件各報告につき本件各報告書を提出したものの、以下のとおり、本件各報告においていずれも、要報告事項の一部について報告しなかった。
(2) 被請求団体の役職員(代表者、主幹者その他いかなる名称であるかを問わず被請求団体の事務に従事する者。法第1条参照)の氏名、住所及び役職名並びに構成員の氏名及び住所(法第5条第3項第1号)の不報告
ア 役職員及び構成員である松本の二男である松本聖暉(以下「松本の二男」という。)の氏名、住所及び役職名の不報告
被請求団体は、松本の二男を、役職員及び構成員として、本件各報告書に記載していない。 しかし、①松本の二男は、被請求団体において、平成26年頃から、公安調査庁が後記のとおり被請求団体の活動の用に供されていると認められる埼玉県越谷市西方所在の通称「新越谷施設」(以下「新越谷施設」という。)への立入検査を試みた令和7年4月までの間に、被請求団体の構成員の依頼を受けて、いずれもオウム真理教において行われていた、「転生祭」なる儀式を自ら執り行い、「イニシエーション」なる儀式に際して自らの毛髪を提供するなどしていたこと、②松本の二男は、平成26年頃から令和7年4月までの間に、相応の頻度で、被請求団体の幹部構成員や一部の出家構成員との間で、オンラインの方法により、被請求団体の運営に関する会合を開催するなどして、(ア)平成26年頃から、在家構成員の出家を認める旨の意向、(イ)平成26年頃や令和4年頃、幹部構成員を「長期修行」と称する謹慎処分に付す旨の意向、(ウ)平成27年頃、被請求団体が当事者となっていた訴訟の応訴方針に関する意向、(エ)平成28年頃、構成員が支出することとなる「医療費」を被請求団体の「経費」から支出することができる旨の経理の方針を見直す旨の意向、(オ)平成30年頃、オウム真理教犯罪被害者支援機構に対する損害賠償金の支払を停止する旨の意向、(カ)令和2年頃、要報告事項を公安調査庁長官に報告するための「報告書」を作成するに際し、従前記載していた収益事業を記載しないこととする旨の意向、(キ)令和2年頃、公安調査庁から送付された文書の取扱いに関する意向、(ク)令和4年頃、「長期修行」に付された構成員の代わりに、出家構成員の中から共同幹事を選出する旨の意向、(ケ)令和5年頃、被請求団体において、マイクロバスを購入などするに当たりその旨指示、(コ)令和7年頃、自らの意向に沿った行動を取らない幹部構成員を被請求団体内において孤立させ、位階を剥奪する旨の意向、(サ)令和6年から令和7年頃にかけて、出家構成員に対し、公安調査庁に対して抵抗する姿勢を示す旨の指示などを伝達していたこと、③被請求団体においては、松本の二男の意向が示された後、合同会議において、当該意向に沿った決定を行っていたことなどからすれば、松本の二男は、被請求団体の一員としてその事務に従事していたと認められるところ、本件報告対象期間において、そのような認定を覆すに足りる事情が存したことはうかがわれないのであるから、松本の二男は、本件報告対象期間においても、被請求団体の役職員及び構成員であったと認められる。
したがって、被請求団体は、報告すべき役職員及び構成員である松本の二男の氏名、住所及び役職名を報告しなかったと認められる。
イ 役職員及び構成員である松本明香里(松本の配偶者であった者。以下「松本の妻」という。)の氏名、住所及び役職名の不報告
被請求団体は、松本の妻を、役職員及び構成員として、本件各報告書に記載していない。 しかし、松本の妻は、①平成14年頃から令和7年11月までの間、「絵画使用料」の名目で、被請求団体から、毎月40万円の資金の送金を受け、その資金の管理をしていること、②新越谷施設に松本の二男と二人で滞在し、新越谷施設の管理をしていること、③平成26年頃から令和7年4月までの間に、前記アのとおり、松本の二男が被請求団体の幹部構成員等との間で行っていたオンラインの方法による被請求団体の運営に関する会合に参加し、自ら発言することもあったこと、④令和元年頃から令和2年頃までの間に、被請求団体における経理に関して、構成員とやりとりし、自らの考えを伝えていたことなどからすれば、松本の妻は、被請求団体の一員としてその事務に従事していたと認められるところ、本件報告対象期間において、そのような認定を覆すに足りる事情が存したことはうかがわれないのであるから、松本の妻は、本件報告対象期間においても、被請求団体の役職員及び構成員であったと認められる。
したがって、被請求団体は、報告すべき役職員及び構成員である松本の妻の氏名、住所及び役職名を報告しなかったと認められる。
ウ 20歳未満の構成員の氏名及び住所の不報告
被請求団体は、20歳未満の構成員を本件各報告書に記載していない。
しかし、①令和5年7月から同年9月中に、被請求団体が活動の用に供する合計6の施設において、62名の20歳未満の者(同年7月末又は同年9月末の時点において、このうち60名は18歳未満であった。)が出入りする状況が確認されていること、②令和4年5月に実施された、被請求団体が活動の用に供する札幌市白石区本通所在の通称「札幌白石施設」に対する立入検査において、在家構成員とみられる者の氏名等が入力された名簿データが確認され、同名簿データに入力されていた441名のうち60名が20歳未満であり、その60名のうち38名が同年4月及び同年5月中に同施設を来訪したことが記録されていたこと、③被請求団体自身が、訴訟(東京地方裁判所令和3年(行ウ)第259号)に提出した令和4年2月28日付け準備書面において、20歳未満の構成員がいることを自認していたこと、④令和7年10月から同年12月中に実施された、被請求団体が活動の用に供する合計7の施設に対する立入検査において、未成年者を対象とする教材が確認されたことなどからすれば、本件報告対象期間においても、被請求団体に20歳未満の構成員が存在していたと認められる。
したがって、被請求団体は、報告すべき20歳未満の構成員の氏名及び住所を報告しなかったと認められる。
エ 一部在家構成員の氏名及び住所の不報告
被請求団体は、本件各報告書において、在家構成員につき、「[3] 人格のない社団Aleph の出家会員・在家会員の氏名及び住所(居所)」との記載の下に、「②在家会員関係」などと題して、在家構成員の「氏名」、「フリガナ」及び「住所」欄を設けた一覧表の形式で記載している。
しかし、本件各報告書では、「あくまでも『在家』に過ぎない会員の一部については、白抜きの扱いとする。」などと記載した上で、当該記載の直下に、前記各欄を空欄にした表(8月報告の際に提出された8月報告書では28行分(28人分)、11月報告の際に提出された11月報告書では41行分(41人分))を記載していることが認められる。
したがって、被請求団体は、報告すべき在家構成員の一部について、その氏名及び住所を報告しなかったと認められる。
(3) 被請求団体の出家構成員の位階(法第5条第3項第6号)の不報告
ア 当委員会は、第8回期間更新決定において、法第5条第3項第6号に規定する「公安審査委員会が特に必要と認める事項」として、本件観察処分対象団体の構成員に関する出家信徒及び在家信徒の別並びに出家信徒の位階を要報告事項とした。
イ 被請求団体は、出家信徒、すなわち出家構成員の位階を本件各報告書に記載していない。
しかし、①令和元年11月14日付け第80回「報告書」(以下「第80回報告書」という。)まで出家構成員の位階が記載されていたが、その後、位階制度が廃止されたことはうかがわれないこと、②令和7年10月から同年12月までの間に実施された、被請求団体が活動の用に供する各施設に対する立入検査において、「師」、「師補」などの位階が記載された物件が多数確認されていることなどからすれば、本件報告対象期間においても、被請求団体が引き続き位階制度を設けており、出家構成員が位階を有していたと認められる。
ウ したがって、被請求団体は、報告すべき出家構成員(出家信徒)の位階を報告しなかったと認められる。
(4) 被請求団体の活動の用に供されている土地又は建物の所在、地積(規模)及び用途(法第5条第3項第2号及び第3号)の不報告
ア 新越谷施設の不報告
被請求団体は、新越谷施設について、その土地及び建物の所在、地積(規模)及び用途を本件各報告書に記載していないが、以下のとおり、新越谷施設は被請求団体の活動の用に供されていると認められる。
すなわち、①いずれも被請求団体の役職員である松本の妻及び松本の二男が、それぞれ、平成25年5月、平成26年1月から、いずれも新越谷施設を住民票上の住所地とし、公安調査庁が同所への立入検査を試みた令和7年4月までの間に、継続的に同所に滞在していること、
②松本の二男が、前記②アのとおり、平成26年頃から令和7年4月までの間に、新越谷施設を拠点として、相応の頻度で、被請求団体の幹部構成員等との間で、オンラインの方法により、被請求団体の運営に関する会合を開催し、前記②イのとおり、松本の妻もこれに参加していること、③松本の二男が、前記②アのとおり、平成26年頃から令和7年4月までの間に、新越谷施設を拠点に、「転生祭」なる儀式を執り行っていること、④以上のように、新越谷施設内においては、被請求団体に関連する活動が行われており、これを裏付けるように、令和7年4月、新越谷施設において松本の写真や被請求団体の修行に用いる教材等が確認されていること、⑤公安調査庁が立入検査を試みた令和7年4月以降、松本の妻及び松本の二男は、新越谷施設を離れているものの、新越谷施設を住民票上の住所地とし続け、両名とも、裁判所に対し書面を提出する際、新越谷施設を住所地としていることに加え、松本の妻は、新越谷施設付近の駐車場を賃借し続けていることといった事実関係に照らせば、新越谷施設は、令和7年4月まで、実際に松本の二男及び松本の妻が被請求団体の活動を行う場所として用いられ、現時点においても、両名が被請求団体の活動を行うことが可能な施設として維持されているといえるから、被請求団体の活動の用に供されている土地及び建物に当たると認められる。
したがって、被請求団体は、報告すべき新越谷施設の所在、地積(規模)及び用途を報告しなかったと認められる。
イ 通称「水口施設」の不報告
被請求団体は、滋賀県甲賀市水口町所在の通称「水口施設」(以下「水口施設」という。)について、その土地及び建物の所在、地積(規模)及び用途を本件各報告書に記載していないが、以下のとおり、水口施設は被請求団体の活動の用に供されていると認められる。
すなわち、①水口施設は、その土地及び建物につき、被請求団体の出家構成員が所有名義人となっているが、後記⑤イ(ア)のとおり、被請求団体においては、いわゆる「不所有の戒律」によって、出家構成員による資産所有は認められておらず、その全てを被請求団体に布施することとされていること、②被請求団体が出家構成員を施設に集団居住させながら修行を行わせていること、③令和7年2月16日付け第101回「報告書」(以下「令和7年2月報告書」という。なお、被請求団体は「第16回報告書」と表記)に記載された出家構成員の一覧の中に、水口施設の所在地を住所とする出家構成員3名が記載されており、令和7年12月の時点においても、前記出家構成員3名の住民票上の住所地が水口施設の所在地となっていること、④令和6年10月に実施された水口施設に対する立入検査において、松本の写真、仏画、法具及び生活用品などが確認されていることなどの事実関係に照らせば、水口施設は、出家構成員の修行の場として用いられているといえる。よって、水口施設は、被請求団体の意思決定に基づいてその活動を行う場所として用いられているといえるから、被請求団体の活動の用に供されている土地及び建物に当たると認められる。
したがって、被請求団体は、報告すべき水口施設の所在、地積(規模)及び用途を報告しなかったと認められる。
ウ 通称「甲賀信楽施設」の不報告
被請求団体は、滋賀県甲賀市信楽町所在の通称「甲賀信楽施設」(以下「甲賀信楽施設」という。)について、その土地及び建物の所在、地積(規模)及び用途を本件各報告書に記載していないが、以下のとおり、甲賀信楽施設は被請求団体の活動の用に供されていると認められる。
すなわち、①甲賀信楽施設は、その土地及び建物につき、出家構成員が所有名義人となっているが、後記⑤イ(ア)のとおり、被請求団体においては、いわゆる「不所有の戒律」によって、出家構成員による資産所有は認められておらず、その全てを被請求団体に布施することとされていること、②被請求団体が出家構成員を施設に集団居住させながら修行を行わせていること、③令和7年2月報告書に記載された出家構成員の一覧の中に、甲賀信楽施設の所在地を住所とする出家構成員5名が記載されており、令和7年12月の時点においても、前記出家構成員5名を含む出家構成員6名の住民票上の住所地が甲賀信楽施設の所在地となっていること、④同年12月に実施された甲賀信楽施設に対する立入検査において、生活用品などが確認されていることなどの事実関係に照らせば、甲賀信楽施設は、出家構成員の修行の場
として用いられているといえる。よって、甲賀信楽施設は、被請求団体の意思決定に基づいてその活動を行う場所として用いられているといえるから、被請求団体の活動の用に供されている土地及び建物に当たると認められる。
したがって、被請求団体は、報告すべき甲賀信楽施設の所在、地積(規模)及び用途を報告しなかったと認められる。
エ 通称「北越谷施設」の一部の不報告
被請求団体は、埼玉県越谷市北越谷所在の通称「北越谷施設」(全10室からなるマンション1棟。以下「北越谷施設」という。そのうちの301号室、303号室、401号室及び402号室が別紙物件目録記載15の建物である。)のうち、201号室、301号室、303号室、401号室及び402号室(以下「201号室等」と総称する。)の所在、規模及び用途を本件各報告書に記載していないが、以下のとおり、201号室等は被請求団体の活動の用に供されていると認められる。
すなわち、①201号室等を含む北越谷施設の全10室につき、合同会社宝樹社(以下「宝樹社」という。)が所有名義人となっているが、後記⑤イのとおり、宝樹社は、被請求団体が営む収益事業であると認められること、②賃貸人を宝樹社、賃借人を被請求団体として、令和元年6月1日から令和6年5月31日までの間、全10室を一括して「事務所、住居、倉庫」として賃貸する旨の令和元年5月31日付け賃貸借契約書が作成されていること、③令和7年12月に実施された北越谷施設に対する立入検査の際、201号室等を含む北越谷施設の全10室が、事務所、居室、倉庫、道場等として被請求団体により現に使用され又は使用可能な状態で管理されていることが確認されたことなどの事実関係に照らせば、201号室等は、被請求団体の事務所等として用いられているといえる。よって、201号室等は、被請求団体の意思決定に基づいてその活動を行う場所として用いられているといえるから、被請求団体の活動の用に供されている建物に当たると認められる。
したがって、被請求団体は、報告すべき201号室等の所在、規模及び用途を報告しなかったと認められる。
(5) 被請求団体の営む収益事業の種類及び概要、事業所の名称及びその所在地、当該事業の責任者及び従事する構成員の氏名並びに各事業に関する会計帳簿を備え置いている場所(その会計帳簿が電磁的記録で作成されている場合には、当該電磁的記録の保存媒体の保管場所)(法第5条第3項第6号)の不報告
ア 当委員会は、第8回期間更新決定において、法第5条第3項第6号に規定する「公安審査委員会が特に必要と認める事項」として、本件観察処分対象団体(その支部、分会その他の下部組織を含む。以下、この項において同じ。)の営む収益事業(いかなる名義をもってするかを問わず、実質的に本件観察処分対象団体が経営しているものをいう。)の種類及び概要、事業所の名称及びその所在地、当該事業の責任者及び従事する構成員の氏名並びに各事業に関する会計帳簿を備え置いている場所(その会計帳簿が電磁的記録で作成されている場合には、当該電磁的記録の保存媒体の保管場所)(以下「収益事業の種類及び概要等」と総称する。)を要報告事項とした。
しかし、被請求団体は、次のイ記載のとおり被請求団体の営む収益事業であると認められる、○合同会社キャラバンエンタープライズ、○合同会社徳行、○合同会社サポート・オブ・ライフ、○合同会社栄光、○宝樹社、○合同会社プラナポルテ、○有限会社泰文堂及び○有限会社ブレイン・マネージメント(以下、これらの8の収益事業について、その名称を省略し、単に、「⊖」、「⊕」のようにいう。)について、これら収益事業の種類及び概要等を本件各報告書に記載していない。
イ 以下のとおり、被請求団体は、⊖から⊕までの各収益事業を営んでいるものと認められる。
(ア) 各収益事業の出資者等がいずれも出家構成員であるところ、出家構成員による資産所有は禁じられていること
⊖から⊕までの各収益事業に係る定款及び「同族会社等の判定に関する明細書」等により認められる出資者は、いずれも出家構成員と認められる。また、⊖から⊕までの各収益事業に係る履歴事項全部証明書の「社員に関する事項」又は「役員に関する事項」に記載された「業務執行社員」、「代表社員」及び「取締役」も、いずれも出家構成員と認められる。
そして、かかる出家構成員については、松本が、「諸君は出家し、シャモン生活を営んでいる。」、「オウムのシャモンの生活は不所有である。」などと説法するなど、被請求団体においては、いわゆる「不所有の戒律」が存在し、出家構成員による資産所有は認められておらず、その全てを被請求団体に布施することとされており、実際に、複数の収益事業の出資者とされる者等が、陳述書(「平成27年(ワ)第12143号 株主名簿書換請求事件」又は「平成28年(ネ)第4818号 株主名簿書換請求控訴事件」などと記載されたもの。)に、「出家構成員に資産はない。」旨記載している。
(イ) 各収益事業の従業員が出家構成員であること
各収益事業に係る給与関係資料等により特定された①から⑥まで、④及び⑧の従業員は、いずれも出家構成員と認められる(なお、⑥については、証拠上、責任者以外の従業員が確認されていない。)。
(ウ) 各収益事業の本店所在地が被請求団体の管理施設であること
①から⑧までの各収益事業に係る履歴事項全部証明書に記載された本店の所在地はいずれも、被請求団体の構成員が出入りする、被請求団体の活動の用に供されている建物に当たると認められる。
(エ) 各収益事業の事業内容が在家構成員への指導や物品販売等であること
①から⑧までの各収益事業のうち、①から③までの各収益事業の事業内容は、被請求団体の活動の用に供されている各施設の管理や当該施設を含むエリアに所在する在家構成員への物品販売及びセミナーの実施等を行うことであると認められ、④から⑧までの各収益事業の事業内容は、法人格のない被請求団体に代わってその名義で施設を取得の上、同施設を管理し、被請求団体の活動の用に供することのほか、被請求団体の構成員に提供するための食品を含む物品の販売及び被請求団体の機関誌の印刷等を行うことであると認められ、いずれも被請求団体の活動の一部をその事業として行っているものといえる。
また、そのことを裏付けるように、複数の収益事業の代表者が陳述書(「平成27年(ワ)第12143号 株主名簿書換請求事件」又は「平成28年(ネ)第4818号 株主名簿書換請求控訴事件」などと記載されたもの。)に、収益事業が被請求団体の活動の一門である旨記載し、被請求団体自身も訴訟(さいたま地方裁判所平成30年(ワ)第1673号)において、これと同旨の主張をするなどしている。
(オ) 収益事業の運営の実際
前記(ア)から(エ)までのほか、被請求団体が①から⑧までの各収益事業を営んでいることを指し示す事情として、①北越谷施設は、被請求団体の経理関係などを司る機能を有しているところ、同施設を住所とする出家構成員らが、①から⑧までのうち複数の収益事業に係る従業員を兼務しており、これらの収益事業の経理関係の業務を担当していることがうかがわれる。
また、②被請求団体が平成26年11月13日付け第60回「報告書」等において「出家会員が会員を対象として営む事業体」として記載していた「行晃」という収益事業に関し、被請求団体自身が前記訴訟において、「行晃」の経理面を担当させるため、被請求団体の指示により出家構成員を「行晃」に配属させた旨の主張をしていた事実が存在する。
さらに、③被請求団体が前記訴訟において、被請求団体の指示で出家構成員を各施設に配属させていた旨主張し、これを裏付けるように、例えば、ある出家構成員の就業先が①から③、③から⑩と変遷するのに合わせて、その住所が①の関連施設から③の関連施設、③の関連施設から⑩の関連施設に順次変遷するなど、被請求団体の出家構成員の就業先と住所に対応関係が認められる。
(カ) 従前の報告状況等
被請求団体は、①から⑧までの各収益事業についてそれらの前身も含め、第80回報告書まで、それぞれ長期にわたって継続的に報告し続けてきたものであり、第80回報告書提出後、これらの各収益事業の経営体制や事業内容等に変化が生じたというような事情もうかがわれない。
(キ) 本件報告対象期間中も被請求団体が①から⑧までの各収益事業を営んでいると認められること
以上のとおり、①から⑧までの各収益事業については、その人的側面((ア)及び(イ))、物的側面((ウ))及び活動的側面((エ))のいずれの観点からも、被請求団体がこれらを営んでいることと整合する事実関係が認められるほか、実際の収益事業の運営状況を見ても、被請求団体がこれらの各収益事業を営んでいることを指し示す事情が存在する((オ))上、被請求団体は、従前、これらの収益事業について継続的に報告してきた((カ))のであって、以上の事実関係を総合すれば、被請求団体は、本件報告対象期間中も継続して、①から⑧までの各収益事業を営んでいたと認められる。
ウ したがって、被請求団体は、報告すべき①から⑧までの各収益事業の種類及び概要等を報告しなかったと認められる(なお、「VBシステム」に関しては、公安調査庁長官からの請求を受け、法第8条第1項柱書き後段の規定に基づき、当委員会が令和7年9月3日付けで行った、被請求団体に対し、6月間、その所有又は管理する土地、建物の使用を禁止し、金品その他の財産上の利益の贈与を受けることを禁止する旨の決定(以下「令和7年9月決定」という。)において、詳細を認定したとおり、①から⑧までの収益事業と同様に、被請求団体が営んでいた収益事業に該当し、本件報告対象期間中も、口座の動きが認められ、活動が皆無とはいえないものの、本件処分請求において、被請求団体が営んでいた収益事業として掲げられていない。これは、「VBシステム」が、令和8年3月に廃業することとされており、本件報告対象期間における活動についても、その事業所としていた甲賀信楽施設の利用状況も含め、廃業を控えた限定的なものであることから、本件処分請求においては、「VBシステム」の不報告は「無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握することが困難である」(法第8条第1項柱書き後段)とまでは認められないと考えたためである。このことを踏まえ、「VBシステム」については、再発防止処分の要件となる不報告の対象と認めなかった。)。
(6) 被請求団体の資産及び負債のうち政令で定めるもの(法第5条第3項第4号)の不報告
ア 預貯金についての不報告
被請求団体は、令和3年2月14日付け第85回「報告書」までは、「6 Alephの資産及び負債」、「[1]Alephの資産」、「⑫預貯金 Alephが所有する預貯金は以下のとおりである。」などとして、⑦ゆうちょ銀行に開設された「上田竜也」名義の通常預金口座、①みずほ銀行日本橋支店に開設された「ALP 上田竜也」名義の普通預金口座、⑨三菱UFJ銀行日本橋支店に開設された「ALP 上田竜也」名義の普通預金口座、①新生銀行本店に開設された「上田竜也」名義の普通預金口座、④三菱UFJ銀行新宿中央支店に開設された「上田竜也」名義の普通預金口座、⑦埼玉りそな銀行越谷支店に開設された「アーレフ上田竜也」名義の普通預金口座、④みずほ銀行草加支店に開設された「上田竜也」名義の普通預金口座、⑦三菱UFJ銀行草加支店に開設された「田端三園」名義の普通預金口座、⑦同行千住中央支店に開設された「FPA 上田竜也」名義の普通預金口座及び③みずほ銀行千住支店に開設された「FPA 上田竜也」名義の普通預金口座の合計10の口座(以下「本件10口座」という。)に係る預貯金について、預貯金の種類、金融機関名、残高及び口座名義人の氏名又は名称(以下「預貯金の種類等」と総称する。無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律施行令(平成11年政令第403号)第2条第1号ホ)を記載していたが、令和3年11月11日付け第86回「報告書」及び同日付け第87回「報告書」においては、本件10口座のうち前記⑦、④及び⑦に係る預貯金の種類等のみを記載し、同月14日付け第88回「報告書」以降に提出された「報告書」においては、本件各報告書を含め、本件10口座に係る預貯金の種類等を記載していない。
しかし、①本件10口座に係る預貯金については、前記のとおり、「Alephの資産」、「Alephが所有する預貯金」として報告されていたこと、②令和7年12月に実施された北越谷施設に対する立入検査において、本件10口座に係るキャッシュカード及び本件10口座のうち前記④を除く9口座に係る通帳が保管され、預貯金の出納を記録した電磁的記録内に本件10口座の取引履歴が管理されているのが確認されたこと、③本件10口座の口座名義人とされる「上田竜也」及び「田端三園」の両名はいずれも、本件各報告書において、被請求団体の経理担当者であり、かつ、出家構成員である旨記載されており、被請求団体においては、前記(5)(ア)のとおり、出家構成員による資産所有が禁じられていることなどの事実関係に照らせば、本件報告対象期間中も、本件10口座に係る預貯金は、被請求団体の資産であったと認められる。
したがって、被請求団体は、報告すべき本件10口座に係る預貯金の種類等を報告しなかったと認められる。
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公安調査委員会告示第二号(無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律に基づく処分請求に対する回答) - 第1頁
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