関西強靭化・防災連携プロジェクト
左の本文を選ぶと、右側の官報原文画像で該当箇所を照合できます。
6. 関西強靭化・防災連携プロジェクト
災害から人々の生命、財産を守り、社会経済活動を継続させるためには、「国土の基盤となるインフラ」の整備と維持・管理を基本としつつ、地域住民や災害対応機関の連携や、災害支援に必要な物資(=「モノ」)、企業が経済活動を継続できる仕組み(=「カネ」)、災害対応に必要な「情報」を強化する必要がある。
地域力を結集・発揮しながら、ハード・ソフト一体の諸施策を行うことで、強化を図る。
また、首都圏の中核管理機能を始めとする他圏域の機能のバックアップを担う取組を強化していく。
○洪水・内水・高潮・土砂災害対策
・国民の安全・安心を確保するため、関連法制などに基づき、「流域治水プロジェクト2.0」により治水能力の向上に取り組むなど、国・府県・市町村・地域の企業・住民等、あらゆる関係者が協働して流域全体で行う「流域治水」を推進し、気候変動などによる将来の自然災害リスクに適応したハード・ソフト一体となった総合的な防災・減災対策を進める。なお、流域治水の取組においては、自然環境が有する多様な機能をいかすグリーンインフラの考えを普及させ、災害リスクの低減に寄与する生態系の機能を積極的に保全又は再生することにより、生態系ネットワークの形成に貢献することも重要である。
○地震・津波対策
・南海トラフなどの地震、津波による災害から人命や資産を防護するため、河川・海岸保全施設・港湾施設の整備、耐震化、嵩上げや液状化対策、巨大地震を見据えた紀伊半島アンカールートなどの整備、緊急輸送道路の橋梁や上下水道施設の耐震対策、被災時における情報通信サービスや電力などのライフラインの被害を最小限にとどめるための対策、土砂災害対策及び防災公園や津波避難施設の整備を推進する。特に、最大クラスの津波に対しても、津波来襲時に変形はするが粘り強く施設の効果を発揮する「粘り強い構造」の防波堤等の整備を推進する。和歌山下津港海岸においては、護岸の補強・かさ上げと津波防波堤、水門を組み合わせた施設整備を実施し津波浸水被害の軽減を図る。また、令和6年能登半島地震で浮きぼりになった、半島地域におけるアクセスの脆弱さなどを踏まえ、同様に半島地域を有する関西においても、防災・減災対策に取り組む。
○災害時における交通機能の確保
・災害時には「命の道」となる紀伊半島のアンカールートを構成する京奈和自動車道、近畿自動車道紀勢線や五條新宮道路、奈良中部熊野道路を始め、高規格道路等の整備を推進する。巨大災害リスクの切迫も踏まえ、時間距離の短縮に加え、ネットワークの多重性・代替性といったリダンダンシーの確保の観点を考慮し、高規格道路ネットワークのサービスレベルを把握した上で、未整備区間の解消や、暫定2車線区間の4車線化等、必要な機能向上の加速化を図るとともに、海峡部などを連絡するプロジェクトについて長期的視点から取り組む。
○安全な農山漁村の実現
・農山漁村には、その地形条件などから土砂災害などの危険性が高い箇所が多い。このような箇所における土砂災害防止施設・治山施設の整備、荒廃山地や荒廃危険山地の復旧整備、孤立を防止するネットワークの保全、孤立時における非常用通信設備の整備、より安全な地域への居住などの誘導等を推進する。さらに、流域治水の取組として、農業用ダムの洪水調節機能の強化、「田んぼダム※38」の取組、農村地域の排水対策等を推進するとともに、森林の適切な保全管理により、中小洪水の緩和や山地災害防止等の国土保全機能を維持、発揮させる。
○首都圏の有する諸機能のバックアップ
・大規模災害に強い国土形成に資する極めて重要な高速交通インフラであるリニア中央新幹線の開業などによる日本中央回廊の形成により、首都圏との人流や物流の多重性を確保するとともに、官民それぞれで平時からの首都圏とのデュアルオペレーション体制の構築を促進する。