農林水産物・食品の生産現場に対する関心向上と食育推進に関する施策
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(2) 取り組むべき施策
国は以下の施策に取り組むとともに、地方公共団体等はその推進に努める。
(農林漁業者等による食育の推進)
農林漁業に関する体験活動は、農林水産物の生産現場に関する関心や理解を深めるだけでなく、国民の食生活が自然の恩恵の上に成り立っていることや食に関わる人々の様々な活動に支えられていること等に関する理解を深める上で重要であることから、農林漁業者及び農林漁業に関する団体は、学校、保育所等の教育関係者をはじめとした食育を推進する広範な関係者等と連携・協働し、幅広い世代に対して教育ファーム等農林漁業に関する多様な体験の機会を積極的に提供するよう努める。
国や地方公共団体において、それぞれの地域性を考慮の上、酪農教育ファーム等の民間主導の取組等も含め、全国の農林漁業体験に関する情報の取りまとめや発信等、必要な情報提供等により、農林漁業者等の活動の支援や消費者の参加を促す。
また、海や漁村の地域資源を活用し、地域の所得向上と雇用機会の確保を図る海業の全国展開の加速化に向けて、魚を食べることに留まらない、魚の生産から消費、生活文化までを総合的かつ立体的に繋げる「ぎょしょく」の普及等、食育の推進につながる漁村地域の取組についても支援を行う。
(子供を中心とした農林漁業体験活動の促進と消費者への情報提供)
子供を中心として、農林水産物の生産における様々な体験の機会を拡大し、食に対する関心と理解を深める必要があることから、農林漁業体験活動を促進するため、情報提供の強化、受入体制の整備等を進める。その際、子供の学びや生産者のやりがいにつながるような異世代交流が進むよう配慮する。
また、子供の農山漁村体験については、「地方創生に関する総合戦略~これまでの地方創生の取組のフォローアップと推進戦略~」に基づく「子ども農山漁村交流プロジェクト」の一環として、関係府省庁が連携して取組を推進する。
具体的には、学校教育活動等における取組支援や宿泊体験の講師派遣等、農山漁村体験に参加する学校等(送り側)における宿泊体験活動等の取組、農泊の推進体制整備や自然体験プログラムの開発・実施等、体験の実施地域である農山漁村等(受入側)の取組を支援する。また、食育の効果を高めるため宿泊体験後も給食で受入側の食材を使う等の工夫を行っている事例の共有等、送り側と受入側の地方公共団体双方が連携して行う取組の支援を行うとともに、セミナー等による優良事例やノウハウの共有を行う。
さらに、国民の体験活動への関心を高めるため、SNS等、様々な媒体の活用により周知し、食料の生産から消費等に至るまでの継続した体験につながるように、関係機関等の連携を深める。
(都市と農山漁村の共生と交流の促進)
都市住民と農林漁業者の交流を促進するため、農泊における都市住民への農山漁村の情報提供と農山漁村での受入体制の整備等の取組を推進するとともに、産直活動等の生産者と消費者が直接つながる取組を推進する。また、生産者が都市部で食や農の情報発信を行うといった双方向の交流を後押しする。
また、官民協働の下、地域の食品・農林水産物等の地域資源を活用した様々な食育活動に取り組むことで、地域の農林水産業や食文化への理解を醸成する「豊かな食と農のまちづくり」を推進する。
(農山漁村の維持・活性化)
食を生み出す場である農山漁村の地域社会を維持していくためには、農山漁村内部の人口の維持及び農林水産業・農山漁村に継続的に関わる外部の多様な人材の拡大が重要であることから、里業・森業・海業の取組を含む、中山間地域等の条件不利地を含めた農山漁村の多様な地域資源を活用して所得の向上と雇用の創出を図る取組や、農村に人が住み続けるための条件整備等を、民間企業、農山漁村を含めた地域振興に係る関係省庁と連携して推進する。
また、障害者等が農業分野での活躍を通じ、自信や生きがいを携って社会参画することを図る農福連携を推進し、地域共生社会の実現を通じて障害者等も食育の推進に貢献できるよう、地域での取組を後押しする。
(地産地消の推進)
生産者と消費者の結びつきの強化に資する直売所等において、多様な品目の生産・供給体制の構築、直売所間の連携強化、加工品の開発を推進するとともに、学校、社食等施設の給食における地域の農林水産物の安定的な生産・供給体制の構築を推進することにより、地域の農林水産物の利用促進を図る。こうした地産地消の推進により、環境への負荷の低減に貢献する。また、地域の農林水産物の利用促進による特色ある食文化等の理解増進を通じたふるさと教育との連携を図る。
さらに、都道府県や市町村に地域の食品企業や農林漁業者等の多様な関係者が参加するコンソーシアムを設置し、地域の核となる食品企業・農林漁業者等が連携した新たなビジネスの創出や食品企業間の協調を図る実証等の取組、「地理的表示保護制度」(GI保護制度)の登録・活用推進や認知度向上を図る取組等、地産地消にもつながる取組を推進する。
くわえて、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律の再生利用事業計画(食品リサイクル・ループ)制度の活用等により、地域で発生した食品循環資源を再生利用して得られた肥料や飼料を利用して生産された農林水産物の地域での利用を推進する。
(食料の持続的な供給に向けた消費行動の促進)
食料・農業・農村基本法第14条において、消費者の役割として、農業等への理解を深めるとともに、消費に際して食料の持続的な供給に資する物の選択に努めることとされており、消費者の生産現場等への理解は、国産農産物の選択等の実際の行動変容を促すためにも重要である。