その他令和8年7月30日

学校、保育所等における食育の推進(現状と今後の方向性、取り組むべき施策)

掲載日
令和8年7月30日
号種
号外
原文ページ
p.52
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抽出された基本情報
発行機関文部科学省

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学校、保育所等における食育の推進(現状と今後の方向性、取り組むべき施策)

令和8年7月30日|p.52|原文を見る

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2. 学校、保育所等における食育の推進
(1) 現状と今後の方向性
家庭環境や社会状況の変化等に伴い、家庭や地域で健全な食生活の実践が困難な場面が増えており、また、子供たちの食の乱れや健康への影響が見られ、農業等の生産現場の実態を知らない子供が増えていることから、学校、保育所等には、家庭や地域等と連携して、子供への食育を進めていく場として大きな役割を担うことが求められている。例えば、様々な学習や体験を通し、食料の生産から消費等に至るまでの食の循環を知り、自然の恩恵として命をいただくことや食べ物が食卓に届くまでの全ての人に感謝する気持ちを育むことは重要であり、農林漁業体験の機会の提供等を通じた食育の推進に努めることが求められている。
学校においては、学童期、思春期における食育の重要性を踏まえ、一定の指導が行われるよう、全国の学校において、改正後の食育基本法の趣旨を踏まえ、食に関する指導に係る全体計画を作成し、それに基づき、給食の時間はもとより、各教科等の時間における指導や、農林漁業体験の機会の提供等をはじめとする「農林漁業教育」を推進することで、積極的に食育の推進に努め、子供たちの食や農林漁業に対する関心や理解を、食を営む力として評価していくことが求められている。なお、指導に当たっては、今後改訂が予定されている学習指導要領の内容を踏まえ、国において体系的な食に関する指導の方向性を示した上で、各学校等の状況を考慮して実施することが必要である。その際、全国的な取組状況を把握し、評価・分析の上、その結果を周知することも重要である。
学校給食は、子供たちの食に関する理解を深めるための「生きた教材」として、重要な役割を果たすものであり、学校給食の目標を踏まえ、多様な食品を適切に組み合わせて、子供が各栄養素をバランス良く摂取しつつ、関心を持ちながら様々な食に触れることができる機会とするとともに、地場産物や有機農産物の活用等により、効果的な食育を推進していくことが求められる。また、令和8年4月から公立小学校段階での学校給食費の抜本的な負担軽減が行われているところ、関係省庁が連携して、栄養水準の確保や地産地消の推進等、給食の質の向上に向けた取組を推進することも必要である。
地場産物や有機農産物の活用に当たっては、学校給食に使いやすい農産物の調達に向けた関係者間の事前の調整が必要となるほか、農産物の安定的な生産・供給に関する課題等も存在しており、学校給食関係者と農林漁業関係者等との連携を深めること等が重要である。
保育所等においては、就学前の子供が望ましい食習慣を定着させるとともに、食に関する体験を積み重ねていくことができるよう、家庭や地域等と連携した食育の推進が重要である。
(2) 取り組むべき施策
国は以下の施策に取り組むとともに、地方公共団体等はその推進に努める。
(食に関する指導の充実)
学校においては、体育科(保健体育科)、家庭科(技術・家庭科)及び特別活動はもとより、それ以外の各教科等においてもそれぞれの特質に応じ、学習指導要領や本計画に基づき、学校教育活動全体を通じて主体的に行動できる子供を育成するための食育を組織的・計画的に推進する。
学校における食に関する指導が充実するよう、地方公共団体に対して、食に関する指導の状況について調査及び情報の提供等適切な支援を行う。
栄養教諭は、学校の食に関する指導に係る全体計画の策定、教職員間や家庭との連携・調整等において中核的な役割を担う職であり、各学校における指導体制の要として、食育を推進していく上で不可欠な教員であり、栄養教諭を中核として、関係者が連携した体系的・継続的な食育を推進する。
全ての児童生徒が、栄養教諭の専門性を生かした食に関する指導を等しく受けられ、食育の充実が図られるよう、栄養教諭の役割の重要性やその成果の普及啓発等を通じて、学校栄養職員の栄養教諭への速やかな移行に引き続き努める。また、地域による栄養教諭配置状況の格差を解消すべく、新規採用や学校栄養職員からの速やかな移行等により、一層の配置を促進する。さらに、栄養教諭がその能力を最大限発揮し、食に関する指導と学校給食の管理を一体のものとして行うために、栄養教諭の育成とその資質能力の向上を推進する。
学校教育活動全体で食育の推進に取り組むためには、各学校において食育の目標や具体的な取組についての共通理解を持つことが必要である。このため、校長や他の教職員への研修の充実や食育教材の改訂等、学校関係者の意識を向上し、全教職員が連携・協働した食に関する指導体制を充実するための取組を促進する。食に関する指導や研修等においては、食料安全保障や食料の合理的な価格の形成、食品ロスの削減等の様々な課題に対しても理解が深まるよう実施する。
また、各学校においては、食に関する指導の時間が十分確保されるよう、今後改訂が予定されている学習指導要領の内容を踏まえた体系的な食に関する指導の方向性を基に、食に関する指導に係る全体計画を見直し、各学校等の状況を考慮して実施する。
くわえて、効果的な食育の推進を図るために、各地域において、校長のリーダーシップの下、栄養教諭を中核として、学校、家庭、PTA、関係団体等が連携・協働した取組を推進するとともに、その成果を広く周知・普及する。
(学校給食も活用した食に関する指導の充実)
児童生徒が食に関する正しい知識や望ましい食習慣を身に付け、適切な栄養の摂取に加え、関心を持ちながら食事をすることによって心身の健康の保持増進が図られるよう、引き続き、魅力あるおいしい給食となるよう食品構成や彩りに配慮するとともに、十分な給食の時間の確保を促し、窒息や誤嚥事故防止のほか、口腔の健康や口腔機能の獲得・維持・向上のためにも、ゆっくりよく噛んで食事をするなどの食べ方に関する指導を実施するなど、学校給食及び栄養教諭等による食に関する指導の充実を図る。その際、特別支援学校においては、その教育の目的を踏まえ、幼児児童生徒の障害の状態等を的確に把握した上で、関係する教職員や医療機関等とも連携しながら、適切に食に関する指導を実施するよう留意する。
また、各教科等の農林水産業や環境、健康等を含む食に関する指導と学校給食を「生きた教材」として関連付け、食育を効果的に推進する。
さらに、学校給食への地場産物や有機農産物の活用は、食生活が自然の恩恵や食に関わる人々の様々な活動の上に成り立っていることについて、児童生徒の理解や関心を深め、感謝の心を育むなどの教育効果のほか、環境負荷の低減や地域の活性化等、多様な効果が期待されるため、その推進に当たっては、市町村が中心となり、食材需要に対応できる生産供給体制の構築等の供給者側の取組並びに地域の実情を踏まえた学校設置者及び学校等の取組の双方が密接に連携・協働することが必要である。そのため、給食現場と生産現場の互いのニーズを調整する「地産地消コーディネーター」の養成や各地域への派遣等、生産側と学校側の連携・協働を推進するための取組を引き続き行うとともに、課題や対応策、先進的な事例等を含め、多様な優良事例の横展開を図る。くわえて、地場産物や有機農産物の活用や郷土料理等の導入の促進により、食料安全保障や生産現場における環境負荷低減、生物多様性の保全、伝統的な食文化等に関する学びを含めた食に関する指導の先進事例の創出とその周知を図る。
くわえて、食育を目的として政府備蓄米の交付制度の周知や活用も図りつつ、引き続き米飯給食を着実に実施する。また、国産小麦を活用したパン・麺等、児童生徒が多様な食に触れる機会に配慮する。さらに、世界の食文化等についても理解を深めることができるよう配慮する。
くわえて、学校給食の一層の充実を図るため、関係各省と連携しながら、全国学校給食週間に係る取組の充実を図る。
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学校、保育所等における食育の推進(現状と今後の方向性、取り組むべき施策) - 第52頁
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