国家公務員の転勤実態に関するヒアリング調査結果(外務省・国税庁等)
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また、人事異動についても、周りの状況も聞くと、かなり希望を聞いてくれるようには
なっているが、より一層、職員のライフステージ、育児・介護の状況などにしっかり耳を
傾け、年1回の身上書だけではなく、中長期的なキャリアパスを人事担当者と職員個人が
しっかり擦り合わせられれば、転勤もより建設的となり、納得感も生まれると思う。また、
内々示の際に、管理職が、転勤がキャリアにどう役立つか、どういう意義のある仕事がで
きるかなどを説明してくれることはモチベーション向上につながる。
その他、地方に転勤すると、家族に大きな負担をかけることはもちろん、自家用車がな
いと生活が難しいなど、東京よりもお金がかかる場面が多いにもかかわらず、地域手当や
広域異動手当などの制度上、地方に行くと給与が下がるという実態があるため、転動が敬
遠される大きな要因になっており、改善をしていくべきではないかと思う。
2外務省大臣官房人事課主査B氏
(1)これまでの経歴
平成19年に外務省に入省し、最初は本省で勤務していた。採用5年目にイスラエルに転
勤となり、日本に戻ることなくその後家族帯同でベトナムへ、更にカナダへの転勤を経験
し、現在は本省で勤務している。各国での勤務期間は、それぞれ3、4年程度だった。
(2)転勤があることを、採用時に理解していたか
転勤(在外公館勤務)があることは採用前から理解しており、海外勤務に関心があった
ため外務省に入省した。
(3)転勤を打診されたときにどう思ったか
イスラエルへの転勤の打診があった際、治安への不安を感じたが、イスラエルでの勤務
経験者に話を聞くなどして自分なりに調べた結果、抱いていたイメージとは違うことが分
かり転勤を決めた。実際にイスラエルでは公私にわたり充実した日々を過ごすことができ、
住めて良かったと思っている。
(4)転勤に当たっての組織からの配慮
海外赴任の省内手続等をまとめた資料が整備されており赴任準備の参考になった。職員
の在外赴任に伴う同伴子女の海外での学校問題等に係る相談窓口も設置されている。
また、自身が転勤した際はなかったが、外務省として引っ越し業者と契約することで、
引っ越し業者を指定できる場合には、各職員において業者の選定を行う必要がなくなると
ともに、一時立替払いをする必要もなくなり、引っ越し手続の負担を減らす取組も行われ
ている。
(5)実際に転勤に行ってみて、良かったこと・苦労したこと
赴任先にもよるのだろうが、本省に比べて終業時刻が早いことに加え、通勤時間もかか
らなかったので、家族と過ごす時間が作れた。また、現地では色々な場所に旅行に行くこ
とができた。こどもは今でもカナダに戻りたいなどと言っている。
一方で、海外への引っ越しは大変であり、家具等の大型の荷物は基本的には船便を利用
することになるが、転勤先への到着は数か月先になるので、前任地で使っていた家具は処
分して転勤先で買い揃えることもあった。
(6)転勤の経験が業務上活かされていること(その他,転勤の意義として考えられること)
実際に現地に行ってみて分かることがある。在外勤務を経験したことで、現在外国で勤
務している職員の立場に立って物事を考えることができるようになった。外務省職員とし
て大きく成長できたと思う。
(7)転勤に関する改善点(要望したいこと)
自分自身は海外で勤務したいと思っているが、こどもの学校や配偶者の仕事のことを考
えると、次に海外に転勤となったら単身赴任になるかもしれない。日本での家族の生活と、
海外での自身の生活の二重生活を金銭的に賄えるかに不安がある。在外職員にも単身赴任
手当と家族が居住する借家の住居手当が支給されるようになったが、家族が住むこととな
る都内の借家の家賃は高額であるため、家族が居住する借家の住居手当について、金銭的
支援をもっと増やしてほしい。
3国税庁課税部法人課税課総務係国税実査官C氏
(1)これまでの経歴
平成28年に国税庁に入庁し、採用後、まず京都の税務署で3年間勤務した後、沖縄に転
勤となり2年間勤務した。その後、大阪で4年間勤務し、現在は東京の国税庁本庁で勤務
している。
(2)転勤があることを、採用時に理解していたか
転勤があることは理解していたが、関西から出ることは予想していなかった。
(3)転勤を打診されたときにどう思ったか
沖縄への転勤は予想外だったが、とても嬉しく思った。
本庁への転勤は、内心ではずっと行ってみたいと思っていたが、結婚してこどもも小さ
かったので、配偶者の理解を得る必要があった。単身赴任することと、毎月2回は自宅の
ある大阪に戻ることを条件に、配偶者の理解を得た。
(4)転勤に当たっての組織からの配慮
転勤に関して配慮してほしい事情の有無などについて、所属長から確認があった。
(5)実際に転勤に行ってみて、良かったこと・苦労したこと
転勤先で様々なことを見聞きするだけで良い経験になっている。本庁ではスケールの大
きい仕事ができており、また、予想していたよりも業務のベーパーレス化が進んでいて、
ワーク・ライフ・バランスも確保されている。本庁では、超過勤務は多いが、休暇は取り
やすい印象があり、出勤時間も遅くてもよいので働きやすい。
他方、若い頃は旅行気分で転勤が楽しかったが、家族ができてからは考えることが増え
た。
(6)転勤の経験が業務上活かされていること(その他,転勤の意義として考えられること)
転勤によって様々な人とのつながりができることは大きいと思う。今後、何か分からな
いことがあっても詳しい人に聞くことができる。また、本庁に転勤になったことで、多様
な業務が経験でき、スケールの大きな仕事ができている。
(7)転勤に関する改善点(要望したいこと)
自分のように単身赴任をすると、帰宅費用、二重生活の食費や家賃のほか、家具等を揃
えるための費用がかかる。これらの費用をカバーできるよう、単身赴任者への金銭的支援
を増やしてほしい。
また、東京に引っ越した際は、宿舎が古くて大変だった。今は別の宿舎に移ったが、特
に地方から転勤してくる者は新しい宿舎に入れるよう、配慮してほしい。