その他令和8年7月10日

国家公務員の転勤制度、配偶者同行休業及び各府省の転勤に対する意識等に関する調査報告

掲載日
令和8年7月10日
号種
号外
原文ページ
p.30 - p.31
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国家公務員の転勤制度、配偶者同行休業及び各府省の転勤に対する意識等に関する調査報告

令和8年7月10日|p.30-31|原文を見る

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(6)配偶者同行休業
職員が、海外勤務等のため外国に居住する配偶者と生活を共にすることを可能とするための休
業で、無給ではあるものの、職員としての身分を保有したまま職務に従事しないことができる。
仕事と家庭の両立支援関係制度の利用状況調査(合和6年度)によると、新たに配偶者同行休業
をした常勤職員は78人となっている。
これらの制度に加え、外務公務員に対しては、外務公務員給与法に基づき在外公館で勤務する際に
支給される在勤手当や外務公務員法(昭和27年法律第41号)に基づく休暇のための帰国の制度がある。
このほか、本府省の業務に従事する職員に支給される本府省業務調整手当については、地方機関か
ら本府省に異動する場合には新たに支給されることとなる一方、逆に本府省から地方機関に異動した
場合には支給されなくなるため、これらの異動によって、職員の給与額に影響が出ることになる。
また、国家公務員宿舎は、国家公務員が職務を能率的に遂行できるようにすることで、国等の事務
及び事業の円滑な運営に資することを目的としており、転勤する職員のみを対象とするものではない
が、都市部の宿舎や独身・単身者用の宿舎が不足していることを踏まえた対応や、宿舎の老朽化への
対応等が進められており、このような取組は転勤の円滑化にも資すると考えられる。
なお、近年のテレワークの浸透や新幹線通動に係る通勤手当の拡充等については、転勤対策のみを
目的としたものではないが、これらの施策により従来よりも居住地から離れた官署での勤務が可能と
なっている場合もあると考えられる。
第2章各府省・職員の転勤に対する意識等
第1節各府省の転勤に対する意識・対応等
職員の転勤の実態を把握するため、 令和7年12月から同8年1月にかけて、 転勤する職員が多い11
府省の人事担当者に対し、(1)転勤を含めた異動パターン、(2)転勤を行う意義・目的、(3)転勤の有無や
範囲等の説明、(4)転勤をめぐる人事管理上の課題等、(5)職員の意向に配慮した転勤、(6)転勤した職員
に対する配慮、(7)転勤の代替手段の検討などについて、ヒアリングを行った。
1転勤を含めた異動パターンについて
職員の転勤パターンには様々なものがあり、必ずしも全てを網羅することはできないが、今回の
ヒアリングを踏まえて各府省における転動パターンを大まかに分類すると、次の五つの転動パター
ンに分類することができる。なお、同じ府省内でも複数の人事グループに分かれている場合があり、
一部の人事グループでは原則として転動がないこともある。また、各人事グループのほか役職段階
によって転勤パターンが異なっている場合もある。
(1)本府省を中心に勤務
東京の霞が関等に所在する本府省での勤務が多く、転勤は少ないが、例外的に転勤によって地
方公共団体や在外公館等に出向することもある。
デジタル庁の職員など地方機関がない府省で勤務する職員のほか、地方機関がある府省であっ
ても一部の人事グループでは原則として転勤がない場合がある。
(2)本府省を中心とする全国異動
本府省での勤務が多いが、その府省の地方機関への転勤に加え、転勤によって地方公共団体や
在外公館等に出向することもある。転勤の頻度や転勤先については府省や人事グループによって
違いがあるが、概ね2、3年で本府省に戻ることが多い。
警察庁や厚生労働省等に総合職試験から採用された者のほか、一般購試験等により本府省に採
用された者もこの異動バターンに該当することがある。また、国土交通省の技術系の職員など、
本府省と地方の現場とを往復する転勤を繰り返す異動パターンもある。
本省と在外公館等との転勤を繰り返し、場合によっては在外公館から在外公館への転勤となる
ことがある外務省職員についても、広い意味ではこの異動パターンと言える。
(3)地方出先機関を中心とした全国異動
本府省や管区機関と地方出先機関との往復ではなく、全国の地方出先機関を転々と異動し、本
府省での勤務を経験することもある。
法務省の少年鑑別所を始めとする矯正施設に心理職として採用された職員や海上保安大学校を
卒業した海上保安官など、専門的な職種で、勤務官署が全国の都市部以外の地域に点在している
職種にこの異動パターンが見られる。
(4)管区機関を中心に勤務
関東、近畿等の複数の都道府県をまとめて担当する組織である管区機関での勤務が多く、転勤
は少ないが、本府省や他のブロックの管区機関に転勤することがある。経済産業省の経済産業局
等に採用された職員にこの異動パターンが見られる。
(5)管区内異動
管区機関での勤務が多いが、転勤によって管区機関の管轄範囲内にある出先機関等で勤務する
ことがあり、場合によっては本府省や他のプロックの管区機関に転勤することもある。総務省の
管区行政評価局に一般職試験から採用された者や、財務省の財務局、税関及び国税局等、国土交
通省の地方整備局・地方運輸局に採用された職員等にこの異動パターンが見られる。
2転勤を行う意義・目的について
転勤を行う意義・目的については、府省や人事グループによって重視する要素に一定の違いはあ
るものの、ほとんどの府省が前記第1章第1節に掲げた、(1)行政内容の統一性保持、(2)人材育成、
人材の効率的配置、(3)人事管理上の要請、(4)組織の健全さの維持及び(5)へき地勤務の公平性等の確
保などを挙げた。
転勤の意義・目的を前記(1)から(5)までのいずれか一つに限定する回答はなく、各府省では、必ず
しも意義・目的の違いを明確に区別せずに、これらの要素を総合的に考慮しつつ、広く従来から行っ
てきた定期人事異動の一環として転勤を行っていることがうかがわれた。
具体的には、次のような回答があった。
○全国統一の行政サービスを行う観点から、能力、年齢構成、性別などに配慮して各現場に職
員を配置するため、転勤が必要である。
○人材育成のほか、特定の職種に必要な資格や専門性を有している者の適正配置、許認可や契
的事務等を担当する職員の癒着防止、離島やへき地勤務の負担が偏らないようにして公平性を
確保することが目的である。
○現地の実態を知らないことには所管行政全般を指揮監督することはできない。そのため、地
方で現場の経験を積むことは、キャリアパス上必須である。現場においては、本省と地方両方
の事情をよく理解した者が本省と地方間の連絡調整役として必要という面もある。
○管区内には、都道府県の中心都市だけでなく中心部から離れた周辺地域の官署もあり、その
ような官署に職員を配置するためには転勤が避けられない。離島やへき地については、居住地
から離れた官署で勤務せざるを得ず、一部の職員にのみそのような勤務をさせることの公平性
も問題となる。
3転勤の有無や範囲等の説明について
ヒアリングを行った府省のほとんどが、転勤は学生等の公務員志望者の関心事項であるとの認識
の下、説明会や採用パンフレット等を使って、転勤の有無、転勤の範囲、キャリアバスの中で転載
する時期等について説明をしている。
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31 〃 日曜日 日曜日
また、採用後についても、職員に対して転勤の時期を丁寧に説明しているとする府省や、職員か
らも質問が寄せられるため、イントラネットに転勤の目的を掲載しているとする府省もあった。こ
のほか、キャリアパスの一部として転勤が確立しているため、職員は当然に転勤があり得ることを
認識していると思われるといった回答もあった。
このような取組に関連して、転勤を肯定的に受け止める次のような回答もあった。
○学生は、育児や介護といった転勤のハードルとなる部分について実感がないためか、地方や
海外への転勤があることに対してマイナスの意識がないようで、むしろ良い経験が積めるとい
うポジティブな方向で受け止められている印象がある。
一方、転勤の説明内容や受け止め方によっては、人材確保に影響が生じているとの指摘もあった。
○一部の職種では転勤があることを説明しているため,人材確保に苦慮している。家族が転勤
を敬遠して、市役所等を勧めるケースがある模様である。
○海外への転勤があること自体は理解しているものとして採用しているが、先進国のみならず、
開発途上国にも行く可能性があることをイメージせずに採用された職員が多いため、そのよう
な場所には独身のうちに行かせるような運用もしている。
4転勤をめぐる人事管理上の課題等について
全体として転勤を敬遠する職員が増えており、転勤が人事管理上の喫緊の課題となっているとい
う府省が多いが、現時点では転勤が具体的課題であるとは考えていない府省もあった。また、転勤
に関する課題の有無については,原則として転勤がない人事グルーブを除き、転勤バターンによる
大きな違いは見受けられなかった。
転勤に関する課題が生じているとした府省からは、次のような回答があり、個々の事情は異なる
ものの、「転勤を敬遠する職員の増加」、「希望地域の偏り」、「職員の選定や人事配置の困難性」が課題
としてうかがわれた。
【転勤を敬遠する職員の増加】
○特に地方で採用した職員について、転勤を敬遠する職員は増えている。望まない転勤をせざ
るを得ない場合に、辞めるという選択肢のハードルが低くなっている。
○共働きの職員が増えており、子育て、介護などの事情で転勤が困難という職員が増えている。
東京都内は子育て環境が整っている一方、特に海外で勤務するとなると必ずしも現地の生活環
境が整っていないケースがあり、そのような転勤を敬遠する人が以前より増えている印象であ
る。
○地方では管理職になることを望まない職員が増えてきており、そうした層が転勤をより敬遠
する傾向にある。管理職になると転勤範囲が広がることが、管理職になりたくない理由の一つ
になっているのかもしれない。
【希望地域の偏り】
○全国に現場があるという業務の特性上、全体としては転勤に対し理解はあるが、近年は、職
員の都市部志向が高まっている。現場志向が強く、本省以外は行きたくないという職員はあま
りいないが,現場の中でも都市部に近い官署にしてほしいという要望は全世代的に高まってい
る。
○業務量が多く人材の需要がある地域と、需要に見合う人材がいる地域が異なっているために
出身地とは異なる地域で採用した職員から、地元に戻りたいという声が上がっている。
○海外への転勤の場合には配偶者同行休業制度があり、また、地方公共団体への出向による転
勤の場合にはワーク・ライフ・バランスを充実させやすいため希望する者が一定数いるが、転
勤先の国や地方公共団体によっては希望者が少なく、人事管理に苦慮している。
【職員の選定や人事配置の困難性】
○基本的には転勤のない組織であることを前提に働いている職員が多かったが,組織改正によ
り新たな地方機関ができたため、そこに配置する職員の選定に苦慮している。
○転勤する職員に偏りが生じて不公平感が高まっており、人事を組みにくくなってきている。
一方、現時点では転勤は具体的な課題とはなっていないとする府省からは、「業務上、転勤がある
ことは当然であるということを職員も理解している」との回答や、「管区機関では転勤があることは
採用時に丁寧に説明して納得を得た上で採用している。他府省の管区機関採用者は本府省に行ける
者が限られているのに対して、当省の管区機関では、むしろ地方採用者のほぼ全員が本省勤務を経
験できるというキャリアパスが確立していることが人材獲得上のアピールポイントとなっている。
といった回答があった。
このほか、地方出先機関においてほとんど転勤がない職場があり、人事が硬直化していることか
ら、新たに転勤を行うことを検討していると回答した府省もあった。
5職員の意向に配慮した転勤について
職員の意向に配慮した転勤を行うための取組として次のような回答があった。
○転勤に対する職員の意向を丁寧に把握し、転勤ができない職員以外を必要なポストに配置し
ている。
○転勤が可能な職員のみを必ず同意の下で転勤させている。
○次の異動時に可能な限り希望を踏まえた配置とする旨を伝えるといった方法で職員の理解を
得ている。
○転勤の必要があるポストは基本的には公募制としており、希望する職員を優先的に配置して
いる。
○どうしても適任者がいない場合には、現任者の配置期間を延ばす。専門性が異なる職員や従
来よりも役職段階が低い職員等を配置する、任期付職員や非常勤職員の採用によって補充する
といった方法によりやり繰りしている。
6転勤した職員に対する配慮について
転勤した職員に対する配慮として次のような回答があった。
○厳しい場所に転勤した職員には、次の異動では希望地に優先的に配置するなどの配慮をして
いる。
○転勤が当たり前であるため、基本的には特別な配慮はないが、離島・へき地に転勤した職員
に対しては、配置期間を限定したり、次のポストを都市部にしたりするなどの計らいをするこ
とがある。
○転勤に伴う引っ越しの円滑化のため、異動時期を3月中旬、4月1日又は4月中旬に三分割
している。
他方で、「転動があることが当然の職場であり、様々な事情によりどうしても転勤ができない職員
との公平性の観点等を理由に特段の配慮等はしていない」という回答や、「転勤は全員が経験するこ
ととして公平性を維持している」といった回答もあった。
7転勤の代替手段の検討について
業務の合理化や働き方の見直しの観点から、事務の集約、AIの活用、外部委託の促進、手続の
オンライン化等は行っているものの、転勤により職員を配置しなければならないポストはテレワー
ク等が困難な現場であるといった回答をする府省が多かった。
一方、次のような回答をした府省もあった。
○転勤をできる限り減らせるよう、業務経験を積ませるに当たっては、転居が必要ない範囲で
異動を行うなどの工夫を行っている。
○昇任に当たっては原則として管区外への異動を経験させることとしているが、他機関での管
理職ポスト経験や人事評価の要件を満たせば、転勤せずとも昇任できるという例外を設けて試
行している。
○管区内の複数県にまたがるエリア限定採用を試行的に開始しており、今後エリア限定の人事
グループを作っていくことを検討している。
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国家公務員の転勤制度、配偶者同行休業及び各府省の転勤に対する意識等に関する調査報告 - 第30頁
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