その他令和8年6月23日

国有林野の管理経営に関する基本計画の変更について

掲載日
令和8年6月23日
号種
号外
原文ページ
p.39
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抽出された基本情報
発行機関農林水産省

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国有林野の管理経営に関する基本計画の変更について

令和8年6月23日|p.39|原文を見る

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(7)林産物の輸入
国際的な枠組みの中で、持続可能な森林経営、違法伐採対策、輸出入に関する規制等の情報
の収集・交換・分析の充実等を通じて、他国との連携を図るとともに、締結・発効された協定
に基づく措置を適切に運用する。また、経済連携協定等の交渉に当たっては、各国における持
続可能な森林経営を損なうことのない適正な貿易を確保し、国内の林業・木材産業への影響に
配慮しつつ対処する。
4国有林野の管理及び経営に関する施策
国有林野は、国土の保全上重要な奥地脊梁山地や水源地域に広く分布するとともに、人工林
や原生的な天然林等の多様な森林を有している。また、木材の供給を通じ、各地域の林業・木材
産業の振興に寄与するなど、国民生活に欠かせない自然資本として重要な役割を果たしている。
近年、我が国をめぐる情勢は大きく変化しており、気候変動への対応に加え、自然資本の劣化
と生物多様性の損失が、持続的な社会経済活動に対するリスクになるとの認識が急速に広がって
きている。このような中、森林・林業分野においては、激甚化する山地災害への対応はもとより、
生物多様性の保全を始め、林業・木材産業の持続性を高めていくことが施策上の大きな課題と
なっている。
このため、「国民の森林」である国有林野については、公益を重視し、国自らが責任を持って一
元的に管理経営する。また、全国的な組織・技術力や豊富な森林資源を活用した民有林支援等を
通じ、地域の森林・林業施策の課題解決をリードしていく。
これらを踏まえた国有林野に係る施策の展開方向は、次のとおりであり、施策の具体化を今後
検討し、「国有林野の管理経営に関する基本計画」(令和5年12月農林水産省策定)を変更する。
(1)多様性の高い森林づくり
森林の有する公益的機能の発揮と森林資源の循環利用に向けて、マクロ的な視点から、多様
で健全な森林がバランス良く配置されるよう取り組む。
人工林では、適切な間伐に加え、木材生産に適した箇所で重点的な主伐や再造林を行う。伐
採に当たっては、生物多様性の保全等に配慮するとともに、主伐を行う際には、伐採面積の縮
小や分散、面的複層林施業の推進により、樹種や齢級等の構成の多様な林分がモザイク状に配
置された森林へ誘導していく。木材生産に適さない人工林については、針広湿交林化等を進め
る。
天然林では、世界自然遺産等の原生的な天然林や希少野生生物が生育・生息する森林につい
て、「保護林」や「緑の回廊」として適切に保護・管理する。また、二次的な里山林について、
広葉樹の利活用を通じた適切な管理に取り組む。
こうした取組と併せ、個別の施業の実施において、広葉樹の保残、保護樹帯の設置、渓流沿
いの森林保全等に配慮することで、国有林野の総体として、生物多様性を高めていく。
また、造林の省力化・低コスト化や労働負荷の軽減、野生鳥獣害対策、先端技術を活用した
効率的な森林管理・木材生産手法の開発や実証を行うなど、多様な森林づくりに先導的に取り
組むとともに、その技術について民有林への普及を図る。
(2)山地の防災・減災への対応
山地の防災・減災に向けて、林地保全に配慮した森林施業を進めるほか、重要かつ緊要度の
高いインフラ施設周辺や河川上流域等における治山対策を計画的に推進していく。また、林道
については、集中豪雨にも耐えられるよう、排水施設や擁壁等を適切に設置するほか、大規模
災害時に公道の代替路となり得る林道の改良等を推進する。
さらに、これらのハード対策と併せて、デジタル機器を活用した災害調査、民有林支援も含
めた技術系職員の派遣等のソフト対策も推進し、災害対応の迅速化を図っていく。
(3)林業経営体の経営基盤の強化
森林経営管理制度の推進に向けて、森林総合監理士の資格を有する職員等を生かしつつ、市
町村に対する技術的な助言等を積極的に行う。また、森林共同施業団地を核とした効率的な能
業を実施するなど、地域の森林の集積・集約化をリードする取組を推進する。
さらに、林業経営体の経営安定に資するよう、まとまった事業発注等に加え、伐採時期等に
ついて、林業経営体の裁量が大きい、立木販売の拡大を図る。その際、一定期間、安定的に伐
採から造林事業まで含めて事業量を確保できる、樹木採取権制度や造林事業付きの立木システ
ム販売を活用する。
(4)地域における持続的な木材生産への貢献
国有林材の供給を通じて、木材の安定供給体制の構築や木材利用の促進に貢献していく。そ
の際,地域における持続的な木材生産が可能となるよう、国有林野事業の特性を生かして、効
果的な木材供給や情報提供に取り組む。
具体的には、各地域における需給状況を「国有林材供給調整検討委員会」等を活用して的確
に把握するほか、地域の市況等を考慮した立木販売の実施等により国有林材の機動的な供給に
取り組む。また、立木販売結果の公表を通じ、各地域での立木価格の相場観の形成に寄与して
いく。さらに、木材生産に適した箇所で持続的に木材を供給するため、林道の重点的な整備を
実施する。
これらの取組を通じ、木材需給の変動に対応しつつ、国有林材を持続的に供給し、国有林野
事業の債務残高の安定的な引下げを図ることとする。
(5)開かれた「国民の森林」としての管理経営
国民の財産である国有林野を、より開かれた「国民の森林」として管理経営していくため、
国民の多様な意見の把握に加え、多様な主体と連携した国民参加の森林づくりに取り組む。ま
た、優れた自然景観を有し、文化・教育・観光的な利用に適した森林については、「レクリエー
ションの森」として設定・管理し、国立公園等と連携した取組を推進する。これらにより、山
村地域に人を呼び込み、賑わいを創出する森業の推進に寄与するとともに、国有林野の保護と
利用の両立を図る。
5その他横断的に推進すべき施策
(1)デジタル技術の活用の推進
森林・林業においても、リモートセンシングの活用が進むとともに、AI等の最先端技術の
活用が始まりつつある。森林関連情報の把握、森林の造成、木材の生産流通等の各段階で、こ
れらの技術を適用し効率的なものへと転換していく。
このため、レーザ計測や衛星画像等による森林資源情報の精度向上、全球測位衛星システム
(GNSS)による森林境界データのデジタル化等を進めていく。また、それらのデータを含
めた森林関連情報については、森林クラウド等による共有と高度利用を図るとともに、森林経
営活動の円滑化、行政事務の効率化や適正化、民間における多様なサービスの創出等を促進す
るため、オープンデータ化を推進する。あわせて、木材の生産流通の効率化や付加価値の向上
に向け、需給情報の共有やマッチング、需要に応じた最適採材等を促進する。これらの実現に
向け、関係者が一体となって、地域全体でデジタル技術の有効活用に取り組むデジタル林業戦
略拠点の構築を進め、林業DXを推進する。
さらに、森林土木分野においても省人化等による労働安全の確保と生産性の向上に向けて、
施工現場へのICT等の導入を促進する。また、補助金申請や各種手続を効率化して国民負担
を軽減していくため、デジタルデータを活用した申請や検査業務を推進するほか、デジタルツー
ルによる電子化等を図る。
(2)東日本大震災からの復興・創生
東日本大震災により大きな被害を受けた海岸防災林については、復興工程表に定めた事業が
ほぼ完了した。引き続き、植栽した樹木の保育等について、地域やNPO等と連携しながら計
画的に実施していく。
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国有林野の管理経営に関する基本計画の変更について - 第39頁
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