その他令和8年6月23日
林業経営基盤の強化に関する施策(人材確保・労働環境・特用林産物等)
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抽出要点
林業・木材産業の構造改革、持続可能な木材取引、国産材供給力強化、都市の木造化
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林業経営基盤の強化に関する施策(人材確保・労働環境・特用林産物等)
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96(1221號(1963)1933(
このため、適切な作業システムの導入及びその効果的な運用と、通信技術の開発等に取り
組むことに加えて、スマート林業技術の開発や実装、特定苗木やコンテナ苗の活用を促進す
る。国有林においては、先進的な技術の実証や普及等を通じて、林業経営体の生産性等の向
上に寄与していく。
エ社会的責任を果たす取組の推進
林業経営体が、森林を適正に管理及び利用する社会的な責任を果たし、それを自ら明らか
にすることは重要である.
このため、林業経営体に対して、業務に関連する法令の遵守、伐採と造林に関する自主行
動規範の策定,森林所有者に対する伐採後の再造林の提案や書面契約の締結等の取組を促す。
また、伐採造林届出制度の適正な運用を図るとともに、当該制度に基づく届出が市町村森林
整備計画に適合している旨の通知を林業経営体が伐採現場で掲示する取組や、合法伐採木材
等の流通及び利用の促進に関する法律(平成28年法律第48号。以下「クリーンウッド法」と
いう。)に基づく合法伐採木材等の流通及び利用に係る取組を促す。
(3)人材の確保、育成及び定着
林業従事者は長期的に減少傾向にあり、林業生産活動を継続させていくためには、関係府省
連携の下、その確保及び育成とともに、林業への定着を図る必要がある。育成に当たっては、
機械操作、安全管理、採材技術等の専門的かつ高度な知識や技能の習得が不可欠であるととも
に、経営感覚を養うことも求められる。
このため、「禄の雇用」事業等により、林業大学校等で学ぶ者や新規就業者等を支えるととも
に、スマート林業に係る研修等、多様なキャリア形成に対応した段階的かつ体系的な人材育成
を推進する。また、コーチング等の指導技術の向上を図り、職場内教育(OJT)の指導者や
伴走者として活躍できる現場管理責任者等の育成の強化を進める。さらに、起業する者も含め,
組織マネジメント等の経営スキルを持つ人材の育成を進める。その際、再造林に係る技術、集
材路や架線の設置等の搬出技術,マーケットインの発想に基づく林業経営やそれに必要な採材
技術,林業機械の効率的な運用方法及び労働安全確保に係る研修カリキュラムを充実させるほ
か、国有林野における研修フィールドの提供等に取り組む。さらには、育成就労制度や特定技
能制度による外国人材の円滑な受入れが可能となるよう環境整備を推進する。あわせて、異な
る地域間における林業経営体の連携や、農業等他産業との連携を推進する。
林業高校に対しては、その指導力向上やカリキュラムの充実を図るため、国や研究機関等に
よる講師派遣、森林・林業に関する情報提供等を行う。林業経営者、林業研究グループ等に対
しては、人材育成に係る研修への参加等を通じた自己研鑽や後継者育成を促進する。
多角的な視点を取り入れ、多様な人々が活躍することができるよう、環境整備等を図る。具
体的には、女性林業関係者のネットワーク化等の取組を推進する。また、就労を通じた障害者
等の社会参画を図る「林福連携」や、誰もが働きやすい職場環境の整備、トライアル雇用等に
取り組む事業者等の取組を促進していく。
(4)林業従事者の労働環境の改善
ア処遇等の改善
林業従事者については、その所得水準が他産業に比べて低位にあり、自然条件下で行う重
筋作業も多く、労働負荷が高く厳しいものとなっている。
このため、林業従事者の所得水準の向上に向け、林業経営体の生産性及び収益性の向上を
促進するとともに、合理的な価格形成も図られるサプライチェーンの構築に向けた取組を進
める。また、キャリアに応じた昇給等の実現が重要であり、段階的かつ体系的な人材育成と
併せて、技能検定制度等により林業従事者の技能の見える化を図るとともに、能力評価や昇
給基準の導入等を促進する。これらにより、全産業並みの所得水準の確保を目指す。加えて、
通年雇用化、月給制の導入、社会保険の加入等の処遇改善を促進する。
また、林業従事者の労働負荷の軽減及び働きやすい職場環境の整備を図るため、伐採や造
林の省力化・低コスト化や労働安全の確保、労働負荷の軽減に資するスマート林業技術の開
発や実装、休憩施設や衛生施設の整備等を推進する。
イ労働安全対策の強化
林業における労働災害の発生率は、他産業に比べて極めて高い水準にあることから、この
状況を改善することは喫緊の課題であり、死傷年千人率の10年後半減を目指して減少を加速
させる必要がある。
このため、関係者が一丸となって、労働安全対策を強化していく。具体的には、林業経営
者が率先し、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)に基づき、特別教育の実施、伐木作業
等における禁止事項の遵守、ガイドラインに沿った安全作業や緊急連絡体制の整備、発注者
等が個人事業者等に対しても災害防止措置を講ずること等の徹底を図る。また、作業安全の
ための規範等の普及、林業経営体への安全診断や自己点検、巡回指導に取り組み、林業経営
者と林業従事者の双方の意識改革の徹底を図る。あわせて、林業従事者の伐木技術等の学び
直しを含めた研修の実施や、労働安全の確保に資する林業技能士の資格取得、安全衛生装備
や装置の効果的な導入等を推進する。加えて、林業経営体の安全対策等の取組を見える化す
る仕組みの検討を行う。
これらの施策については、他産業での災害防止対策も参考にするとともに、関係府省、都
道府県、関係団体等との連携の下、地域の労働災害の発生状況等を踏まえ、その原因に応じ
た取組を重点的に実施する。
また、伐倒木等から林業従事者を物理的に隔離することにより労働安全の確保を図る観点
から,遠隔操作・自動運転機械等の開発や実装を推進する。あわせて、関係府省連携の下,
それらの技術の安全確保のためのガイドラインの整備を進めるほか、労災保険の適用拡大の
方向性を踏まえ対応を進める。
(5)森林保険による損失の補填
火災や気象災害等による林業生産活動の阻害を防止するとともに、林業経営の安定を図るた
め、国立研究開発法人森林研究・整備機構が取り扱う森林保険により、災害による経済的損失
を合理的に補填する。その運営に当たっては、制度の普及と加入の促進を図るとともに、災害
の発生状況を踏まえた保険料率の見直し等の商品改定、保険金支払の迅速化、研究分野との連
携等によりサービスの向上を図る。
(6)特用林産物の生産振興
きのこ、木炭、薪、竹、漆等の特用林産物については、林業産出額の約4割を占め、山村地
域における農林複合的な収入確保に資する重要な地域資源であるとともに,その生産資材とし
て里山林等の資源を適切に利活用することは、多面的機能の維持増進に貢献するものである。
このため、きのこ栽培施設等の特用林産物の生産・加工施設の整備や需要に応じた漆の供給
のための樹林造成等の生産基盤の整備、気候変動への適応や生産の効率化を図る技術の開発や
改良、きのこや木炭等の主たる生産資材である広葉樹材に関する需給情報の共有を通じた円滑
な供給に取り組むほか、品種登録されているきのこ種菌の育成者権の保護に取り組む。また、
木炭、薪、竹、漆等の生産販売に係るノウハウの情報提供等を推進する。
さらに、需要拡大に向け、消費者ニーズに対応した商品開発、付加価値の高い品目を中心に、
輸出先国のニーズ等を踏まえた輸出の促進や輸出産地づくり等を進めていく。
3林産物の供給及び利用の確保に関する施策
木材産業等が、地域経済の維持及び発展に大きく寄与し、林業の持続的かつ健全な発展並びに
森林の適正な整備及び保全に重要な役割を果たしていることに鑑み、流通及び加工の合理化や、
木材需要拡大等の施策を総合的かつ体系的に進めていく。
(1)強靱な国産材サプライチェーンの構築
ア原木の安定供給体制の構築
原木を安定的に供給していくためには、商流、情報流、物流の各面で、地域の実情に応じ
た合理化や効率化を進めていく必要がある。
(會/51號 日報) (會 日本 日本 日本818
このため、商流においては、地域の実情や原木の品質に応じ、原木の価値が最大限生かさ
れる販売方法の選択を促進する。情報流においては,林業経営体や原木市場等の地域の核と
なる者が原木流通のコーディネーターとなるよう、ICTの活用等による情報伝達や販路開
拓能力の強化等を推進する。物流においては、山元土場から工場への直送,中間土場等を活
用したロットのとりまとめ、原木輸送や検知作業の効率化等を推進する。
イ持続可能な木材取引の推進
木材を持続的に供給及び調達できるようにするためには、市場の変化に柔軟に対応できる
体制を構築するとともに、木材に係るコスト構造の関係者間での共有と理解醸成を進める必
要がある。
このため,木材の需給バランスの確保に向け、需給情報の共有や各流通段階におけるストッ
ク機能の強化を進めるとともに、国有林野事業における地域の市況等を踏まえた供給調整を
適切に実施する。
特に、木材に係るコスト構造の整理や立木価格の公表等の円滑な価格交渉に向けた情報の
整理や共有、「林業・木材産業における適正取引推進ガイドライン」(令和7年11月林野庁策
定)に基づく商慣習の見直し等を進める。あわせて、企業等の環境貢献に対する意識の高ま
りに対応し、クリーンウッド法の情報伝達等により、合法性に加え、森林経営計画や森林認
証等に基づく取組状況の共有を促進するなど、持続可能な木材取引に向けた条件整備を図る。
こうした取組等を、川上から川下まで幅広く様々な関係者が参加する需給情報連絡協議会
により普及すること等を通じて、木材の販売側と購入側の双方におけるコスト構造の理解や、
合法性及び持続性の市場への訴求を促進し,合理的な価格形成が図られるサブライチェーン
の構築へと結びつけていく。
(2)国産材の供給力強化
ア木材産業の生産性向上と供給力強化
他資材や輸入材に対する競争力を高めていくには、住宅向けの柱材や面材等を生産する木
材加工流通施設の生産性向上と併せて、需要の拡大に応じた供給力強化が必要である。また、
木材産業の従事者が減少する中、省力化等を進めていく必要がある。
このため、非住宅向け部材や国産材比率の低い横架材、ツーバイフォー工法用部材等の供
給力強化を図るための施設整備を進める。また、製品保管庫等の整備によるストック機能の
強化や既存施設の改良による省力化、生産性向上等を推進する。さらに、製材・合板工場等
の間の連携により、それぞれの強みを生かしながら、単独では対応困難なニーズに対応する
取組も進めていく。なお、木材加工流通施設については,再造林等の森林資源の保続に係る
取組状況等を踏まえ整備を図る。
イ品質性能の確かな製品の供給
構造計算を求められる木造建築物の範囲が拡大するなど、品質性能の確かな構造用木材製
品の需要が高まる中、こうした需要に対応するためには、JASによる格付がなされた製品
を供給していくことが必要である。
このため、特にJAS格付率が低位な構造用製材について、人工乾燥機の導入など供給力
強化を図るための施設整備や、製材工場間等の連携による供給体制の構築を進める。また、
JASについては、利用実態に即した区分や基準の見直しを行うとともに、認証業務におけ
る省人化や認証の合理化を更に進めるため,含水率測定器や材面検査機の精度向上,認証機
関による認証技術向上を推進し、総合的な運用改善を進める。
ウ付加価値の高い製品の供給
地域経済を支える木材産業を活性化させるためには、付加価値の高い製品の供給を行うこ
とが必要である。その際、高齢級の人工林から産出される大径材や、製品用途への活用が低
位な広葉樹材の付加価値を高めることが重要である。
このため、大径材の増加と内装材等の需要に対応できる施設を整備するとともに、効果的
な木取り手法や乾燥手法等を普及し、付加価値の高い平角材や板材等の生産を推進する。ま
た、地場の中小製材・合板工場等について、地域のニーズに対応し、工務店等との連携を通
じた生産者の顔の見える製品の持続的供給を推進する。さらに、里山林の整備に伴い生産さ
れる広葉樹材等の活用に向け、需要側と供給側が集うブラットフォームを設立し、利活用に
関する情報提供やサプライチェーンの構築を促す。
エ木材産業における人材確保
木材産業の労働力を確保し、持続可能な産業とするためには、働きやすく安全な労働環境
を整備することが重要である。
このため、木材加工流通施設における自動化や、DXによる無人化や省力化を推進すると
ともに、安全装置の導入や安全診断・評価マニュアルの活用等を図る。
また、木材産業を担う人材の育成について、学校教育における取組等の情報収集や整理、
普及を進める。あわせて、木材利用における様々な価値の見える化を進めること等を通じて、
木材産業の魅力の向上を図り、国内人材の確保へとつなげていく。加えて、育成就労制度や
特定技能制度による外国人材の受入れや定着等を推進する。
(3)都市の木造化等の促進
ア公共及び民間建築物の木造化・木質化の促進
国内の新築住宅市場の縮小を見据えると、官需に加え、民需を積極的に取り込み、住宅分
野以外の木材利用を促進していくことが重要である。
このため、公共建築物の木造化・木質化については、都市の木造化推進法に基づき、国自
らが率先して取り組むとともに、地方公共団体との協力を通じて推進していく。あわせて、
民間建築物の木造化・木質化については、同法に基づき、幅広い事業者等と国又は地方公共
団体との建築物木材利用促進協定の締結を推進し、事業者等の取組の拡大を図る。
また、環境に配慮した企業経営等への意識が高まる中、木材利用の効果が評価されるよう
環境整備を進めることで、企業等の木材利用の拡大を促していく。このため、企業等が木材
利用の効果を認識し対外的に訴求できるよう、『建築物への木材利用に係る評価ガイダンス」
(令和6年3月林野庁策定)等により、二酸化炭素の排出削減や木材利用による地域貢献と
いった評価項目や、評価方法を普及する。また、建築物のLCCO2の評価に関する制度の導
入の検討に併せ、木材製品の二酸化炭素等排出量原単位の整備や、製造時二酸化炭素等排出
量の削減を進める。さらに,建築物の木造化や木材利用の効果の見える化に取り組むことを
宣言する[「森の国・木の街]づくり宣言」を推進し,SHK制度等を活用した木材利用の効
果の発信と気運の醸成を促す。これらの取組を、関係府省連携の下で進めていく。
さらに、こうした取組を進めるため、「持続可能性に配慮した木材供給・利用に係るガイダ
ンス」(令和8年3月林野庁策定)等により、合法的に伐採された木材であることを示す情報、
森林経営計画制度等に基づく情報、森林認証制度の情報等を川下までつなぐことにより、持
続的な森林経営から生産された木材であることを示す取組を推進する。
イ非住宅・中高層建築物における木材利用の促進
木材利用が低位な非住宅・中高層建築物について、費用面や環境面、ウェルビーイングの
観点から木造が選択されやすい環境を整備することが重要である。
このため、低層の非住宅建築物等については、環境面における木材利用の効果の訴求等に
加え、木材利用が進展している事務所や店舗等を中心に、用途の特性を踏まえ、製材、合板・
LVL又は集成材として一般的に流通しているJAS構造材等を活用したコスト競争力のあ
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