海洋法に関する国際連合条約に基づくいずれの国の管轄にも属さない区域における海洋の生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する協定の公布
令和7年12月17日|p.16-17
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海洋法に関する国際連合条約に基づくいずれの国の管轄にも属さない区域における海洋の生物の多
様性の保全及び持続可能な利用に関する協定をここに公布する。
御名御璽
条約
令和七年十二月十七日
内閣総理大臣高市早苗
条約第十三号
海洋法に関する国際連合条約に基づくいずれの国の管轄にも属さない区域における海洋の生物
の多様性の保全及び持続可能な利用に関する協定
前文
この協定の締約国は、
千九百八十二年十二月十日の海洋法に関する国際連合条約の関連規定(海洋環境を保護し、及び保
全する義務を含む。)を想起し、
条約に定める権利、義務及び利益の均衡を尊重する必要性を強調し
特に、 海洋生態系に及ぼす気候変動の影響 (例えば、 温暖化及び海洋の溶存酸素量の減少)、 海洋
の酸性化、プラスチックによる汚染を含む汚染及び持続可能でない利用に起因する海洋の生物の多様
性の喪失及び生態系の劣化に一貫した、 かつ、 協力的な方法で対処する必要性を認識し
いずれの国の管轄にも属さない区域における海洋の生物の多様性の保全及び持続可能な利用に1.10
取り組むための条約に基づく包括的かつ世界的な制度の必要性を意識し、
人類全体の利益及びニーズ、特に開発途上国(沿岸国であるか内陸国であるかを問わない.。)の特別
の利益及びニーズを考慮した公正かつ衡平な国際経済秩序の実現に貢献することの重要性を認識し、
また、能力の開発並びに海洋技術の発展及び移転を通じた開発途上国である締約国に対する支援が、
いずれの国の管轄にも属さない区域における海洋の生物の多様性の保全及び持続可能な利用とい.う目
的を達成するための不可欠の要素であることを認識し、
先住民族の権利に関する国際連合宣言を想起し、
この協定のいかなる規定も、先住民の既存の権利(先住民族の権利に関する国際連合宣言に掲げる
権利を含む。)又は適当な場合には地域社会の既存の権利を減じ、又は消滅させるものと解してはなら
ないことを確認し、
いずれの国も、自国の管轄又は管理の下にある活動が実質的な海洋環境の汚染又は海洋環境に対す
る重大かつ有害な変化をもたらすおそれがあると信ずる1.0足りる合理的な理由がある場合には、当該
活動が海洋環境に及ぼす潜在的な影響を実行可能な限り評価するとい.う条約に定める義務を認識し、
事件又は活動から生ずる汚染が条約に従って主権的権利が行使される区域を越えて拡大しないこと
を確保するために全ての必要な措置をとると11う条約に定める義務に留意し、
海洋環境を保護し、海洋環境に配慮し、及び海洋環境の責任ある利用を確保し、海洋生態系を本来
7)ままの状態に、おいて維持し、並びにいずれの国の管轄にも属さない.区域における生物の多様性の固
有の価値を保全することにより、現在及び将来の世代のためにいずれの国の管轄にも属さない区域に
おける海洋を管理する者として行動することを希望し、
いずれの国の管轄にも属さない区域の海洋遺伝資源に係るデジタ八配列情報の生成、取得の機会及び
び利用が、当該デジタル配列情報の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分とあいまって、研究及
びイノベーション並びにこの協定の一般的な目的に貢献することを認め
全ての国の主権、領土保全及び政治的独立を尊重し、
条約又は他の関連する国際約束の非締約国の法的地位が条約法の規則により規律されることを想起
し、
また、条約に規定するように、いずれの国も、海洋環境の保護及び保全に関する自国の国際的義務
を履行する責任を有し、並びに国際法に基づいて責任を負うことがあることを想起し、
持続可能な開発を達成することを約束し、
普遍的な参加を確保することを希求して、
次のとおり協定した。
第一部一般規定
第一条用語
この協定の適用上、
1「区域に基づく管理手段」とは、この協定に基づく保全及び持続可能な利用に係る特定の目的を
達成するため、地理的に特定された区域において一又は二以上の分野又は活動を管理する手段(海
洋保護区を含む。)をいう。
2「いずれの国の管轄にも属さない区域」とは、公海及び深海底をいう。
3「バイオテクノロジー」とは、物又は方法を特定の用途のために作り出し、又は改変するため、
生物システム、生物又はその派生物を利用する応用技術をいう
4海洋遺伝資源に関して「生息域内での採取」とは、いずれの国の管轄にも属さない区域における
海洋遺伝資源の採取又は標本抽出をいう。
5「条約」とは、千九百八十二年十二月十日の海洋法に関する国際連合条約をいう。
6「累積的な影響」とは、様々な活動(知られている過去及び現在の活動並びに合理的に予見可能
な活動を含む。)又は長期的に繰り返される類似の活動から生ずる複合的かつ漸増的な影響並びに気
候変動、海洋の酸性化及び関連する影響の結果をいう。
7「環境影響評価」とは、意思決定の根拠を提供するために活動の潜在的な影響を特定し、及び評
価する過程をいう。
8「海洋遺伝資源」とは、遺伝の機能的な単位を有する海洋の植物、動物、微生物その他に由来す
る素材であって、 現実の又は潜在的な価値を有するものをいう。
9「海洋保護区」とは、生物の多様性の長期的な保全に係る特定の目的を達成するために指定され、
及び管理される地理的に特定された海域であって、適当な場合には、保全に係る目的に適合する限
りにおいて、持続可能な利用を認めることができるものをいう。
10「海洋技術」には、特に次のものを含む。
海洋科学並びに関連する海洋に係る活動及び役務に関する情報及びデータであって、利用しや
すい様式で提供されるもの
手引、指針、基準、規格及び参考資料
標本抽出の方法及び設備
生息域内及び実験室における観測、分析及び実験のための観測施設及び設備
コンピュータ及びコンピュータ・ソフトウェア(モデル及びモデル化技術を含む。)
関連するバイオテクノロジー
海洋の生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する専門知識、知見、技能並びに技術的、
科学的及び法律的なノウハウ及び分析方法
:「締約国」とは、この協定に拘束されることに同意し、かつ、自己についてこの協定の効力が生
じている国又は地域的な経済統合のための機関をいう。
2 「地域的な経済統合のための機関」 とは、 特定の地域の主権国家によって構成される機関であっ
て、その構成国からこの協定が規律する事項に関し権限の委譲を受け、かつ、その内部手続に従い
この協定の署名、 批准、 承認若しくは受諾又はこの協定への加入について正当な委任を受けたもの
をいう。
11) 持続可能な利用」 とは、 生物の多様性の長期的な減少をもたらさない方法及び速度で生物の多
様性の構成要素を利用し、もって、現在及び将来の世代のニーズ及び願望を満たすように生物の多
様性の可能性を維持することをいう。
11 「海洋遺伝資源の利用」とは、海洋遺伝資源の遺伝的又は生化学的な構成に関する研究及び開発
(3に定義するバイオテクノロジーを用いるものを含む。)を行うことをいう。