滑走路誤進入・逸脱防止のための管制機関及び航空運送事業者等の取組ガイドライン
令和7年11月27日|p.49
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1697號
・以下の項目を含む管制機関等の無線通信を評価し、その結果を踏まえた見直しを行うこと。
ア滑走路運用に関する全ての通信において、航空線又は車両のコールサインを寝実に使用
すること。
イ同じ又は類似のコールサインによる混乱を避けるための手順を確立し、それに従うこと。
ウ適用される国の規制及びICAOの規定(例:ICAO無線電話マニュアル(Doc9432)に
従って標準的な表現を使用すること。
エ復唱を行うべき内容を明確にし、その確実な履行を確認するための手順を確立すること。
・滑走路運用に関連する全ての通信が適切な用語で行われていることを確認し,不適切な通
信の排除を行うこと。
・LVPの適用及び解除のため、必要な滑走路関係業務提供者とあらかじめ調整された手順
を確実に実施すること。
・空港の設置者と協力し管制機関等の全ての業務提供者がホットスポットを把握するととも
に、当該ホットスポットに関連する緩和策を理解していることを確認すること、
②滑走路逸脱を防止するための取組
・飛行場の状況に関する重要な情報や、天候、風、滑走路の状態等の安全上重要な情報を運
航乗務員に対し適時適切に提供すること。
・不安定な進入に繋がる要因(空域設計、進入方式、業務の手順及び訓練に係る規定、天候
等)を特定し、必要に応じリスク低減のための措置を講じること。
③その他共通事項
〈管制機関等の研修課程に、滑走路誤進入・逸説に係る教育・訓練カリキュラムを組み込む
こと。
・パイロット等との間で管制交信に関する共通認識を醸成するため,定期的に意見交換を実
施するとともに、必要なマニュアル・教材を作成すること。
(5)航空運送事業者等の取組
航空運送事業者等は、管制指示等を基に、他の航空機や気象条件等にも注意を払うことで、滑
走路誤進入・逸脱を起こすことなく、離着陸や地上走行を安全かつ確実に行うことが求められる。
そのためには、運航乗務員へ必要な訓練等を実施することにより、必要なスキルが確実に習得さ
れていることを確保することも必要である。
以上の役割を踏まえ、本邦航空運送事業者は以下の取組を行うものとする。また、それ以外の
航空運送事業者等においても、以下の本邦航空運送事業者における取組を踏まえた必要な取組を
行うことが推奨される。
①滑走路誤進入を防止するための取組
・運航乗務員に対して以下の事項に関する訓練を実施すること。なお、イに掲げる事項に関
する訓練は、コンピテンシー(業務において期待される成果を得るために求められる人間の
行動指標)やエビデンスに基づき実施するものとする。
ア運航乗務員間の意思決定、適切な介入及び役割に関する事項(構造上、その操縦に二人
を要する航空機を運航する場合に限る。)
イ航空機製造者の定める滑走路誤進入に関するマニュアルに従って、適切な運航手順を実
施するとともに、脅威とエラーの管理(Threat and Error Management。以下「TEM」
という。)を行うための事項
ウ飛行場の標識、標示及び照明に関する事項
エ管制官等との交信において以下の事項を実施するために必要な事項
a)滑走路運用に関連する全ての通信を航空英語で実施すること(国際線の運航に限る。)。
b)各国及び国際民間航空条約の規定に準拠した、標準的な用語を確実に使用すること。
オ安全上重要な段階において運航に必要のない会話等により、航空機乗組員の安全に係る
業務の集中を妨げる行為を防止するルール(以下「ステライルコックピットルール」とい
う。)を遵守するための事項
・以下の手順を適切に定めるとともに、必要に応じ改善を行うこと。
ア運航乗務員間の意思決定、適切な介入及び役割に関する手順(構造上、その操縦に二人
を要する航空機を運航する場合に限る。)
イ航空機製造者の定める滑走路誤進入に関するマニュアルに従った運航手順及びTEMの
実施に係る手順
ウ航空機の運航に影響する工事を乗務員に認識させる手順
エ以下を含む乗務員のための地上走行手順
a)地上走行中、空港内の標識を常に確認する手順
b)地上走行経路(滑走路や誘導路の横断,管制機関等の指示により地上走行を許可され
た地点の限界)を乗務員間で相互に確認する手順(構造上、その操縦に二人を要する航
空機を運航する場合に限る。)
c)走行経路上にあるホットスポットを認識する手順
オステライルコックピットルールを遵守するための手順
必要に応じて、解像度の向上した空港ムービングマップ、電子フライトバッグ(Elec-
tronic Flight Bag)、エンハンスド・ビジョンシステム、ヘッド・アップ・ディスプレイ
(Head-Up Display)など、特に視界不良時の状況認識向上を支援する装置等を航空機に
装備すること。
②滑走路逸脱を防止するための取組
・運航乗務員に対して以下の事項を含む訓練を実施すること。なお、イに掲げる事項に関す
る訓練は、コンピテンシーやエビデンスに基づき実施するものとする。
ア運航乗務員間の意思決定、適切な介入及び役割に関する事項(構造上、その操縦に二人
を要する航空機を運航する場合に限る。)
イ航空機製造者の定める航陸、着陸及び着陸復行に関するマニュアルに従って、適切な運
航手順を実施するとともに、TEMを行うための事項、これらの事項に係る訓練には少な
くとも以下の事項を含めるものとする。
a)手順にない事態の評価及び分析
b)手順の逸脱がもたらす影響の認識
c)あらゆる気象条件下で着陸距離を決定するための最新技術の効果的な活用
d)適切な代替計画を考慮した進入の計画及び実施
e)気象条件の悪化を考慮した進入の計画及び実施
f)航空機が着陸で接地した後、再び浮揚する現象への機種ごとの対応
g)消走路の状態の変化、滑走路変更、気象条件の悪化等の悪条件下における滑走路逸脱
防止のためのTEMに関するシナリオ訓練
h)出発前及び到着前のブリーフィング
i)離陸及び着陸性能の適切な算出と、それに基づく滑走路の安全マージンの確保
i)滑走路面状態評価方式に基づき発行された航空情報の効果的な活用
ウ進入又は離陸の中止に対応するための事項
エステライルコックピットルールを遵守するための事項