その他令和7年11月10日
HIV感染症・エイズ対策に関する指針(第四医療の提供)
掲載日
令和7年11月10日
号種
号外
原文ページ
p.24
号外p.24
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第四医療の提供
一基本的考え方
国及び都道府県は、抗HIV療法の進歩による予後の改善に伴う感染者等の増加及び高齢化に
対応するため、地域の実情に応じて、中核拠点病院、エイズ治療拠点病院と地域の医療機関間の
機能分担による診療連携の充実を図り、一般の診療の中でも感染者等に対して適切な医療を提供
する包括的な体制を整えることが重要である。また、都道府県は、医療計画や予防計画を活用し
ながら、総合的な医療提供体制の整備を重点的かつ計画的に進めるとともに、感染者等が主体の
良質かつ適切な医療が居住地で安心して受けられるような基盤づくりを進めることが重要であ
る。
二医療機関でのHIV検査
HIVの感染の早期診断及び感染者等に対する早期治療の開始のためには、医療機関において、
HIV検査が適切かつ積極的に実施されることも重要である。医療従事者は、HIV感染症・エ
イズが疑われる者のみならず、性器クラミジア感染症、性器へ八.ペスウ11八ス感染症、尖圭コン
ジローマ、梅毒、淋菌感染症、B型肝炎、アメーバ赤痢等の性的接触によって感染する可能性の
ある感染症へのり患が疑われる者に対して、 HIV検査の実施を積極的に検討する必要がある。
三総合的な医療体制の確保
1治療の早期導入と継続
早期に感染者等へ適切な医療を提供し継続することは、感染者等の予後を改善するとともに、
二次感染防止の観点からも重要である。治療の早期導入と継続につながるよう、国はその課題
の把握及び仕組みの検討を進め、医療関係者等は感染者等の診療にあたるよう努める必要があ
る。
2地域での包括的な医療体制の確保
地域の感染者等の数及び医療資源の状況に応じ、エイズ治療拠点病院を中心とする包括的な
診療体制を構築するためには、専門的医療と地域における保健医療サービス及び介護・福祉
サービスとの連携等が必要であり、加えて、地域の医療機関における一般の診療の中でHIV
感染症の診療を提供することが重要である。
国及び都道府県等は、地域の保健医療サービス及び介護・福祉サービス従事者に対して、H
IV感染症・エイズに関する最新の正しい知識や感染者等に適用できる医療費等に関する各種
制度への理解を深める取組を推進し、医療機関や介護施設等での受入れを促進していくことが
重要である。
また、地方ブロック拠点病院及び中核拠点病院に、HIV感染症・エイズに関して知見を有
する看護師、 医療ソーシャ八ワーカー等を配置し、各種保健医療サービス及び介護・福祉サー
ビスとの連携を確保するための機能(以下「コーディネーション」という。)を拡充することが
重要である。
都道府県等は、中核拠点病院の設置する連絡協議会等と連携し、医師会、歯科医師会等の関
係団体や患者団体の協力の下、中核拠点病院、エイズ治療拠点病院及び地域の医療機関間の診
療連携の充実を図ることが重要である。医療及び福祉の現場においては、HIVに感染してい
るという理由だけで医療従事者や介護従事者等が診療、サービスの提供等を拒否することや、
消極的になること等はあってはならず、感染者等の基本的人権として、偏見・差別なく適切か
つ必要な医療・福祉サービスを受けることが確保されなければならない。
特に、 感染者等に対する歯科診療及び透析医療の確保について、 地方ブロック拠点病院及び
中核拠点病院は、地域の実情に応じ、各種拠点病院と診療に協力する歯科診療所及び透析医療
機関との連携体制の構築を図ることにより、感染者等へ滞りなく歯科診療や透析医療等を提供
することが重要である。また、地域の医療従事者等が安心して診療にあたるために、HIV曝
露時の対応マニュアルや曝露後予防薬の配置を整備することが引き続き重要である。
3診療科連携の強化
抗HIV療法の進歩に伴い、HIV感染者等の予後は改善したが、結核、悪性腫瘍等の合併
症や肝炎等の併発症、療養の長期化や高齢化に伴い生じ得る他の疾病の管理を含め、総合的に
診療を行っていくことが重要である。このことから、国及び都道府県等は、感染者等が総合的
な治療やケアを受けることができるよう療養環境の整備を引き続き強化するべきである。医療
現場においては、合併症や併発症を有する患者等を治療するために、HIV治療を専門とする
医療従事者とそれぞれの疾病に関係する診療科及び部門間の連携を強化し、医療機関全体で対
応できる体制を整備することが重要である。なお、他の専門的な医療機関と連携することは、
感染者等が総合的な治療やケアを受ける上で、非常に重要である。
さらに、、医療従事者は、医療を提供するに当たり、チーム医療の重要性を認識し、医療機関
内外の専門家及び専門施設と連携を図り、心理的な支援、服薬指導等を含めた包括的な診療体
制を構築する必要がある。
4長期療養・在宅療養支援体制等の整備
感染者等の療養の長期化又は高齢化に伴う他の疾病の発症の可能性の増大に伴い、保健医療
サービスと介護・福祉サービスとの連携等が重要になる中で、コーディネーションを担う看護
師、医療ソーシャルワーカー等は介護サービスとの連携を確保することが重要である。また、
感染者等の主体的な療養環境の選択を尊重するため、長期療養・在宅療養の感染者等を積極的
に支える体制の整備を推進していくことも重要である。このため、国及び都道府県等は、具体
的な症例に照らしつつ、感染者等の長期療養・在宅療養サービスの向上に配慮していくよう努
めることが重要である。都道府県等にあっては、地域の実情に応じて、地方ブロック拠点病院
及び中核拠点病院によるコーディネーションの下、各種拠点病院と地域の医療機関、介護サー
ビス事業所等との相互の連携体制の構築を図ることが重要である。
感染者等が安心して治療を継続しながら生活を送るためには、 生活相談等の支援が重要であ
る。国及び都道府県等は、各種拠点病院と連携して、専門知識に基づく医療社会福祉相談(医
療ソーシャルワーク)やピア・カウンセリング(感染者等や個別施策層の当事者による相互相
談をいう。)等の研修の機会を拡大し、NGO等と連携した生活相談支援に加え、社会資源の活
用等についての情報の周知を進めることが重要である。
四 医薬品の円滑な供給確保
国は、 感染者等が安心して医療を受けることができるよう、 医薬品の円滑な供給を確保するこ
とが重要である。そのため、国内において医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保
等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)に基づく承認を受けているがHIVの感染又
はその随伴症状に対する効能又は効果が認められていない医薬品の中で効果が期待される医薬品
の医療上必要な適応拡大を行うとともに、 海外で承認された医薬品がいち早く国内においても使
用できるようにする等の措置を講じ、海外との格差を是正していくことが重要である.
五外国人に対する保健医療サービスの提供
外国人については、言語障壁、文化的障壁等があり、適切な保健医療サービスを受けていない
可能性がある。このため、都道府県等は、外国人に対する保健医療サービスの提供に当たっては、
保健医療サービス及び情報の提供に支障が生じることがないよう、医療従事者に対する研修を実
施するとともに、NGO等と協力し、通訳等の確保による多言語での対応の充実が必要である。
また、国は、外国人の感染者等の発生動向について把握し、外国人への保健医療サービスの提供
の状況等について、調査することも重要である。
六十分な説明と同意に基づく医療の推進
治療効果を高めるとともに、感染の拡大を抑制するためには、医療従事者は、感染者等が置か
れている状況を社会的な背景も含めて深く理解した上で、良質かつ適切な医療についての十分な
説明を行い、当該感染者等の理解を得るよう努めることが不可欠である。具体的には、医療を提
供するに当たり、UIIUを含むHIIV感染症・エイズに関する最新の正しい知識や適切な服薬等
に関する説明を行い、感染者等の理解が得られるよう継続的に努めることが重要である。説明の
際には、感染者等の理解を助けるため、分かりやすい説明資料を用意すること等が望ましい。ま
た、感染者等が主治医以外の医師の意見を聞き、自らの意思決定に役立てることも重要である.
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