その他令和7年11月10日

HIV感染症・エイズ対策に関する指針

掲載日
令和7年11月10日
号種
号外
原文ページ
p.22
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HIV感染症・エイズ対策に関する指針

令和7年11月10日|p.22

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国連合同エイズ計画 (Joint United Nations Programme on HIV/AIDS" 以下「UNAIDS 「UNAIDS 「UNAIDS 「UNAIDS" on DS HIV
という。)は、HIV感染症・エイズに対して脆弱である人々として、男性間で性的接触を行う者
(Men who have sex with men。以下「MSM」という。)、セックスワーカー、医療目的以外で注射
により薬物を使用することがある者等を挙げており、エイズ施策の鍵となる人々(キーポピュレーショ
ン)と呼んでいる。国内においても、こうした人々におけるHIV感染症に係る実態を把握するため
の研究の継続が重要である。
我が国では、MSM、性風俗産業の従事者及び医療目的以外で薬物を使用することがある者をHI
V施策の実施において特別な配慮を必要とする個別施策層として位置付けている。日本の新規感染者
等は、MSMが感染者等の大半を占めており、特に重点的な配慮が必要である。
感染者等の基本的人権として、医療や福祉の現場においては、偏見・差別なく適切かつ必要な医療・
福祉サービスを受けることが確保されなければならない。また、感染者等や個別施策層に対する偏見・
差別は、エイズ対策を阻害する要因となり得るため、偏見・差別の撤廃へ向けた努力が必要である。
社会に対してHIV感染症・エイズに関する最新の正しい知識を普及することで、国民が感染者等へ
の理解を深め、偏見・差別の撤廃につなげること、自らの健康の問題として意識し行動を変えていく
こと(以下「行動変容」という。)が重要である。また、青少年に対しては、性に関する適切な自己の
意思決定及び行動選択に係る能力が形成過程にあることから、心身の健康を育むための教育等の中で、
性に関する重要な事柄の一つとして、HIV感染症・エイズに関する最新の正しい知識の普及啓発を
行うことが特に重要である。
さらに、感染者等がエイズ施策に主体的に関与していくこと(Greater involvement of people liv-
ing with HIV。以下「GIPA」という。)も重要である。
我が国においても具体的な目標を設定する必要がある。その端緒として、二〇三〇年までのHIV流
行終息に向けたUNAIDSの国際的な目標を受けて、第一に感染者等が検査によりその感染を自覚
し、第二に定期的に治療を受け、第三に他者に感染しない状態にまでウイルス量を低下させるという
一連のプロセス(以下「ケアカスケード」という。)において、いずれも九十五%以上を達成するとい
う目標 (以下 「95-95-95目標」 という。)の将来的な達成を目指す。 そのため、 国内におけるケアカス
ケードに関する数値を適切に把握するよう努める。特に我が国においては、現在エイズを発症した状
態でHIVの感染が判明した者は、いまだに新規に感染が判明した感染者等の約三割を占めているた
め、その改善に向けて、各種施策に取り組む。
本指針は、このような認識の下に、HIV感染症・エイズに対する予防の総合的な推進を図るため、
国、 地方公共団体、 医療関係者並びに患者団体を含む非営利組織及び非政府組織 (以下 「NGO等」
という。)が連携して取り組んでいくべき課題について、エイズ施策の方向性を示すことを目的とする。
なお、本指針については、少なくとも五年ごとに再検討を加え、必要があると認めるときは、これ
を変更していくものである。
(注)キーポピュレーションについては、UNAIDSが「Statement of the Joint UN Programme
on HIV/AIDS (UNAIDS) Interagency Working Group on Key Populations]を発表している。
第一人権の尊重
一基本的考え方
一基本的考え方
感染者等に対しては、現在でも、科学的に根拠のない情報や誤解、最新の科学的知見に基づく
正しい知識の習得が十分でないことによる偏見・差別が存在している。また、例えば個人がもつ
様々な性質、特徴、背景等に対して、周囲から否定的な捉え方をされてしまうこと等により生13
る個別施策層に対する偏見・差別は、エイズ対策を阻害する要因となり得る
国及び都道府県等は、感染者等が医療・福祉のみならず就学・就労に際し不利益を被ることが
ないよう、医療機関、社会福祉施設、教育現場及び職場における偏見・差別の発生を未然に防止
するための十分な教育・啓発を行うことが必要である。HIIV感染症エイズに、関する最新の正
しい知識の習得等による偏見・差別の撤廃とともに、多様性に関する国民の理解が、感染者等の
予防行動、検査及び医療へのアクセスの改善に寄与することについても認識することが重要であ
る。
二偏見・差別の撤廃への努力
感染者等の就学・就労や地域での社会活動等をはじめとする社会参加を促進することは、感染
者等の個人の人権の尊重及び福利の向上だけでなく、社会全体におけるHIV感染症・エイズに
関する最新の正しい知識の啓発や感染者等に対する理解を深めることになる。特に、健康状態が
良好である感染者等については、その処遇において他の健康な者と同様に扱うことが重要である。
このため、厚生労働省は、文部科学省、法務省等の関係省庁や地方公共団体との連携を強化し、
人権教育及び人権啓発の推進に関する法律(平成十二年法律第百四十七号)第七条に基づく人権
教育・啓発に関する基本計画(第二次)を踏まえた人権教育・啓発事業と連携し、感染者等に対
する偏見・差別の撤廃のため、具体的な資料を活用しつつ最新の正しい知識の普及啓発を行うこ
とが重要である。特に、感染者等が安心して治療を継続しながら生活を送ることができるように
するためには、医療現場、学校、職場及び地域における偏見・差別の発生を未然に防止すること
が重要であり、NGO等と連携し、医療現場、学校、企業や地域社会等に対して広くHIV感染
症・エイズへの理解を深めるための教育・啓発活動を推進するとともに、事例研究や相談窓口等
に関する情報を提供することが必要である。
第二原因の究明
一基本的考え方
国及び都道府県等は、感染者等の人権及び個人の情報保護に十分に配慮した上で、国立健康危
機管理研究機構、研究班(厚生労働科学研究費補助金等に関係する研究班をいう。以下同じ。)及
びNGO等と協力し、感染者等に関する情報の収集に努め、感染の予防及び良質かつ適切な医療
の提供を行うための施策を立案及び実行することが重要である。
二エイズ発生動向調査の強化
国及び都道府県等は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づくエイ
ズ発生動向調査の分析を引き続き強化するとともに、死亡原因を含む病状に変化を生じた事項に
関する報告である任意報告についても、関係者に必要性を周知徹底し、その情報の分析を引き続
き強化すべきである。また、迅速な発生動向の把握の観点から、医師からの電磁的な方法による
発生届の提出を促進する。なお、エイズ発生動向調査の分析に当たつては、地域菜を考慮すると
ともに、感染者等に関する疫学調査・研究等の関連情報を収集することにより、エイズ発生動向
調査を補完することが必要である。
また、ケアカスケードの評価に資する国内の疫学調査・研究等を継続的に実施する必要がある。
二国際的な発生動向の把握
国際交流が活発化し、多くの日本人が海外に長期間又は短期間滞在しているとともに、多くの
外国人が訪日し、また日本国内に居住するようになった状況に鑑み、国は、研究班やNGO等と
協力し、海外におけるHIV感染症・エイズの発生動向を把握し、日本への影響を評価すること
が重要である。
四エイズ発生動向調査等の結果等の公開及び提供
国及び都道府県等は、収集されたエイズ発生動向調査等の結果やその分析に関する情報を、多
様な媒体を通じて、広く公開及び提供を行っていくことが重要である。
第三発生の予防及びまん延の防止
一基本的考え方
国及び都道府県等は、現在における最大の感染経路が性的接触であること、性感染症のり患と
HIV感染症・エイズとの関係が緊密であること等を踏まえ、①性感染症に関する特定感染症予
防指針(平成十二年厚生省告示第十五号)に基づき行われる施策とIIIV感染症・エイズ対策を
連携させた施策、②コンドームの適切な使用を含めた正しい感染予防の知識の普及啓発、③地域
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HIV感染症・エイズ対策に関する指針 - 第22頁
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