後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針の改正(厚生労働省告示第二百九十四号)
令和7年11月10日|p.21
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○厚生労働省告示第二百九十四号
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第十一条第
一項の規定に基づき、後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針(平成三十年厚生労働省告
示第九号) の全部を次のように改正する。
令和七年十一月十日
厚生労働大臣上野賢一郎
後天性免疫不全症 )は、ヒト免疫不全症候群 (Human Immunode
ficiency Virus。以下「HIV」という。)の感染により免疫不全が生じ、日和見感染症や悪性腫瘍等
が合併した状態をいう。HIIVは血液、精液、膣分泌液、母乳等に存在する。HIIVの主要な感染経
路は性器、口腔等による性的な接触(以下「性的接触」という。)による感染であり、性的接触を行う
全ての人に感染する可能性がある。また、その他の感染経路として、HIVが混入した血液を介した
感染、母子感染等があるが、現在では輸血用血液の安全性向上対策や母子感染対策の普及により非常
にまれとなっている。そのため、通常、HIVは日常生活において性的接触以外で他者に感染するこ
とは非常にまれであることから、最新の正しい知識とそれに基づく一人一人の注意深い行動により、
予防することが可能である。
さらに、治療によりウイルス量が一定基準未満に抑え続けられていれば、性的接触により他者に感
染することはない(Undetectable=Untransmittable。以下「U=U」という。)。これは、一人一人
が自己の感染状態を知り、早期に医療機関にかかり適切な治療を継続することで、新規感染を抑えら
れることを意味する。したがって、コンドームの適切な使用、早期診断及び早期治療につながる検査、
U=Uの考え方を踏まえた適切な治療等の複合的な対策により、感染予防及び感染拡大の抑制を図る
ことが重要である。加えて、HIV感染症に対する曝露前予防(Pre-exposure prophylaxis。以下「P
TEP」という。)等の感染予防に有用な手段について、更なる検討を進めることも重要である
また、抗HIV療法の進歩により、HIIVに感染している者であってエイズを発症していない。状態
のもの(以下「感染者」という。)及びエイズ患者(以下「患者」という。)の予後は改善しており、健
常者と同等の生活を送ることが可能となっている。一方、療養の長期化、高齢化に伴う合併症発症の
可能性の増大という新たな対応すべき課題が発生しているため、長期療養の環境整備等が必要となっ
ている。
日本におけるHV感染症(HIVに感染している状態であってエイズを発症していないものをい
う。以下同じ。)・エイズの発生動向については、国及び都道府県等(都道府県、保健所を設置する市
及び特別区をいう。以下同じ。)が感染者等に関する情報を収集及び分析し、国民や医師等の医療関係
者に対して情報を公表している調査(以下「エイズ発生動向調査」という。)によれば、新規の感染者
等の報告数は二〇一三年をピークに減少傾向にあるが、エイズを発症した状態でHIVの感染が判明
した者は、いまだに新規に感染が判明した感染者等の約三割を占めており、HIVの感染の早期診断
に向けた更なる施策が必要である。