その他令和7年10月6日
採石事業に関する不認可処分適否についての認定事実及び検討
掲載日
令和7年10月6日
号種
号外
原文ページ
p.29
号外p.29
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彗星
2月 日 月 月 日 月本月本日數日
第3当裁定委員会の判断
1争点11(7号書面の添附がないことを理由に本件不認可処分をすることの適否)について
(1)認定事実
前記前提事実、文中掲記の証拠及び審理の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。
ア成和商事、ユアサ商事及び中西産業は、令和3年12月10日、本件土地に係る採石事業(以
下「本件事業」という。)に関し、本件覚書を作成した。本件覚書の概要は以下のとおりであ
る。(甲5)
(ア)本件事業のスキーム(1条)
本件事業は,灘山採石場を含む土地のうちユアサ商事及び成和商事が所有する土地等に
おいて、成和商事が当該土地において申請人に採石をさせ、成和商事が総販売元として採
石販売事業を行い、中西産業が総販売代理店として産出された石材の販売を担当するもの
である。
(イ)採石場の許可(2条)
成和商事及びユアサ商事は、申請人の採石許可申請について、当該土地の所有者として、
当該採石事業の継続に協力する。
(ウ)採石同意料(3条)
a成和商事は、ユアサ商事に対し、令和4年1月1日から同年6月30日までの採石同意
料として、成和商事、中西産業及び申請人の作成した事業計画書に基づき成和商事が中
西産業に販売する採石出荷金額の3%相当額を支払うものとする(1項)。
b令和4年7月1日から同年12月31日までの採石同意料は、成和商事、中西産業及び申
請人が作成した事業計画書に基づき、同年6月30日までに成和商事とユアサ商事の協議
の上、翌半期の採石同意料(率)を定める方法により更新するものとし、以後同様とす
る(5項)。
(エ)解除(6条)
成和商事、ユアサ商事又は中西産業が次の各号の一つに該当した場合、他の当事者は、
何ら催告なしに通告するのみで本合意を解除することができる(1項)。
a1号、2号及び4号から7号まで省略
b差押え、仮差押え、仮処分、税金滞納処分その他公権力の処分を受けたとき(3号)
(オ)有効期間(8条)
本件覚書の期間は、前件認可処分の期限である令和6年7月18日までとする。
イ成和商事、ユアサ商事及び中西産業は、令和4年6月30日、本件覚書について、成和商事
がユアサ商事に対して支払う同年7月1日から同年12月31日までの採石同意料を、成和商事
が中西産業に販売する採石出荷金額の4%相当額に変更することなどを内容とする本件変更
覚書を作成した(甲6)。
ウ成和商事は、令和5年6月30日付けで、中西産業に対し、成和商事所有地及びユアサ商事
所有地の使用を同年7月1日から禁止し、今後は当該土地に立ち入らないよう求める旨を通
知した。これに対し、中西産業は、同日付けで、成和商事に対し、成和商事の主張は、事実
に反し、法的根拠がないから認められないなどと回答した。(甲13、14)
エ高松地方裁判所は,令和5年5月31日,中西産業が所有する土地について仮差押決定をし
たところ、これを受けて成和商事は、同年7月13日付けで、ユアサ商事及び中西産業に対し、
中西産業が所有する土地について仮差押決定がされており、採石事業の継続が不可能なので,
本件覚書の6条1項3号に基づき、本件覚書を解除する、本件覚書に基づく採石事業は直ち
に中止していただきたい旨を通知した。これに対し、中西産業は、同月18日付けで、成和商
事及びユアサ商事に対し、上記仮差押決定に対しては、保全異議の申立てをしており、今後、
取り消される可能性があり、本件覚書に基づく採石事業の中止の要求には応じられない旨を
通知した。また、ユアサ商事は、同月24日付けで、成和商事及び中西産業に対し、本件覚書
の解除等について、成和商事と中西産業との間で協議するよう求める旨を通知した。(甲15~
17、20)
オ申請人及び中西産業は、令和5年7月4日,高松地方裁判所に対し、申請人及び中西産業
を債権者、成和商事を債務者とし、成和商事が、自己又は第三者をして、本件土地のうち成
和商事が所有権又は共有持分権を有する土地に立ち入るなどして,申請人及び中西産業の上
記土地の使用及び占有を妨害してはならないことなどを求める妨害禁止等の仮処分命令の申
立てをした(高松地方裁判所令和5年回第14号)。その後、同仮処分手続で、同年9月11日、
申請人及び中西産業と成和商事との間で、成和商事が、申請人及び中西産業に対し、法的手
段によることなく、自己又は第三者をして、本件土地のうち成和商事が所有権又は共有特分
権を有する土地から動産を搬出し、又は同土地における申請人及び中西産業の通行を妨害し
ないことを確約する旨の和解が成立した。(甲18、19、25)
カユアサ商事は、合和5年10月16日付けで、中西産業に対し、本件土地は成和商事とコアサ
商事が所有する土地が入り組んで混在しており、本件土地については成和商事と一体として
の決定とならざるを得ないことを理由に、同月31日までに成和商事と連名の報告がない場合
は、同日をもって本件覚書を解除する旨を通知した。これに対し、中西産業は、同月24日、
ユアサ商事が求める条件付き解除は認められないため、本件土地の使用占有等を妨害するこ
とがないよう求める旨を通知した。(甲26、27)
キ申請人は、前提事実2)エのとおり、成和商事等から本件各施行同意書に係る同意を撤回す
る旨の通知を受け、令和5年12月6日、成和商事等に対し、本件各施行同意書には、開発行
為の施行及び開発行為の完了後の開発区域の緑化について、本件土地を使用することに異議
なく同意する旨や、同意の有効期限について開発行為の完了までと記載されていることから、
成和商事等は開発行為の完了まで本件土地での採石行為につき同意したことは明らかであ
り、同意の撤回は認められず、申請人は引き続き採石事業を継続する旨を通知した(甲31)。
(2)検討
ア採石法33条の3第2項は、岩石採取計画の申請の際には、岩石採取場及びその周辺の状況
を示す図面のほか、経済産業省令で定める書類を添附しなければならないと定め,これを受
けて採石法施行規則8条の15第2項7号は、「岩石採取場で岩石の採取を行うことについて申
請者が権原を有すること又は権原を取得する見込みが十分であることを示す書面」を添附し
なければならないと定めている。
採石業者の採石計画の認可は岩石採取の禁止を解除する効果を持つにとどまり、私法上の
採石権原を新たに設定するものではないこと、及び、採石法には、採石業者からの岩石採取
計画の認可申請を審査するに当たり、都道府県知事に申請者の私法上の採石権原の有無につ
いて審査義務を定めた規定が見当たらないことから判断すると、上記法令で7号書面の添附
を要件としている趣旨は、申請に当たってこのような文書の添附もできない者を形式審査に
より排除し、採石権原がないか又はこれを取得する見込みのない者に対してまで無用な認可
処分がされることを防止しようとするにすぎないものと解される。
したがって、処分庁は、添附書面により申請者が採石権原を有すること又はその取得の見
込みが十分であることを一応認定することが可能である場合には、申請者に採石権原がない
ことが明らかであるなどの特別の事情がない限り、7号書面が添附されていると判断すべき
であり、さらに当該添附書面が実体に相応するか否かにまで立ち入って審査することは法令
上求められていないものと解される。
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