その他令和7年10月6日

増大する災害リスクへの対応:農業・農村の強靱化施策

掲載日
令和7年10月6日
号種
号外
原文ページ
p.15 - p.17
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抽出要点

農業用ため池の防災工事、気候変動対応、農業水利施設の強靱化

抽出された基本情報
発行機関農林水産省

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増大する災害リスクへの対応:農業・農村の強靱化施策

令和7年10月6日|p.15-17

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(3)政策課題3:増大する災害リスク!II対応するための農業・農村の強靱化
政策目標4気候変動等により激甚化・頻発化する災害に対応した防災・減災
対策の推進
農業用ため池については、農業用ため池の管理及び保全に関する法律(平成
31年法律第17号。以下「ため池管理保全法」といSY。)に基づき、適正に管
理及び保全を行SY必要がある。また、決壊等により人的被害を及ぼすおそれが
ある防災重点農業用ため池については、防災重点農業用ため池に係る防災工事
等の推進に関する特別措置法(令和2年法律第56号。以下「ため池工事特措
法」という。)に基づき、集中的かつ計画的に防災工事等を推進している。こ
のよSYな中、防災対策を講じる優先度が高く、ため池工事特措法の期間内(令
和12年度末まで)に防災工事に着手することとして防災工事等推進計画に位
置付けられている約9,000か所のSY・ち約4,800か所が未着手であり、防災工事
等を加速化する必要がある。
気候変動による少雪化・融雪の早期化及び渇水・高温、特定外来生物28の拡大
等が生じている地域においては、農業用水が不足するリスクの増大、水管理の
労力と費用の増高、施設操作への支障等が課題となっている。
また、令和6年(2024年)の能登半島における地震及び豪雨により、農業水
利施設に加え、農道、農業集落排水施設等の施設にも甚大な被害が発生した。
(1れらの施設は老朽化が進行しており、施設の強靱化を推進する必要がある。
このため、第1次国土強靱化実施中期計画等に基づき、農業用ため池等の農
業水利施設、農道、農業集落排水施設等の防災・減災対策、流域治水の取組、
渇水・高温対策等により、農業・農村の強靱化を推進する。
ア政策目標の達成に向けて講ずべき施策
策施01
防災重点農業用ため池の防災工事等の集中的かつ計画的な推進
23我が国の生態系等に係る被害を及ぼし、又は及ぼすおそれがあるものとして、特定外来生物
による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成16年法律第78号)に基づき指定される
外来生物。
農業用ため池については、ため池管理保全法に基づき、適正に管理及び保全
を行う。
防災工事等推進計画に位置付けられた防災重点農業用ため池については、国
営事業による対応も含め防災工事(廃止工事を含む。)等を加速化する。また、
農業用ため池の決壊のほとんどが豪雨によることから、地域の実情に応じ、洪
水吐きの改修等の豪雨対策を地震対策に先行して整備する段階的整備を推進
する。防災工事等の実施に当たっては、防災工事等基本指針に基づき、生物多
様性の確保を始めとする農業用ため池の多面的機能の発揮に十分に配慮する。
あわせて、防災重点農業用ため池のハザードマップの作成・周知、ため池サ
ポートセンター等によるため池管理者への技術的な支援、ため池の水位等を把
握するための遠隔監視機器の導入等のソフト対策を推進する。
また、ため池工事特措法の施行後5年を目途とした法の施行状況等の点検・
検証を行い、防災重点農業用ため池の防災・減災対策の推進の在り方をとりま
とめる。
施策6
・気候変動等を踏まえた農業水利施設の整備、農地・農業水利施設を活
用した流域治水の取組、渇水・高温対策、農業水利施設の地震対策、農
道及び農業集落排水施設の強靱化等の推進
(将来予測に基づく施設の整備・改修)
気候変動に伴い激甚化・頻発化する豪雨災害に対応するため、従来の実績降
雨に基づく計画策定手法を見直し、将来の降雨予測に基づく計画策定手法も導
入し、気候変動に適応した排水施設の整備・改修を推進する。
(流域治水の取組)
農地・農業水利施設が有する雨水貯留機能及び洪水調節機能を効果的・効率
的に発揮・活用するため、畦畔、落水口、暗渠排水、排水路の整備等による水
田の「田んぼダム」としての活用(地域の共同活動による防災・減災の取組を
含む。)、農業用ダム、農業用ため池等の事前放流や低水位管理を推進する。
また、市街地や集落を含む地域全体の雨水排水にも寄与する排水施設の整備・
管理等に取り組む。その際、TYれら流域治水の取組について、農地・農業水利
施設が有する機能や農業者・施設管理者が果たす役割を地域住民等に発信す
る。
(災害被害の防止・軽減に向けた取組11
農地や農業用ため池等の農業水利施設が被災した場合は、被災状況に応じ
て、原形に復旧するだけでなく、災害復旧事業、あるいは、同事業に災害関連
の事業を組み合わせる.TYとにより、再度度災害の防止、生産性の向上等に向けた
改良復旧に効率的・効果的に取り組む。
また、迅速な実施が可能となるよう、改正土地改良法において、急施の防災
事業に、老朽化等により施設の損壊が生じるおそれがある農業水利施設の補
強、代替施設の新設等が追加されるとともに、急施の復旧事業に、災害復旧と
併せ行SY再度災害の防止のための改良復旧及び突発事故の復旧と併せ行SY類類
似の被害防止対策が追加された。TYれらの仕組みも活用し、農業水利施設等に
おける被害の防止・軽減に向け、事前対策と事後対応をより効率的・効果的に
実施する。
(渇水・高温等への対応)
気候変動による少雪化・融雪の早期化及び渇水・高温に対応するため、「流
域総合水管理29」の考え方を踏911え、水利用に関する情報共有など河川管理者、
利水者等との連携の下で、流域内の水資源の有効活用により、必要な農業用水
の確保を図る。また、同一水系等の複数の土地改良区が共同で水土里ビジョン
を策定する.TYとにより、土地改良区間の水利調整、洪水時・渇水時の人材・資
機材の融通等に取り組むことを促進する。
さらに、渇水・高温のリスクが高まっているため、必要な農業用水を確保す
るための農業水利施設の整備を推進するほか、著しい渇水時においては、
MAFF-SAT20の派遣や、ポンプ・給水車等の活用、番水31、用水の反復利用等へ
の支援を行Jrとともに、高温時においては、きめ細かな水管理等の取組を支援
する。また、ナガエツルノゲイトウ等の特定外来生物について農業水利施設の
操作への支障や地域へのまん延を防ぐための駆除等の取組を支援する。
ヘハ農業水利施設の地震対策、農道及び農業集落排水施設の強靱化)
令和6年能登半島地震も踏まえ、大規模地震の備えとして、引き続き、農業
水利施設等の地震対策を推進するとともに、農道・農道橋等の点検・診断を踏
まえた保全対策、農業集落排水施設の耐震性能照査・保全対策等により、TY九〇
ら施設の強靱化を推進する。
29治水に加え利水・環境も流域全体であらゆる関係者が他者を尊重しながら協働して取組を深
化させるとともに、「流域治水」・「水利用」・「流域環境」間の「利益相反の調整」や「相乗効果
の発現」を図ることで、「水災害による被害の最小化」「水の恵みの最大化」「水でつながる豊か
な環境の最大化」を実現させる考え方のこと。
30農林水産省・サポート・アドバイスチームの略称。災害発生時に、被災自治体に農林水産省
等職員を派遣し、迅速な被災状況の把握、応急対策等の支援を実施。
1)用水ブロックごと、あるいはほ場ごとに順番と時間を決めて配水する節水方法。
イ施策の成果目標
①重要業績指標(KPI)
○防災重点農業用ため池の防災工事の集中的かつ計画的な推進
・防災対策を講じる優先度が高い防災重点農業用ため池における防災工事
着手割合9割以上
○湛水被害等の防止
・湛水被害等が防止される農地及び周辺地域の面積21万ha
②活動指標
・防災重点農業用ため池の評価完了の割合9割以上
・田んぼダムの取組を実施した水田の面積(地域の共同活動による防災・
減災の取組を含む。)17万ha(累計)
・健全度評価により早急な対策が必要と判明している基幹的農業水利施設
における対策着手率 (再掲)
・個別施設計画で早期に対策が必要と判明している農道橋及び農道トンネ
ルの対策着手率10割
・最適整備構想で早期に対策が必要と判明している農業集落排水施設の対
策着手率10割
・避難所等の重要施設へ接続する農業集落排水施設の耐震性能照査の完了
率9割以上
ウ事業量
・防災工事に着手する防災重点農業用ため池約3,400か所
・評価が完了する防災重点農業用ため池約12,000か所
・各種防災対策の実施約1,800地区
・田んぼダムに取り組む水田の面積約7万ha
・更新に着手する基幹的農業水利施設
水路約1,100km施設約290か所(再掲)
・保全対策に着手する農道橋及び農道トンネル約70か所
・更新に着手する農業集落排水施設約500地区
・耐震照査を実施する農業集落排水施設約1,200施設
(4)政策課題4:農村の価値や魅力の創出
政策目標5農村における所得の向上と雇用機会の創出、農村に人が住み続
14J.れる生活環境の確保、多様な人材が関わる機会の創出
農村は、農業が営まれている場であり、農業者を含めた地域住民の生活の場
でもあり、農業の持続的な発展の基盤たる役割を果たしている。また、中山間
地域は、全国の総農家数、耕地面積、農業産出額のそれぞれ4割を占め、我が
国の食料生産を担うとともに、多面的機能の発揮においても重要な役割を担っ
ており、地域特性を活かした園芸作物等の導入や有機農業が行われている。
一方で、農村、特に中山間地域等では、都市に先駆けて人口減少・高齢化が
進行しており、農業者の減少に伴SY食料安定供給への支障が懸念される。農業
生産活動を支える農地周りの草刈り、水路の泥上げ等の地域の共同活動につい
ては、活動参加者の減少及び高齢化により組織が弱体化し、活動の継続が困難
となるおそれがある。これに併せ、農村内の非農業者も今後大幅な減少が見込
まれ、農村の地域社会の維持も困難となるおそれがある。
このため、農村人口の減少下においても、農業生産基盤及び農村生活環境の
整備・保全を通じて、所得の向上と雇用の創出を図る取組を推進するとともに、
農村に人が住み続けられる生活環境を確保する必要がある。また、(Yれらの取
組を通じて、農村の価値や魅力を創出し、農村外部の多様な人材に農業・農村
に関わってもら.SY・「農村関係人口の拡大」や、多様な魅力ある農業地域の資源
を活かした取組である里業を推進しつつ、農村の振興を図る。TYとが重要であ
る。
さらに、農村で農業生産活動が適切に行われることにより発揮される多面的
機能が今後とも維持・発揮されるよSY)、農地の保全に資する共同活動を促進す
るとともに、耕作放棄及び離農の要因にもなり得る鳥獣被害防止対策を推進す
る必要がある。
くわえて、土地改良事業により整備されてきた農地・農業水利施設は、土地
改良区を中心とした地域のII111ュニティ等により維持管理される.TYとによっ
て、食料供給機能及び多面的機能を発揮し、農業・農村を支えてきた。その11
心的な役割を担う土地改良区では、組合員の減少や高齢化が課題となっている
(Yとから、長期的視点に立ち、運営の活性化を図るため、女性・若者等の多様
な人材の参画を促していくことが必要である。
また、食料システムを持続可能なものとするためには、環境負荷低減の取組
を図る観点から、「みどりの食料システム戦略」に即した農業生産基盤等の整
備・保全を推進する必要がある。このような取組の中で、有機農業を学ぶプロ
((JIム等の取組は、農村関係人口の拡大の一つのきっかけにもなり得る。また、
長期中干し、冬期湛水等の環境負荷低減の取組は、地域でまとまりをもって取
り組むことで効率的かつ効果的な推進が期待される。
ア政策目標の達成に向けて講ずべき施策
施策7
2策7生産基盤と生産・販売施設等の総合的な整備を通じた所得の向上と雇
用の創出、生活インフラの整備の推進
(生産基盤と生産・販売施設等の総合的な整備)
中山間地域を始めとする農村において、冷涼な気候及び傾斜を活かした園芸
作物の生産など地域の特色を活かした営農を確立するため、生産基盤及び生産
・販売・交流・滞在施設等の総合的な整備を推進し、農村における所得の向上
と雇用の創出を図る。TYれらの整備に当たっては、農村関係人口の拡大につな
がる農泊、農福連携等との相乗効果の発揮を図るとともに、女性・若者等にと
っての暮らしやすさ・働きやすさに十分留意する。あわせて、中山間地域等の
実情に応じ、農地へのアクセス向上のための農道整備、管理作業の省力化に資
する農地整備など小規模できめ細かな基盤整備を推進する。
(生活インフラの整備)
中山間地域を始めとする農村に人が住み続けられるよう、農業集落排水施設
の保全対策や維持管理の効率化のための再編・集約、農道の保全対策、情報通
信環境の整備など生活インフラの整備を推進する。
施策8多様な人材の参画等を通じた農地・農業水利施設等の保全管理の体制
強化、環境負荷低減の取組等の推進
(多様な人材の参画を通じた体制強化等)
多面的機能支払制度について、活動組織の更なる体制強化に向け、都道府県、
市町村等による企業、学校、農業に関心のある非農業者等と活動組織とのマッ
チングの推進などにより、若者等の確保を図りつつ、多様な組織及び非農業者
の参画を促進する。また、都道府県、市町村等の支援により広域化を推進する
(Yとで、集落の枠組みを越えて広域的に保全管理活動を実施できる体制を構築
する。
中山間地域等直接支払制度については、共同活動を通じた農業生産活動等が
継続できる仕組みが構築されるよ。SY1、集落協定のネットワーク化や多様な組織
等の活動への参画が可能な体制づくりを推進する。
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増大する災害リスクへの対応:農業・農村の強靱化施策 - 第15頁
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