その他令和7年10月6日

第2章 農業・農村をめぐる課題と土地改良事業の新たな視点

掲載日
令和7年10月6日
号種
号外
原文ページ
p.4
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第2章 農業・農村をめぐる課題と土地改良事業の新たな視点

令和7年10月6日|p.4

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第2農業・農村をめぐる課題と土地改良事業の新たな視点
1農業・農村をめぐる情勢及び課題
土地改良事業を計画的かつ効果的に実施するに当たっては、農業・農村を取
り巻く内外の諸情勢について的確に認識した上で、対処していくことが重要で
ある。
(1)食料安全保障を取り巻く環境の変化
世界の食料事情は、需要の増加、供給の不安定化、11れらに伴Jr需給のひっ
迫といった不安要素を抱えている。世界人口は増加を続け、令和6年(2024年)
時点で82億人となっており、世界の食料需要が増大している。また、世界的な
食料供給の不安定化を助長しているのが、気候変動によって頻発化する異常気
象である。地球温暖化の進展により、高温、干ばつ、大規模な洪水等による災
害が頻発化し、毎年のように、世界各地で局所的な不作が発生している。
食料需給がひっ迫傾向で推移すれば、輸入国による食料の獲得競争の一層の
激化が懸念される。新興国等においては、食料需要が増加し、輸入量も急増し
ている。その結果、世界最大の農林水産物純輸入国は平成10年(1998年)時
点で日本がトップシェア(40%)であったが、令和3年(2021年)には中国が
トップシェア(29%)となり、食料貿易のプ11イスメーカーとなっている。94
た、近年ではロシアのウクライナ侵略等の影響により食料価格指数の高騰が見
られるなど、世界的な食料需給が不安定化する中、食料の輸入価格は上昇し、
安定的な輸入にも懸念が生じている。
一方、国内においては、肥料費が令和2年(2020年)に比べ4割増加するな
ど、米の生産コストの上昇が続いてきた。こうしたコストの上昇に加え、流通
状況を踏まえた集荷の動きなどにより、令和6年(2024年)産米の相対取引価
格は前年産に比べ上昇している。TYのよSYな中、将来にわたって、生産者が意
欲をもって持続的・安定的に生産し、かつそれを消費者が手に取りやすい価格
で供給できる、生産者・消費者双方にとってメリットのある米の安定供給や、
そのために必要な水田の維持が求められている。
(2)農業者の減少に伴CA・農業生産活動等への影響
我が国の総人口は平成20年(2008年)をピークに減少しているが、農村は
都市に先駆けて人口減少が進行し、農業者の減少・高齢化が著しい20基幹的農
業従事者10は、平成12年(2000年)の240万人から令和6年(2024年)には
111万人と半減し、その年齢構成のピークは70歳以上となっている。20年後の
基幹的農業従事者の中心となることが想定される現在の60歳未満層は、全体
の約2割の25万人程度にとどまっている。
また、特に中山間地域の農村では人口減少・高齢化がより急速に進んでおり、
集落による共同活動により支えられてきた農業生産活動への影響が生じるだ
けでなく、農村の地域社会の維持が困難となるおそれがある。
(3)農業生産基盤等の脆弱化
食料生産と国土保全の基盤である農地の面積は、荒廃農地1)の拡大、宅地等
への転用等により、近年は、毎年約3万haずつ減少しており、ピーク時の609
万ha(昭和36年、1961年)から427万ha(令和6年、2024年)に減少してい
る。水田の整備状況については、50a以上、1ha以上に大区画化された面積は、
それぞれ全体の12%、6%にとどまる。
基幹的な農業水利施設12については、更新整備を進めているものの、標準耐
用年数13を超過した基幹的施設数の割合は、平成19年(2007年)から令和5年
(2023年)にかけて42%から58%、基幹的水路延長の割合は、25%から48%へ
と増加している。
施設の老朽化が進行する中、特に管水路(パイプライン)については、機能
診断、劣化予測等が困難な場合が多く、近年、破裂、漏水等の突発事故が多発
している。こうした事故の頻発化は、食料供給を不安定なものにするだけでな
く、農村地域の生活等に深刻な被害を及ぼすおそれがある。
また、農道や農業集落排水施設については、供用開始後20年を経過するもの
の割合が、令和6年(2024年)時点で農道橋は84%、農道トンネルは68%、農
業集落排水施設は84%であり、近年増加している。
1015歳以上の世帯員のうち、仕事として主に自営農業に従事している者。
11現に耕作に供されておらず、耕作の放棄により荒廃し、通常の農作業では作物の栽培が客観
的に不可能となっている農地。
12受益面積が100ha以上の農業水利施設。
3所得税法等の減価償却資産の償却期間を定めた財務省令を基に農林水産省が定めたものであ
り、主なものは以下のとおり
貯水池:80年、取水堰(頭首工):50年、水門:30年、機場:20年、水路:40年
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第2章 農業・農村をめぐる課題と土地改良事業の新たな視点 - 第4頁
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