土地改良事業の目的と農村振興に関する解説
令和7年10月6日|p.3
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(安全・安心な農村の実現)
排水機場や排水路は、農地の排水条件の改善により、農作業の機械化及び多様
な農業経営を実現するだけでなく、低平地における有効な土地利用を確保すると
ともに、都市化・混住化が進展した地域における湛水被害を抑制し、農村の安全
・安心な暮らしの実現に貢献している。
(農村の振興)
農村は、国民に不可欠な食料を安定供給する基盤であるとともに、農業を始め
とする様々な産業が営まれ、多様な地域住民が生活する場でもある。さらには、
国土の保全、生物多様性5の保全といった、多面的機能が発揮される場所でもある。
土地改良事業は、農業生産基盤と農村生活環境の整備・保全を通じて、農村の振
興にも大きな役割を果たしている。例えば、基盤整備を契機とした6次産業化の
取組等は、農村における所得の向上及び雇用機会の創出を実現し、農道、農業集
落排水施設7等の生活インフJIの整備は、農村に人が住み続けられる環境を確保し
ている。
(土地改良事業の特性)
土地改良事業の目的・役割を達成する上での重要な特性として、農業者の発意
に基づき、実施区域内の農業者の3分の2以上の同意をもって実施するTYとが原
則となっている点が挙げられる。事業の発意、同意、実施に至る過程において、
農業者を中心とした多様な関係者が、地域における農業・農村の将来像を見通し、
世代を越えて事業の効果が発揮24れるよSY合意形成を図っている。
また、土地改良事業により整備された農地・農業水利施設等は、土地改良区3を
始め10する農業者組織により共同で利用・管理されている。CYれらの保全管理に
は、農村に住む多様な人々も関与しており、TYSY・した人々のつながりにより発揮
される「農村協働力9」を強化していく。TYとにより、農村の維持・発展を促す1.11
が重要である。
(消費者との関わり)
農業者の急速な減少及び高齢化が見込94れる111、食料の安定供給に対する不安
が消費者にも広がっている。TYSY「した中、生産性を向上させるとともに生産の自
由度を高める土地改良事業は、農業の持続的な発展を実現する。TYとを通じて、将
来にわたって食料の安定供給を確保するといSY「消費者の期待に応え得るものであ
る。くわえて、農業生産活動が継続的に行われるよSYにする.TYとで、農業・農村
の有する多面的機能が発揮され、その恩恵は、都市住民を含めて国民全体に及ん
でいる。TYのよSYに、土地改良事業は、農業者のみならず、消費者を含めた国民
全体の食と暮らしを支えるものである。
5様々な生態系が存在すること並びに生物の種間及び種内に様々な差異が存在すること。生物
の多様性に関する条約では、種内の多様性、種間の多様性及び生態系の多様性を含むとされて
いる。
6農林漁業者等が必要に応じて農林漁業者等以外の者の協力を得て主体的に行う、1次産業と
しての農林漁業と、2次産業としての製造業、3次産業としての小売業等の事業との総合的か
つ-体的な推進を図り、地域資源を活用した新たな付加価値を生み出す取組。
7農業用用排水の水質保全、農業用水利施設の機能維持又は農村生活環境の改善を図り、併せて
公共用水域の水質保全に寄与するため、農業集落におけるし尿、生活雑排水等の汚水、汚泥又は
雨水を処理する施設。
8農業水利施設等の整備・管理を行う土地改良事業を実施することを目的として、地域の関係農
業者により組織された団体,
9農村における社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)に相当するもの。農村における社会
資本の共同利用・共同管理等を基軸とした人々のつながりにより発揮される能力又は機能であ
り、農業生産の基盤である農地、農業水利施設等の「社会資本」、それと密接不可分な関係にあ
る自然環境や生態系といった「自然資本」、同じ空間で生産と生活を営む農業者、地域住民等の
「人的資本」を媒介し円滑に機能させることにより、地域の潜在力が総合的に発揮され、農村
が持続的かつ安定的に存続することを可能とするもの。