全面緊急事態における防護措置の概要(第2版)
令和7年10月3日|p.18
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全面緊急事態:
全面緊急事態は、原子力施設において公衆に放射線による影響をもたらす可能性が
高い事象が生じたため、重篤な確定的影響を回避し又は最小化するため、及び確率的
影響のリスクを低減するため,迅速な防護措置を実施する必要がある段階である。
この段階では、原子力事業者は、全面緊急事態に該当する事象の発生及び施設の状
況について直ちに国及び地方公共団体に通報しなければならない。また、原子力事業
者は、原子力災害の発生又は拡大の防止のために必要な応急措置を行い、その措置の
概要について、報告しなければならない。国は、全面緊急事態の発生の確認を行い、
遅滞なく、地方公共団体、公衆等に対する情報提供を行わなければならない。国及び
地方公共団体は、PAZ内において、基本的に全ての住民等を対象に避難等の予防的
防護措置を講じなければならない。また、UPZ(13)②(11(ロ)で述べるUPZをいう。
以下同じ。)内においては、屋内退避を実施するとともに、事態の規模、時間的な推移
に応じて、PAZ内と同様、避難等の予防的防護措置を講ずることも必要である。
(ロ)・(略)
()運用上の介入レベル(OIL)
(イ)基本的な考え方
全面緊急事態に至った場合には、住民等への被ぼくの影響を回避する観点から、基
本的には前記(1)の施設の状況に基づく判断により、避難等の予防的防護措置を講ずる
ことが極めて重要であるが、放射性物質の放出後は、その拡散により比較的広い範囲
において空間放射線量率等の高い地点が発生する可能性がある。このような事態に備
え、国、地方公共団体及び原子力事業者は、緊急時モニタリングを迅速に行い、その
測定結果を防護措置を実施すべき基準に照らして、必要な措置の判断を行い、これを
実施することが必要となる。こうした対応の流れについては、図1及び表1-1から
1-3までの後段にまとめる.
放射性物質の放出後、継続的に高い空間放射線量率が計測された地域においては、
地表面からの放射線等による彼ばくの影響をできる限り低減する観点から,数時間か
ら1日以内に住民等について避難等の緊急防護措置を講じなければならない。また、
それと比較して低い空間放射線量率が計測された地域においても、無用な被ばくを回
避する観点から、1週間以内に一時移転等の早期防護措置を講じなければならない。
これらの措置を講ずる場合には、国からの指示に基づき、避難や一時移転を行う住民
等に対し,除染を実施すべき基準以下であるか否かを確認する検査(以下「避難退域
時検査」という。)を行い、その結果を踏まえ除染(簡易な方法による除染(以下「簡
易除染」という。)を含む。以下同じ。)を行うとともに、甲状腺の被ばく線量を推定す
るために行う測定(以下「甲状腺被ばく線量モニタリング」という。)をその対象とす
る者(第3(5)⑥(1)に定める者)に対して実施しなければならない。さらに、経口摂取
等による内部枝ばくを回避する観点から、一時移転等を講ずる地域では、地域生産物
の摂取を制限しなければならない。また、飲食物中の放射性核種濃度の測定を開始す
べき範囲を数日以内に空間放射線量率に基づいて特定するとともに、当該範囲におい
て飲食物中の放射性核種濃度の測定を開始し、その濃度に応じて飲食物摂取制限を継
続的に講じなければならない。