その他令和7年8月4日
「Aleph」に対する再発防止処分及び規制措置に関する意見(法第八条第一項に基づく)
掲載日
令和7年8月4日
号種
号外
原文ページ
p.14
号外p.14
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無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律に基づく観察処分の更新及び再発防止処分
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「Aleph」に対する再発防止処分及び規制措置に関する意見(法第八条第一項に基づく)
令和7年8月4日|p.14
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すなわち、法が予定している観察処分の枠組みは、報告内容に虚偽があれば再発防止処
分を受け得るという制度的担保の下、三箇月ごとに、容易かつ迅速に要報告事項を把握す
ることができることを前提として、任意調査等でそれを確認するというものであるところ、
本件収益事業書面は、「Aleph」の責任において報告されたものではないため、 その内容の
正確性・真実性について、前記のような制度的担保なく作成されて施設内に置かれたもの
にすぎない。その結果、本件収益事業書面では把握漏れを防ぐこともできず、「Aleph」が
実質的に経営する収益事業を全て把握し、その活動状況を継続して明らかにすることが困
難である。
また、「Aleph」は、令和二年二月十五日付け「報告書」以降、本件一部不報告を含め、
約五年間もの長期間にわたり、少なくとも計九の収益事業の種類及び概要等並びに同収益
事業に係る資産を報告しておらず、これによって、これら要報告事項について、三箇月ご
との容易かつ迅速な把握及びそれを前提とした任意調査等による確認ができず、危険な要
素の質的・量的程度とその変化について正確な把握ができない状況が継続しているもので
あり、このことは、各施設への立入検査時に本件収益事業書面が確認されたことによって
も到底解消されるものではない。
その他、これまでの立入検査の結果に鑑みても、前記」で述べたとおり、「Aleph」の非
協力姿勢に基づく徹底した対抗措置等もあり、各施設への立入検査において、「Aleph」の
出家した構成員が自ら進んで本件収益事業書面を公安調査官に提供したことはないばかり
か、令和七年六月十八日に実施した名古屋施設に対する立入検査においては、本件収益事
業書面が施設外に持ち出されており、立入検査時における本件収益事業書面の確認はでき
ず、立入検査に立ち会った弁護士も本件収益事業書面の記載事項の一つとされる会計帳簿
の保管場所については明確に回答しないなど、前記「報告書」に記載された「公安調査官
の調査に供する用意を継続している」とは到底いえない状況にある。
さらに、本件収益事業書面が確認された場合であっても、収益事業に係る会計帳簿上の
記載が概括的であることなどから会計帳簿上の金額の信用性を含めて十分な裏付けを得る
に至らないなど、その内容も不十分なものにとどまっており、危険な要素の質的・量的程
度について正確な把握ができるとは到底認め難い状況にある。
例えば、 前記4で述べた 「賛助会員」 と称する制度についてみても、 いずれの収益事業
に係る会計帳簿等にも同制度に基づく会費収入の記載は見当たらないし、 「Aleph」 の主た
る事務所がある北越谷施設に保管された会計帳簿等には一定の収入の記載があるものの、
同制度に基づく会費を特定するに足りる記載は見当たらず、結局、「賛助会員」と称する制
度に基づく会費名目の金銭の実態は明らかでなく、ひいては「Aleph」が「報告書」で報
告する現金額すら真実のものかどうかを容易に判断することは困難な状況にある。
このように、本件収益事業書面が一部確認されたとしてもなお、無差別大量殺人行為に
及ぶ危険性の程度を把握することは困難であると認められ、このことについては、令和五
年三月決定による再発防止処分に係る損害賠償請求訴訟において、東京地裁もその旨認定
している。
なお、前記3・(1・2・エで述べた平成三十年二月十四日付け「報告書」まで記載され
ていた小売業等を営む一の収益事業については、「報告書」の団体の活動に関する意思決定
の内容に前記のような記載がなく、立入検査においても本件収益事業書面に類する書面は
確認されておらず、この点からも無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握すること
は困難である。
(6)小括
以上詳述したとおり、 「Aleph」 による本件一部不報告は、 人的要素、 物的要素、 資金的
要素を個別に見ても、「Aleph」の無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握すること
が困難であると認められ、本件収益事業書面があってもなお、その危険性の程度を把握す
ることが困難であると認められる。
6結語
以上のとおり、「Aleph」は、公安調査庁長官による令和三年請求の撤回後、公安調査庁が指
導を重ねても一部不報告の状況に改善が見られないだけでなく、令和三年請求以前よりも不報
告事項を増加させるなどその状況が悪質となっている上、そのような状況が継続・固定化して
おり、令和五年九月決定以降は、一見してその内容を把握することが困難な形で活動を潜行化
させ、さらに、令和六年一月に新設した「賛助会員」と称する制度を運用して、収入の確保に
腐心しているところ、その内容は判然としない部分が多く、前記同様、活動を潜行化させてい
ることから、無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握することが困難であると認められ
ることは明らかである。
そして、「Aleph」が位階制度に基づく上命下服の体制を保持していることに照らせば、
「Aleph」の無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握するには、過去に無差別大量殺人
行為を首謀した麻原から「後継者」と指名され、自らも麻原と同様に団体の指導者である「グ
ル」を称する麻原の二男の活動実態を把握することが必要不可欠であるが、麻原の二男自らが、
自己の存在や地位、役割等を、対外的に秘匿し、団体の内部においても、幹部構成員や一部の
出家した構成員以外には秘匿しながら活動し、一部不報告を主導してきたことなどに鑑みると、
麻原の二男らの活動実態を明らかにし、無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握するこ
とは困難であると認められる。
加えて、「Aleph」は、①出家した構成員を管理下の施設に集団居住させるとともに、親族と
の縁の断絶や外部情報の遮断を構成員に推奨するなど、一般社会と隔絶した独自の閉鎖社会を
維持しており、立入検査に対しては、非協力的な姿勢を組織ぐるみで徹底するなど閉鎖性が顕
著であること、②観察処分の一環として公安調査庁長官に対する報告義務を負う事項につき、
一部不報告を続けるとともに、新規構成員獲得のために欺もう的な手段による勧誘活動を組織
的に展開するなど、欺まん性が顕著であること、③その閉鎖的・欺まん的な組織体質に起因し
て、依然として全国各地で地域住民が恐怖感・不安感を抱き、その結果、観察処分の期間更新
を要請していることなどを指摘され、第八回期間更新決定に至ったものであるが、そこで指摘
された閉鎖性、欺まん性等の問題点は再発防止処分下においても何ら変わらず、むしろより先
鋭化しているとさえいえる状況であり、地域住民等の不安感も大きいものと推察されることも
十分考慮する必要がある。
以上のとおり、「Aleph」については、法第八条第一項柱書き後段の要件を満たすものと認め
られるだけでなく、同条の再発防止処分を行う必要性も認められる。
二無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の規定に基づく規制措置の手続等に関す
る規則(平成十一年公安審査委員会規則第一号)第二条第四項に規定する法第八条の処分に関す
る意見
1処分の内容
(一)「Aleph」がいかなる名義をもってするかを問わず、土地又は建物を新たに取得し又は借
り受けることを、地域を特定して禁止すること(法第八条第二項第一号)
(理由)
(1)令和七年三月から四月にかけて、新越谷施設への立入検査を実施しようとして以降、こ
れを把握した麻原の二男及び麻原の妻が新越谷施設から離脱し、現在に至るまで新越谷施
設に戻っていないという状況においては、 これまで繰り返し述べてきたとおり、 麻原の二
男らがその存在や地位、役割等を、対外的に秘匿し、団体の内部においても幹部構成員や
一部の出家した構成員以外には秘匿しながら活動し、公安調査庁に対しても一部不報告と
いう形で「Aleph」への関与を秘匿していること等に照らすと、麻原の二男らが、新越谷
施設に対する立入検査を始めとする観察処分の実施を免れるために、既に公安調査庁に把
握された新越谷施設に代わる活動場所として、新たに物件を取得し又は借り受ける現実的
なおそれが認められる。前記二・4で述べたとおり、一部使用禁止となった施設において、
同施設に居住していた出家した構成員が同施設から退去し、居所を転々とした後に新規物
件を賃借したり、道場の使用が禁止された施設において、新たに配備した車両を用いて在
家の構成員の指導を行ったりするなど、「Aleph」が法に基づく規制処分を免れようとして
新規物件等を取得して潜脱的行為に及んでいることなどの「Aleph」の行動様式に照らせ
ば、麻原の二男らが、同様に、新規物件を取得するおそれは大きいと言える。
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