その他令和7年7月25日

指定半島地域の農林水産業・観光・雇用に関する振興施策の基本方針

掲載日
令和7年7月25日
号種
号外
原文ページ
p.12
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指定半島地域の農林水産業・観光・雇用に関する振興施策の基本方針

令和7年7月25日|p.12

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また、消費地が遠い指定半島地域は農林水産物の輸送コストが高いことから、地域における
体質強化を図ることが必要である。
このため、4.(1)①に示す交通施設の整備に係る取組に加え、民間の力を活用し、流通の合
理化及び生産生向上に資する施設の整備や共同出荷等の取組を通じ、それぞれの指定半島地域
の実情にあった流通体系を広域的な視点から確立し、輸送の効率化と販路の拡大を図ることが
重要である。さらに、地産地消の推進等による地場産農林水産物の利用の拡大を図ることや、
地域特性を生かした新規作物の導入、地域特産物のプランド化や高付加価値化、地域の農林水
産物の魅力の発信等を通じて市場の確保及び開拓することにより、地域の競争力向上を図るこ
とも重要である。販路開拓に当たっては、必ずしも近隣地域にこだわるのではなく、海外も含
め、特産品が適正に評価される販売先を検討することが必要である。
指定半島地域の農山漁村においては、農林水産業が維持されることにより、国土の保全、文
化の継承等の多面的機能が発揮されており、これを維持・促進する観点から、農業生産条件の
不利の補正及び耕作放棄地の発生防止を図るとともに、鳥獣被害の防止、森林の保全、漁業の
再生等の取組、豊かな生態系を育む場として重要であり、ブルーカーポン生態系による炭素貯
留が期待される藻場、干潟等の保全活動等を推進することが重要である。
三方を海に囲まれた指定半島地域は、漁業活動の重要な拠点となっており、当該地域におけ
る水産業の重要性に鑑み、漁業者が安定的に水産業を営むことができるよう、水産動植物の繁
殖地の保護、整備等を推進し、指定半島地域周辺海域における水産動植物の生育環境の保全及
び改善を図る必要がある。
こうした取組により、漁場の生産力向上に努め、指定半島地域の漁業を適切に振興していく
ことが重要である。
漁業をはじめとする水産業が基幹産業である漁村の振興に当たっては,豊かな自然や漁村な
らではの地域資源の価値や魅力を活かした「海業」の取組を推進することにより、地域の所得
向上と雇用機会の確保を図ることが求められる。
指定半島地域の多くは森林が占めており、その多くは利用期を迎えていることから、こうし
た森林資源を循環的に活用しながら、指定半島地域の社会経済の発展を図っていくことが重要
である。また、森林は、清浄で栄養に富んだ水を周辺海域に供給し、水産動植物の生育環境に
好影響を及ぼすとともに、山と海が織りなす特徴的な景観は、観光資源としても魅力のあるも
のである。
こうした指定半島地域の豊かな森林について適切に保全を図っていくため、林道等の基盤整
権,間伐や伐採後の再造林を推進する必要がある。また、森林空間を利用して総合的に活用す
るなど「森業」の取組を推進し、指定半島地域に人を呼び込み、賑わいを取り戻していくこと
も期待されている。
加えて、農林水産業と観光業の一体的な振興を図る観点から、人材育成や地域ぐるみの連携
体制づくり等を通じ、美しい海辺、森林や里地、樹田等を活用した農山漁村における滞在交流
型観光の推進を図ることも重要である。
国は、農林水産業の振興のための各種の助成措置を設けており、各指定半島地域では、明確
なビジョンと的確な見通しに基づき、これらの措置も活用し、地域の特性を生かした消費者ニー
ズに即した農林水産業を展開することが重要である。
取組の実施に当たっては、地域の特性に応じて、国の規制の特例措置を活用した事業を実施
する構造改革特区等の制度を活用することにより、地域の自然的、経済的、社会的諸条件等を
活かした地域の活性化を実現することも求められる。
②地域資源等の活用による産業振興等
我が国は豊かな自然に恵まれており、全国トップレベルの農林水産物の産地としてだけでな
く、世界遺産、ジオパーク等の独特な地域資源を有している。また、伝統的工芸品等の特色あ
る産品も多数存在しており、我が国が持つ多様な文化の一端を担っている。
地域の自立的発展を促進するためには、これらの地域資源の活用による産業振興を推進する
ことが重要であり、例えば、6次産業化や農商工連携など、地域の多様な事業者が、指定半島
地域の豊富な地域資源を活用して付加価値を高める取組を推進し、地域内における所得の向上
と雇用の創出を図りつつ、市場を捉えた指定半島地域の産業の活性化を図ることが有効である。
加えて、伝統的工芸品に係る産業の振興を図るためには、各地域の実情・特性に応じた需要
開拓、新商品開発、人材育成・確保等が重要である。
さらに、指定半島地域の特性に即した産業の振興を図るためには、生産性の向上、産業の振
興に寄与する人材の育成及び確保,起業を希望する者に対する支援、情報通信技術等の先端的
な技術の導入を推進することで競争力を強化するとともに、指定半島地域内の産業振興に必要
な原材料等を地域で調達することにより指定半島地域内の経済循環を図ることも有効である。
③観光の開発に関する基本的な事項
指定半島地域は、豊かな地域資源を有している中、旅行者等の来訪を促す取組の支援を強化
し、交流人口の拡大による地域の活性化を図るためには、観光客が、従来の各所旧跡に加え、
市街地、農山漁村等を回遊し、地域の住民と観光客との交流を促進する滞在交流型観光の振興
が不可欠であり、関係者が連携し,地域にいきづく暮らし、自然、歴史、文化等に係る地域の
幅広い資源を最大限に活用した観光地域づくりを推進していくことが重要である。
特に、地域の特性を生かした世界遺産、ジオバーク等の観光資源の活用や、地域の自然観光
資源の保護に配慮しながら自然に関する理解を深めるエコツーリズム、農山漁村に宿泊し、滞
在中に地域資源を活用した食事や体数等を楽しむ農山漁村滞在型旅行である農泊、クルーズ船
受入による地方誘客を推進するなど、指定半島地域の特性を生かした観光他、高い国際競争力
を有する観光地その他の魅力ある観光地の形成を図ることで、訪日外国人旅行者をはじめ、多
様化する旅行者のニーズに即した取組を推進することが必要である。
この際、指定半島地域及び同地域周辺における自然、景観、海洋資源等を活用した観光地域
づくりを持続的に促進していくためには、地域の自主的なルール作り等の取組により、これら
の地域資源を保全していく必要がある。
さらに、継続的な観光地域づくりを実施するため、地域が目指すべき方向性を企画立案し、
関係者との認識共有、合意形成等を行う人材を育成するなど、地域における継続的・自立的な
活動体制を確立することが重要である。
なお、指定半島地域を訪れる観光客が安心して観光できるよう、急病時等における医療体制
や天候、交通等の情報提供体制を整備するとともに、防災対策を講ずることが望ましい。
(3)雇用機会の拡充、職業能力の開発その他の就業の促進に関する基本的な事項
指定半島地域において人々が住み続けその営みを続けていくためには、指定半島地域の住民及
び移生希望者の働く場を確保する必要があり、また、高齢者も含めた指定半島地域の住民及び移
住希望者に対し、職業に必要な技能及び知識を習得するための職業能力の開発等を通じ、就業促
進を図ることが重要である。
また、情報通信技術の進展を背景として、場所に制約されない働き方が普及してきている中、
美しい自然、文化的な豊潤さ、住民とのふれあい,魅力的な子育て環境を持つ半島に対して、移
住ニーズが高まってきている。こうした流れを踏まえ、リモートオフィスやコワーキングスペー
スの整備等を通じて、移住や定住、二地域居住を促すことが重要である。例えば、技術や専門知
識、人的ネットワーク等を持つ技術者や起業家等に移住、定住等を促すことで、これらの者が持
つ能力を十分に発揮し、指定半島地域の持つ魅力的な地域資源等を活用することは、今までと違っ
た新たな産業や雇用を生み出していく契機となる。なお、指定半島地域の住民が新たに生み出さ
れた雇用の受け皿となるためには、 情報リテラシーの醸成等を進めることも重要である
新たに移住、定住等をした人材は、地域活動への参加や人的ネットワークの構築等を通じて、
経済活動や地域活動の担い手としての役割も期待される。昨今の事例においても、それぞれのラ
イフスタイルに合わせながら、農林水産業と飲食業、移住者支援とゲストハウスの運営等、複数
の仕事を行う「複業」を選択する者も出てきている。
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指定半島地域の農林水産業・観光・雇用に関する振興施策の基本方針 - 第12頁
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