流通業務の総合化及び効率化に関する法律に基づく低炭素物流推進の取組(令和3年改定版)
令和7年3月28日|p.356
左の本文を選ぶと、右側の官報原文画像で該当箇所を照合できます。
(2)物資の流通に伴う環境負荷の低減
新たな二〇三〇年度温室効果ガス削減目標の裏付けとなる対策・施策を記載して新目標
実現への道筋を描く「地球温暖化対策計画」が令和三年十月に閣議決定された。本計画に
おいては、二酸化炭素排出量が減少傾向にある運輸部門において、その傾向を一層着実な
ものとするため、物流の効率化を含めた総合的な対策を推進することが掲げられ、流通業
務の総合化及び効率化の促進に関する法律(平成十七年法律第八十五号。以下「法」とい
う。)に基づく取組を促進すること等により低炭素物流を推進することが盛り込まれてい
る。
流通業務総合効率化事業は、特定流通業務施設における待機時間のないトラック輸送を
行うことやモーダルシフト、輸配送の共同化などの取組をはじめとした輸送の合理化によ
る流通業務の効率化を行うことで、物資の流通に伴う環境への負荷の低減に資する事業で
あり、同事業を促進することは、我が国の物流分野における二酸化炭素排出量の削減に寄
与し、「日本のNDC(国が決定する貢献)に基づく目標の達成にも資する意義がある。
2流通業務の総合化及び効率化の目標
物流分野の労働力不足へ対応するためには、少ない人員でも必要な業務を行うことを可能
とするという観点からの取組と、人材を確保するという観点からの取組が必要である。物流
分野においては、深刻な人手不足に陥るおそれがあることを踏まえれば、両者の観点の取組
を車の両輪として進めることが重要であるが、流通業務の総合化及び効率化は前者の観点に
主眼を置いた取組である。少ない人員でも必要な業務を行うことを可能にする、すなわち省
力化を行うためには、少ないトラック走行量・台数で必要な貨物輸送を実現することや、輸
送過程における手待ち時間を削減すること、特定流通業務施設内の作業時間を削減すること
などが必要である。これらは、流通業務の総合化及び効率化のもう一つの意義である環境負
荷の低減にも資するものであり、様々な取組で実現することが考えられるが、典型的に想定
される取組である輸送網の集約、モーダルシフト、輸配送の共同化について目標を定めるこ
ととする。
輸送網の集約は、輻輳しているトラック輸送網を再編して合理化する取組であり、その目
標はトラックの走行量を削減することとする。輸送網の集約の取組の中でも、特定流通業務
施設の整備を伴う取組については、特定流通業務施設におけるトラックの手待ち時間及び作
業時間を削減することも併せて目標とする。
モーダルシフトは、トラックで輸送していた貨物及び新たに輸送を開始する貨物について、
鉄道や船舶を活用して輸送する取組であり、その目標は、トラックの走行量を削減するとと
もに、鉄道や船舶による貨物輸送票を増加させることとする。モーダルシフトの推進による
鉄道や船舶の貨物輸送量の増加は、交通政策基本計画(令和二年五月二十八日閣議決定)や
地球温暖化対策計画にも盛り込まれており、これらの計画に定められた目標の達成にも貢献
する。
輸配送の共同化は、貨物の混載等により、トラックの積載効率を向上させる取組であり、
その目標は、トラックの走行量・台数を削減することとする。
なお、国は、必要に応じ、これらの取組の進捗状況を定期的に確認するものとする。