その他令和7年3月25日

金属産業の競争力強化と課題分析

掲載日
令和7年3月25日
号種
号外
原文ページ
p.199 - p.200
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金属産業の競争力強化と課題分析

令和7年3月25日|p.199-200

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現下の金属産業の競争力強化に向けた喫
緊の課題である。
ハ課題の分析
をはじめとする「レジリエンス」を強化
することで、持続的に発展していく、と
いう産業構造の再構築が求められてい
る。これに向けた必要な投資を行うこと
で、日本企業が再び国際競争力と収益力
を強化し、世界シェアを獲得することが、
現下の金属産業の競争力強化に向けた喫
緊の課題である。
ハ課題の分析
以上の状況や課題を克服し、我が国の
金属産業が将来の成長を目指すに当たっ
ては、 金属産業の抱える内在的な課題を
検討・分析した上で、対応策を構築する
ことが必要である。
金属産業は、前述のとおり、川下産業
に基礎素材を提供するという社会的な役
割から、安定的な操業を求められ、かつ、
その製造プロセス上、稼働状態をダイナ
ミックに調整することは困難であり、仮
に稼働状態の調整を図ろうとすると、多
額のコスト負担が発生することから、急
激な社会情勢の変化への対応が大変難し
いという特性を有する。加えて、我が国
の金属産業は、高度経済成長期に投資さ
れた設備が多く、操業開始から五十年以
上経過し、設備の更新時期を迎えている
一方、 投資費用の回収に数十年を要する
ことから、人口減少に伴う内需の趨勢的
な減少、需要先産業の海外生産拠点の設
立、中国系企業等との国際競争激化等の
中で、今後の投資の回収可能性の観点か
ら、国内への再投資には大きな制約が存
在し、金融機関や投資家が投融資をする
際の見方も慎重になってきている。
こうした投資費用のほかに、事業運営
に不可欠なエネルギーコスト負担が増加
している。金属産業は原料の溶解や製品
以上の状況や課題を克服し、我が国の
金属産業が将来の成長を目指すに当たっ
ては、金属産業の抱える内在的な課題を
検討・分析した上で、対応策を構築する
ことが必要である。
金属産業は、前述のとおり、川下産業
に基礎素材を提供するという社会的な役
割から、安定的な操業を求められ、かつ、
その製造プロセス上、稼働状態をダイナ
ミックに調整することは困難であり、仮
に稼働状態の調整を図ろうとすると、多
額のコスト負担が発生することから、経
済の不確実性への対応が大変難しいとい
う特性を有する。加えて、我が国の金属
産業は、高度経済成長期に投資された設
備が多く、操業開始から五十年以上経過
し、設備の更新時期を迎えている一方、
投資費用の回収に数十年を要することか
ら、人口減少に伴う内需の趨勢的な減少、
需要先産業の海外生産拠点の設立、中国
系企業等との国際競争激化等の中で、今
後の投資の回収可能性の観点から、国内
への再投資には大きな制約が存在し、金
融機関や投資家が投融資をする際の見方
も慎重になってきている。
こうした投資費用のほかに、事業運営
に不可欠なエネルギーコスト負担が増加
している。金属産業は原料の溶解や製品
の熱処理等で熱エネルギーを大量に消費
するエネルギー多消費産業であり、電気
料金等のエネルギーコストの負担が大き
い。
一方で、経済安全保障の観点からの金
属産業の重要性も増している。サプライ
チェーン途絶によるリスクが大きい、半
導体やレアアースなどの機微技術や重要
物資について、特定国への依存を軽減す
るために、我が国の金属産業の国内製造
基盤を維持・強化する取組が求められて
いる。
今後は、金属産業の競争力強化に資す
る事業適応について、税制をはじめとし
た各種施策を用いた支援も活用しなが
ら、莫大な更新投資の原資を確保しつつ
国内での投資を促進することで、国内サ
プライチェーンを維持・強化し、我が国
経済の持続的な発展に繋げていくことが
必要である。
とりわけ、金属産業の持続的発展に欠
かせない、脱炭素化への取組は非常に重
要な課題となっている。金属産業では、
炭素による鉄鉱石の還元や、アルミや銅
等の加工時に化石燃料由来のエネルギー
を利用することにより、製造時に多量の
CO2を排出している。このため、各社
において脱炭素社会を見据えた検討が加
速しているが、この実現には熱源の脱炭
素化や製造プロセスそのものの抜本的な
変更が必要であり、こうした技術の早期
確立を巡って、国際的な競争が生じてい
る。また、脱炭素社会の実現に向けての
金属産業の貢献として、省エネ化・省C
O2化に資する高機能金属素材の開発の
加速化が考えられる。このように、脱炭
素化という社会課題の処方箋を他国に先
の熱処理等で熱エネルギーを大量に消費
するエネルギー多消費産業であり、電気
料金等のエネルギーコストの負担が大き
い。
一方で、今回の新型コロナウイルス感
染症の感染拡大を受けて、生産拠点の集
中度が高い製品や、国民生活において重
要な製品などのサプライチェーンの脆弱
性が顕在化し、経済安全保障の観点から
の金属産業の重要性も増している。サプ
ライチェーン途絶によるリスクが大き
い、半導体やレアアースなどの機微技術
や重要物資について、特定国への依存を
軽減するために、我が国の金属産業の国
内製造基盤を維持・強化する取組が求め
られている。
今後は、金属産業の競争力強化に資す
る事業適応について、税制をはじめとし
た各種施策を用いた支援も活用しなが
ら、莫大な更新投資の原資を確保しつつ
国内での投資を促進することで、国内サ
プライチェーンを維持・強化し、我が国
経済の持続的な発展に繋げていくことが
必要である。
とりわけ、金属産業の持続的発展に欠
かせない、脱炭素化への取組は非常に重
要な課題となっている。金属産業では、
炭素による鉄鉱石の還元や、アルミや銅
等の加工時に化石燃料由来のエネルギー
を利用することにより、製造時に多量の
CO2を排出している。このため、各社
において脱炭素社会を見据えた検討が加
速しているが、この実現には熱源の脱炭
素化や製造プロセスそのものの抜本的な
変更が必要であり、こうした技術の早期
確立を巡って、国際的な競争が生じてい
る。また、脱炭素社会の実現に向けての
駆けて提案・実現し、我が国の国際競争
力を確保していく観点での事業適応を促
進する必要がある。
また、金属産業の国内製造基盤の維
持・強化に向けては、人手不足問題への
対応と生産技術の維持・向上を図る観点
から、AI・IoT関連の投資が必要で
ある。特に、金属産業は、単に製造設備
を導入しただけでは同じ製品が作れず、
現場での作り込みや熟練者の高い技術力
により、高品質の製品を安定供給すると
いう、高いプロセスマネジメント力を要
する産業である。ところが、国内の人口
減少に伴う人手不足が顕在化し、技術の
継承が課題となっている。足下では、熟
練技術者の経験と暗黙知を見える化し技
術継承を図る取組や、これまで製造設備
に取り付けた大量のセンサーから得られ
る膨大なビッグデータを活用しトラブル
を回避する等の取組も行われており、D
X導入のポテンシャルは高いものの、複
数のインターフェースが複雑に存在する
など標準化が行われておらず、それらの
システム間の連携の問題が残されている
など、更なるデジタル化の余地が大きい。
こうしたことを踏まえ、金属産業にお
けるDX化を他国に先駆けて実装する事
業適応を進めることで、我が国金属産業
の国際競争力を強化することが求められ
る。
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金属産業の競争力強化と課題分析 - 第199頁
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