その他令和7年3月21日
母子家庭及び父子家庭並びに寡婦福祉対策に関する国の基本方針
掲載日
令和7年3月21日
号種
号外
原文ページ
p.45
号外p.45
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発行機関厚生労働省
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(189表6圖)聖具日事平日)乙日C吉山町27
一方、父子家庭の父については、既に家計の担い手として就業していた場合が多いことから、
その平均年間就労収入は令和2年において496万円となっている。その一方で、パート・アル
パイト等の形態で就労する者が4.9%と一定割合存在し、その平均年間就労収入は令和2年に
おいて192万円と低い水準となっていることから、こうした家庭に対する就業の支援が必要で
ある。また、母子家庭の母に比べて家事等生活面で多くの困難を抱えており、子育てや家事の
支援の重要性が非常に高い。
このような母子家庭及び父子家庭の置かれた厳しい雇用・経済状況を背景として、厚生労働
省の「令和4年国民生活基礎調査」によると、子どもがいる現役世帯(世帯主が18歳以上65歳
未満で17歳以下の子どもがいる世帯)のうち、大人が一人の世帯の貧困率は、令和3年で44.5%
(平成30年48.3%) 合和2年の国際比較では、 OECD諸国の中でも高くなっ
ている(OECD(2020)Family database "Child poverty")。こうした状況にあって、子ど
もの権利条約の精神にのっとり、また、こどもの貧困の連鎖を断ち切るために、こどもの現在
の貧困を解消するとともにこどもの将来の貧困を防ぐことを旨として、必要な環境整備と教育
の機会均等を図るこどもの貧困対策は極めて重要である。このため、こどもの貧困の解消に向
けた対策の推進に関する法律(平成25年法律第64号)及び「こども大綱(令和5年12月22日閣
議決定)を踏まえ、貧困の世代間連鎖の解消を目指し、こどもの意見を尊重しその最善の利益
を考慮しながら、母子家庭及び父子家庭に関する施策を講じていく必要がある。さらに、生ま
れた地域によってこどもの将来が異なることのないよう。地方公共団体による計画の策定を促
すとともに、地域の実情を踏まえた取組の普及啓発を積極的に進めていく。
また、離別後のこどもの養育においては、その養育に対する責務は両親にあり、離婚により
変わるものではない。こどもを監護しない親からの養育費の受領は,こどもの権利であるにも
かかわらず、その確保が進んでいないことから、親のこどもに対する責務の自覚を促し、こど
もを監護する親はこどもを監護しない親に養育費を請求し、また、こどもを監護しない親は、
その責務を果たしていくべきことを、社会全体が当然のこととする気運を醸成していく必要が
ある。父母の離婚後等の子の養育に関する見直しを行った民法等の一部を改正する法律(令和
6年法律第33号)の規定を踏まえ、国、都道府県及び市町村は、こどもの福祉の観点から、離
婚協議段階から、離婚後の養育費や親子交流(面会交流)に関する取決めの必要性について、
積極的に周知・啓発を行うとともに、更なる養育費の履行確保や親子交流の実施に向けた取座
を推進していく必要がある。
さらに、母子、父子を問わず親との離死別は、こどもの生活を大きく変化させるものであり、
そのことがこどもの精神面に与える影響や、親子の健康状態の変化、進学の悩み等、こどもの
成長過程において生じる諸問題についても、十分な配慮が必要である。
また、上記のように、母子家庭の母は社会的・経済的に不安定な状態にあるものが多く、子
が20歳を迎えたからといって直ちにそのこどもが経済的に自立する状態とならない場合もあ
る。このため、かつて母子家庭の母であった寡婦についても状況に応じた支援が求められる場
合もある。
このように、母子家庭及び父子家庭並びに寡婦の抱えている困難は、多くが複雑に重なり合っ
ていることから、引き続き総合的な支援策を推進する必要がある。その際には、施策の実施主
体は、精神面で支えを必要としている場合や養育能力や生活能力が欠けている場合において適
切な援助を行う等、生活について幅広く支援する仕組み、個々の世帯の抱える問題に対し相互
に支え合う仕組みを活用する等、きめ細かな配慮をすることが求められており、そうした観点
から、母子・父子福社団体やNPO等様々な関係者と緊密に連携を図りながら、母子家庭及び
父子家庭並びに寡婦の置かれた状況に応じてきめ細かな支援を実施することが重要である
特に、日頃から行政との関わりを持つ機会の少ない家庭については、都道府県及び市町村が、
母子・父子福祉団体等地域で子育て支援の活動をする民間団体と連携し、個々の家庭に必要な
支援を的確に把握するとともに、継続した支援を行うことができるよう、個々の家庭に寄り添っ
た伴走型の支援を実施することが重要である。
(2)母子家庭及び父子家庭並びに寡婦福祉対策に関する国の基本方針
我が国における母子家庭及び父子家庭並びに寡婦福祉対策は、昭和27年に戦争未亡人対策か
ら始まり70年以上の歴史を持っており、母子家庭及び父子家庭並びに寡婦を巡る状況の変化に
応じた見直しが行われてきた。
平成14年には母子家庭及び父子家庭並びに寡婦に対する「きめ細かな福祉サービスの展開
と「自立の支援」に主眼を置いて施策を緩和することとされ、離婚後等の生活の激変を緩和す
るために、母子家庭及び父子家庭となった直後の支援を重点的に実施するとともに、就業によ
る自立を支援するため,福祉事務所(社会福祉法(昭和26年法律第45号)に定める福祉に関す
る事務所をいう。以下同じ。)を設置する地方公共団体において、母子自立支援員が総合的な相
試窓口となり、児童扶養手当等各種母子家庭及び父子家庭の支援策に関する情報提供、贈業能
力の開発、就職活動の支援を行う体制を整備しつつ、①子育てや生活支援策、②就業支援策、
③養育費の確保策、④経済的支援策を総合的に展開することとされた。
平成22年には母子家庭及び父子家庭に対する自立を支援するため、父子家庭の父にも児童扶
養手当が支給されるようになった。
平成24年には、子育てと就業との両立が困難であること、就業に必要な知識及び技能を習得
する機会を必ずしも十分に有してこなかったこと等の母子家庭の母が置かれている特別の事情
並びに子育てと就業との両立が困難であること等の父子家庭の父が置かれている特別の事情に
鑑み、母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の支援に関する特別の措置を講ずるとともに、母
子家庭及び父子家庭の福祉を図るため、母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の支援に関する
特別措置法(平成24年法律第92号。以下「特別措置法」という。)が成立した。
平成26年には、母子家庭の母及び父子家庭の父が就業し、仕事と子育てを両立しながら経済
的に自立するとともに、こどもが心身ともに健やかに成長できるよう、母子家庭及び父子家庭
の福祉の増進を図るため、関連法令の改正が行われ、①都道府県等(都道府県、指定都市及び
中核市をいう。以下同じ。)並びに市(指定都市及び中核市を除き、特別区を含む。)及び福祉事
務所を設置する町村(以下「市等」という。)による母子家庭及び父子家庭への支援の積極的か
つ計画的な実施に関する規定の整備等の母子家庭及び父子家庭に対する支援体制の消化、②高
等職業訓練促進給付金等に対する公課を禁止する等、就業や生活への支援の強化、③父子福祉
資金の創設等、父子家庭に対する支援の充実、④児童扶養手当と公的年会給付等の労給調整の
見直し等の措置が講ぜられることとなった。
平成27年には、「すべての子どもの安心と希望の実現プロジェクト(すくすくサポート・プロ
ジェクト」が策定され、就業による自立に向けた支援を基本としつつ、子育て・生活支援、学
習支援等の総合的な取組を充実することとし、①地方自治体窓口のワンストップ化の推進、②
こどもの居場所づくりや学習支援の充実、③親の資格取得の支援の充実、④児童扶養手当の機
能の充実を図ることとなった。
当該プロジェクトを踏まえ、平成28年に児童扶養手当法(昭和36年法律第228号)が改正さ
れ、第2子以降の加算額が倍増された。また、平成30年には児童扶養手当の全部支給に係る所
得制限限度額の引上げ、令和元年からは児童扶養手当の支払回数の見直し(年3回から年6回、
令和元年11月分より適用)等、支援施策の充実が図られている。
令和5年には、「こども未来戦略」(令和5年12月22日閣議決定)に基づく「加速化プラン」に
おいて、ひとり親家庭が抱える様々な課題に対応するため、①児童扶養手当の所得制限限度額
の引上げ及び多子家庭に対する多子加算額の拡充、②児童扶養手当の受給に重動したひとり親
に対する支援策に係る対象者要件の緩和、③高等職業訓練促進給付金制度の対象資格拡大、④
当立支援教育訓練給付金の支給割合の拡充等、⑤養育費の受け取りに係る弁護士報酬への補助
等、各種支援相策を多面的に強化することとした。また、こども大細においては、ひとり親家
庭に関する重要事項として、総合的な支援に取り組むことのほか、仕事と子育てを一手に担わ
ざるを得ないひとり親家庭は、いわゆる「時間の貧困」にも陥りやすく、親子で心穏やかに通
ごす時間を持てないことを看過してはならないとの考え方を示しつつ、こどもに直接支援が届
く生活・学習支援を進めること、当事者に寄り添った相談支援を行えるよう体制を強化するこ
と等に取り組んでいく旨を示した。
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