その他令和7年3月19日
Alephによる収益事業報告の不備と危険性把握の困難性に関する認定
掲載日
令和7年3月19日
号種
号外
原文ページ
p.16
号外p.16
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Alephによる収益事業報告の不備と危険性把握の困難性に関する認定
令和7年3月19日|p.16
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91 街前9) 161日 361日 361日
オ立入検査の際に下記の本件収益事業書面が施設内で確認されたとしても、なお無差別大量
殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握することは困難であること
「Aleph」は、前記のとおり、収益事業に係る所定の事項につき、報告義務の履行として
「Aleph]名義の「報告書」で報告することを一切拒否している状況にある。一方で、
「Aleph」は、令和6年8月14日付け及び同年11月10日付け「報告書」の団体の活動に関す
る意思決定の内容として、計9の収益事業においては、①当該事業者に係る「事業の種類及
び概要、事業所の名称及びその所在地、当該事業の責任者及び従事する構成員の氏名並びに
各事業に関する会計帳簿を備え置いている場所」、②当該事業者に係る「現金の現在額、「預
貯金の種類、金融機関名、残高及び口座名義人の氏名又は名称」及び「貸付金」等を記載し
た文書(以下「本件収益事業書面という。)を報告基準日ごとに作成し、公安調査官の調査
に供する用意を継続していることを確認した旨記載しており、実際に、「Alenh」管理下の施
設に対して実施した立入検査において、本件収益事業書面が一部確認されている。もとより、
計9の収益事業は「Alephが実質的に経営するものであり、公安審の決定や裁判所の判決
等でその旨繰り返し認定されており、かかる記載自体、「Aleph」と収益事業が別のものであ
るという「Aleph」の独善的かつ身勝手な主張をこ塗するものでしかないが、実質的に考慮
しても、かかる本件収益事業書面の存在をもって、Aleob」に課せられた報告義務が果たさ
れたと解する余地はなく、無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握することは依然と
して困難である。
すなわち、法が予定している観察処分の枠組みは、報告内容に虚偽があれば再発防止処分
を受け得るという制度的担保の下、3か月ごとに、容易かつ迅速に要報告事項を把握するこ
とができることを前提として、任意調査等でそれを確認するというものであるところ、本件
収益事業書面は、「Aleph」の責任において報告されたものではないため、その内容の正確性・
真実性について、前記のような制度的担保なく作成されて施設内に置かれたものにすぎない。
その結果、本件収益事業書面では把握漏れを防ぐこともできず、Aleph」が実質的に経営す
る収益事業を全て把握し、その活動状況を継続して明らかにすることが困難である。
また、「Aleph」は、令和2年2月15日付け「報告書」以降、本件一部不報告を含め、約4
年間もの長期間にわたり、少なくとも計9の収益事業の種類及び概要等並びに同収益事業に
係る資産を報告しておらず、これによって、これら要報告事項について、3か月ごとの容易
かつ迅速な把握及びそれを前提とした任意調査等による確認ができず,危険な要素の質的・
量的程度とその変化について正確な把握ができない状況が継続しているものであり、このこ
とは、各施設への立入検査時に本件収益事業書面が確認されたことによっても到底解消され
るものではない。
その他、これまでの立入検査の結果に鑑みても、前記(2)で述べたとおり、[Aleph」の非協
力姿勢に基づく徹底した対抗措置等もあり、各施設への立入検査において、「Alech」の出家
した構成員が自ら進んで本件収益事業書面を公安調査官に提供したことはないばかりか、令
和6年10月16日に実施しようとした名古屋施設に対する立入検査においては、検査自体が実
施できず、本件収益事業書面の存否すら確認することができなかったほか,本件収益事業書
面が施設外に持ち出され、立入検査時における本件収益事業書面の確認さえ困難となる事態
も生じている。
さらに、本件収益事業書面が確認された場合であっても、収益事業に係る会計帳簿上の記
載が概括的であることなどから会計帳簿上の金額の信用性を含めて十分な裏付けを得るに至
らないなど、その内容も不十分なものにとどまっており、危険な要素の質的・量的程度につ
いて正確な把握ができるとは到底認め難い状況にある。
このように、本件収益事業書面が一部確認されたとしてもなお、無差別大量殺人行為に及
ぶ危険性の程度を把握することは困難であると認められ、このことについては,令和5年3
月決定による再発防止処分に係る損害賠償請求において、東京地裁もその旨認定している。
なお、前記3・(2)・イ・(カ)で述べた平成30年2月14日付け「報告書」まで記載されていた
小売業等を営む1の収益事業については、「報告書の団体の活動に関する意思決定の内容に
前記のような記載がなく、立入検査においても本件収益事業書面に類する書面は確認されて
おらず、この点からも無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握することは困難である。
力小括
以上詳述したとおり、「Aleph」による本件一部不報告は、人的要素、物的要素及び資金的
要素等を個別に見ても、[Aleph」の無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握すること
が困難であると認められ、本件収益事業書面があってもなお、その危険性の程度を把握する
ことが困難であると認められる。
6結語
以上のとおり、「Aleph」は、公安調査庁長官による令和3年請求の撤回後、公安調査庁が指導
を重ねても一部不報告の状況に改善が見られないだけでなく、令和3年請求以前よりも不報告事
項を増加させるなどその状況が悪質となっている上、そのような状況が継続・固定化しており、
令和5年9月決定以降は、一見してその内容を把握することが困難な形で活動を潜行化させ、さ
らに、令和6年1月に新設した「賛助会員」と称する制度を運用して、収入の確保に腐心してい
るところ、その内容は判然としない部分が多く、前記同様、活動を潜行化させていることから、
無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握することが困難であると認められることは明らか
である。
そして、「Aleohは、①出家した構成員を管理下の施設に集団居住させるとともに、親族との
縁の断絶や外部情報の遮断を構成員に推奨するなど、一般社会と隔絶した独自の閉鎖社会を維持
しており、立入検査に対しては、非協力的な姿勢を組織ぐるみで徹底するなど閉鎖性が顕著であ
ること、②観察処分の一環として公安調査庁長官に対する報告義務を負う事項につき、一部不報
告を続けるとともに、新規構成員獲得のために欺もう的な手段による紡錘活動を組織的に展開す
るなど、欺まん性が顕著であること、③その閉鎖的・欺まん的な組織体質に起因して、依然とし
て全国各地で地域住民が恐怖感・不安感を抱き、その結果、観察処分の期間更新を要請している
ことなどを指摘され、第8回期間更新決定に至ったものであるが、そこで指摘された閉鎖性、欺
まん性等の問題点は再発防止処分下においても何ら変わらず、むしろより先鋭化しているとさえ
いえる状況であり、地域住民等の不安感も大きいものと推察されることも十分考慮する必要があ
る。
以上のとおり、「Aleph」については、法第8条第1項柱書き後段の要件を満たすものと認めら
れるだけでなく、同条の再発防止処分を行う必要性も認められる。
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