その他令和7年3月14日

グリーンインフラ・ブルーインフラ及び生態系を活用した防災・減災の推進に関する方針

掲載日
令和7年3月14日
号種
号外
原文ページ
p.108
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グリーンインフラ・ブルーインフラ及び生態系を活用した防災・減災の推進に関する方針

令和7年3月14日|p.108

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国は、自然環境が有する多様な機能を活用して災害リスクの低減等を図るグリーンインフラや
ブルーインフラ、「生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)」を推進しています。このよう
な生態系が有する防災・減災機能を活用した取組を踏まえて自然再生に取り組んでいくことが
重要です。また、流域治水の取組においても、グリーンインフラ等の考えを推進し、災害リス
クの低減に寄与する生態系の機能を積極的に保全又は再生することにより、生態系ネットワー
クの形成に貢献することが必要です。国は生態系を活用した防災・減災の発揮に向けた実例や
その効果などの情報を収集し、幅広く情報提供に努めていくことが重要です。
さらに、自然と文化は密接な関わりを持つため、自然災害からの復興に当たっては、地域の
暮らしを支える自然環境や森・里・川・海のつながりなどの重要性を多くの人に理解してもら
うための取矩を行うことも必要です。このため、地域の土地利用や産業構造、社会資本の将来
の在り方を見据えつつ、文化や生業の復興とともに、森・里・川・海のつながりを再生するこ
とが重要です.
カ生態系ネットワークの形成
自然再生に当たっては、多自然川づくり、干潟・藻場等の浅海域の再生、都市公園の整備等
の社会資本整備と併せた生物の生息・生育環境の確保の取組や緑地の保全及び緑化の推進のた
めの施策によって、自然環境の保全・再生・創出・維持管理を行い、生態系ネットワーク(エ
コロジカル・ネットワーク)の形成を進めていくことが重要です。
生態系ネットワークの形成に当たっては、保護地域だけでなく、民間が保全する地域等も含
めた保護地域以外の生均多様性保全上重要な地域(OECM)なども視野に入れつつ、流域圏
など地域的なまとまりにも着目し、様々なスケールで森・里・川・海を連続した空間として積
極的に保全・再生を図るための取組を関係機関が横断的に連携して総合的に進めることが重要
です。特に、河川を始めとする水域は、森林、農地、都市、沿岸域など陸域から海域の自然を
つなぐことで、国土における生態系ネットワークの重要な基軸となっていることに留意します。
また、形成に当たっては、生態系、農林水産業、人の生活環境に被害を及ぼす鳥獣や外来種
の生息・生育範囲を拡大させることがないよう留意することも必要です。さらに、国は生態系
ネットワーク形成の実例などの情報を収集し、幅広く情報提供に努めていくことが重要です。
また、地球環境保全に寄与する観点から、地域の実情に応じて、地球規模で移動する野生動
物の生息地・中継地の保全・再生など、国際的な生態系ネットワーク形成への配慮も重要です。
キ自然再生における野生生物への対応
今日、様々な人間活動による圧迫に起因して、多くの種が絶滅し、また、納減のおそれのあ
る種が数多く生じていることから、現在と将来の人類の豊かな生活を確保するために、絶滅危
業種の保全の一層の促進が重要です。平成29年6月に改正された「絶滅のおそれのある野生動
植物の種の保存に関する法律」においては、里地里山等の二次的自然に生息・生育する種の生
息・生育地の保全等に向けて、特定第二種国内希少野生動植物種制度等が創設されました。自
然再生の取組は、絶滅危惧種の生息地の確保につながるものであり、平成30年4月に閣議決定
された希少野生動植物種保存基本方針を踏まえ,絶滅危惧種に関する情報及び知見を参考とし
ながら、希少野生動植物種等の指定状況も考慮して行うことが重要です。
自然再生を実施している地域に絶滅危惧種等が生息している場合は,保護増殖事業等の既存
施策への積極的参画も検討し、生息・生育地の整備や管理、生息・生育状況のモニタリング等
を実施します。
緊急的な措置を講じないと種の存続が危ぶまれる場合は、自然再生の取組と併せて、生物を
自然の生息・生育地の外において保全する「生息域外保全」の考え方を取り入れ,必要に応じ
て、動植物園、水族館、自然系博物館など生息域外保全を行うことが可能な組織と連携を図り
ながら自然再生を進めることが重要です。なお、生息域外保全個体を野生復帰させる際には、
様々な検討が必要であり、地域の合意形成を図りつつ、専門家の意見も踏まえて慎重に判断す
る必要があります。
これに加えて、外来種被害防止行動計画等の考え方も踏まえ、地域に固有の生態系その他の
自然環境の再生のため,特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律の規則
の対象である特定外来生物だけでなく、国内由来の外来種、さらには他地域に生息・生育し適
伝的形質の異なる同種の生物導入による遺伝的かく乱により、問題が発生する可能性があるこ
とも考慮して、外来種の意図的な導入又は非意図的な侵入を未然に防ぐことが重要です。自然
再生事業においては外来種を使用しないことが求められ,事業によって健全な生態系を維持・
再生することは、外来種が侵入しにくい環境をつくることにもつながります。自然再生の対象
となる区域に外来種の侵入が認められた場合は、国や地方公共団体等が提供する外来種に関す
る情報や知見を参考としながら、各主体がそれぞれの役割のもと主体的に行動し、連携して正
速に防除を行うことが重要です。また、現在進行している自然再生において既に外来種が侵入
している場合は、対策の優先順位をつけながら、同様に各主体が主体的にかつ連携して積極的
に防除を進めることが重要です。
生態系や農林業、生活環境等に深刻な被害を及ぼしているニホンジカ、イノシシ、クマ類が
生息する森林における自然再生を行う場合には,ニホンジカやイノシシによる林床植生等の食
害や掘り返しを防止する防護婦等の設置や効果的な捕獲を行うとともに、クマ類とのすみ分け
のための人の生活圏周辺において、放任果樹等の管理や緩衝帯の整備等を行うことに加え、ク
マ類の本来の生息地環境の保全にも資するよう広葉樹林や針広混交林への誘導を図る取組を行
うことが必要です。
ク全国的、広域的な視点に基づく取組の推進
国は、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する国際的取組の動向を踏まえつつ、わが国
の自然的社会的状況に応じた自然再生の取組の推進に努めることが重要です。また、各地域の
特性を活かした取組とともに、わが国の生物多様性は海や空を介して周辺の各国とつながって
いるといった国際的な視点も含め、生物多様性から見た。自然共生社会における国土のグラン
ドデザイン」を考慮し、国土レベルの生物多様性の総合評価や生能系ネットワーク構想の具体
的な進展も踏まえ、自然再生の必要性の高い地域を明らかにするための検討を進めるなど、全
国的、広域的な視点に立った取組の計画的な推進に努めることが重要です。
このため、生物多様性の現状や危機の状況等を空間的に評価した地図化作業を進めていくこ
とや地域における自然環境の現状や将来の姿を明確にすることが重要であり、国は地図化やそ
れを全国的に進めていくためマニュアル作成に努め、地方公共団体が定める生物多様性地域戦
略の策定を進めるなど自然環境の現状や将来の姿を明確にするよう努めることが重要です。
また、持続可能で魅力ある国土づくりや都市・地域づくりを進めるため、社会資本整備や土
地利用等のハード・ソフト両面において、自然環境の有する多様な機能を活用したグリーンイ
ンフラやブルーインフラなどの取組を推進することも重要です。
さらに、大都市圏等、一つの地方公共団体の範囲を越えるような広範囲の地域において自然
環境が減少又は劣化している場合には、国及び地方公共団体は、当該地域の多様な主体の参加
を得て、生息範囲が広範な高次消費者等を指標種とすることや技術情報の共有等により生態系
のネットワーク化の必要性など広域的な観点からの共通の認識を形成し、計画的に自然再生に
取り組むことが重要です。
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グリーンインフラ・ブルーインフラ及び生態系を活用した防災・減災の推進に関する方針 - 第108頁
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