今後、より一層食品口スを削減し、二に掲げた食品口スの削減に係る目標を達成するため、次
に掲げる者が中心となって、 それぞれ次に定める取組を関係者と連携して実施するよう努めるも
のとする。
その際、業種や取り扱う食品の種類等によって食品口スの発生要因が異なり、また、食品口ス
削減が困難な場合があることに留意しつつ、例えば、食品製造業における原材料端材、食品小売
業における販売期限切れの商品、外食産業における食べ残し等、発生量が多い食品廃棄物等の発
生原における削減可能性を検討し、それぞれの業種・食品の種類等に応じて効果的と考えられる
取組を着実に推進していくことが重要である。
イ食品関連事業者
食品口スの削減は、食品廃棄物等の削減という環境的側面からの便益のみならず、食品関連
事業者の経営的側面からの便益や地域社会への支援等の社会貢献にもつながるものであり、食
品関連事業者においては、環境対策としてだけではなく経営改善の一環や社会貢献活動として
積極的に食品口ス削減に取り組んでいくことが期待される。
サプライチェーン全体を通じて、最新の技術を活用した需要予測サービスの普及による在庫
の適正化、フードシェアリング等のサービスの活用、フードバンク等への未利用食品等の寄附、
自らの取組に関する情報を適切に提供することによる消費者の理解の促進等の取組を行うほ
か、食品製造業者、食品卸売業者、食品小売業者及び外食事業者にはそれぞれ次の取組を進め
ていくことが期待される。
(1)食品製造業者
食品製造業者には、食品原料のより無駄のない利用、製造工程及び輸送行程における鮮度
保持等による自らの事業活動に伴い発生する食品口スの削減に加え、賞味期限の延長及び年
月表示や日まとめ表示等の賞味期限の表示方法の工夫等による食品関連事業者から発生する
食品ロスの削減につながる取組に努める。また、消費実態に合わせた商品の容量の適正化に
よる家庭等からの食品ロスの削減が期待される。
(2)食品卸売業者及び食品小売業者
食品卸売業者及び食品小売業者は、納品期限を緩和するとともに、発注を早期に行うなど、
取引先の食品関連事業者における食品廃棄物等の発生の抑制を円滑に実施できるよう努め
る。また、食品ロスの削減に向けた消費者とのコミュニケーション、食品廃棄物等の継続的
な計量の実施等が期待される。
(3)外食事業者
外食事業者から発生する食品廃棄物等については、その性状や排出形態から、再生利用よ
りも食品口ス削減による発生の抑制が適している場合が多い。外食事業者からの食品口スの
削減に関しては、「調理」及び「提供」の二つの段階で取り組む必要があるが、提供時及び提
供後の対策としては、高齢者、女性等の消費実態に合わせた小盛りメニューの導入や持ち帰
り容器(ドギーバッグ)の導入(mottECO(モッテコ)運動の推進)等の自らによる
取組の促進に加え、これらの取組に対する協力、食べきり運動(三〇一〇(さんまるいちま
る)運動等)の実施等に係る消費者への普及啓発が有効である。外食事業者には、食品口ス
の削減に係る地方公共団体と連携した消費者への普及啓発の実施が期待される。
口消費者
食品関連事業者から発生する食品口スの削減のために、消費者が果たす役割は大きい。外食
事業者から発生する食品口スの削減のためには、消費者による適量な注文、持ち帰り容器の活
用、食べきり運動の実施等による食べ残しの削減が有効である。また、食品小売業者からの食
品口スの削減のためには、過度な鮮度志向の改善が有効である。消費者には、食品口スの実態
への認識の深化、賞味期限等への正しい理解等が期待される。
また、家庭からの食品ロスの削減のため、量り売りの利用等の食品口スの削減に資する購買
行動の率先、調理の工夫等による家庭での食品の食べきり・使いきり等の取組を進めることが
期待される。
ハ国及び地方公共団体
国及び地方公共団体は、消費者が主体的に食品口ス削減に取り組むよう食品口スの削減に関
する積極的な普及啓発及び食育の推進を行う。また、納品期限の緩和を始めサプライチェーン
全体で解決していくことが必要な商慣習の見直しに向けた取組の促進及び消費者との協力の下
での食品口スの削減に努めるよう、食品関連事業者に対して働き掛けるものとする。
また、国は、フードサプライチェーンにおける需要予測の高度化を推進するとともに、消費
者の食品ロス削減の取組を促進するために、食品関連事業者による食品廃棄物等の発生抑制等
の取組の見える化の促進、未利用食品等の提供の促進を図ることを目的とした「食品寄附ガイ
ドライン」(令和六年十二月食品寄附等に関する官民協議会作成)や食べきりを実践してもなお
発生する食べ残しについて、持ち帰り促進を図ることを目的とした「食べ残し持ち帰り促進ガ
イドライン(令和六年十二月消費者庁、厚生労働省作成)の活用の促進を行うものとする。
さらに、「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」に加入している地方公共団体等が
中心となった食品口スの削減に向けた取組を促進するために必要な措置を講ずるものとする。
3登録再生利用事業者の育成・確保と登録再生利用事業者による食品廃棄物等の適正な処理の促
進
登録再生利用事業者の数は、二〇二三年度末時点で百五十三となっており、食品循環資源の再
生利用の円滑な実施に貢献してきたところであるが、登録再生利用事業者が存在しない、又は非
常に少ない。地域もあることから、国は、こうした地域を中心に再生利用事業者に対する登録再生
利用事業者制度の認知度を高め、再生利用等に着実に取り組む登録再生利用事業者の増加につな
げる観点から、優良事例の周知等、制度の更なる活用促進について、検討・実施するものとする。
一方、登録再生利用事業者の食品廃棄物等の適正な処理を確保するため、廃棄物の処理及び清
掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。以下「廃棄物処理法」という。)等の関係法令
に基づく地方公共団体の対応と連携しつつ、国が法に基づく報告徴収等を実施した上で、必要な
場合には立入検査、登録の取消し等の措置等も活用し、登録再生利用事業者への指導・監督を強
化していくものとする。
また、登録再生利用事業者による自主的な取組として、登録再生利用事業者の中で優良な事業
者を認定する制度の運用が行われており、こうした自主的な取組を行う者とも協力しつつ、再生
利用事業者の育成等を行っていくものとする。
このほか、国及び地方公共団体は、食品関連事業者が食品循環資源の再生利用の委託又は食品
循環資源の譲渡に当たって、その委託先又は譲渡先の選定を容易にするため、地域における登録
再生利用事業者に関する情報の提供を充実させていくよう努めるものとする。
4再生利用事業計画認定制度等の推進
認定計画の数は、二〇二三年度末時点で五十三件にまで増加している。認定計画に基づく食品
の資源循環の環(以下「リサイクルループ」という。)は、地域循環共生圏の実現のための取組の
一つとして、その構築を一層推進していく必要がある。