旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者等に対する補償金等の支給等に関する法律
令和6年10月17日|p.6
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法律
旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者等に対する補償金等の支給等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
令和六年十月十七日
内閣総理大臣石破茂
法律第七十号
旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者等に対する補償金等の支給等に関する法律
旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律(平成三十一年法律第十四号)の全部を改正する。
目次
前文
第一章総則(第一条・第二条)
第二章補償金等の支給
第一節補償金の支給(第三条―第九条)
第二節優生手術等一時金の支給(第十条―第十四条)
第三節人工妊娠中絶一時金の支給(第十五条―第十九条)
第四節支給の調整(第二十条―第二十二条)
第五節雑則(第二十三条―第二十七条)
第三章旧優生保護法補償金等認定審査会(第二十八条―第三十二条)
第四章調査及び検証等並びに周知(第三十三条・第三十四条)
第五章雑則(第三十五条―第四十二条)
附則
昭和二十三年制定の旧優生保護法に基づき、あるいはその存在を背景として、多くの方々が、優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するという誤った目的の下、特定の疾病や障害を有すること等(以下「特定疾病等」という。)を理由に生殖を不能にする手術若しくは放射線の照射(以下「優生手術等」という。)又は人工妊娠中絶を受けることを強いられて、子を生まざるか否かについて自ら意思決定をする機会を奪われ、これにより耐え難い苦痛と苦難を受けてきた。
特定疾病等を理由に優生手術等を受けることを強いられたことに関しては、平成三十一年に「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」が制定されたが、同法はこれを強いられた方々に対してその被った苦痛を慰謝するものであり、国に損害賠償責任があることを前提とするものではなかった。また、特定疾病等を理由に人工妊娠中絶を受けることを強いられたことに関しては、これまで謝罪も慰謝も行われてこなかった。
しかしながら、令和六年七月三日の最高裁判所大法廷判決において、特定疾病等に係る方々を対象者とする生殖を不能にする手術について定めた旧優生保護法の規定は日本国憲法第十三条及び第十四条第一項に違反するものであり、当該規定に係る国会議員の立法行為は違法であると判断され、国の損害賠償責任が認められた。
国会及び政府は、この最高裁判所大法廷判決を真摯に受け止め、特定疾病等に係る方々を差別し、特定疾病等を理由に生殖を不能にする手術を強制してきたことに関し、日本国憲法に違反する規定に係る立法行為を行い及びこれを執行するとともに、都道府県優生保護審査会の審査を要件とする生殖を不能にする手術を行う際には身体の拘束や欺罔等の手段を用いることも許される場合がある旨の通知を発出するなどして、優生上の見地からの誤った目的に係る施策を推進してきたことについて、悔悟と反省の念を込めて深刻にその責任を認めることもとに、心から深く謝罪する。また、これらの方々が特定疾病等を理由に人工妊娠中絶を受けることを強いられたことについても、心から深く謝罪する。
ここに、国会及び政府は、この問題に誠実に対応していく立場にあることを深く自覚し、これらの方々の名誉と尊厳が重んぜられるようにするとともに、このような事態を二度と繰り返すことのないよう、その被害の回復を図るため、およそ疾病や障害を有する方々に対するいわれのない偏見と差別を根絶する決意を新たにしつつ、この法律を制定する。
(趣旨)
第一章総則
第一条この法律は、最高裁判所令和四年(受)第一〇五〇号同六年七月三日大法廷判決、最高裁判所令
和四年(受)第一四一一号同六年七月三日大法廷判決、最高裁判所令和五年(受)第一三一九号同六年七月三日大法廷判決、最高裁判所令和五年(受)第一三三三号同六年七月三日大法廷判決及び最高裁判所令和五年(才)第一三四一号、同年(受)第一六八二号同六年七月三日大法廷判決において国の責任が認められた者と同様の苦痛を受けている者の損害の迅速な賠償を図るための補償金、特定疾病等を理由に旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者の被った苦痛を慰謝するための優生手術等一時金及び特定疾病等を理由に旧優生保護法に基づく人工妊娠中絶等を受けた者の被った苦痛を慰謝するための人工妊娠中絶一時金の支給に関し必要な事項等を定めるものとする。
(定義)
第二条この法律において「旧優生保護法」とは、昭和二十三年九月十一日から平成八年九月二十五日までの間において施行されていた優生保護法(昭和二十三年法律第百五十六号)をいう。
2 この法律において「旧優生保護法に基づく優生手術等」とは、次に掲げるものをいう。
一昭和二年九月十一日から昭和二十四年六月二十三日までの間に、優生保護法の一部を改正する法律(昭和二十四年法律第二百三十六号)による改正前の優生保護法第三条第一項又は第十条の規定により行われた優生手術(当該優生手術を受けた者が同項第四号又は第五号に掲げる者に該当することのみを理由として同項の規定により行われた優生手術を除く。)
二昭和二十四年六月二十四日から昭和二十七年五月二十六日までの間に、優生保護法の一部を改正する法律(昭和二十七年法律第四百四十一号)による改正前の優生保護法第三条第一項又は第十条の規定により行われた優生手術(当該優生手術を受けた者が同項第四号又は第五号に掲げる者に該当することのみを理由として同項の規定により行われた優生手術を除く。)
三昭和二十七年五月二十七日から平成八年三月三十一日までの間に、らい予防法の廃止に関する法律(平成八年法律第二十八号)による改正前の優生保護法第三条第一項、第十条又は第十三条第二項の規定により行われた優生手術(当該優生手術を受けた者が同法第三条第一項第四号又は第五号に掲げる者に該当することのみを理由として同項の規定により行われた優生手術を除く。)