その他令和6年7月12日
国家公務員倫理月間における研修・啓発活動等の実施状況等について
掲載日
令和6年7月12日
号種
号外
原文ページ
p.66 - p.67
号外p.66-p.67
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国家公務員倫理月間における研修・啓発活動等の実施状況等について
令和6年7月12日|p.66-67
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2 倫理的な組織風土の構築
倫理保持の徹底を図るためには、職員一人一人の倫理意識をか ん養するだけでなく、各職場において倫理的な組織風土を構築していくことが極めて重要である。各府省に対して、上述した懇談会や制度説明会、国家公務員倫理月間などの機会を通じて、職場での相談を促す環境づくりや、組織内外の相談・通報窓口の周知と利活用促進に向けた要請を行うこととしている。あわせて、倫理的な組織風土構築のための取組例などを幅広く周知し、各部局での取組の参考にしてもらうこととしている。
また、倫理審査会からの働きかけを踏まえ、多くの府省等において組織外に弁護士事務所等を活用して外部窓口を設置している。倫理的な組織風土を構築する観点からは、相談・通報の体制を整備することに加え、それが利用されることが重要となる。これら窓口の利用が促進されることは、その組織が倫理保持を重視していることを示すことになるだけでなく、違反行為に対し早期に認識・対処することで事態の深刻化を防ぐことにもつながるものである。
こうした観点から、令和5年度においては、次の(1)及び(2)の業務を実施した。
(1) 相談・通報窓口の周知
組織内外の相談・通報窓口の体制整備は各府省でほぼ整えられてきたが、職員に対するアンケート結果によると相談・通報窓口の存在を知らない職員も依然として一定数存在することから、相談・通報窓口の周知に引き続き取り組んだ。具体的には、国家公務員倫理月間に、倫理審査会が設置している公務員倫理ホットラインの連絡先、各府省が設置する相談・通報窓口の内部窓口や外部窓口の連絡先を記載する欄を設けたリーフレットを準備し、各府省が欄中に必要事項を記載した上で職員に周知するよう依頼した。また、職員が常時携帯できるように配布している国家公務員倫理カードについて、各府省ごとの相談・通報窓口が記載されているものを配布した。各府省においては、これらのリーフレット・カードの活用のほか、相談・通報窓口のイントラネットへの掲載やメール等による職員への周知が行われた。
職員に対するアンケートによれば、相談・通報したことにより不利益な取扱いを受けるおそれがあるのではないかなど、相談・通報に対して懸念を持つ職員もいる。そのため、相談・通報窓口を周知する際には、相談・通報者が不利益な取扱いを受けないよう万全を期していること、匿名による相談・通報も受け付けていること、通報後の流れなども併せて周知するとともに、各府省に対してこれらの事項を周知するよう要請した。
(2) 相談しやすい職場環境の構築
職員を対象とするアンケート結果を見ると、倫理法・倫理規程に違反すると疑われる行為を見聞きした場合には、約7割の職員が本人に問いただす又は上司など職場の他の職員に相談する、約2割の職員が所属組織等の相談・通報窓口に相談すると回答している。このように倫理法・倫理規程に違反すると疑われる行為を行ってしまう前に、あるいは倫理法等違反と言えるか必ずしも判然としなくとも疑義が生じた際に、当事者が立ち止まり、本人への確認や職場の身近な上司・同僚への相談等を行ったり組織内外の窓口に相談したりすることは、倫理法・倫理規程違反を未然に防止し、事態の深刻化を防ぐ上で効果的である。
そこで、倫理審査会が行う研修・啓発活動や各府省への研修支援の教材等において、繰り返し職場でのコミュニケーション・相談等の重要性を強調するとともに、実際にそうした事態に直面した場合にどのような行動が取れるか等の意見交換を行うよう依頼した。また、官房長等との懇談会や倫理事務担当者向けの倫理制度説明会等の機会を捉え、各組織の窓口においてこうした相談等も受け付けていることを周知すること、相談しやすい職場環境を構築することなどを促した。
3 公務員倫理に関する広報、意見聴取
公務員倫理に関しては、職員自身が襟を正すべきことは当然のことであるが、国民や職員の仕事の相手方となる事業者等にも周知することは、職員・事業者双方にとって、円滑な業務運営に資するものとなる。そのため、1(3)で述べた各府省からの周知等の取組と併せて、倫理審査会としても国民や事業者等への広報を行っている。また、倫理審査会では、倫理の保持のための施策の参考とするため、倫理制度や公務員倫理をめぐる諸問題について、各界から意見を聴取しており、また、各府省の倫理法・倫理規程の運用実態、倫理法・倫理規程に対する要望等の把握に努めている。令和5年度においては、次の(1)~(3)の活動が行われた。
(1) 国民や事業者等への広報活動
国家公務員と接触する機会のある事業者等に対して倫理法・倫理規程の周知及び理解の促進を図るため、全国の経済団体等に対し機関誌やウェブサイト、掲示板等への事業者向けの啓発用ポスターや公務員倫理に関する記事、パンフレットなどの掲載、会員企業のコンプライアンス担当部署に対する広報依頼など、事業者等に対する広報活動への協力の依頼等を行った。地方公共団体に対しても、国家公務員倫理月間の啓発用ポスターの電子媒体を47都道府県、20政令指定都市に配布し、国家公務員倫理に関する周知を要請した。
(2) 有識者からの意見聴取の実施
倫理審査会では、各界の有識者から、国家公務員の倫理保持の状況や倫理保持のための施策、これからの官民連携と倫理保持の在り方などについての意見聴取を行っている。令和5年度においては、弁護士、民間企業コンプライアンス担当役員から個別に意見を聴取した。
〈有識者からの主な意見等〉
(1) 主な意見
・ 倫理保持というと自らを縛る方向での意識付けになってしまいがちであるが、自らを守る術であるという意識改革が必要。そのような意識がないと巻き込まれもするし、足をすくわれることにもなりかねない。基本的には公務員が常識に照らして対応すれば問題は生じないということを理解する必要がある。
・ 人はミスをするものであり、それをいかに早く検知できるか、また、ミスしたことについて声を上げやすい雰囲気が醸成されているかが重要である。ミスが小さな段階で声を上げることができる職場であれば、処分にまで至らないケースもあるし、不祥事を未然に防止することにも繋がる。
・ 各府省において、どの部署、どの地域に不祥事が発生するリスクが存在しているかについて、リスク分析することが重要である。職員アンケートの結果によると、不祥事の原因として個人の資質を挙げる人が多いようであるが、それが許されている雰囲気や看過されるような組織運営が行われているということを表すものであるため、必要に応じて結果を深掘りする必要がある。
・ 国家公務員倫理に関する理解促進については、非常に多岐にわたる手法で内外に働きかけがなされていると評価している。一つ、地方における業界に対する浸透策は課題であると思っており、各種団体と意見交換する中でお互いに知恵を出して取り組むことが有効ではないか。
(2) 民間企業の取組状況の具体例
・ 社外有識者、労働組合の代表者、社内委員などで構成される諮問機関を設置しており、毎年、当該諮問機関が企業倫理に関する提言を作成し、提言に基づき全社的な取組を行っている。
・ 通報相談窓口への連絡は、法令違反や社内規定違反に限らず、相談レベルのものであってもぜひ活用するように、ハードルを上げないようにして社内に周知している。外部の通報相談窓口を設置するだけでは活用されないため、全従業員に携行カードと詳細版の案内冊子を配布している。
・ 企業倫理に関する社内指針を進歩させるための活動として、年10回のグループ活動を行っている。グループ活動では、役員、従業員のほか、非正規従業員や派遣社員も含めて全員が参加し、立場を超えてグループとなり、全社統一のテーマでミーティングを行うこととしている。職場でのコミュニケーションの円滑化、コンプライアンスマインドの醸成を図る場として継続して実施している。
・ 過去の不祥事を風化させないための活動として、年2回、うち1回は再発防止に向けた様々なテーマでの活動、もう1回は前向きなテーマとして、社会課題解決に向けてというテーマで講演会などを実施しており、企業倫理を「自分事」として考えるための機会としている。
(3) アンケートの実施
倫理審査会では、倫理保持のための施策の企画等に活用するため、毎年、各種アンケートを実施している。令和5年度に実施したアンケート結果の概略は、次のとおりである。
・市民アンケート
国民各層から年齢・性別・地域等を考慮して抽出した1,000人を対象に令和5年8月に実施(Web調査)
・職員アンケート
一般職の国家公務員のうち、本府省、地方機関の別、役職段階等を考慮して抽出した2,500人を対象に令和5年8月から9月にかけて実施(原則Web調査とし、同調査による回答が困難な者に限りExcel又は紙媒体調査。回答数2,275人)
ア 国家公務員の倫理感についての印象(市民アンケート)[図1-1]
市民アンケートにおける「国家公務員の倫理感の印象」を問う設問の回答結果について、直近3年間を見ると、「倫理感が高い」又は「全体として倫理感が高いが、一部に低い者もいる」と回答した割合は平均55%強であり、その増減幅は±8.6ポイントであった。「全体として倫理感が低いが、一部に高い者もいる」又は「倫理感が低い」と回答した割合は平均10%強であり、その増減幅は±4.5ポイントであった。いずれも特段、顕著な変化は見られなかった。
(注) 1 n:有効回答者数(以下同じ)
2 数値は端数処理の関係で合致しない場合がある(以下同じ)。
イ 所属する組織の倫理感についての印象(職員アンケート)[図1-2]
職員アンケートにおける「所属する組織の倫理感の印象」を問う設問の回答結果について、直近3年間を見ると、「倫理感が高い」又は「どちらかと言えば倫理感が高い」と回答した割合は平均80%強であり、その増減幅は±3.1ポイントであった。「どちらかと言えば倫理感が低い」又は「倫理感が低い」と回答した割合は平均3%弱であり、その増減幅は±0.5ポイントであった。いずれも特段、顕著な変化は見られなかった。
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