令和6年7月12日宮報(号外第167号) 勤務時間・休暇制度等に関する調査研究及び健康安全対策
令和6年7月12日|p.53
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2 勤務時間・休暇制度等に関する調査研究
(1) 公務における勤務時間・休暇制度等運用状況調査
公務における勤務時間・休暇制度等の適正な運用を図るとともに、これら制度の検討に資するため、国の官署を対象に、勤務時間、休暇、育児休業等に関する諸項目について、その運用状況の調査を実施している。
令和5年度は、各地方事務局(所)において、42官署について調査し、各官署における勤務時間・休暇制度等の運用実態を把握するとともに、これら制度に関する意見・要望の聴取等を行った。
調査の結果、全体的にはおおむね良好に処理されていると認められたものの、一部に法規の理解不足等に起因する誤りが認められたので、その是正の確保を図るため、必要な指導を行った。
令和4年度までの調査結果については、誤りやすい事例や特に注意を要する不適正事例を各府省に示し、勤務時間・休暇制度等の適正な運用の徹底を図った。
また、第1部1第1章第3節2(1)に記載した勤務時間調査・指導室が実施する勤務時間の管理等に関する調査も勤務時間・休暇制度等運用状況調査として実施している。
令和5年度に勤務時間調査・指導室が実施した調査では、対象となる職員ごとに客観的に記録された在庁時間と超過勤務時間を突合し、大きなかい離があればその理由を確認するなどして、客観的な記録を基礎とした超過勤務時間の適正な管理等について指導を行った。具体的には、本府省の19機関を調査するとともに、同室が地方の5官署を直接訪問する形式の調査を新たに実施し、合計で約1,200人の直近1月分の在庁時間と超過勤務時間のデータを突合した。その結果、超過勤務時間はおおむね適正に管理されていたものの、一部で超過勤務時間が適正に記録されていない事例があり必要な指導を行った。その後、該当府省において適切な対応がなされ、超過勤務手当の追給や返納などが行われた。さらに、他律部署・特例業務の範囲が必要最小限のものとなるよう指導を行ったほか、管理職員のマネジメントに関する助言等を行った。
(2) 民間企業の勤務条件制度等調査
国家公務員の勤務条件の諸制度を検討するための基礎資料を得ることを目的として、毎年、「民間企業の勤務条件制度等調査」を行っている。
令和4年の調査は、全国に所在する企業規模50人以上の企業のうち、無作為に抽出した7,556社を対象として、令和4年10月1日現在における労働条件等の諸制度について調査を実施した。また、調査の回答は、全ての調査項目についてオンライン調査システムを利用した回答も可能とした。
本調査結果のうち、休暇制度に関するものについて見ると、季節的な休暇制度がある企業における休暇を使用できる時期は、夏季(7~9月)及び冬季(1月・12月)が多く、次いで6月・10月であった。この結果も踏まえ、夏季休暇の使用可能期間の見直し(第1部1第1章第3節1(1)ウ参照)を行った。
第2節健康安全対策
職員の健康の保持増進を図るとともに、職場の安全を確保するため、規則10-4(職員の保健及び安全保持)等を定めている。これらの規則に従い、各府省は健康管理のための措置を実施しており、制度の円滑な運営を確保するため、人事院が、総合的な指導、調整等を行っている。
1 健康の保持増進
(1)心の健康づくり対策
近年、長期病休者のうち、心の健康の問題による長期病休者が6~7割を占める状況となっており、心の健康に関し、職員の状況に応じて、1次予防(健康不全の未然防止)、2次予防(健康不全の早期発見、早期対処)及び3次予防(職場復帰支援、再発防止)の各取組を推進していくことがますます重要となっている。
こうした状況を踏まえ、人事院としては、「職員の心の健康づくりのための指針」(平成16年勤務条件局長通知)に基づき、以下のような各府省における職員の心の健康づくり対策に重点的に取り組んできている。
ア 心の健康づくり研修の開催、職員の意識啓発のためのガイドブックの作成等、心の健康づくりの推進を図ってきている。令和5年度においては、6月に本院において、本府省の健康管理担当者等を対象とする「各府省意見交換会(メンタルヘルス対策)」を初めて実施し、心の健康の問題による長期病休者が増加する中でのメンタルヘルス対策について、各府省における実態や取組等を共有し、意見交換を行った。また、10月には、「国家公務員健康週間」の取組として、各府省における心の健康づくりの施策の効果的な実施を図ることを目的に、「心の健康づくり対策推進のための各府省連絡会議」を実施し、メンタルヘルス対策や職場環境改善、復職時の再発防止対策等について、各府省の取組状況等の共有を行った。さらに、メンタルヘルスに関するガイドブックやセルフケアに関する自習用教材を周知し、職員の意識啓発を図った。
イ 職員の心の不調を未然に防止することが重要であるとの認識に基づき、平成27年12月にストレスチェック制度を導入したところであり、各府省において実施されている。また、過度のストレスがなく、いきいきとした職場の実現を目指す職場環境改善について、平成28年11月に「[心の健康づくりのための職場環境改善]について」(平成28年職員福祉局長通知)を各府省に提示し、各府省のより積極的な取組を支援してきている。また、令和4年2月に人事院心の健康づくり指導委員会職場環境改善ワーキンググループにおいて取りまとめられた、「ストレスチェックにおける職場環境改善の取組について~職場環境改善とハラスメント予防について~」報告書を踏まえ、ストレスチェックを活用した職場環境改善の具体的な取組等について各府省へ周知し、各府省に更なる取組を求めている。令和5年度においては、職場環境の改善に当たり、改善策の検討及び実施を支援する者等を対象にしたファシリテータ研修を人事院の本院及び各地方事務局(所)(全国5か所)において実施した。
ウ 心の不調を早期に発見し早期に対処するための取組として、専門の医師等が対応し、各府省の職員、家族等が利用できる「こころの健康相談室」(全国10か所に設置)を開設している。令和5年度における相談件数は、合計290件であった。若年者や遠方に居住する職員が利用しやすい環境の整備を図るため、令和4年度から本院及び一部の地方事務局においてオンライン相談を導入し、令和5年度には全ての窓口にオンライン相談を拡充した。
エ 心の健康の問題による長期病休者の職場復帰及び再発防止に関して、専門の医師が相談に応じる「こころの健康にかかる職場復帰相談室」(全国10か所に設置)を開設している。令和5年度における相談件数は、合計152件であった。