国家公務員採用試験の方法及び2023年度実施状況
令和6年7月12日|p.32
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(3) 採用試験の方法
採用試験は、受験者がそれぞれの試験の対象となる官職の職務を遂行する上で発揮することが求められる能力及び適性を有するかどうかを相対的に判定することを目的としている。
そのため、官職の職務遂行に求められる知識、技術、その他の能力及び適性を検証する方法として、基礎能力試験、専門試験、人物試験等の試験種目のうちから、それぞれの採用試験に効果的な試験種目を組み合わせて実施している。
例えば、総合職試験の大卒程度試験においては、国家公務員として必要な基礎的な知能及び知識をみるための「基礎能力試験」、必要な専門知識及び技術等をみるための「専門試験」、政策の企画立案に必要な能力、総合的な判断力及び思考力等をみるための「政策論文試験」をそれぞれ筆記試験により行い、さらに、人柄、対人的能力等をみるための「人物試験」を個別面接により行っている。また、総合職試験の院卒者試験では、「政策論文試験」に替えて、課題に対するグループ討議を通してプレゼンテーション能力やコミュニケーション力等をみるための「政策課題討議試験」を行っている。
こうした試験種目のうち、専門性の高い試験種目の内容については、試験専門委員として委嘱した大学の教員及び専門知識を有する各府省の職員等とともに検討を重ねた上で決定している。
また、採用試験の実施後は、その結果分析を通じて試験方法の検討を行うほか、必要に応じて各学校における教科内容の実態調査を実施するなど、採用試験の妥当性及び信頼性を高めるよう常に研究を行っている。
(4) 実施状況
ア 概況
2023年度に実施した採用試験の状況は、表1-2に示したとおりである。
総合職試験(院卒者試験)は、対象となる官職に必要とされる専門知識等に応じて9の区分試験に分けて実施した。また、総合職試験(大卒程度試験)は12区分、一般職試験(大卒程度試験)は10区分、法務省専門職員(人間科学)採用試験は7区分、国税専門官採用試験は理工・デジタル系の「国税専門B」区分を2023年度より新設して2区分、労働基準監督官採用試験は2区分、一般職試験(高卒者試験)は4区分、一般職試験(社会人試験(係員級))は2区分、刑務官採用試験は6区分、入国警備官採用試験及び航空保安大学校学生採用試験は2区分、海上保安学校学生採用試験は5区分、国土交通省経験者採用試験(係長級(技術))は2区分の試験に分けて、それぞれ実施した。
さらに、一般職試験(大卒程度試験)のうち「行政」の区分試験、一般職試験(高卒者試験)のうち「事務」及び「技術」の区分試験、一般職試験(社会人試験(係員級))のうち「技術」の区分試験、刑務官採用試験及び税務職員採用試験については、合格者の地域的偏在を防ぎ、各地域に所在する官署からの採用に応じられるように、地域別の試験に分けて実施した。
全採用試験(外務省の実施する試験を含む。)の申込者総数は100,049人で、前年度に比べると8,805人(8.1%)減少した。このうち、大学・大学院卒業程度の試験は71,303人で、前年度に比べ2,443人(3.3%)減少した。また、高等学校卒業程度の試験は28,746人で、前年度に比べ6,362人(18.1%)減少した。
全採用試験の合格者総数は24,299人で、前年度に比べ343人(1.4%)減少した。
申込者数が合格者数の何倍かを示す比率(以下「倍率」という。)は、表1-2のとおりである。その内訳は、大学・大学院卒業程度の試験が4.5倍(前年度4.5倍)、高等学校卒業程度の試験が3.5倍(前年度4.3倍)であった。
イ 試験の種類別等の状況
(ア) 総合職試験
① 表1-2のとおり春に実施した総合職試験の申込者数は、院卒者試験が1,486人で前年度に比べ170人(10.3%)の減少、大卒程度試験(教養区分を除く。以下①において同じ。)が12,886人で788人(5.8%)の減少、全体では14,372人で958人(6.2%)の減少となった。
女性の申込者数は、院卒者試験が505人、大卒程度試験が5,412人で、全体では5,917人となった。
合格者数は、院卒者試験が667人、大卒程度試験が1,360人で、全体では2,027人で前年度に比べ154人(8.2%)の増加となった。
女性の合格者数は、院卒者試験が234人、大卒程度試験が449人で、全体では683人となった。また、合格者に占める女性の割合は、院卒者試験が35.1%、大卒程度試験が33.0%で、全体では33.7%となった。
申込者数及び合格者数について、国・公・私立別の出身大学(大学院を含む。)別の割合で見ると、それぞれ国立大学45.2%及び63.7%、公立大学5.8%及び4.2%、私立大学47.5%及び31.3%、その他外国の大学等1.4%及び0.7%であった。
表1-2のとおり秋に実施した大卒程度試験「教養区分」の申込者数は4,014人で、前年度に比べ1,062人(36.0%)増加し、合格者数は423人で、前年度に比べ168人(65.9%)増加した。
女性の申込者数は1,656人で、前年度に比べ494人(42.5%)増加し、申込者全体に占める割合も41.3%で1.9ポイント上昇した。女性の合格者数は138人で、前年度に比べ51人(58.6%)増加し、合格者に占める割合は32.6%で1.5ポイント低下した。
なお、従来秋に実施していた院卒者試験「法務区分」は、司法試験の日程の変更を踏まえ、2024年度から春に実施することとし、2023年度は実施しなかった。