その他令和6年6月28日

金融商品に関する注記(リスク管理方針及び体制)

掲載日
令和6年6月28日
号種
号外
原文ページ
p.35 - p.36
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金融商品に関する注記(リスク管理方針及び体制)

令和6年6月28日|p.35-36

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【金融商品に関する注記】
1. 金融商品の状況に関する事項
(1) 金融商品に対する取組方針
当機構が、健全かつ良好な財務体質の維持を図りつつ、資本市場からの確固たる信認を強化するためには、地政学的リスクなど様々なリスクが高まる中、金利リスクなど機構が抱える各種リスクを適切に管理する必要があります。
機構では、各種リスクに適切に対応するために、リスク分析・管理の高度化を図りつつ、統合的なリスク管理を行っております。
このため、機構全体のリスク管理を統括する統合的リスク管理委員会や各事業部門のリスクについて統合的な把握・管理を行うリスク管理統括課を設けるなど、適切にリスク管理を行う体制を整備するとともに、こうしたリスク管理の内容を適切に経営判断に反映できるようにしております。
(2) 金融商品の内容及びそのリスク
機構は、地方公共団体に対して最長40年の長期の貸付けを行う一方で、その原資は10年債を中心とした債券発行等により調達しており、貸付期間と資金調達期間との間に大きな差異が生じることから、債券等借換え時の金利リスク(債券等支払利息が貸付受取利息を上回り、逆鞘となるリスク)が大きいという特性があります。
このため、機構においては、所要の金利変動準備金を設けてリスクに備えているほか、統合的リスク管理委員会とは別にALM委員会を設け、資産・負債の総合的な分析・管理を適時・適切に行っております。ALM委員会では、シナリオ分析、VaR分析、デュレーション分析等多様な分析を通じて、中長期的な経営分析やリスク分析・評価を行ったうえで、分析結果を資金調達計画の策定等の経営に反映し、金利リスクを軽減するよう努めております。
(3) 金融商品に係るリスク管理体制
[1] 信用リスク
信用リスクとは、信用供与先の財務状況の悪化等により資産の価値が減少ないし消失し、機構が損失を被るリスクのことで、貸付債権に係る信用リスクのほか、市場取引に係る信用リスクがあります。
① 貸付債権に係る信用リスク
機構の貸付対象は、地方公共団体に限定されております。地方公共団体は、バーゼル規制においてリスクウェイトがゼロとされており、また、以下の理由等から、地方公共団体が債務者である貸付債権については、貸倒れ(デフォルト)が生じないような仕組みとなっております。実際、旧公庫時代を含め、これまでに貸倒れは1件も発生しておりません。
a. 国は、地方財政計画の歳出において、公債費(地方債の元利償還金)を計上し、公債費を含めた歳出総額と歳入総額が均衡するよう地方交付税の総額を確保すること等によって地方債の元利償還に必要な財源を保障しているほか、地方交付税の算定において標準的な財政需要額(基準財政需要額)に一定の地方債の元利償還金の一部を算入することにより、個々の地方公共団体の地方債に対して元利償還金の財源を措置していること。
b. 地方債協議制度の下における審査に当たり、地方債の元利償還の状況、税収入確保及び財源確保の状況等について留意することとされているほか、地方債の信用維持等のため、「元利償還費」又は「決算収支の赤字」が一定水準以上となった地方公共団体は、地方債の発行に許可を要することとする等の早期是正措置が講じられていること。
c. 「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」(平成19年法律第94号)において、財政指標が早期健全化基準に該当する地方公共団体については自主的な改善努力に基づく財政健全化が、財政再生基準に該当する地方公共団体については地方債の償還を含む国等の関与による財政再生が、それぞれ行われること。
なお、機構は「銀行法」(昭和56年法律第59号)及び「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)の適用を受けませんが、適切なリスク管理の観点から、独自の規程に基づき自己査定を実施しております。
市場取引に係る信用リスク
取引先金融機関の財務状況の悪化等により、資産の価値が減少又は消失し、損失を被るリスクがあります。
このため、取引先を格付等の基準を満たしている金融機関に限定しつつ、リスク分散を図るため取引先ごとに定めた与信枠の範囲内で取引を行うとともに、財務状況等をモニタリングし、信用状況が悪化した場合は新規取引停止、解約等の措置を講ずることにより、信用リスクを適切に管理しております。
また、デリバティブ取引の価値の変動に伴う信用リスクを抑制するため、全てのデリバティブの取引先との間にISDAマスター契約及びCSA (Credit Support Annex) と呼ばれる信用補完契約を締結しております。
[2] 市場リスク
市場リスクとは、金利、有価証券等の価格、為替等の市場のリスク・ファクターの変動により、資産・負債の価値が変動し、機構が損失を被るリスク、又は資産・負債から生み出される収益が変動し損失を被るリスクのことで、金利リスク、為替リスク、価格変動リスクがあります。
① 金利リスク
金利リスクとは、金利変動に伴い利益が減少又は損失を被るリスクであり、機構では「借換えに伴う金利リスク」と「調達と貸付けの時期の不一致に伴う金利リスク」を負っております。
a. 借換えに伴う金利リスクへの対応
機構は、地方公共団体に対して最長40年の長期の貸付けを行う一方で、その原資は10年債を中心とした債券発行等により調達しており、貸付期間と資金調達期間との間に大きな差異が生じていることから、債券等借換え時に金利が変動することで利益が減少又は損失を被るリスクを負っております。
このような貸付けと資金調達のための債券等の資金調達期間の差異に伴う金利リスクについて、機構は、以下のとおり対応することとしております。
・貸付けと資金調達のための債券等の資金調達期間の差異に伴う金利リスクに適切に備えるため、所要の金利変動準備金等を積み立てております。
・今後、地方公共団体に対する貸付け、資金調達等を行うことにより資産・負債の拡大する一般勘定においては、リスク管理に万全を期すため、ALM分析を適時・適切に実施するとともに、デュレーションギャップをおおむね2年以下とする令和5年度から令和7年度までの中期の管理指標を設定しております。
b. 調達と貸付けの時期の不一致に伴う金利リスクへの対応
機構は資金調達と地方公共団体に対する貸付けの時期の不一致により、その期間に金利が変動することで利益が減少又は損失を被るリスク(パイプラインリスク)を負っております。
このような調達と貸付けの時期の不一致に伴う金利リスクについては、原則金利スワップ取引を活用し、調達から貸付けまでの金利変動リスクを回避するパイプラインリスクヘッジに取り組むこととしております。
②為替リスク等
債券発行に伴う元利金について、外貨建債券における為替レートの変動に係るリスク、変動利付債における金利変動に係るリスク等については、スワップ取引によってヘッジしております。
余裕資金の運用については、価格の下落により有価証券の売却損が発生するリスクや、外国為替相場の変動による外貨預金解約時の実現損が発生するリスクを負っております。このため、原則として満期保有とすることにより価格変動リスクを極小化するとともに、為替予約により為替リスクをヘッジしております。
③市場リスクに係る定量的情報
機構において、市場リスクのうちで主要なリスク変数である金利リスクの影響を受ける主たる金融商品は、貸付金、債券及び長期借入金です。
一般勘定の貸付金、債券及び長期借入金については、前記のとおりデュレーションギャップによる管理指標を設定し、金利リスクを適切に管理しております。一方で、金利リスクの定量的情報については、それらの算出結果をALM委員会に報告し、金利リスクの状況あるいは推移等の確認を行っておりますが、管理指標としては定めておらず、金利リスク管理について定量的分析は利用しておりません。
一般勘定におけるこれらの金融商品について、金利リスク以外のリスク変数が一定の場合、令和6年3月31日現在の金利が10ベーシス・ポイント高ければ、当該金融資産と金融負債相殺後の純額(資産側)の時価は24,436百万円減少するものと考えられます。また、反対に金利が10ベーシス・ポイント低ければ、当該金融資産と金融負債相殺後の純額(資産側)の時価は24,747百万円増加するものと考えられます。
管理勘定の貸付金、債券については、既存の貸付金をその償還終了まで管理するために必要に応じて債券発行により資金を調達するに留まるものです。このため、一般勘定と同様に金利リスクの定量的情報の算出結果をALM委員会に報告し、金利リスクの状況あるいは推移等の確認を行っておりますが、管理指標としては定めておらず、金利リスク管理について定量的分析は利用しておりません。
管理勘定におけるこれらの金融商品について、金利リスク以外のリスク変数が一定の場合、令和6年3月31日現在の金利が10ベーシス・ポイント高ければ、当該金融資産と金融負債相殺後の純額(資産側)の時価は5,170百万円減少するものと考えられます。また、反対に金利が10ベーシス・ポイント低ければ、当該金融資産と金融負債相殺後の純額(資産側)の時価は5,211百万円増加するものと考えられます。
[3] 流動性リスク
流動性リスクとは、運用と調達の期間の差異や予期せぬ資金流出により、必要な資金確保が困難になること、又は通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより、機構が損失を被るリスク(資金繰りリスク)及び市場の混乱等により、市場において取引ができなくなったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより、機構が損失を被るリスク(市場流動性リスク)のことです。
地方公共団体に対する貸付けについては、その実施時期をあらかじめ定めていることに加え、月ごとに資金計画を立て、日々の資金繰りを管理しており、資金繰りリスクは極めて小さい構造となっております。さらに、不測の事態に備えて複数の金融機関と当座貸越契約を締結するとともに、余裕資金についても短期で運用することとしております。
また、市場流動性リスクへの対策としては、流動性補完資産確保方針を定め、万一の市場混乱時にも機構債券等の償還金や利息の支払いに支障をきたさないよう、換金性の高い資産をあらかじめ保有することとしております。
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金融商品に関する注記(リスク管理方針及び体制) - 第35頁
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