告示令和6年6月27日

国土交通省告示第六百二十三号(都道府県の区域等に関する規則の制定)

掲載日
令和6年6月27日
号種
号外
原文ページ
p.52 - p.54
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抽出要点

土地基本方針の変更

抽出された基本情報
発行機関国土交通省
省庁国土交通省
件名土地基本方針の変更

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国土交通省告示第六百二十三号(都道府県の区域等に関する規則の制定)

令和6年6月27日|p.52-54

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○国土交通省告示第六百二十三号
土地基本法(平成元年法律第八十四号)第二十一条第六項の規定に基づき都道府県の区域等に関する規則を、次の通り定めるので告示する(令和六年六月十日閣議決定)あわせてお知らせする。
令和六年六月二十七日
国土交通大臣斉藤鉄夫
土地基本方針
目次
第一基本的な考え方
1. 現状・課題
(1)人口減少・少子高齢化、世帯数の減少
(2)東京圏等への集中・偏在、アフターコロナ時代の多様な生活様式への転換、DX・GX等の進行
(3)気候変動の影響等による災害の激甚化・頻発化
2. 取組の方向性・目標 ~ 「サステナブルな土地の利用・管理」の実現~
第二土地に関する施策
第1章土地の利用及び管理に関する計画の策定等並びに適正な土地の利用及び管理の確保を図るための措置に関する基本的事項
1. 低未利用土地、所有者不明土地等への対応に関する措置
(1)低未利用土地の発生抑制と適正な利用及び管理に関する施策
①土地利用の適正な転換等のための新たな方策
②低未利用土地の取引・利活用の促進
③低未利用土地への投資の活性化
④土地の利用可能性の向上
(2)所有者不明土地の総合的対策(発生抑制、利活用、適正管理等)の推進
①所有者不明土地の円滑な利用・管理
②所有者不明土地の発生抑制・解消
③所有者不明農地・森林の適正な利用・管理
(3)管理不全土地の発生抑制、適正管理の確保に関する施策
①周辺に悪影響を与える管理不全の土地等に関する対策
②民民関係での適正な土地の管理の確保
2. 土地の状況に応じた土地の有効利用及び適正管理に関する措置
(1)防災・減災に資する土地の利用及び管理
①流域治水の観点からの水災害に対応したまちづくり・住まいづくり
災害に備えた計画的なまちづくりの推進
③盛土等の安全確保対策の推進
(2)環境との共生を志向する土地の利用及び管理
(3)生活環境の保全等を図る土地の利用及び管理
(4)工場跡地、廃墟等の土地の利用及び管理
(5)安全保障等の観点からの土地の利用及び管理
3. 地域の特性に応じた適正な土地の利用及び管理に関する措置
(1)都市における適正かつ合理的な土地の利用及び管理
①コンパクト・プラス・ネットワークの推進
②土地の有効・高度利用の確保・誘導
(2)優良農地の確保と有効利用、遊休農地の利用促進
(3)森林の適正な利用及び管理
(4)地域の維持・活性化に資する土地の利用及び管理
(5)公共事業用地の円滑な取得の促進
第2章 土地の取引に関する措置に関する基本的事項
1. 不動産市場の環境整備による活性化・流動性の確保
(1) 取引環境の整備による不動産流通の活性化
(2) 投資環境の整備による不動産投資市場の活性化
(3) 情報の充実による不動産市場の活性化
(4) 市場での流通が難しい土地の流動化
2. 土地取引規制制度の適切な運用
第3章 土地に関する調査、情報提供等に関する基本的事項
1. 土地に関する調査の実施と不動産登記情報の最新化
(1) 地籍調査等の計画的な実施
(2) 不動産登記情報の最新化
2. 不動産市場情報の整備の推進
3. 土地に関する多様な情報の提供
4. DXの推進による土地政策の基盤強化
第4章 土地に関する施策の総合的な推進を図るために必要な事項
1. 多様な主体間の連携協力(国・地方公共団体、専門家等)
2. 多様な活動を支える人材・担い手の育成・確保、必要な資金の確保
3. 土地に関する基本理念の普及等
4. PDCAサイクルによる適時の見直し
土地基本法(平成元年法律第84号。以下「法」という。)は、本格的な人口減少時代の到来、それに伴う土地利用ニーズの変化、土地に係る様々な課題に迅速に対応する必要性等を踏まえ、土地政策の目的として、地域の活性化、安全で持続可能な社会の形成を位置付けている。また、土地についての基本理念として、公共の福祉の優先、土地の適正な利用、管理及び円滑な取引の確保の必要性を明らかにし、土地所有者等関係者の責務、国及び地方公共団体が講ずべき基本的施策を定めている。
本方針は、法第21条に基づく土地基本方針として、上記に即して行われる土地に関する施策の基本的事項を示すものであり、今般、前回変更された令和3年5月以降の社会経済情勢の変化等を踏まえ、変更する。
第一 基本的な考え方
1. 現状・課題
(1) 人口減少・少子高齢化、世帯数の減少
我が国の人口は2008年(平成20年)をピークに減少を続けており、出生数が80万人を下回るなど低調に推移している。
総人口に占める高齢人口の割合は今後も上昇していく見込みであり、特に地方部においてこの傾向は顕著となっている。また、2050年には無居住化するエリアが国土の約2割を占めるとの推計もある。
また、単身世帯(そのうち高齢者世帯)の割合が増加しているほか、これまで増加を続けていた世帯数も近く減少に転じることが見込まれている。現に空き地・空き家の増加が顕著となる中、これらの構造的変化に伴う土地の総需要の低下を前提とする必要がある。
(2) 東京圏等への集中・偏在、アフターコロナ時代の多様な生活様式への転換、DX・GX等の進行
令和2年初からのコロナ禍により東京圏への転入超過は一時的な緩和を示していたが、その後転入超過が拡大するなど、東京一極集中をはじめとして人口が地域的に偏在化する傾向にある。
一方、コロナ禍を経て、デジタル利用の増加(デジタル・トランスフォーメーション(DX))、テレワークでの就労形態の拡大など場所に縛られない暮らし方や働き方の広がりによるライフスタイルの変化もあり、若い世代による移住相談件数の増加など地方移住への関心の高まりが顕在化している。
さらに、人類が生存するための基盤となる地球環境が限界に達しつつあると言われる中、脱炭素、自然共生や循環経済の実現に向けたグリーン・トランスフォーメーション(GX)等の社会変革の取組が国際的潮流となっている。
(3) 気候変動の影響等による災害の激甚化・頻発化
気候変動の影響により、大雨及び短時間強雨の発生頻度が増加傾向にある。今後も地球温暖化の進行に伴い、平均海面の上昇、台風の強度は強まると予測されるなど、水災害リスクがますます増大している。
また、首都直下地震や南海トラフ地震など切迫する巨大地震・津波により、広域にわたる甚大な人的・経済的被害をもたらすおそれがある。このような中、令和6年能登半島地震では地域に甚大な被害をもたらし、地震リスクが改めて具現化している。
居住可能地域が限られる我が国では、上述の東京一極集中とも相まって、災害リスクの高い地域への居住人口割合が高まることが懸念される。
2. 取組の方向性・目標 ~ 「サステナブルな土地の利用・管理」の実現~
土地は、限られた国土の貴重な資源であり、あらゆる社会経済活動の基盤であり、その利用・管理の在り方如何で、国民生活の向上や経済成長、自然災害への備え、気候変動へも対応する環境の保全等につながる。
かつて、土地政策の主題は、宅地の大量供給、投機的取引・地価高騰対策、過剰な開発利用の抑制等にあったが、近年は土地の過少利用に起因する管理不全や放棄、これに伴う外部不経済の発生等が政策課題として顕在化しており、適正な利用・管理の確保が重要となっている。
このため、新たな土地基本方針では、上述の土地を取り巻く社会経済情勢の構造的変化や、防災、環境分野等における新たな要請等を踏まえ、これまでの宅地化等を前提とした土地政策から軸足を移し、広域的・長期的な視点をもって、限られた国土の土地利用転換やその適正な管理等を進める「サステナブルな土地の利用・管理」の実現」を目標に施策を総合的に推進することとする。
具体的には、多様な主体による持続的な活動を促しつつ、暫定利用も含め地域の実情等に応じた他用途への転換、土地の円滑な流通・取引の確保等による土地利用の循環を作り出すことにより、土地の適正な利用・管理、管理不全土地の発生の抑制・解消を図ることを目指す。このため、土地のポテンシャルを引き出すための規制の見直しやインセンティブの付与、DXやGXの推進などを進めるべく、「第二 土地に関する施策」において、既存施策の拡充や新たな施策の導入等、政府全体の施策を定める。
第二 土地に関する施策
第1章 土地の利用及び管理に関する計画の策定等並びに適正な土地の利用及び管理の確保のための措置に関する基本的事項
国及び地方公共団体は、法第12条に基づき、適正かつ合理的な土地の利用及び管理を図るため、人口動態等の社会経済状況の変化と見通しを踏まえ、地域特性を含めた自然的、社会的、経済的及び文化的諸条件を勘案し、住民等関係者の意見反映等適切な合意形成手続を経て、必要な土地の利用及び管理に関する計画を策定するものとする。また、法第13条に基づき、規制又は誘導に関する施策や、策定された計画に従った施策を講ずるものとする。
令和5年7月に閣議決定された第三次国土形成計画(全国計画)・第六次国土利用計画(全国計画)においては、国土の管理水準の悪化及び地域社会の衰退等の懸念に対し、地域の合意形成に基づく粗放的な管理や最小限の管理の導入等の適正な利用と管理を通じた国土の荒廃の防止や地域の持続性確保につながる土地の有効利用・転換の推進の重要性が示された。加えて、激甚化・頻発化する災害や生物多様性の損失のリスクに対しては、安全・安心な国土づくりや自然資本の保全・拡大を進めることとされている。本方針においても、これらの視点を重視しつつ、管理不全による外部不経済の発生防止や地域の状況に応じた適正な利用及び管理に取り組んでいく。
このような趣旨にのっとった、適正な土地の利用及び管理の確保を図るための措置を推進するため、以下の取組を進める。
1. 低未利用土地、所有者不明土地等への対応に関する措置
空き地や、空き家が存する土地等の低未利用土地が増加し、その管理不全により災害も含めた周辺地域への悪影響が深刻な課題となっている一方で、地域によっては企業の進出・拡張、地方への移住等の新たな土地需要に対し必要な用地が適時に確保できないミスマッチの課題もある。このため、空き地、空き家等の発生抑制、管理不全による周辺への悪影響の防止のほか、土地の有するポテンシャルを発揮させる観点から、土地の利用可能性の向上、需給のマッチング等による利活用の促進、土地需要の創出・喚起に取り組む。
(1) 低未利用土地の発生抑制と適正な利用及び管理に関する施策
① 土地利用の適正な転換等のための新たな方策
土地の有効利用や適正な管理を推進するため、社会経済情勢の大きな変化を踏まえ、国、地方公共団体、民間事業者、NPOなど幅広い主体の力を合わせ、「非宅地化」を含む土地利用の円滑な転換やその後の継続的な管理を確保する枠組を構築する。
② 低未利用土地の取引・利活用の促進
低未利用の土地・不動産の取引や適正な利用・管理を促進するため、低未利用の土地等を譲渡した場合の個人の譲渡所得に係る税制特例措置により、新たな利用意向を示す者への譲渡を促す。
また、「空き家・空き地バンク導入のポイント集」の周知等による地方公共団体の空き家バンクの設置支援や、「全国版空き家・空き地バンク」の活用促進を通じ、需給のマッチングを推進する。特に、農山漁村への移住ニーズを取り込む観点から、「農地付き空き家」等の取得に向けた支援策等に関する情報発信を行う。
空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号。以下「空家法」という。)に基づく空家等活用促進区域制度や空家等管理活用支援法人制度の活用を促進するなどし、市区町村や民間事業者等による空き家の活用等に係る取組を支援する。
さらに、地域における空き地・空き家等の管理・活用等に関する取組の優良事例の情報提供やガイドラインの作成・周知を行うことにより、地方公共団体等の取組の支援を行う。
空き店舗や低未利用地の活用に当たっては、店舗立地の新陳代謝を促進し、消費者のニーズにあったサービスの提供につなげる観点から、不動産の所有と利用の分離、リノベーションやマッチングへの支援等を推進する。
③ 低未利用土地への投資の活性化
不動産特定共同事業の活用促進、同事業に係る税制特例措置、セキュリティトークン(デジタル証券)やクラウドファンディングに対応した環境整備等を通じた地域における遊休不動産の再生等により、低未利用の土地・不動産の取引・利用を促進する。
クラウドファンディングなどの「志ある資金」等を活用し、地域の土地・不動産を再生する事業に対する円滑な資金調達を促進する。
④ 土地の利用可能性の向上
地域の特性に応じて、低未利用土地を遊水地、農地、緑地などグリーンインフラ¹として整備・維持管理するとともに、生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR²)を進めること等により、適正な土地の利用を推進する。
河川に隣接する低未利用土地等については、地方公共団体による貯留機能保全区域の指定等を促進することで、その有効活用を推進する。
(2) 所有者不明土地の総合的対策(発生抑制、利活用、適正管理等)の推進
① 所有者不明土地の円滑な利用・管理
所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法(平成30年法律第49号)に定める地域福利増進事業等の所有者不明土地の円滑な利活用を図る制度や管理不全所有者不明土地に対する勧告・命
令・代執行等の管理適正化を図る制度、所有者不明土地対策に関する計画・協議会制度、所有者不明土地利用円滑化等推進法人の指定制度等について、地方公共団体や士業団体への情報提供等により円滑な運用や活用の促進を図る。
民法(明治29年法律第89号)に定める所有者不明土地・建物管理制度や、共有者の一部が不明である土地を円滑・適正に利用するための仕組み、ライフラインの導管等を設置するために他人の土地を使用することができる制度等の周知に努める。
長期相続登記等未了土地の解消作業を推進する取組等により、所有者不明土地の公共的利用を促進する。また、表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律(令和元年法律第15号)に基づき、歴史的な経緯により不動産登記簿の表題部所有者欄が正常に記録されていない登記の解消を推進する。
課題や対策が共通することが多い所有者不明土地対策と空き家対策について、対策計画の一体的作成や相談窓口の一元化等の取組を一体的に推進することにより、両対策の円滑化・効率化を図る。
これら一連の所有者不明土地制度については、全国10ブロックに設置された国、地方公共団体、関係士業団体等で構成される土地政策推進連携協議会の活動を通じて、実務の講習、相談によるノウハウの提供や更なる制度の周知・普及を図る。
② 所有者不明土地の発生抑制・解消
令和6年4月から施行された相続登記の申請の義務化や義務の履行に係る負担軽減策等の制度について、国民への十分かつ丁寧な周知を図りつつ、適正かつ円滑な運用に取り組む。併せて、所有権の登記名義人となっている外国居住者につき、国内の連絡先を登記することにより連絡先の把握を容易にする制度の周知に努める。
相続土地国庫帰属制度(相続等により土地を取得した者が一定の要件の下で土地の所有権を手放して、国に土地を帰属させる制度)について、土地を地域で有効活用するための地方公共団体等との連携を図りつつ、適正かつ円滑な運用に取り組む。
国土調査事業十箇年計画(令和2年5月26日閣議決定)に基づき、地籍調査の円滑化・迅速化を図り、所有者や境界等の土地に関する基礎的情報を明確化することで、所有者不明土地の発生抑制に貢献する。
③ 所有者不明農地・森林の適正な利用・管理
所有者が不明である農地について、農業委員会による探索・公示手続を経て、農地中間管理機構が利用権を取得できる制度等により、その利用を促進する。
所有者の全部又は一部が不明であり、手入れが行き届いていない森林については、森林経営管理法(平成30年法律第35号)の特例措置に基づいて市町村に経営管理を行う権利の設定等を行い、森林の適切な経営管理を推進する。
(3) 管理不全土地の発生抑制、適正管理の確保に関する施策
① 周辺に悪影響を与える管理不全の土地等に関する対策
空家法に基づき、所有者等による空き家の適切な管理及び市区町村による特定空家等や管理不全空家等に対する指導・勧告などの措置の適切な実施を促すとともに、市区町村等による空き家の除却等に係る取組を支援する。
防災上課題のある崖地等管理不全の土地について、公共事業によるハード整備等の対策とともに、関連する制度の活用を推進する。
管理不全の空き地等については、実効性ある行政措置(勧告・命令・代執行等)を可能とする環境整備のため、地方公共団体のニーズを踏まえた仕組みの検討を進める。
交通インフラの事前防災・早期復旧の観点から、鉄道施設に障害を及ぼすおそれのある植物の伐採等を可能とする制度や、緊急輸送道路等の沿道区域における工作物設置の届出・勧告制度により、インフラ隣接地の適正な管理を確保する。
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