森林整備保全事業の実施に関する計画及び留意事項
令和6年6月14日|p.189
左の本文を選ぶと、右側の官報原文画像で該当箇所を照合できます。
(豊かな水を育む森林づくり)
ダム上流等の重要な水源地や集落の水源
となっている保安林において、荒廃地や荒
廃森林を再生するために必要な施設の設置
と森林の整備を総合的に推進する。
第3 事業実施に当たっての留意事項
本計画に基づき施策を実施するに当たって
は、事業の効果的かつ効率的な実施に向けて以
下の項目を踏まえるものとする。
1 事業間の適切な役割分担
森林整備保全事業の実施に当たっては、森林
整備事業と治山事業との適切な役割分担の下、
効果的かつ効率的に事業を展開し、森林の有す
る多面的機能が総合的に発揮されるよう努め
る。
2 国土強靭化に向けたソフト施策との連携等
流域保全の観点からの関係機関が連携した取
組や、地域における災害に対する監視・観測体
制や避難体制の整備等のソフト対策と連携した
取組を通じ、山地災害による被害を防止・軽減
する事前防災・減災に向けた総合的かつ効果的
な治山対策を推進する。
特に、防災対策を進める観点からは、国民の
防災意識の向上や山地災害等に際し適確な行動
を促進することが重要であることも踏まえ、関
係機関や地域住民と連携しつつ、山地災害危険
地区等の山地災害発生リスクに関する情報の周
知等の取組を推進する。
3 事業の効果的な実施
(国民の理解と関心の向上)
森林の有する多面的機能や木材利用の意義
等に対する国民の理解を深めるとともに関心
を高めるため、森林環境教育や木育等の推進
を図るとともに、森林の整備及び保全を行う
ための制度や事業についての森林所有者や地
域住民等への広報等に努める。
(森林施業の集約化)
森林の所有者及びその境界の明確化、森林
経営計画の策定、森林経営管理制度の活用促
進により森林施業の集約化を進め、効率的か
つ円滑な森林の整備及び保全の実施に努め
る。
(苗木の安定供給)
伐採後の再造林を推進するに当たって、成
長に優れた苗木や、花粉発生源対策の加速化
を図るため、花粉の少ない苗木の安定供給体
制を整備する。
(鳥獣害の防止)
シカ等野生鳥獣による森林被害を防止する
ため、関係機関や地域コミュニティとの連携、
自然との共生に配慮しつつ、鳥獣害対策を徹
底した上で、森林の整備及び保全を推進する。
また、地域の実情を踏まえ、野生鳥獣の生息
環境にも配慮した森林の整備及び保全を図る
こととする。
(新たな技術の活用推進)
林業の低い生産性や安全性を抜本的に改善
するため、レーザ計測等による高度な森林関
連情報や地形情報の把握、林業機械の自動
化・遠隔操作化といった新たな技術の導入の
ほか、様々な分野との連携の促進を図る。
(森林資源の有効活用)
中高層建築物や非住宅建築物、再生可能エ
ネルギー等の多様な分野において、木材の利
用促進に取り組み、効果的かつ円滑な森林の
整備及び保全の実施に努める。
4 他の公共事業計画との連携
社会資本整備重点計画など他の公共事業計画
に位置付けられた事業との連携を推進し、効果
的かつ効率的に森林の整備及び保全を進める。
5 生物多様性の保全やネイチャーポジティブへ
の配慮
「昆明・モントリオール生物多様性枠組」で
定められている「30by30」目標等を踏まえた
生物多様性保全やネイチャーポジティブの観点
から、一定の広がりにおいて様々な生育段階や
樹種から構成される森林がモザイク状に配置さ
れている状態を目指し、自然条件等地域の特性
に応じた、関係者のコンセンサスの醸成を図り
ながら、複層林化や長伐期化等による多様で健
全な森林への誘導を図る。
特に、渓畔林や海岸防災林等における事業実
施に当たっては、その特性を踏まえ、関係者の
コンセンサスの醸成を図りながら、生物多様性
の保全と国土の保全等との両立を目指し、必要
な対策を講じるよう努める。
6 その他事業実施に必要な留意事項
(1) 地域の特性に応じた事業の実施
国、地方公共団体等それぞれの適切な役割
分担の下に、地方の自主性を尊重しつつ、こ
れらの連携による効果的な整備を推進する。
(2) 多様な主体の参加の促進
全国森林計画、地域森林計画及び市町村森
林整備計画の策定等を通じて地方公共団体や
地元住民等の意見を採り入れるなど、事業の
構想段階から関係者の意見を反映させる。
また、多様な主体の参画による森林の整備
及び保全活動を一層進めていくため、民間主
導の「森林づくり全国推進会議」等との連携
や活動フィールドの情報提供等のソフト施策
とも連携しつつ、これらの自発的な取組によ
る森林の整備及び保全を推進する。
(3) 長寿命化対策の推進
森林の有する多面的機能の発揮を効果的・
効率的に確保する観点から、治山施設や林道
等について、計画的な維持管理・更新等を図
る長寿命化対策を推進する。
(4) 入札及び契約の公正性・透明性の確保並び
に品質の確保
入札及び契約の手続における公正性・透明
性を確保するとともに、公共工事等の品質の
確保を推進する。
(5) 事業評価の厳格な実施と透明性の確保
事業実施の効率性向上の観点から、費用対
効果分析その他の手法により政策効果を適切
に把握し評価する事業評価を厳格に実施す
る。
また、事業の各段階において積極的な情報
公開に努め、一層の透明性を確保する。
(6) 工期管理とコスト縮減
適切に事業の成果を挙げるため、事業工期
の徹底した管理を行うことにより、事業別に
設定する限度工期内での事業の完了を図る。
また、国が実施する林野公共事業について
は、コストと品質の両面を重視する取組を進
め、総合的なコスト構造の改善を推進する。
なお、地方公共団体等に対しても、事業を
効率的に推進するため、引き続き積極的にコ
スト構造の改善施策に取り組むよう要請す
る。
(別表) 事業量
| 事業内容 | 事業量 | 関連する 成果指標 |
山地災害危険地区 等における治山対 策の実施 | 約3万4千 箇所 | ① |
津波等に対する防 災機能の発揮のた めに保全が必要な 海岸防災林等の復 旧・整備 | 約100km | ② |
択伐等による育成 複層林への誘導 | 約9.3万ha | ③ |
間伐や人工造林の 実施 | 約253万ha | 、⑥、 ⑦、⑧ |
| 路網整備 | 約7.0万km | ⑤、⑧ |