その他令和8年4月13日

犯罪被害者等基本計画(令和8年4月13日官報号外第86号)

掲載日
令和8年4月13日
号種
号外
原文ページ
p.25 - p.28
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犯罪被害者等支援に係る研修、教育、調査研究等の施策

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犯罪被害者等基本計画(令和8年4月13日官報号外第86号)

令和8年4月13日|p.25-28|原文を見る

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(4) 犯罪被害者等の援助を行う民間の団体の活動への支援等
ア 犯罪被害者等の援助を行う民間の団体が開催するシンポジウムや講演会について、その意義や趣旨に賛同できるものは、その効果の波及性等も踏まえ後援する。また、シンポジウムの開催について、地方公共団体をはじめとする公的機関に対して周知するとともに、政府広報等との連携のほか、SNS等の様々な広報媒体を通じて、その意義・活動について広く一般に広報するなどして、民間の団体の活動を支援する。【警察庁】(4-73)
イ 警察において、関係府省庁及び地方公共団体の主体的な協力を得て、公益社団法人全国被害者支援ネットワークをはじめとする犯罪被害者等の援助を行う民間の団体との連携の一層の強化を図るとともに、地方公共団体に対し、同民間の団体との連携・協力の充実・強化を働き掛ける。【警察庁】(4-74)
ウ 関係府省庁及び地方公共団体向けに配信している「犯罪被害者等施策情報メールマガジン」を、希望する犯罪被害者等の援助を行う民間の団体に対しても配信するなど、関係府省庁や同民間の団体等における犯罪被害者等のための新たな制度や取組について情報提供を行う。【警察庁】(4-75)
(5) 犯罪被害者等早期援助団体等に対する指導
警察において、犯罪被害者等の援助を行う民間の団体が犯罪被害者等のニーズに応じた適切かつ充実した支援活動を行うための指導・助言及び協力を行う。
また、都道府県公安委員会において、必要に応じ、犯罪被害者等早期援助団体に対し資料の提出を求めるなどにより指導を行う。【警察庁】(4-76)
(6) 地方における多機関ワンストップサービス体制に求められる民間被害者支援団体の活動に関する分析等
地方における多機関ワンストップサービス体制を効果的に運用する上で民間被害者支援団体に求められる支援内容の具体化に向け、犯罪被害者等支援コーディネーターとの連携や支援提供状況等の把握・分析を継続的に、かつ、全国的に横串を通して実施する。
また、同分析結果を都道府県に情報提供することを通じ、各地方において民間被害者支援団体が求められる支援を継続的に実施するための気運醸成・環境整備を促進する。【警察庁】(4-77)
4 人材育成及び調査研究に関する施策
(1) 犯罪被害者等施策に携わる地方公共団体職員等の育成及び意識の向上
ア 地方公共団体の職員等の育成及び意識の向上を図るため、都道府県・政令指定都市犯罪被害者等施策主管課室長会議、全国犯罪被害者等支援実務者会議等の機会を捉えて、犯罪被害者等支援に関する地方公共団体における先進的・意欲的な取組事例等の最新の情報を提供するとともに、支援者向けオンデマンド研修教材や研修機会の充実に努める。また、地方公共団体からの要請に応じて、職員向けの研修に地方公共団体アドバイザー等を講師として派遣するといった協力を行う。【警察庁】(4-78)
イ 犯罪被害者等支援に携わる関係機関・団体の職員等の理解の増進及び意識の向上を図るため、犯罪被害者等やその援助に精通した有識者を招き、関係府省庁及び地方公共団体の職員等を対象とする「犯罪被害者等施策講演会」を開催する。【警察庁】(4-79)
(2) 職員等に対する研修の充実
性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターにおける相談員や関係機関・団体等の対応能力の向上のため、相談員、同センター長、コーディネーター、行政職員、医療関係者等が支援に必要な基本的知識から新たな課題までを包括的に学習できるよう、オンライン教材の提供を含め、研修機会の提供に取り組む。【内閣府】(4-80)
(3) 警察における犯罪被害者等支援に携わる職員等への研修の充実
専門的知識を必要とする被害者支援担当部署に配置された実務担当者に対し、犯罪被害者等早期援助団体をはじめとする民間被害者支援団体との連携要領、犯罪被害者等支援の実践的技能を習得させるための公認心理師・臨床心理士によるロールプレイング方式による演習等を含む専門的な研修のほか、カウンセリング業務に従事する職員等に対する基礎的及び実践的・専門的な教育等を充実させる。【警察庁】(4-81)
(4) 被害少年の継続的な支援を行う警察職員の技能習得
被害少年の継続的な支援を行う少年補導職員及び少年相談専門職員について、講習・研修等により、カウンセリングの技法等の専門技術や被害少年の立ち直り支援に必要な専門知識等を習得させるよう努める。また、これら専門的能力を備えた職員の適正な配置に努める。【警察庁】(4-82)
(5) 警察職員に対する研修の充実等
ア ストーカー事案や配偶者等からの暴力事案的的確に対処することができるよう、同事案に対処する警察官に対して必要な教育を行う。【警察庁】(4-83)
イ 被害児童の聴取に関する警察官の技能の一層の向上を図るため、事情聴取場面を設定したロールプレイング方式の実践的な研修を行うほか、「子どもからの聴取に関するAI訓練ツールの開発」事業において開発した訓練ツールを活用するなど、被害児童の負担軽減に配意しつつ信用性の高い供述を確保するための聴取方法に関する効果的な研修の実施を推進する。【警察庁】(4-84)
(6) 法務省の人権擁護機関における研修体制の充実
全国の法務局における人権相談に際して、犯罪被害者等の相談者が置かれた立場を十分に理解し、適切な対応をとることができるよう、職員に対する研修の一層の充実に努める。また、法務大臣により委嘱された民間ボランティアである人権擁護委員が、犯罪被害を含む人権問題全般に適切に対応できるよう、引き続き適切かつ十分な研修等の実施に努める。【法務省】(4-85)
(7) 法テラスの職員等に対する研修の充実
法テラスにおける犯罪被害者等支援を担当する職員及び常勤弁護士に対し、犯罪被害者等の実情に配慮した二次的被害防止のための方策等に関する研修や、犯罪被害者等の心情等への理解を深め、その心情等を適切に聴取することに資する研修を実施する。【法務省】(4-86(再掲:2-33))
(8) 教職員の理解促進のための研修の実施
教職員が犯罪被害に遭った児童生徒及びその兄弟姉妹である児童生徒の相談等に的確に対応できるよう、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律(令和3年法律第57号)、同法に基づく基本指針等を踏まえ、犯罪等の被害に関する研修の実施、犯罪被害に遭った児童生徒への対応に係る周知等を通じて教職員の理解を深め、指導力の向上に努める。【文部科学省】(4-87)
(9) 学校内における連携及び相談体制の充実
虐待を受けたこどもへの対応、健康相談の進め方等についてまとめた参考資料等を活用しつつ、養護教諭等の資質向上のための研修の充実を図る。【文部科学省】(4-88)
(10) 犯罪被害者等支援業務に関する精神保健福祉センター等の職員の理解促進
精神保健福祉センター等において犯罪被害者等に対する心の健康回復のための支援や関係機関・団体等との連携が適切に行われるよう、厚生労働省において、同センター等の職員が犯罪被害者等支援に関する研修を受講するよう促すなどして、犯罪被害者等支援業務に関する同センター等の職員の理解促進を図る。【厚生労働省】(4-89(再掲:2-6))
(11) 虐待を受けたこどもの保護等に携わる者の研修の充実
虐待を受けたこどもの保護及び自立支援を専門的知識に基づき適切に行うことができるよう、児童相談所及び児童福祉施設等関係機関の職員、市区町村の職員並びに保健機関等の職員の資質の向上等を図るための研修の充実を図る。【こども家庭庁】(4-90)
(12) 女性相談支援センター等の職員に対する研修の促進
配偶者等からの暴力を受けた女性の人権、配偶者等からの暴力の特性等に関する女性相談支援センター等の職員の理解を深めるため、専門的な研修の実施を促進する。【厚生労働省】(4-91)
(13) 女性支援に携わる職員の資質向上
都道府県、女性相談支援センター、女性自立支援施設及び民間団体において女性支援に携わる職員等を対象とした研修を行うとともに、心理療法担当職員に心理的ケア等に関する専門的な研修を実施することにより、女性支援に携わる職員の資質向上等を図る。【厚生労働省】(4-92)
(14) 民生委員・児童委員に対する研修の充実等
民生委員・児童委員が、犯罪被害者等を含め、地域住民に対する適切な相談支援を行うことができるよう、その資質の向上のための研修の実施を支援する。【厚生労働省】(4-93)
(15) 「PTSD対策専門研修」の内容の充実等
医師、保健師、精神保健福祉士等の医療従事者等を対象に、「PTSD(心的外傷後ストレス障害)対策専門研修」を実施する。また、性犯罪被害者を含む犯罪被害者等への適切な対応・治療を行うために必要な、司法を含めた専門的知識と治療に関する内容の充実を図り、犯罪被害者等の精神的被害や犯罪被害者等施策等に関する知識の普及・啓発を推進する。【厚生労働省】(4-94)
(16) こどもの被害者等に対応できる思春期精神保健の専門家の養成
医師、看護師、保健師、精神保健福祉士、公認心理師、臨床心理士、児童相談員等を対象に、家庭内暴力、児童虐待等によるものを含む、児童思春期における様々な精神保健に関する問題への対応を習得するための「児童・思春期精神保健研修」を実施する。【厚生労働省】(4-95)
(17) 犯罪被害者等への適切な対応に資する医学教育の推進
文部科学省において、医学部関係者が参加する各種会議での要請や「医学教育モデル・コア・カリキュラム」等を通じて、医学部においてPTSD等の精神的被害に関する知識・診断技能及び犯罪被害者等への理解を深めるための教育を推進する。また、厚生労働省においては、医師臨床研修の必修分野として精神科を位置付けており、精神疾患に関する臨床研修を実施するとともに、犯罪被害者等に関する研修教材の周知等を通じて、研修医の理解促進を図る。【文部科学省、厚生労働省】(4-96)
(18) 看護師教育における犯罪被害者等に関する知識の普及
看護師を養成する教育の中で、「看護学教育モデル・コア・カリキュラム」等を通じて、犯罪被害者等に関する知識の普及を図る。【文部科学省、厚生労働省】(4-97)
(19) 犯罪被害に遭った児童生徒等に対する学校における教育相談体制の充実等
犯罪被害に遭った児童生徒及びその兄弟姉妹である児童生徒に対する教育的課題を適切に捉えた支援を行うための教育相談について、大学の教職課程の教育内容に含めるなど、その内容の充実を図るよう促す。【文部科学省】(4-98)
(20) 社会福祉士及び精神保健福祉士の養成における犯罪被害者等に関する教育の推進
社会福祉士及び精神保健福祉士の各養成課程に係るカリキュラム等を通じて、犯罪被害者等に関する理解や犯罪被害者等支援の知識を深めるための教育を推進する。【厚生労働省】(4-99)
(21) 公認心理師の養成における犯罪被害者等に関する教育の推進
公認心理師の養成課程に係るカリキュラム等を通じて、犯罪被害者等に関する理解や犯罪被害者等支援の知識を深めるための教育を推進する。【厚生労働省】(4-100)
(22) 法科大学院における教育による犯罪被害者等への理解の向上の促進
各法科大学院が、自らの教育理念に基づき多様で特色のある教育を展開する中で、犯罪被害者等に対する理解の向上を含め、真に国民の期待と信頼に応え得る法曹の養成に努めるよう促す。【文部科学省】(4-101)
(23) 犯罪被害者等に関する専門的な知識・技能を有する専門職の養成等
ア 医師、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師、臨床心理士、教職員等の職務上犯罪被害者等に接し得る専門職にある者が、犯罪被害者等に対する理解を深め、必要な知識・技能を有して職務に従事することができるよう、関係府省庁が連携し、これら専門職が属する関係機関や職能団体等に対し、犯罪被害者等に関する研修の機会や教材等を提供することにより、専門職に対する教育の実施を促進する。【警察庁、文部科学省、厚生労働省】(4-102)
イ 前記施策のほか、関係府省庁と連携し、関係機関・団体における犯罪被害者等に関する専門的な知識・技能を有する専門職の養成及び研修の実施に必要な協力を行う。【警察庁】(4-103)
(24) 犯罪被害者等の状況把握等のための調査の実施
犯罪被害者等支援の更なる充実に資するため、関係府省庁、犯罪被害者等の援助を行う民間の団体等の協力を得て、被害が潜在化しやすい犯罪被害者等をはじめ、犯罪被害者等が置かれている状況等を把握する調査について、従前の調査からの継続性を踏まえつつ、より適切な調査方法、調査項目等を検討し、実施する。【警察庁】(4-104)
(25) 被害からの経過に応じた適切な支援についての検討
殺人事件遺族をはじめとする犯罪被害者等が受ける中長期的な影響とこれらへの対応について、警察庁において関係府省庁の協力を得つつ必要な調査及び研究を行い、公表する。【警察庁、関係府省庁】(4-105)
(26) 配偶者等からの暴力等の被害者の被害実態等の調査の実施
配偶者等からの暴力や性犯罪等の被害経験等、男女間における暴力による被害の実態を把握するための調査を実施する。【内閣府】(4-106)
(27) 法務省における犯罪被害の動向・犯罪被害者等施策に関する調査の実施
性犯罪被害を含めた犯罪被害の動向に関する調査(犯罪被害実態調査)及び性犯罪被害者、障害者等の犯罪被害者の特性に応じた被害実態の調査・分析を実施しているところ、引き続き必要な調査・分析を実施するとともに、その結果を踏まえつつ、施策の在り方を検討する。【法務省】(4-107)
(28) 犯罪被害者等のメンタルヘルスに関する調査研究の実施
メンタルヘルスに係る実態調査や、トラウマ体験への対応に関する研究等、犯罪被害者等を含む心の健康づくりを推進するための調査研究を実施し、高度な犯罪被害者等支援を行うことができる専門家の育成や地域における犯罪被害者等への対応の向上に活用する。【厚生労働省】(4-108)
(29) 児童虐待防止対策に関する調査研究及び検証の実施
ア 児童虐待防止対策に関する必要な調査研究を実施する。【こども家庭庁】(4-109)
イ 児童虐待防止のため、こども家庭審議会児童虐待防止対策部会の下に設置された「児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会」の下で児童虐待による死亡事例等の検証を実施し、その結果を施策に生かせるよう検討していく。【こども家庭庁】(4-110)
(30) 犯罪被害者等支援に関する研修・研究に係る体制等の検討
犯罪被害者等支援の実務や研究に関わる人材の育成や充実を図るため、人的・物的基盤の整備を含め、犯罪被害者等に関する幅広い知見を集約し、提供するための研修・研究に係る体制等の強化について検討する。【警察庁】(4-111)
重点課題第5 国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組
第1 現状認識と具体的施策の方向性
1 現状認識
犯罪被害者等は、犯罪等により心身や財産に被害を受けた後、周囲の人々の支えや関わりを通じて被害からの回復を果たす場合がある一方で、悪意、誤解、無理解、無関心等による言動に傷つけられるという二次的被害を受ける場合がある。
また、犯罪被害者等は、自身が犯罪被害者等であることを知られた場合に、どのように相手か ら見られるのか不安を感じることや、周囲からの二次的被害に対する恐れ等から、自らの状況や 心情を打ち明けることをためらい、孤独や孤立を深めてしまうこともある。このことは、関係機 関・団体等が犯罪被害者等を経済的・精神的に支援する道を狭めることにもつながり、被害から の回復をますます遠のかせる原因ともなる。
政府としては、上記の認識の下、第1次基本計画の策定当初から、犯罪被害者等が置かれてい る状況等に対する国民の理解を増進させるとともに、犯罪被害者等への配慮と犯罪被害者等施策 への協力を確保していくことを重点課題として位置付けてきた。国民の理解の増進等の取組は、 犯罪被害者等施策といわば「車の両輪」を成す、犯罪被害者等施策全体に通底する重要なもので あり、これまでも基本計画に基づき各種施策を講じてきたところではあるが、国民の理解の増進 等の広がりは今なおお途上にある。
さらに、犯罪被害者等の名誉やプライバシー等の侵害に関し、近時においては、ソーシャルメ ディアの急速な利用拡大に伴い、犯罪被害者等に対するいわれのない誹謗中傷や誤情報を含むプ ライバシー情報等がインターネット上に投稿された上、そのような投稿が安易に拡散されるなど、 犯罪被害者等の人格権や心情が深く傷つけられるという深刻な事態が生じている。このことは、 犯罪被害者等を更に窮地に追い込むだけでなく、犯罪被害者等に対する誤解を助長させ、国民の 理解・協力がなければ成り立ち得ない犯罪被害者等施策全体の進展を困難なものとする。このほ か、犯罪被害者等からは、報道により二次的被害を受けたという悲痛な声もある。
こうした状況下では、周囲に犯罪被害者等が暮らしている、誰もが犯罪被害者等になり得ると いう意識等を国民の中に醸成し、国民が犯罪被害者等を身近な存在として捉え、犯罪被害者等が 安心して助けを求めることのできる社会を実現するための取組を更に進めることが求められる。 そのためには、犯罪被害者等の置かれた状況や犯罪被害者等施策について、国民に広く深く行き 渡るよう、当事者以外にも分かりやすいものとなるよう配意しながら教育や広報啓発活動を行っ ていく必要がある。
2 具体的施策の方向性
(1) 学校をはじめとする教育活動の推進
犯罪被害者等が再び平穏な生活を営むことができるようになるまでには時間を要することか ら、犯罪被害者等に対する国民の適切な理解や行動を中長期的に見ても揺るぎないものとする 必要がある。そのためには、国民に対する教育が極めて重要となる。
とりわけ、学校現場等において、こどもに対し、命や人権の大切さから説き起こして教育を することは、我が国において犯罪被害者等施策を定着させ、進展させる意味でも重要な意味を 持つ。その上で、こどものみならず、保護者や周囲の大人等に対しても教育を行うことで、国 民全体の犯罪被害者等支援に関する意識の底上げに資するものとなる。
以上の認識の下、こども等に対し、命や人権の大切さから説き起こした教育や犯罪被害者等 に関する理解を深めるための啓発を学校現場等で行う。また、中学生・高校生等を対象とした 犯罪被害者等による講演会「命の大切さを学ぶ教室」等を推進する。
(2) 国民に向けた広報啓発
関係府省庁は、それぞれ、犯罪被害者等施策に関連した特定の広報啓発に関する強化期間を 設け、犯罪被害者等に対する理解や支援に資する国民の意識啓発・高揚に努めてきた。このよ うな強化期間は、犯罪被害者等施策に対する国民の意識を高めるためにも重要であることから、 これらの強化期間を更に効果的な取組として実施していく。
また、国民一人一人が犯罪被害を自らの問題として捉えることができるようにするため、犯 罪被害者等の協力を得て、その切実な声を広く国民に届ける。さらに、関係府省庁やその他の 関係機関・団体等との相互連携を図りながら、広報啓発を行う対象、内容等に応じた効果的な 手法を見極め、様々な機会・媒体等を通じた多様な取組を行う。
とりわけ、標語や作文等の従来の手法も大切にしつつ、昨今のデジタル技術の発展に応じた 取組も積極的に行うほか、あえて言葉にせずとも目にするだけで国民が犯罪被害者等支援につ いての意識を呼び起こすことができるよう、シンボルマーク等を効果的に活用する。
このほか、犯罪の類型等にも応じ、多角的な観点で広報啓発を行うことにより、当該犯罪被 害者等についての理解の増進を図るほか、新たな犯罪被害者等を生まないことにも資するもの とする。
(3) インターネット上の誹謗中傷対策等
インターネットには、情報の高度の流通性・拡散性・永続性のほか、投稿やアクセスの容易 性といった特性が認められ、インターネット上で犯罪被害者等の名誉権やプライバシー権等の 人格権が侵害された場合、その回復は容易ではないことから、国民のインターネットリテラシー を向上させ、責任ある情報発信を促すための教育・広報啓発活動に取り組む。また、犯罪被害 者等に関する報道を含め、個人の名誉権やプライバシー権等の人格権と、表現の自由との均衡 の在り方については、各界各層で指摘や議論がなされているところ、このような議論が更に充 実し、犯罪被害者等の置かれた立場に配慮した表現行為が促されるよう、犯罪被害者等の置か れた状況等に関する広報啓発を進める。
第2 具体的施策
1 学校をはじめとする教育活動の推進に関する施策
(1) 学校における生命のかけがえのなさ等に関する教育の推進
引き続き、学習指導要領に基づき、生命の尊さについて理解し、かけがえのない生命を尊重 するための教育の充実に向けて取り組む。【文部科学省】(5-1)
(2) 学校等における犯罪被害者等の人権問題を含めた人権教育の推進
人権教育及び人権啓発の推進に関する法律(平成12年法律第147号)に基づき、犯罪被害者 等の人権問題も含め、学校教育及び社会教育における人権教育の一層の推進に努める。【文部科 学省】(5-2)
(3) 学校における犯罪被害者等に関する理解の促進
警察等の関係機関と連携し、非行防止教室等における犯罪被害者等に関する理解を深める。 【文部科学省】(5-3)
(4) こどもへの暴力抑止のための参加型学習への取組
こどもがいじめ・虐待・暴力行為等の被害に遭ったことを認識し、かつその対応について主 体的に学ぶことができるようにするため、教育委員会に対し、地域の実情に応じた取組の着実 な実施を図る。【文部科学省】(5-4)
(5) 性犯罪・性暴力対策に関する教育の推進等
生命の尊さを学び生命を大切にする教育及び自分や相手、一人一人を尊重する教育を一層推 進するとともに、性犯罪・性暴力の加害者・被害者・傍観者にならないよう、幼児期からのこ どもの発達段階に配慮した「生命(いのち)の安全教育」の充実と全国展開に向けた普及を図 る。
また、こどもたち自身が性に関して正しく理解し、適切な行動をとることができるよう、学 習指導要領に基づき、こどもの発達の段階に応じて、学校教育活動全体を通じた着実な指導を 実施する。【文部科学省】(5-5)
(6) 家庭における生命の教育への支援の推進
各地域で実施している、生命の大切さを実感させる意義等を学ぶ保護者向け学習プログラム をはじめとした様々な家庭教育に関する情報をウェブサイトを通じて提供するなど、地域にお ける家庭教育支援の充実を図る。【文部科学省】(5-6)
(7) 地域における児童虐待の未然防止等に資する家庭教育支援の取組の推進
地域における児童虐待の未然防止等に資するよう、子育ての悩みや不安を抱えながらも、自ら学びや相談の場にアクセスすることが困難な家庭等に配慮しつつ、地域の多様な人材を活用した家庭教育支援チーム等による保護者に対する学習機会や情報の提供、相談対応等、地域の実情に応じた家庭教育支援の取組の充実を図る。【文部科学省】(5-7)
(8) 教育現場における講演会等の実施
教育委員会を含む都道府県・市区町村等の関係機関と連携し、教育現場における講演会「命の大切さを学ぶ教室」や「『大切な命を守る』全国中学・高校生作文コンクール」の開催を通じて、犯罪被害者等への配慮・協力についての意識のかん養等に努める。【警察庁、文部科学省】(5-8)
(9) 生命・身体・自由等の尊重を自覚させる法教育の普及・啓発
学校教育を中心として法教育の普及・啓発を促進し、法や司法によって自らを守り、他者を等しく尊重する理念を体得させることを通じ、他者の生命・身体・自由等を傷つけてはならないことを自覚させることにもつながるよう、文部科学省、最高裁判所、日本弁護士連合会等の協力を得て、法教育推進協議会を通じた取組を推進する。【法務省】(5-9)
2 国民に向けた広報啓発に関する施策
(1) 各種強化期間を中心とした多角的な広報啓発
ア 犯罪被害者等支援に関する国民の理解を増進するため、広報啓発のための集中的な強化期間として設定した「犯罪被害者週間」を月間化して、十分な訴求期間を設けた上、同期間中、政府全体として、創意工夫を凝らした効果的な広報啓発を行うとともに、地方公共団体に対し、地域の実情に応じ、各種支援の取組の定着をも狙った広報啓発活動を実施するよう要請する。【警察庁】(5-10)
イ 性犯罪・性暴力、配偶者等への暴力、ストーカー行為、セクシュアルハラスメント等の暴力の予防と根絶に向けて、適切に啓発期間を定め、国民各層へ向けた効果的な広報啓発を一層推進する。【内閣府】(5-11)
ウ 「全国交通安全運動」の期間を中心に、交通事故被害者等の理解と協力を得つつ、広報啓発活動が実施されるよう努める。【内閣府】(5-12)
エ 「人権週間」(毎年12月4日から同月10日まで)を中心に、犯罪被害者及びその家族の人権に対する配慮と保護を求めるため、啓発冊子の配布等の広報・啓発活動を実施する。【法務省】(5-13)
オ 体罰によらない子育てや、児童虐待の範囲、現状及びその防止に向けた取組を広く国民に周知するため、様々な媒体を活用した広報活動を行うとともに、毎年11月の「オレンジリボン・児童虐待防止推進キャンペーン」に、ポスターの作成、全国フォーラムの開催等の集中的な広報啓発活動を実施する。【こども家庭庁】(5-14)
(2) 国民の参加を促す広報啓発活動
犯罪被害者等が置かれている状況や犯罪被害者等支援について、国民の関心を喚起し、その理解を深めるため、犯罪被害者等の参加・協力を得て講演会等を開催し、その声を国民に広く届ける機会を設けるほか、より深く国民に考える機会を提供するため、犯罪被害者等支援に関する標語の募集、犯罪被害者等支援のシンボルマークの普及等を行う。【警察庁】(5-15)
(3) 組織、団体等との連携を含めた効果的な広報啓発
ア 犯罪被害者等が置かれている状況や犯罪被害者等支援について、国民の関心を喚起し、その理解を深めるため、関係府省庁と連携し、学校や民間企業、民間被害者支援団体を含む各種団体等から幅広い協力を得て、報道発表、街頭キャンペーン、各種討論会の開催、各種会合での講話、パンフレットの作成・配布等を実施する。また、民間相互の連携を促すことにより、一層充実した広報啓発活動を推進する。【警察庁】(5-16)
イ 医療、福祉、教育、法曹その他の犯罪被害者等と関わり得る各界各層が、犯罪被害者等の二次的被害を含め、その心情に十分に配慮した活動を行うよう、関係府省庁と連携し、その役割にも応じた広報啓発等を行うことにより、社会全体で犯罪被害者等を支える気運の醸成を図る。【警察庁】(5-17)
(4) 広報啓発手法や媒体の多様化
犯罪被害者等が置かれている状況や犯罪被害者等支援について、国民の関心を喚起し、その理解を深めるほか、関係府省庁や地方公共団体、民間団体等の施策や取組の周知のため、相互連携・協力の下、ウェブサイト・SNS、広く国民の目にとまる街頭広告等を活用し、広報啓発手法や媒体の多様化に努め、効果的な広報啓発を行う。【警察庁】(5-18)
(5) SNSを含むインターネット上の誹謗中傷等を防ぐための教育・広報啓発活動の強化
ア 関係府省庁等と連携し、SNSを含むインターネット上の犯罪被害者等に対する誹謗中傷等を防ぐため、啓発講座の開催、インターネットに係るトラブル事例の予防法等をまとめた事例集の作成・公表等を通じ、ICTリテラシー向上に資する啓発活動を強化する。【総務省】(5-19)
イ 道徳教育を含めた学校の教育活動全体を通じて、情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方や態度を育成する情報モラル教育の指導の充実に努める。【文部科学省】(5-20)
ウ 関係府省庁等と連携し、インターネットリテラシーを高め、犯罪被害者等に対する誹謗中傷等を含めたインターネット上の人権侵害を防ぐため、被害者にも加害者にもならない「責任ある情報発信」の意識を広く一般に浸透させるよう、啓発冊子の配布のほか、啓発動画の配信等の各種人権啓発活動を実施する。【法務省】(5-21)
(6) 犯罪被害者等に関する情報の保護
警察による被害者の実名発表・匿名発表については、犯罪被害者等の匿名発表を望む意見を尊重しつつ、報道の自由及び国民の知る権利を理由とする実名発表に対する要望を踏まえ、プライバシーの保護、発表することの公益性等の事情を総合的に勘案し、個別具体的な案件ごとに適切な発表内容となるよう配慮する。【警察庁】(5-22)
(7) 少年の犯罪被害の防止等に関する広報の実施
スマートフォン等からアクセス可能な媒体等の様々な広報媒体を活用し、少年の犯罪被害の防止等に向けた情報提供に努める。【警察庁】(5-23)
(8) 被害が潜在化しやすい犯罪被害者等に対する相談体制の充実及び理解の促進
関係府省庁において、性犯罪被害者、犯罪被害に遭った児童、障害者及び外国人をはじめ、潜在化しやすい被害の発見につながるよう、犯罪被害者等からの相談に適切に対応できる体制の充実を図るとともに、研修やシンポジウム等の様々な機会を通じて、被害が潜在化しやすい犯罪被害者等が置かれている状況等を周知し、その理解促進を図り、犯罪被害者等を社会全体で支える気運の一層の醸成に努める。【内閣府、警察庁、こども家庭庁、総務省、法務省、文部科学省、厚生労働省、国土交通省】(5-24(再掲:4-43))
(9) 犯罪被害者等の個人情報の保護に配慮した地域における犯罪発生状況等の情報提供の実施
犯罪被害者等の個人情報の保護に十分配慮した上で、ウェブサイト等に性犯罪を含む身近な犯罪の発生状況を掲載するなどして、地域住民に対し、住民自らが積極的に防犯対策を講ずる契機となり得るような情報提供に努める。【警察庁】(5-25)
(10) 交通事故被害者等の声を反映した国民の理解の増進
ア 交通事故被害者等の手記を取りまとめた冊子・パンフレット等を作成し交通安全講習会で配布することや、交通安全の集い等で交通事故被害者等の講演を実施することを通じ、交通事故被害者等の置かれた立場や苦しみ、交通事故の惨状等に関する国民の理解の増進に努める。【警察庁】(5-26)
イ 運転者等に対する各種講習の中で、交通事故被害者等の切実な声が反映されたビデオ、手記等の活用や交通事故被害者等の講話等を取り入れるなどし、交通事故被害者等の声を反映した講習を実施する。【警察庁】(5-27)
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犯罪被害者等基本計画(令和8年4月13日官報号外第86号) - 第25頁
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