その他令和8年4月13日
犯罪被害者等基本計画:重点課題第3 刑事手続等への関与拡充への取組
出典:官報発行サイトの掲載情報を加工しています。AI 抽出や OCR に誤りが含まれる可能性があるため、 重要な確認は公式原文を基準にしてください。
AI要点
犯罪被害者等の権利利益の保護に関する施策
抽出された基本情報
発行機関内閣府
本文と原文の対照
まず左側の本文を読み、必要な箇所だけ原文ページで確認できる構成です。
← 同日の官報に戻る
原文対照の表示オプション
犯罪被害者等基本計画:重点課題第3 刑事手続等への関与拡充への取組
本文はAI抽出です。左の段落を選ぶと、右側の官報原文画像で該当箇所を照合できます。
重点課題第3 刑事手続等への関与拡充への取組
第1 現状認識と具体的施策の方向性
1 現状認識
事件の正当な解決は、犯罪被害者等にとっての希望である上、その被害の回復に不可欠である。また、解決に至る過程に犯罪被害者等が関与することは、その精神的被害の回復に資する面がある。「事件の当事者」である犯罪被害者等が、一連の刑事手続等の中で「知りたい」、「関わりたい」等の思いを抱くのは当然であるといえる。
政府としては、このような認識の下、第1次基本計画の策当初から第4次基本計画に至るまで、各種施策を講じてきた。その代表的なものの一つが、刑事裁判における被害者参加制度の導入である。これをはじめとした各種取組により、「刑事手続において被害者は証拠として扱われているにすぎず、当事者にふさわしい扱いを受けていない」と批判されていた従来の状況の改善が図られてきた。
また、公判の場面のみならず、加害者の処遇においても、犯罪被害者等の関与拡充や配慮の取組は着実に進展してきた。令和4年の関連する各種法律の改正等により、刑の執行段階等と保護観察の両場面で犯罪被害者等の心情等を踏まえた、加害者の処遇の充実が図られ、刑の執行段階等や保護観察において犯罪被害者等の心情等を考慮すること(刑事収容施設法第85条第1項、少
年院法第23条の2第1項及び更生保護法第3条)が明確化され、刑の執行段階等や保護観察の一連の過程の中で犯罪被害者等の心情等を聴取・伝達する制度等が整えられた。さらに、刑法の改正(令和7年6月1日施行)に伴い、新たな刑として拘禁刑が創設されることとなり、個々の受刑者の特性に応じて、「被害者の視点を取り入れた教育」を含む改善指導等の改善更生に必要な作業と指導を柔軟に組み合わせてきめ細やかな処遇を実施することが可能となった。
このように、第1次基本計画から取り組んできた本重点課題に係る取組には一定の進展がみられ、犯罪被害者等が置かれた状況は改善している。
しかし、今もなお犯罪被害者等からは、制度及び運用の両面から、本重点課題に関連する要望が寄せられており、また、新たに開始された制度についても運用上の課題や懸念を指摘する声がある。さらに、少年保護事件や医療観察制度の対象事件については、それぞれ少年の健全育成、医療観察制度の対象となる加害者(以下「医療観察対象者」という。)の病状の改善や社会復帰といった各制度の目的がある一方で、犯罪被害者等からは、加害者の年齢や事情に関わりなく、理不尽に犯罪被害に遭った事実には変わりがなく、「事件の当事者」としてのふさわしい関与や配慮を求める声が寄せられている。
以上を踏まえ、各種刑事手続等が、国家・社会の秩序維持、個人の人権の保障、少年の健全育成、医療観察対象者の病状の改善や社会復帰等の様々な要請に応えるものでなければならないことを前提としつつ、「事件の当事者」である犯罪被害者等が、これらの手続に適切に関与することができるように、その機会を拡充するための検討を進めていく。
2 具体的施策の方向性
(1) 捜査、公判等の段階における関与等
ア 公判前整理手続
(ア) 犯罪被害者等又はその代理人弁護士による公判前整理手続への関与の在り方
犯罪被害者等からは、犯罪被害者等又はその代理人弁護士が公判前整理手続に参加できる制度を設けるべきとの要望がある。その背景としては、個々の事件に関して、起訴されてから公判期日までの間に何が行われ、どのような議論の結果、公判における審理計画が決められたのかを知りたいということや、公判期日に犯罪被害者等が参加するに当たっての十分な準備のために必要であるということ等が挙げられている。
現行の刑事訴訟制度の基本構造は、検察官が訴因を設定して、事実に関する主張・立証を行う一方、被告人・弁護人がこれに対する防御を行い、これらを踏まえて公正中立な裁判所が判断を行うものである。被害者参加制度は、このような基本構造を維持しつつ、これを損なうことのない範囲で犯罪被害者等が刑事裁判に参加することを認めるものである。その上で、公判前整理手続は、事件の争点及び証拠の整理等の公判準備をするためのものであるところ、これに犯罪被害者等が実質的に参加する、すなわち、事件の争点及び証拠の整理等について犯罪被害者等が裁判所に対して意見を述べ得ることとした場合には、犯罪被害者等が、事件の争点等の整理に関与することとなり、現行の刑事訴訟制度の基本構造に変容をもたらし得ることから、犯罪被害者等が公判前整理手続に実質的に参加することができることとする制度を設けることについては慎重な検討を要する。
他方で、犯罪被害者等又はその代理人弁護士が公判前整理手続に在席できるようにすべきであるとの要望も見られるところ、これについては、在席すること自体が刑事訴訟制度の基本構造を変容させるものとは必ずしも考えられない上、これにより、犯罪被害者等又はその代理人弁護士と検察官との間の意思疎通の円滑化に資するほか、公判前整理手続においてどのようなことが行われているのかを知りたいという犯罪被害者等の要望にもかなうものと考えられる。現在も、犯罪被害者等又はその代理人弁護士が公判前整理手続等への在席を特に希望する場合において、その理由、犯罪被害者等又はその代理人弁護士が公判前整理手続等に在席することの弊害の有無・程度、弁護人の意見等を考慮して相当と認
めるときは、検察官から係属裁判所に対し、犯罪被害者等又はその代理人弁護士の希望を伝えることとしている。もっとも、犯罪被害者等が公判前整理手続に在席することについては、犯罪被害者等が公判期日に証人となる可能性がある場合に証人となるに先立って公判前整理手続に在席することは適切ではないなどの課題が指摘されているところである。
そこで、このような課題や犯罪被害者等のニーズを踏まえ、現行の刑事訴訟制度の基本構造に反しない範囲での犯罪被害者等による公判前整理手続への関与の在り方について、多角的な検討を行う。
(イ) 検察官と犯罪被害者等との十分な意思疎通の確保
犯罪被害者等から公判前整理手続への参加等の要望が生じる背景には、公判前整理手続を含む進行中の刑事手続でどのようなことが行われているかについて、検察官と犯罪被害者等との間で十分なコミュニケーションが取られていない場合があることにも一因があり、前記(ア)で述べた検討の前提としてもこの点の充実を図ることが重要であるとの指摘がある。証人となる可能性がある犯罪被害者等については、事前に争点や証拠の整理状況を具体的に伝えることが困難な面もあるが、その理由を含め丁寧に説明し、検察官が犯罪被害者等に公判前整理手続の進捗状況等を適時適切に伝達していくことは、犯罪被害者等保護の観点から必要な手続である。この認識や必要な対応について、今一度、検察官に対する教育・周知を行い、徹底する。
イ 被害者参加制度の対象犯罪以外の事件を含む一定の犯罪に係る犯罪被害者等への配慮
(ア) 犯罪被害者等からは、被害者参加制度の対象犯罪をストーカー規制法違反、私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(平成26年法律第126号)違反、いわゆる迷惑防止条例違反、児童福祉法(昭和22年法律第164号)違反、暴行、住居侵入等にも拡大することについて要望がある。
被害者参加制度の対象犯罪は、刑事訴訟法第316条の33第1項各号に規定されており、個人の尊厳の根幹を損なう人の生命、身体又は自由を侵害する罪で、かつ、犯罪被害者等のニーズが高いと考えられるものに限定されている。そして、この対象犯罪を拡大することについては、現行の対象犯罪と同程度に、個人の尊厳の根幹を損なう人の生命、身体又は自由を侵害する罪であるといえるか、仮にそのような罪に該当しない特定の罪を対象犯罪に追加した場合に、対象犯罪に追加されない事件の犯罪被害者等との間に不均衡が生ずるのではないか、対象事件数が増加することで制度の円滑な運用に支障を来すおそれはないかといった課題があるところである。
そこで、犯罪被害者等のニーズを踏まえつつ、こうした様々な課題があることも考慮して、被害者参加制度の対象犯罪の拡大の要否・可否等について多角的な検討を行う。
(イ) 被害者参加制度の対象犯罪拡大に係る要望の背景には、前記(ア)に掲げた罪については、事案の性質上、犯罪被害者等にとって、一般の傍聴人と共に傍聴したり、被告人から自身の姿が見える状態で傍聴したりすることが心理的な負担となるなどの理由から傍聴へのハードルが高いといった意見もあり、こうした犯罪被害者等の心情については、十分に尊重されるべきものである。
この点、刑事訴訟法では、公判手続における犯罪被害者等のプライバシー等を保護するための措置として、一定の場合に犯罪被害者等と被告人や傍聴人等との間に遮蔽の措置を設ける制度や、ビデオリンク方式により手続を行うことを認める規定がある。
そこで、こうした規定も参考としつつ、犯罪被害者等のプライバシー等に配慮した公判の傍聴の方法について多角的な検討を行う。
ウ その他捜査、公判等の段階における各種取組
前記ア及びイのほか、被害の相談・届出・告訴に対して適切に対応すること、司法解剖時の対応等の場面において犯罪被害者等の心情に配慮した取組を推進すること、捜査や公判等の状況について犯罪被害者等に適時適切に情報提供すること等の従前の取組についても引き続き推進していく。
(2) 加害者の処遇段階における関与等
ア 心情等の聴取・伝達制度
前記1のとおり、関連する各種法律の改正により、刑の執行段階等と保護観察の両場面において、犯罪被害者等の心情等を考慮すべきことが法律上明記され、刑事施設や少年院といった施設内で行う処遇や、社会内で行う処遇の充実化が図られた。これによって、犯罪被害者等の思いに応える施設内処遇及び社会内処遇を実現させるとともに、受刑者等や保護観察対象者の改善更生にも資することが期待される。また、同改正により、刑の執行段階等や保護観察の一連の過程の中で犯罪被害者等の心情等を聴取・伝達する制度が整えられた。この心情等の聴取・伝達制度については、対応する職員の犯罪被害者等に対する理解を増進させることや犯罪被害者等の二次的被害を防止すること等の要望が寄せられていることから、心情等の聴取・伝達制度を利用した犯罪被害者等の意見を踏まえながら、犯罪被害者等の被害回復に資する制度運用となるよう、実施・改善を図っていく。
イ その他処遇段階における各種取組
前記アのほか、被害者等通知制度を活用して加害者の処遇状況等を通知すること、受刑者と犯罪被害者等の面会・信書の発受が適切に運用されること等の従前の取組についても引き続き推進していく。
(3) 少年保護事件・医療観察対象事件における関与等
少年法(昭和23年法律第168号)は、その目的を「少年の健全な育成」を期すものと定め(同法第1条)、また、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成15年法律第110号。以下「医療観察法」という。)は、その目的を「継続的かつ適切な医療並びにその確保のために必要な観察及び指導を行うことによって、その病状の改善及びこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り、もってその社会復帰を促進すること」と定めている(医療観察法第1条)。
犯罪被害者等の立場に立てば、加害者の年齢や精神状態にかかわらず、理不尽に犯罪被害に遭ったということに変わりはないが、上記のとおり、これらの制度については通常の刑事手続とは異なる目的があることを踏まえ、各制度との調和を図りながら、犯罪被害者等のニーズに応えていくための施策を検討・実施していく。
ア 少年保護事件
少年保護事件に係る犯罪被害者等の関与については、平成12年に少年法が改正(平成13年4月1日施行)され、犯罪被害者等の申出により家庭裁判所が意見を聴取する仕組み(同法第9条の2)等が導入されたほか、第1次基本計画の期間中の平成20年にも同法が改正(平成20年12月15日施行)され、一定の重大事件の犯罪被害者等が少年審判を傍聴することができるようになった(同法第22条の4)。
また、前記(2)アの心情等の聴取・伝達制度は、少年保護事件の犯罪被害者等についても、成人の刑事事件の犯罪被害者等と同様に利用できるものとなっている。
このように、少年保護事件について犯罪被害者等が関与し、また、一定の情報を得ることができる仕組みは整えられてきていることから、犯罪被害者等が、その希望に応じて、これらの制度を円滑に利用できるよう周知するとともに、犯罪被害者等の心情に配慮した上で、犯罪被害者等がこれらの制度を利用しやすいように適正な制度運用を図っていく。
イ 医療観察対象事件
これまで、医療観察制度の対象事件$^{12}$に係る犯罪被害者等には、不起訴処分の理由等の説明、処遇段階における情報提供制度の整備・充実等、各種施策が講じられてきた$^{13}$。しかしながら、医療観察制度の対象事件に係る犯罪被害者等からは、同じく被害を受けた場合でも加害者が医療観察制度の対象となるか、それとも、刑事裁判、刑の執行及び保護観察の対象となるかによって犯罪被害者等としての処遇に差が生じるのは不合理だとして、医療観察手続の審判における代理人弁護士や付添人の傍聴を含めた傍聴の拡充や、医療観察手続における犯罪被害者等の心情等の聴取・医療観察対象者への伝達を実現すべきとの要望のほか、医療観察対象者に関する情報提供を更に拡充すべきとの要望もある。
医療観察制度は、刑事手続とは異なる目的を有すること等から、これと単純に比較することはできないほか、医療観察対象者の病歴等は要配慮個人情報(個人情報の保護に関する法律第2条第3項)でもあるが、第5次基本計画の検討過程においては、現行制度の目的等を前提としつつも何らかの形で要望を実現することはできるのではないか、少なくともその検討を行うべきではないかとの議論もあったところである。
そこで、こうした議論も踏まえ、審判の傍聴制度の充実、医療観察手続における犯罪被害者等の心情等の聞き取りや医療観察対象者への伝達及び医療観察対象者に関する情報提供の在り方について、多角的な検討を行う。
第2 具体的施策
1 捜査、公判等の段階における関与等に関する施策
(1) 被害の届出や相談に対する適切な対応
犯罪被害者等からの被害の届出や相談に対しては、犯罪被害者等の立場に立った適切な対応が行われるよう努めるとともに、被害の届出に関しては、警察において、その内容が明白な虚偽又は著しく合理性を欠くものである場合を除き、迅速・確実に受理する。【警察庁】(3-1)
(2) 告訴への適切な対応
犯罪の不成立が明白であるような告訴や根拠が必ずしも十分とは認められないような告訴については、告訴人に対してその旨を説明し、告訴状の補正や疎明資料の追加を促すなどの措置をとる場合もあり、直ちに告訴を受理することが必ずしも相当とはいえない場合もあるが、引き続き、告訴について可能な限り迅速かつ適切な対応が行われるように努める。【警察庁、法務省】(3-2)
(3) 医療機関等における性犯罪被害者からの証拠資料の採取等の促進
ア 当初は警察への届出をちゅうちょした性犯罪被害者が、後日警察への届出意思を有するに至った場合に備え、医療機関等において性犯罪被害者の身体等から証拠資料を採取しておくため、協力を得られた医療機関等に性犯罪証拠採取キットを整備する取組を進める。また、証拠資料の保管に当たっては、性犯罪被害者のプライバシーの保護に配慮する。【警察庁】(3-3)
イ 産婦人科医会等とのネットワークを活用するなどして、性犯罪被害者からの証拠資料の採取の方法を医師等に教示するとともに、捜査に支障のない範囲で、医療機関等で採取した証拠資料の鑑定状況に関する情報を提供する。【警察庁】(3-4)
(4) 適正かつ緻密な交通事故事件捜査の一層の推進等
重大・悪質な交通事故事件等については、捜査経験の豊富な交通事故事件捜査統括官及び交通事故の科学的解析に関する研修を積んだ交通事故鑑識官が事故現場に赴いて客観的証拠の収集等の捜査指揮を行うなど、適正かつ緻密な交通事故事件捜査を推進するとともに、捜査員に対する各種研修の充実に努めるなど、交通事故被害者等の心情に配慮した取組を一層推進する。【警察庁】(3-5)
(5) 司法解剖等における遺族の心情への配慮等
捜査機関が連携し、検視及び司法解剖に関し、パンフレットの配布等の工夫も含め、遺族の心情に配慮した適切な説明を適切な時期に行うことに努める。また、法務省において、警察庁、法医学関係機関等の協力を得て、司法解剖後の臓器等が司法解剖実施機関等で長期間保管される場合があることに関し、遺族の理解と協力を得るため、適切な説明等が行われるように努める。さらに、警察庁及び法務省において、法医学関係機関等と調整の上、遺族に対する死者の臓器等の適切な返還手続等について検討を行う。加えて、遺体の取扱いに当たって、死者、その遺族等への礼意を失わないよう、引き続き、会議・研修等を通じて関係機関等に周知を図る。【警察庁、法務省、文部科学省、厚生労働省、海上保安庁】(3-6)
(6) 押収物の還付等における犯罪被害者等の意向を踏まえた対応
ア 犯罪被害者等への証拠物件の還付等については、犯罪被害者等の立場、心身の状況、置かれている環境等へ適切に配慮するとともに、その意向を踏まえた上で行っており、引き続き適正な対応を徹底する。【警察庁】(3-7)
イ 犯罪被害者の遺族又は家族の心情を踏まえ、捜査・公判に及ぼす影響等にも配慮しつつ、証拠品の還付等を行うとともに、必要に応じ、還付の時期、方法等について犯罪被害者の遺族又は家族に対して説明を行っているところであり、引き続きその適正な運用を行う。【法務省】(3-8)
(7) 捜査に関する適切な情報提供等
ア 捜査への支障等を勘案しつつ、被害者連絡制度等の周知徹底・活用を図り、犯罪被害者等の要望に応じて捜査状況等の情報を提供するよう努める。また、必要に応じ、地方公共団体、犯罪被害者等早期援助団体をはじめとする民間被害者支援団体等との連携を図る。【警察庁】(3-9)
イ 捜査への支障等を勘案しつつ、犯罪被害者等に対し、適時適切に捜査状況等の情報を提供するよう努める。【法務省】(3-10)
(8) 被害者等通知制度の周知
検察官等が犯罪被害者等の事情聴取等を行ったときは、被害者等通知制度に基づく通知の希望の有無を確認するとともに、犯罪被害者等の支援に関する情報を網羅的に紹介するパンフレット「犯罪被害者の方々へ」の配布や犯罪被害者等施策に関するポータルサイトへの掲載等を通じて、同制度の周知を徹底する。また、少年審判後の同制度に関するリーフレットを関係機関に配布するなどして、同制度の周知を徹底する。【法務省】(3-11)
(9) 犯罪被害者等と検察官の意思疎通の充実
ア 犯罪被害者等の意見等をより適切に把握し刑事裁判に適切に反映させるため、犯罪被害者等と検察官の意思疎通の一層の充実を図り、被害状況等の供述調書等による証拠化、犯罪被害者等の証人尋問及び意見陳述の活用等により、被害状況等を的確に立証するように努める。【法務省】(3-12)
イ 犯罪被害者等の意向に応じ、適宜の時期に、検察官が刑事裁判の公判前整理手続等の経過及び結果について必要な説明を行うように努める。また、犯罪被害者等が公判傍聴を希望する場合は、その機会が可能な限り得られるよう、公判期日の指定に当たっては、検察官が犯罪被害者等と十分なコミュニケーションを取り、必要に応じて犯罪被害者等の意向を裁判所に伝えるように努める。【法務省】(3-13)
ウ 犯罪被害者等の要望に応じて、事案の内容、捜査・公判に支障を及ぼすおそれや関係者の名誉・プライバシーを害するおそれの有無・程度等を考慮しつつ、適宜の時期に、適切な方法で、公判における検察官の主張・立証の内容を分かりやすく説明するように努める。【法務省】(3-14)
(10) 保釈における犯罪被害者等の意見の適切な反映
加害者の保釈申請がなされた場合には、事案に応じ、改めて犯罪被害者等に連絡して事情聴取を行うなどして、裁判所に提出する検察官意見に犯罪被害者等の意見を適切に反映させるように努める。【法務省】(3-15)
(11) 警察及び検察における犯罪被害者等のための施設整備等
ア 事情聴取時における相談室や被害者支援用車両の活用を図るとともに、これらの施設等の改善に努めるよう都道府県警察を指導する。【警察庁】(3-16)
イ 庁舎の建て替えを予定している検察庁については、建て替え時に被害者専用待合室を設置し、それ以外の検察庁については、スペースの有無、設置場所等を勘案しつつ、被害者専用待合室の設置について検討を行う。【法務省】(3-17)
(12) 不起訴事案等に関する適切な情報提供
ア 不起訴記録を保存する各検察庁に対し、不起訴記録(医療観察の申立てをした事件を含む。)
の弾力的開示について引き続き周知徹底を図る。また、不起訴記録の開示対象の拡大につい
ても、被害者保護の要請に配慮しつつ、引き続き適切な対応に努める。【法務省】(3-18)
イ 検察官が、不起訴処分(医療観察の申立てをした事件を含む。)について、犯罪被害者等の
要望を踏まえ、関係者の名誉・プライバシー等の保護の要請等に配慮しながら、事前又は事
後に、処分の内容及び理由並びに犯罪被害者等の支援に関する制度について十分な説明を行
うよう、引き続き、検察庁に対する周知に努める。【法務省】(3-19)
(13) 公判前整理手続への関与の在り方の検討
犯罪被害者等又はその代理人弁護士が公判前整理手続等への在席を特に希望する場合であっ
て、その理由、犯罪被害者等又はその代理人弁護士が公判前整理手続等に在席することの弊害
の有無・程度、弁護人の意見等を考慮して相当と認めるときは、係属裁判所に対し、犯罪被害
者等又はその代理人弁護士の希望を適切に伝えるなどの配慮をするように努める。
そのほか、犯罪被害者等のニーズを踏まえ、公判前整理手続の趣旨等にも留意しつつ、現行
の刑事訴訟制度の基本構造に反しない範囲で犯罪被害者等又はその代理人弁護士による公判前
整理手続への関与の在り方について、制度と運用の両面から多角的な検討を行い、その結果に
基づいて必要な措置を講ずる。【法務省】(3-20)
(14) 国民に分かりやすい訴訟活動
視覚的な工夫を取り入れた国民に分かりやすい訴訟活動を行うように努める。【法務省】(3-
21)
(15) 公判への出廷等における犯罪被害者等への配慮
ア 犯罪被害者等に裁判への出廷を求める場合には、その心身の状態や発達の程度に十分に配
意し、二次的被害を防止するように努める。【法務省】(3-22)
イ 情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律(令和7年法
律第39号)に基づき令和8年度中に可能となるビデオリンク方式による被害者参加を含め、
裁判手続における犯罪被害者等の保護のための措置について周知徹底を図り、一層適正に運
用されるように努める。【法務省】(3-23)
(16) 被害者参加制度の対象犯罪の拡大の要否・可否等についての多角的検討
被害者参加制度の対象犯罪を拡大することに関する犯罪被害者等の要望があることを踏ま
e、現行の対象犯罪が定められた趣旨との整合性、非対象事件の犯罪被害者等との間の均衡等
の課題があることも考慮して、被害者参加制度の対象犯罪の拡大の要否・可否等について多角
的な検討を行う。【法務省】(3-24)
(17) 傍聴時のプライバシー等への配慮
犯罪被害者等が公判を傍聴する場合に、事案の性質によっては、一般の傍聴人と共に傍聴し
たり、被告人から自身の姿が見える状態で傍聴したりすることが心理的に困難であること等か
ら傍聴へのハードルが高いとの意見や、犯罪被害者等がビデオリンク方式で公判を傍聴するこ
とを認めることができないかとの意見がある。このような犯罪被害者等のニーズを踏まえ、犯
罪被害者等のプライバシー等に配慮した公判の傍聴の方法について、いわゆる優先傍聴の在り
方、犯罪被害者等がビデオリンク方式により公判を傍聴することやその具体的方法、遮蔽措置
の利用を含め、多角的な検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずる。【法務省】(3-
25)
(18) 公判等に係る各種書面の交付、閲覧等
ア 冒頭陳述等の内容を記載した書面を犯罪被害者等に交付することについて周知徹底を図
り、一層適正に運用されるようにする。【法務省】(3-26)
イ 損害賠償命令の申立てをすることができる犯罪被害者等から、起訴状記載の公訴事実等の
内容を把握したいとの要望があった場合には、起訴状記載の公訴事実等の内容を記載した書
面を交付することについて周知徹底を図り、一層適正に運用されるように努める。【法務省】
(3-27)
ウ 犯罪被害者等から刑事事件の訴訟記録の閲覧・謄写の申出があり、相当と認められるとき
は、刑事事件の係属中であっても閲覧・謄写が可能である旨をパンフレット等により周知す
るとともに、同申出に対して適切に対応するように努める。また、刑事確定訴訟記録の閲覧
に際して、犯罪被害者等に対し、被告人や証人等の住所を開示するか否かについては、裁判
の公正を担保する必要性と一般公開により生じるおそれのある弊害等を比較衡量してその許
否を判断すべきものであるところ、犯罪被害者等保護の要請に配慮しつつ、適切な対応に努
める。【法務省】(3-28)
(19) 上訴に関する犯罪被害者等からの意見聴取等
被害者がいる犯罪について、判決に対する上訴の可否を検討する際、事案の内容等を勘案し
つつ、犯罪被害者等から意見聴取等を行うなど、適切に対応するように努める。【法務省】(3-
29)
(20) 少年保護事件に関する意見聴取等に関する各種制度の周知
少年保護事件に関する意見聴取、記録の閲覧・謄写及び審判結果等の通知に関する各種制度
について周知を徹底する。【法務省】(3-30)
(21) 少年審判の傍聴制度の周知及び充実
少年法の一部を改正する法律(平成20年法律第71号)により導入された、一定の重大事件の
犯罪被害者等が少年審判を傍聴することができる制度等について、パンフレット等による周知
を徹底する。また、犯罪被害者等がビデオリンク方式により少年審判を傍聴すること及び犯罪
被害者等から委託を受けた弁護士が少年審判を傍聴することといった、少年審判の傍聴制度の
充実について、少年法の制度趣旨等も踏まえた上で、多角的な検討を行い、その結果に基づい
て必要な措置を講ずる。【法務省】(3-31)
(22) 医療観察審判の傍聴制度の充実
医療観察法においては、犯罪被害者等の関心に応えるため、裁判所が個々の事案に応じ、犯
罪被害者等の審判期日における審判の傍聴を許すことができるとされているところ(医療観察
法第47条第1項)、検察官が医療観察の申立てをした事件について、犯罪被害者等から医療観
察審判の傍聴の意向が示されるなどした場合は、必要に応じて、手続を主宰する裁判所に犯罪
被害者等の意向を適切に伝えるなどの配慮をするように努める。また、犯罪被害者等が傍聴す
る際の付添いやビデオリンク方式による傍聴、犯罪被害者等から委託を受けた弁護士による傍
聴といった、医療観察審判の傍聴制度の充実について、医療観察法の制度趣旨等も踏まえた上
で、多角的な検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずる。【法務省】(3-32)
2 加害者の処遇段階における関与等に関する施策
(1) 被害者等通知制度の適切な運用等
加害者の処遇状況等に関する事項の情報提供について、被害者等通知制度を適切に運用する。
なお、情報提供の内容については、加害者の個人情報保護の観点も踏まえた上で必要な検討を
行う。【法務省】(3-33)
(2) 受刑者と犯罪被害者等との面会・信書の発受の適切な運用
受刑者と犯罪被害者等との面会・信書の発受が、犯罪被害者等の要望に応じ、法令に基づい
て引き続き適切に運用されるよう努める。【法務省】(3-34)
(3) 「被害者の視点を取り入れた教育」の効果検証及び改善指導・矯正教育の一層の充実
犯罪被害者等の心情等への理解を深めさせ、謝罪や被害弁償等の具体的な行動を促すための
指導を含めた改善指導・矯正教育の一層の充実に努めるとともに、「被害者の視点を取り入れた
教育」についての効果検証を実施し、その結果を踏まえて同指導の効果的な実施に必要な改善
につなげる。【法務省】(3-35)
p.15 / 4
読み込み中...
テキスト領域
選択中
非公開 (PII)