モロッコ王国に対する円借款に関する書簡の交換
書簡をもって啓上いたします。本使は、モロッコ王国の経済の安定及び開発努力を促進するために供与される日本国の借款に関して日本国政府の代表者とモロッコ王国政府の代表者との間で最近到達した次の了解を確認する光栄を有します。
1 二百七十七億六千万円(二七、七六〇、〇〇〇、〇〇〇円)の額までの円貨による借款(以下「借款」という。)が、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジのための開発政策借款として、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジのための改革計画(以下「改革計画」という。)においてモロッコ王国政府を支援することを目的として、独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」という。)により、日本国の関係法令に従って、モロッコ王国政府に供与されることになる。
2⑴ 借款は、モロッコ王国政府とJICAとの間で締結される借款契約に基づいて使用に供される。借款の条件及び使用に関する手続は、この了解の範囲内で、特に次の原則を含むことになる前記の借款契約によって規律される。
⒜ 償還期間は、十年の据置期間の後二十年とする。
⒝ 利子率は、年一・五パーセントとする。
⒞ 支出期間は、前記の借款契約の発効の日の後三年とする。
⑵ ⑴⒞に規定する支出期間は、両政府の関係当局の同意を得て延長することができる。
3⑴ 借款は、モロッコ王国政府の権限のある当局が、モロッコ王国の経済の安定及び開発努力を促進することを目的として、将来行う予算支出(両政府の関係当局間で合意する表に掲げる生産物のためのものを除く。)を対象として使用に供される。
⑵ ⑴に規定する表は、両政府の関係当局間の合意によって修正することができる。
4 モロッコ王国政府は、モロッコ王国政府の名義で開設される国家予算勘定に借款の円貨による支出額に相当する額をモロッコの通貨で振り替えるための措置をとる。このようにして振り替えられた額は、モロッコ王国政府の国家予算に編入される。
5 モロッコ王国政府は、借款に基づく生産物又は役務の調達が、JICAの調達のためのガイドラインであって、特に、国際競争入札の手続(当該手続が適用できない場合又は当該手続を適用することが適当でない場合を除き従うべき手続)を定めるものに従って実施されることを確保する。
6 モロッコ王国政府は、借款に基づいて購入される生産物の海上輸送及び海上保険に関し、海運会社及び海上保険会社の間の公正かつ自由な競争を妨げることのあるいかなる制限を課することも差し控える。
7 モロッコ王国政府は、JICAについて、借款及びそれから生ずる利子に対して又はそれらに関連してモロッコ王国において課される全ての財政課徴金及び租税を免除する。
8 モロッコ王国政府は、借款が適正に、かつ、専ら3⑴に規定する予算支出のために使用されること及び軍事目的に使用されないことを確保するために必要な措置をとる。
9 モロッコ王国政府は、要請に応じ、日本国政府及びJICAに対して次のものを提供する。
⒜ 借款の使用及び改革計画の実施の進捗状況についての情報及び資料
⒝ 借款及び改革計画に関連するその他の情報
10 両政府は、この了解から又はこの了解に関連して生ずることのあるいかなる事項についても相互に協議する。
本使は、更に、この書簡及びモロッコ王国政府に代わって前記の了解を確認される閣下の返簡が両政府間の合意を構成し、その合意が閣下の返簡の日付の日に効力を生ずるものとすることを提案する光栄を有します。
本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。
二千二十四年九月二十日にラバトで
モロッコ王国駐在
日本国特命全権大使 倉光秀彰
モロッコ王国
経済・財政大臣付予算担当特命大臣 ルクジャア・ファウズィー閣下
(モロッコ側書簡)
(訳文)
書簡をもって啓上いたします。本大臣は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
(日本側書簡)
本大臣は、更に、モロッコ王国政府に代わって前記の了解を確認するとともに、閣下の書簡及びこの返簡が両政府間の合意を構成し、その合意がこの返簡の日付の日に効力を生ずるものとすることに同意する光栄を有します。
本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。
二千二十四年九月二十日にラバトで
モロッコ王国
経済・財政大臣付予算担当特命大臣 ルクジャア・ファウズィー閣下
モロッコ王国駐在
日本国特命全権大使 倉光秀彰閣下