その他令和8年3月31日
建設業における雇用改善推進体制の整備等について
掲載日
令和8年3月31日
号種
号外
原文ページ
p.283 - p.284
号外p.283-p.284
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抽出要点
高年齢者職業安定対策基本方針の制定
抽出された基本情報
発行機関国土交通省
抽出された基本情報
- 発行機関
- 国土交通省
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(3) 能力評価制度の活用促進
建設技能者の技能と経験を活用して、客観的な評価を実施する「建設技能者の能力評価制度」の活用によって、技能・経験に応じた適切な処遇につながることが期待されるため、能力評価の基礎となる、現場等での就業履歴等の蓄積に向けた取組を加速化し、更なる活用に向けて促進を図る。
また、「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」や「専門工事業の施工能力等の見える化制度」の運用等、事業者が市場で選ばれる仕組みを強化するための検討が必要である。
(4) 助成金によるCCUSの活用促進
建設業における入職促進や賃金の改善等の雇用管理に極めて有用なCCUSについては、業界全体で幅広い活用を促すことが重要であることから、その効果が最大限発揮されるよう、事業主及び事業主主体のニーズ等を踏まえながら、普及・活用に向けた、効果的な建設関係助成金の活用が図られるよう推進する。
5 雇用改善推進体制の整備
(1) 雇用改善を図るための諸条件の整備
建設業における雇用改善を図るためには、重層下請構造等の建設産業における諸慣行や、建設産業における生産の仕組みに関わる事項について、関係事業者が改善に取り組むとともに、建設業行政等をはじめとする関係行政を所管する各機関において、引き続き指導等を適切に行う必要がある。
このため、CCUSの活用促進を通じ技能者への適切な処遇の実現を推進することに加え、改正法及び公共工事の品質確保の促進に関する法律等の一部を改正する法律(令和6年法律第54号)により改正された、いわゆる第三次・担い手3法に基づき講じられることとなる、工期ダンピング防止の強化、「労務費に関する基準」による適正な賃金支払と請負契約における適正な賃金原資の確保等、建設業行政が講じる施策とも連携し、過度な重層下請構造の是正を始めとした雇用改善に向けた施策を講じることが課題となっている。
ア 雇用改善の推進のための取組
(ア) 法令で規定された安全対策の実施、労働保険及び社会保険への適正な加入等は、労働関係法令等の遵守に不可欠である。労務費、法定福利費、安全衛生経費等の労働者による適正な施工を確保するために不可欠な経費の確保、適切な工期の設定等について、引き続き、国土交通省をはじめとする関係行政機関による指導等を進め、公共工事の発注者及び民間事業者による適切な支払と、技能者を雇用する事業主における建設労働者への適切な対応による処遇改善を推進する。
(イ) 予定価格の適切な設定、工期ダンピング防止の強化、工期変更の円滑化、発注体制が十分でない市町村等の発注者に対する支援によって、建設労働者への適正な賃金支払、労働時間の短縮等の労働条件の改善に資する公共工事の発注を推進するための方策や、公正な受注環境の確保について、各発注者が相互に緊密な連携を図りながら推進する。あわせて、これらの取組が民間事業者にも浸透するよう、官民一体となって取り組む。
イ 第三次・担い手3法の業界全体への浸透
働き方改革、生産性向上及び処遇改善に総合的に取り組み、担い手を確保し持続可能な産業とするため、第三次・担い手3法について、民間を含めた発注者の理解と協力を得て、業界全体はもとより広く社会全般に浸透するような取組を推進する。あわせて、過度な重層下請改善のために必要な施策のあり方について検討する。
(2) 事業主及び事業主団体における雇用管理体制の整備
建設業における雇用管理の改善を図るためには、事業主及び事業主団体が行う雇用管理の改善の取組の推進が重要である。
ア 事業主の雇用管理体制の充実
建設労働者の募集、雇入れ、技能の向上、職業生活上の環境整備等に関する下請事業主に対する指導等の元請事業主の役割が適切に果たされるようにするとともに、雇用管理研修の内容改善、自主的な研修の実施、コンサルティング等による雇用管理の改善を支援すること等により、事業主の雇用管理体制を充実させる。
イ 事業主団体における効果的な雇用改善等の推進
専門工事業者団体等の事業主団体が行う自主的な雇用管理の改善の取組の推進について引き続き啓発・指導を行うとともに、当該団体の取組への支援を引き続き推進し、雇用管理の改善、若年労働者の確保等を図る。
(3) 建設関係助成金の活用
建設業における雇用管理の改善を図るためには、人材確保等支援助成金、人材開発支援助成金等の建設関係助成金により、事業主、事業主団体等の雇用管理の改善の取組に対する支援を引き続き行うことが重要である。
ア ニーズ等を踏まえた制度の見直し
助成金制度について、事業主及び事業主団体におけるニーズ、効果を踏まえながら、継続的な施策評価に基づき、適宜見直しを行い、効率的かつ効果的な運用を図る。
イ 活用に向けた周知
助成金の積極的な活用のため、引き続き、制度の周知徹底を図る。
6 建設業務有料職業紹介事業及び建設業務労働者就業機会確保事業の運営
(1) 事業趣旨にのっとった適正な運営の確保
建設業務有料職業紹介事業及び建設業務労働者就業機会確保事業(以下「就業機会確保事業等」という。)については、制度の趣旨に沿った適正かつ効果的な事業運営を確保することが重要である。
ア 建設業務労働者就業機会確保事業については、当該事業が建設労働者の雇用の安定のための労働力需給調整機能を持つことを踏まえ、一時的に労働力の余剰が生じる事業主のみが送出可能であって、送出就業に従事させることを目的として労働者を雇用することや、建設業務労働者就業機会確保事業を主たる業務内容とする部署を設けること等趣旨に反する事業運営を行うことはできないことについて、指導等を行う。
イ 中間搾取の防止等を図るため、建設雇用改善法第12条第1項に定める実施計画の認定及び就業機会確保事業等の許可に際しては、申請内容の確認及び審査を厳格に行う。
ウ 実施計画の認定に当たっては、労働政策審議会の意見を踏まえて行う。
エ 実施計画を作成し、その実施に責任を有する事業主団体の役割が重要であることから、事業主団体において、次の措置が講じられるよう、当該団体に対する指導を行う。
(ア) 構成事業主、労働者、受入事業主の元請事業主等関係者に対する制度の趣旨、内容等についての周知・啓発並びに送出事業主及び受入事業主に対する適正な事業運営に関する指導監督及び相談援助を行う。
(イ) 労働者の雇用の安定を重視して、適正な職業紹介を行うほか、送出事業主及び受入事業主の組合せを検討する。
(ウ) 送出労働者について、送出事業主に対し、労働保険及び社会保険に適正に加入するよう促す。
(エ) 求人者及び求職者並びに送出事業主、受入事業主、送出労働者等からの苦情について、適切な処理を図る。
オ 就業機会確保事業等の実施状況を把握し、適切に指導監督を行うとともに、送出労働者等からの申告に適切に対応する。
(2) 事業の適正な活用促進
就業機会確保事業等については、事業主団体に対し、制度の趣旨等を説明した上で、事業の活用を検討する事業主団体が適正に活用できるようにすることが重要である。
ア 事業主、事業主団体、労働者等に対して、制度の趣旨、送出事業主及び受入事業主に課される使用責任の内容、送出労働者等からの申告制度等について周知・啓発を図る。
イ 制度の活用が進まない隘路等について、引き続き、実態を把握しつつ、事業の適正な活用促進に向け、特に建設業務労働者就業機会確保事業について、制度の趣旨である、一時的な労働力の過不足を調整し、就業の場の確保を通じ労働者の雇用の安定を図る観点から、必要な見直しを検討する。
○厚生労働省告示第三百二十二号
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和四十七年法律第六十八号)第七条第一項の規定に基づき、高年齢者職業安定対策基本方針を次のように定める。
令和八年三月三十一日
厚生労働大臣 上野賢一郎
高年齢者等職業安定対策基本方針
目次
はじめに
第1 高年齢者の就業の動向に関する事項
第2 高年齢者の就業の機会の増大の目標に関する事項
第3 事業主が行うべき諸条件の整備等に関して指針となるべき事項
第4 高年齢者の職業の安定を図るための施策の基本となるべき事項
はじめに
1 方針のねらい
少子高齢化が急速に進行し、本格的な人口減少社会が到来する我が国においては、経済社会の活力を維持・向上するため、全ての年代の人々がその能力を十分に発揮し、経済社会の担い手として活躍できるよう環境整備を進めることが必要である。
特に、平均寿命や健康寿命が延伸する中、「働けるうちはいつまでも働きたい」と考える高年齢者は多く、人口減少がもたらす人手不足が深刻化する中では、高年齢者の就業意欲の高さは強みともいえる。企業においても、高年齢者の活躍に対する期待は高まりをみせており、働く意欲がある高年齢者が、年齢にかかわりなく、その希望や能力に応じて活躍し続けられる環境を整備していくことは今後ますます重要となる。
働く意欲がある高年齢者がその能力を十分に発揮できるよう、高年齢者の活躍の場を整備するため、令和2年第201回通常国会において、70歳までの就業機会の確保を事業主の努力義務とすること等を内容とする、雇用保険法等の一部を改正する法律(令和2年法律第14号。以下「令和2年改正法」という。)の規定による高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号。以下「法」という。)の改正が行われた。この基本方針は、令和2年改正法による改正の趣旨等を踏まえ、高年齢者の雇用・就業についての目標及び施策の基本的考え方を、労使を始め国民に広く示すとともに、事業主が行うべき諸条件の整備等に関する指針を示すこと等により、高年齢者の雇用の安定の確保、再就職の促進及び多様な就業機会の確保を図るものである。
また、70歳までの就業機会の確保に関する施策を推進するに当たっては、65歳までの雇用機会が確保されていることが前提である。令和6年度末には、労使協定による継続雇用制度の対象基準を適用できる経過措置が終了し、令和7年4月からは、希望者全員を対象とする65歳までの高年齢者雇用確保措置(定年の引上げ、継続雇用制度(現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう。以下同じ。)の導入又は定年の定めのない廃止をいう。以下同じ。)が全面的に施行されている。引き続き、その確実な実施に向けた取組を行うことが必要である。
さらに、今後、就職氷河期世代の多くが高齢期を迎えることを踏まえると、今から、それらの者の将来を見据えた支援に取り組む必要がある。そのため、働く意欲のある誰もが、その能力を十分に発揮し、年齢に関わらず働き続けることができる環境の整備に向け、70歳までの就業機会の確保や高齢期の処遇の改善に向けた取組、有期雇用労働者の期間の定めのない安定した雇用(以下「無期雇用」という。)への転換を促進する取組等について、一層推進していく必要がある。
2 方針の対象期間
この基本方針の対象期間は、令和8年度から令和11年度までの4年間とする。ただし、この基本方針の内容は適用日時点の法の規定を前提とするものであることから、高年齢者の雇用等の状況や、労働力の需給調整に関する制度、雇用保険制度、年金制度、公務員に係る再任用制度等関連諸制度の動向に照らして、必要な場合は改正を行うものとする。
第1 高年齢者の就業の動向に関する事項
1 人口及び労働力人口の高齢化
我が国の人口は、平成20年(2008年)をピークに減少に転じ、現在、本格的な人口減少社会が到来している。65歳以上の高年齢者の人口は、令和2年(2020年)の約3,603万人から、令和22年(2040年)には約3,928万人になると推計されており、20年間で約325万人増加し、2.9人に1人が65歳以上の高年齢者となることが見込まれる。さらに、令和52年(2070年)には、2.6人に1人が65歳以上、約4人に1人が75歳以上の高年齢者となることが見込まれている。
これに対し、15~64歳の生産年齢人口は令和2年(2020年)の約7,509万人から、令和22年(2040年)には約6,213万人になると推計されており、20年間で約1,296万人減少することが見込まれる。
一方、労働力人口については、令和2年(2020年)の約6,902万人から、令和22年(2040年)に6,536万人になると推計されており、人口減少ほどの落ち込みは見られない。65歳以上の労働力人口は令和2年(2020年)の約919万人から、令和22年(2040年)には1,262万人に増加することが見込まれており、今後も、高年齢者の就業促進はその重要性が更に増すことが期待される(総務省統計局「国勢調査」(令和2年)、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(令和5年)の出生中位(死亡中位)推計、独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働力需給の推計-労働力需給モデル(2023年度版)による将来推計-」(2024)の成長率ベースライン・労働参加漸進シナリオ)。
2 高年齢者の雇用・就業の状況
高年齢者の雇用失業情勢を見ると、令和6年(2024年)における完全失業率は、年齢計が2.5%、60~64歳層が2.8%、65~69歳層が2.5%となっている。これを男女別に見ると、男性については、年齢計が2.7%、60~64歳層が3.1%、65~69歳層が3.0%であるのに対し、女性については、年齢計及び60~64歳層ともに2.4%、65~69歳層が1.8%となっている。また、65歳以上の非労働力人口に占める就業希望者数は、令和6年(2024年)においては45万人となっており、前年から約4万人増加している(総務省統計局「労働力調査」)。
高年齢者の就業率については、65歳までの高年齢者雇用確保措置の導入が義務付けられた平成18年(2006年)4月1日以降、上昇傾向で推移し、令和6年(2024年)においては、60~64歳層が74.3%、65~69歳層が53.6%となっている。これを男女別にみると、男性については、60~64歳層が84.0%、65~69歳層が62.8%、女性については、60~64歳層が65.0%、65~69歳層が44.7%となっている。
また、これらを10年前(平成26年(2014年))と比較すると、60~64歳層が13.6ポイント上昇(男性は9.7ポイント、女性は17.4ポイントそれぞれ上昇)、65~69歳層も13.5ポイント上昇(男性は12.3ポイント、女性は14.2ポイントそれぞれ上昇)しており、女性や65歳以上の者を中心に高年齢者の労働市場への参加は着実に進展している。
さらに、国際的に比較しても、我が国高年齢者の就業率は、男女ともに群を抜いて高い水準にある。特に、令和6年(2024年)における65~69歳層の就業率はOECD加盟国平均の約2倍(男性はOECD加盟国平均が32.3%であるのに対し、我が国は62.8%、女性はOECD加盟国平均が20.9%であるのに対し、我が国は44.7%)であり、高い水準を示している(総務省統計局「労働力調査」、OECD Data Explorer)。
また、高年齢者の雇用形態を見ると、令和6年(2024年)においては、役員を除く雇用者のうち、60~64歳層で正規の職員・従業員が44.6%、パート・アルバイトが30.1%、契約社員が11.3%、嘱託が9.7%と続く。65~69歳層では、正規の職員・従業員が25.5%、パート・アルバイトが49.0%、契約社員が11.5%、嘱託が7.7%と続いており、年齢が高くなるにしたがって、雇用形態は多様なものとなっている(総務省統計局「労働力調査」)。
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