その他令和8年3月19日
Alephに対する再発防止処分請求及び公安審査委員会の決定に関する経緯
出典:官報発行サイトの掲載情報を加工しています。AI 抽出や OCR に誤りが含まれる可能性があるため、 重要な確認は公式原文を基準にしてください。
AI要点
無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律に基づく報告義務違反及び再発防止処分
抽出された基本情報
発行機関公安調査庁
本文と原文の対照
まず左側の本文を読み、必要な箇所だけ原文ページで確認できる構成です。
← 同日の官報に戻る
原文対照の表示オプション
Alephに対する再発防止処分請求及び公安審査委員会の決定に関する経緯
本文はAI抽出です。左の段落を選ぶと、右側の官報原文画像で該当箇所を照合できます。
2条では、「現金の現在額」(同条第1号ハ)、「預貯金の種類、金融機関名、残高及び口座名義人の氏名又は名称」(同号ホ)等と規定、⑤当該各期間中における当該団体の活動に関する事項のうち政令で定めるもの(法第5条第3項第5号。これについて施行令第3条では、「当該団体(その支部、分会その他の下部組織を含む。以下、この号において同じ。)がした当該団体の活動に関する意思決定の内容」(同条第1号)及び「当該団体の機関誌紙の名称及び発行部数並びに編集人及び発行人の氏名」(同条第2号)と規定。以下、これをまとめて「主要な活動に関する事項」という。)及び⑥公安審が特に必要と認める事項(法第5条第3項第6号。公安審が第8回期間更新決定において「特に必要」と認めた事項は、「被請求団体(本団体)の構成員に関する出家信徒及び在家信徒の別並びに出家信徒の位階」、「被請求団体(本団体)作成のインターネット上のホームページに係る接続業者名、契約名義人の氏名及び掲載の管理・運営責任者の氏名」及び「被請求団体(本団体)(その支部、分会その他の下部組織を含む。)の営む収益事業(いかなる名義をもってするかを問わず、実質的に被請求団体(本団体)が経営しているものをいう。)の種類及び概要、事業所の名称及びその所在地、当該事業の責任者及び従事する構成員の氏名並びに各事業に関する会計帳簿を備え置いている場所(その会計帳簿が電磁的記録で作成されている場合には、当該電磁的記録の保存媒体の保管場所)」(以下「団体の営む収益事業の種類及び概要等」という。)である。)のほか(以下、それぞれ「要報告事項①」などという。)、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律施行規則第6条では、「報告書」の様式において、役職員や構成員に関し、特別の呼称がある場合には、これを併記することを規定している。
イ 報告対象期間及び報告時期
「Aleph」は、各期間更新決定後の期間中、3か月ごとに、前年11月1日から当年1月末日までの期間の分を2月15日までに、同月1日から4月末日までの期間の分を5月15日までに、同月1日から7月末日までの期間の分を8月15日までに、同月1日から10月末日までの期間の分を11月15日までに、それぞれ要報告事項を報告しなければならない。
(2) 「Aleph」の本件一部不報告、それに至る経緯等
ア 「Aleph」の本件一部不報告に至る経緯等
(ア) 「Aleph」は、かねて未成年構成員(なお、未成年者とは、平成30年法律第59号による
民法の一部を改正する法律の施行前においては20歳未満の者を、同法施行後においては18歳未満の者をいう。)が「Aleph」は、同法施行後も20歳未満の者を未成年者として取り扱っていることから、本処分請求書では、20歳未満の構成員をいう。以下同じ。)等一部の要報告事項を報告していなかったところ、さらに、令和2年以降、団体の営む収益事業の種類及び概要等に関する事項等の要報告事項も報告しなくなった。
これに対し、公安調査庁は、報告を促す指導を繰り返し行ったが、「Aleph」は、それに応じなかった。
また、「Aleph」は、公安調査庁による前記指導に応じないばかりか、令和3年2月1日から同年4月30日までの期間における要報告事項を報告期限である同年5月15日までに報告せず、さらに、同月1日から同年7月31日までの期間における要報告事項を報告期限である同年8月15日までに報告しなかった(以下、これら2回の不報告事実をまとめて「全部不報告」という。)。
これに対し、公安調査庁は、報告を促す指導を繰り返し行ったが、「Aleph」は、それにも応じなかった。
公安調査庁長官は、「Aleph」による全部不報告により、無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度の把握が困難となったことから、同年10月25日、公安審に対し、「Aleph」を被請求団体とする再発防止処分請求を行った(以下「令和3年請求」という。)ところ、「Aleph」は、同年11月11日、全部不報告に係る同年2月1日から同年4月30日までの期間における要報告事項を記載した「報告書」及び同年5月1日から同年7月31日までの期間における要報告事項を記載した「報告書」をそれぞれ提出し、さらに、同年11月15日、同年8月1日から同年10月31日までの期間における要報告事項を記載した「報告書」を提出した(公安調査庁長官は、同年11月19日、全部不報告の是正を受け、令和3年請求を撤回した。)。ただし、「Aleph」は、これらのいずれの「報告書」においても、団体の営む収益事業の種類及び概要等に関する事項等の要報告事項の一部を報告しなかった。
(イ) その後、「Aleph」は、令和4年2月14日付け「報告書」以降4回にわたり、「報告書」を提出したものの、いずれの「報告書」においても、団体の営む収益事業の種類及び概要等に関する事項等の要報告事項の一部を報告しなかった。
これに対し、公安調査庁は、引き続き、報告を促す指導を繰り返し行ったが、「Aleph」は、それに応じなかった。
公安調査庁長官は、「Aleph」による同日付け「報告書」以降4回にわたる「報告書」における一部不報告により、無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度の把握が困難となったことから、令和5年1月30日、公安審に対し、「Aleph」を被請求団体とする再発防止処分請求を行った(以下「令和5年1月請求」という。)。
これに対し、「Aleph」は、同年2月20日付けで東京地方裁判所(以下「東京地裁」という。)に再発防止処分の差止めを求める訴訟を提起するとともに、同処分の仮の差止めを求める申立てをした(以下「仮の差止め申立事件」という。)。
その後、東京地裁は、同年3月9日、仮の差止め申立事件につき、「Aleph」の主張を排斥し、申立てを却下する旨決定した(なお、「Aleph」は、同月24日、前記差止訴訟を取り下げた。)。
また、公安審は、同月13日、官報公示の日の翌日から6か月間、「Aleph」が所有又は管理する一部の土地、建物について、その全部又は一部を使用してはならない旨、及び金品その他の財産上の利益の贈与を受けてはならない旨決定した(以下「令和5年3月決定」という。令和5年3月決定は、同月20日官報公示され、処分の期間は同月21日から同年9月20日までである。)。
(ウ) 令和5年1月請求後、「Aleph」は、同年2月14日付け「報告書」以降2回にわたり、「報
告書」を提出したものの、これら「報告書」においても、団体の営む収益事業の種類及び概要等に関する事項等の要報告事項の一部を報告しなかった。
これに対し、公安調査庁は、引き続き、報告を促す指導を繰り返し行ったが、「Aleph」は、それに応じなかった。
また、「Aleph」は、同年5月22日付けで東京地裁に令和5年3月決定による再発防止処分の取消しを求める訴訟を提起するとともに、同処分の執行停止を求める申立てをした(以下「令和5年3月決定執行停止申立事件」という。)。
公安調査庁長官は、「Aleph」による同年2月14日付け「報告書」以降2回にわたる「報告書」における一部不報告により、無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度の把握が困難となったことから、同年7月14日、公安審に対し、「Aleph」を被請求団体とする再発防止処分請求を行った(以下「令和5年7月請求」という。)。
その後、東京地裁は、同年8月2日、令和5年3月決定執行停止申立事件につき、「Aleph」の主張を排斥し、申立てを却下する旨決定した。そして、前記取消訴訟については、「Aleph」の申立てを受け、同年11月15日、損害賠償請求の訴えに変更されたところ、東京地裁は、令和6年12月17日、「Aleph」の主張を排斥し、請求を棄却した(なお、「Aleph」は控訴せず、同判決が確定した。)。
また、公安審は、令和5年9月4日、同月21日から6か月間、「Aleph」が所有又は管理する一部の土地、建物について、その全部又は一部を使用してはならない旨(一部の使用が禁止される建物における使用禁止の範囲につき令和5年3月決定より拡張された。)、及び金品その他の財産上の利益の贈与を受けてはならない旨決定した(以下「令和5年9月決定」という。令和5年9月決定は、同月19日官報公示され、処分の期間は同月21日から令和6年3月20日までである。)。
その後、「Aleph」の出家した構成員らは、順次、令和5年9月決定のうち、同構成員らがそれぞれ居住する施設に関し、使用が禁止された部分の取消し等を求める訴訟を各地地方裁判所に提起するとともに、一部の施設の出家した構成員らは、令和5年9月決定による再発防止処分の執行停止を求める申立てをした(同月21日付けで愛知県名古屋市中区千代田所在の「Aleph」管理下の施設・通称「名古屋施設」(以下「名古屋施設」という。)に所属する出家した構成員5名が名古屋地方裁判所(以下「名古屋地裁」という。)に、同年10月11日付けで東京都杉並区西荻北所在の「Aleph」管理下の施設・通称「西荻施設」(以下「西荻施設」という。)に所属する出家した構成員11名が東京地裁に、それぞれ提訴・申立
てをした。また、同月14日付けで神奈川県横浜市神奈川区新町所在の「Aleph」管理下の施設・通称「横浜施設」(以下「横浜施設」という。)に所属する出家した構成員6名が横浜地方裁判所(以下「横浜地裁」という。)に提訴した。)。
このうち、名古屋施設に所属する出家した構成員らによる執行停止の申立てにつき、名古屋地裁は、同月25日、同構成員らの主張を排斥し、申立てを却下する旨決定した(なお、名古屋高等裁判所は、同年12月22日、同構成員らの即時抗告を棄却し、最高裁判所は、令和6年3月29日、特別抗告を棄却し、確定した。)。また、名古屋施設に係る前記取消訴訟につき、名古屋地裁は、同月14日、同構成員らの主張を排斥し、請求を棄却した(なお、同構成員らは控訴せず、同判決が確定した。)。西荻施設に所属する出家した構成員らによる執行停止の申立てにつき、東京地裁は、同年1月12日、同構成員らの主張を排斥し、申立てを却下する旨決定した(なお、東京高等裁判所(以下「東京高裁」という。)は、同年3月15日、同構成員らの即時抗告を棄却し、その後確定した。)。また、西荻施設に係る前記取消訴訟については、同年5月22日、同構成員らの訴えの取下げを受けて終了した。)。横浜施設に所属する出家した構成員らによる前記取消等訴訟につき、横浜地裁は、令和7年11月12日、同構成員らの主張を排斥し、請求のうち使用が禁止された部分の取消しを求める部分を却下し、その余の請求を棄却した(なお、同構成員らは控訴せず、同判決が確定した。)。
さらに、「Aleph」及び「Aleph」の出家した構成員2名は、令和5年11月25日付けで東京地裁に令和5年9月決定による再発防止処分の取消しを求める訴訟を提起するとともに、同処分の執行停止を求める申立てをしたところ、東京地裁は、令和6年2月14日、「Aleph」らの主張を排斥し、申立てを却下する旨決定した(なお、東京高裁は、同年3月19日、「Aleph」の即時抗告を棄却し、その後確定した。)。そして、前記取消訴訟につき、東京地裁は、同年9月19日、「Aleph」らの訴えを却下した(なお、「Aleph」らは控訴せず、同判決が確定した。)。
(エ) 令和5年7月請求後、「Aleph」は、同年8月14日付け「報告書」以降2回にわたり、「報告書」を提出したものの、これら「報告書」においても、団体の営む収益事業の種類及び概要等に関する事項等の要報告事項の一部を報告しなかった。
これに対し、公安調査庁は、引き続き、報告を促す指導を繰り返し行った(なお、一部を除く指導文書については、未開封のまま返送された。)が、「Aleph」は、それに応じなかった。
公安調査庁長官は、「Aleph」による同日付け「報告書」以降2回にわたる「報告書」における一部不報告により、無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度の把握が困難となったことから、令和6年2月1日、公安審に対し、「Aleph」を被請求団体とする再発防止処分請求を行った(以下「令和6年2月請求」という。)。
公安審は、同年3月11日、同月21日から6か月間、「Aleph」が所有又は管理する一部の土地、建物について、その全部又は一部を使用してはならない旨(一部の使用が禁止される建物につき令和5年9月決定に3施設が追加された。)、及び金品その他の財産上の利益の贈与を受けてはならない旨決定した(以下「令和6年3月決定」という。令和6年3月決定は、同月19日官報公示され、処分の期間は同月21日から同年9月20日までである。)。
(オ) 令和6年2月請求後、「Aleph」は、同月5日付け「報告書」以降2回にわたり、「報告書」を提出したものの、これら「報告書」においても、団体の営む収益事業の種類及び概要等に関する事項等の要報告事項の一部を報告しなかった。
これに対し、公安調査庁は、引き続き、報告を促す指導を繰り返し行ったが、「Aleph」は、指導文書の受取を拒否するなどして指導に応じなかった。
公安調査庁長官は、「Aleph」による同日付け「報告書」以降2回にわたる「報告書」における一部不報告により、無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度の把握が困難となったことから、同年7月22日、公安審に対し、「Aleph」を被請求団体とする再発防止処分請求を行った(以下「令和6年7月請求」という。)。
公安審は、同年9月2日、同月21日から6か月間、「Aleph」が所有又は管理する一部の土地、建物について、その全部又は一部を使用してはならない旨(一部の使用が禁止される建物における使用禁止の範囲につき令和6年3月決定より拡張された。)、及び金品その他の財産上の利益の贈与を受けてはならない旨決定した(以下「令和6年9月決定」という。令和6年9月決定は、同月18日官報公示され、処分の期間は同月21日から令和7年3月20日までである。)。
(カ) 令和6年7月請求後、「Aleph」は、同年8月14日付け「報告書」以降2回にわたり、「報告書」を提出したものの、これら「報告書」においても、団体の営む収益事業の種類及び概要等に関する事項等の要報告事項の一部を報告しなかった。
これに対し、公安調査庁は、引き続き、報告を促す指導を繰り返し行ったが、「Aleph」は、指導文書の受取を拒否するなどして指導に応じなかった。
公安調査庁長官は、「Aleph」による同日付け「報告書」以降2回にわたる「報告書」における一部不報告により、無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度の把握が困難となったことから、令和7年1月27日、公安審に対し、「Aleph」を被請求団体とする再発防止処分請求を行った(以下「令和7年1月請求」という。)。
公安審は、同年3月10日、同月21日から6か月間、「Aleph」が所有又は管理する一部の土地、建物について、その全部又は一部を使用してはならない旨、及び金品その他の財産上の利益の贈与を受けてはならない旨決定した(以下「令和7年3月決定」という。令和7年3月決定は、同月19日官報公示され、処分の期間は同月21日から同年9月20日までである。)。
(キ) 令和7年1月請求後、「Aleph」は、同年2月16日付け「報告書」以降2回にわたり、「報告書」を提出したものの、これら「報告書」においても、団体の営む収益事業の種類及び概要等に関する事項等の要報告事項の一部を報告しなかった。
これに対し、公安調査庁は、引き続き、報告を促す指導を繰り返し行ったが、「Aleph」は、指導文書の受取を拒否するなどして指導に応じなかった。
公安調査庁長官は、「Aleph」による同日付け「報告書」以降2回にわたる「報告書」における一部不報告により、無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度の把握が困難となったことから、同年7月22日、公安審に対し、「Aleph」を被請求団体とする再発防止処分請求を行った(以下「令和7年7月請求」という。)。
公安審は、同年9月3日、同月21日から6か月間、「Aleph」が所有又は管理する一部の土地、建物について、その全部又は一部を使用してはならない旨、及び金品その他の財産上の利益の贈与を受けてはならない旨決定した(以下「令和7年9月決定」という。令和7年9月決定は、同月18日官報公示され、処分の期間は同月21日から令和8年3月20日までである。)。
イ 本件一部不報告状況等
令和7年7月請求後、「Aleph」は、同年8月5日付け「報告書」及び同年11月14日付け「報告書」を提出したものの、これらの「報告書」においても、少なくとも、要報告事項である下記(ア)ないし(カ)について殊更報告せず、従前同様、要報告事項の一部の不報告に及んでいる(以下、これらをまとめて「本件一部不報告」という。)。
(ア) 役職員に関する不報告
麻原の二男である松本麗暉(以下「麻原の二男」という。)及び麻原の妻である松本明香里(以下「麻原の妻」という。)について報告していない。
なお、麻原の二男及び麻原の妻が「Aleph」の役職員であると認められる理由は以下のとおりである。
a 「役職員」の意義
「役職員」とは、「役員」及び「職員」の総称であり、団体の事務に従事する者を指し、「役員」とは、このうち団体の意思決定に関与し得る者をいう(法第5条第1項第3号)と明記されているとおり、「意思決定に関与し得る」と言えればそれで足り、実際に意思決定に関与した回数、程度等は問わないものと解される。「役員」が報告事項とされる趣旨は、無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度や団体の活動状況を明らかにするためには、団体の活動を支える主要な要素の一つである人的要素についても明らかにする必要
があるところ、無差別大量殺人行為に及ぶ危険性が認められる団体の役員が、当該団体の保有する理念やその活動方針を左右する意思決定に関与し得る立場にある者であることから、その人定事項を知ることが必要不可欠であるためであると解される(治安制度研究会編著「オウム真理教の実態と「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」の解説」68ページ)。そして、無差別大量殺人行為に及ぶ危険性が認められる団体について、その理念や活動方針など当該団体の活動の方向性を左右する意思決定は一度の意思決定の機会でもなし得るのであるから、報告が求められる「役員」とは団体の意思決定に関与「し得る」立場にあれば足りるのであって、実際に意思決定に関与した回数、程度等を考慮して限定的に解することは、その趣旨と整合するものとは言えない(すなわち、団体の理念や活動方針など、当該団体の活動の方向性を左右する重要な意思決定には関与し得るものの、日常的な団体の活動に関する意思決定には関与していない(他の役員等に委ねている)者がいる場合に、法がこれを「役員」として報告することを予定していないとは考えられない。)。
b 麻原の二男について
麻原の二男は、平成6年に出生後、平成8年には麻原から「後継者」として指名され、平成14年8月15日付け「報告書」までは団体の構成員として記載されていたものである。
その後、麻原の妻が、同年10月に和歌山刑務所を出所した際、同人の弁護士を通じて本団体に関わらない旨コメントを発表した後、麻原の親族は本団体の組織運営に関与しない体裁をとるようになり、「報告書」にもその氏名等が記載されなくなった。しかし、平成26年頃から、麻原の二男は、少なくとも1か月に1回程度開催するオンラインの方法による会議や「Aleph」の幹部構成員とのメール等により、「Aleph」を対外的に代表する「共同幹事」の指名や幹部構成員の位階剥奪を含む懲罰、「Aleph」の財産の支出基準の見直し、要報告事項をあえて不報告とすることを始め、「Aleph」の人事や経理を含む組織運営に関わる重要な意思決定に主導的な立場で関与したり、幹部構成員に対して説法を行ったりするほか、「Aleph」における重要な祭祀活動や機関誌の執筆等を行うようになった。
そのような中、麻原の二男は、前記会議等において、本団体内で「解脱へ導くことのできる霊的指導者」として麻原が自称していた「グル」を自称するようになり、「Aleph」の幹部構成員も麻原の二男を「グル」と呼称しているほか、麻原の二男の誕生日に合わせて「生誕祭」と称する行事が開催されたり、出家した構成員の祭壇に麻原の二男の写真が飾られたりしているなど、少なくとも「Aleph」の幹部構成員や一部の出家した構成員からは「Aleph」の指導者として認知されている。
さらに、麻原の二男が決定した、法で定められた要報告事項の不報告やオウム真理教犯罪被害者支援機構に支払うべき被害賠償金の不払等は、現在もその方針が維持されている。
以上の事実に照らせば、麻原の二男が、「Aleph」の事務に従事し、かつ、その意思決定に関与し得る者である「役員」に該当することは明らかであって、同人は、「Aleph」の役員と認められる。
c 麻原の妻について
麻原の妻は、松本・地下鉄両サリン事件当時、麻原に次ぐ「正大師」という高位の位階にあり、当時の「オウム真理教」が敷いていた省庁制度において、「郵政省大臣」として、「オウム真理教」の教義の布教等の重要な業務を統括し、麻原の逮捕後は「オウム真理教」の「代表代行」として活動するなど、本団体の役員であったと認められる。
その後も、麻原の妻は、平成14年10月に和歌山刑務所を出所すると、本団体の人事に関し、自らの意向に沿わない幹部構成員を本団体の中枢から外すなど、実質的に本団体の人事上の重要な決定を行うほか、麻原の説法を教学させるために作成した教材の改訂を決定するなど、本団体の意思決定に関与し続け、平成26年には、反対派を排除しながら、麻原の二男を前記のとおり「Aleph」の組織運営を主導する地位に就けることを画策し、これを完遂した。取り分け、観察処分を免れるなどの目的から麻原の影響力を払
拭したかのように装う、いわゆる「麻原隠し」を志向していた幹部構成員を本団体の組織運営から遠ざけたり、麻原から後継者と指名された麻原の二男を「Aleph」の組織運営を主導する地位に就けたりしたことは、正に自身の意に沿う団体の活動を行うべく団体の活動方針を左右する重要な意思決定に関与したものと認められるところ、現在もなお「Aleph」は、同意思決定に基づいて、麻原への帰依を隠すことなく、また、麻原が指名した後継者である麻原の二男の主導の下で活動しているものである。
さらに、その後も、麻原の妻は、埼玉県越谷市西方所在の施設・通称「新越谷施設」(以下「新越谷施設」という。)において、少なくとも令和7年3月末頃まで「Aleph」の組織運営を主導する麻原の二男と同居し、身近でその生活及び前記の団体の活動を補佐しながら、自らも、「Aleph」の幹部構成員に対して、他の構成員への対応方法に意見を述べてこれに従わせたり、「Aleph」の財産の支出について許可を求められてこれを与えたりするなど、その運営に関する重要な意思決定にも関与し続けた。
麻原の二男は、麻原の言辞を引いて、自身が「宗教の王」、麻原の妻が「宗教の後見人」とされた旨述べているところ、麻原の妻は、現在も、「Aleph」の幹部構成員から、「宗教の後見人」として麻原の二男を補佐する立場であると認知されているのみならず、「Aleph」から経済的実質の伴わない「絵画使用料」名目で多額の資金提供を受けて、その資金を管理しながら生計を立てている。
以上のとおり、麻原の妻は、「Aleph」から「絵画使用料」名目で提供された資金等の管理をするほか、平成14年10月の出所後、本団体及び「Aleph」の活動方針を左右する重要な意思決定に関与し続けてきたことが認められ、さらに、前記第3・1で述べた「Aleph」の位階制度に基づく上命下服の体制も加味すれば、「正大師」の位階を有する麻原の妻が、依然として、「Aleph」の事務に従事し、かつ、その意思決定に関与し得る立場にあることは明らかであって、「Aleph」の役職員と認められる。
d 以上の事実から、少なくとも平成26年頃から、麻原の二男及び麻原の妻は「Aleph」の役職員であると認められるにもかかわらず、本件一部不報告に及ぶ以前から、「Aleph」は麻原の二男及び麻原の妻が「Aleph」の役職員である事実について一切報告してこなかったものである。
(イ) 構成員に関する不報告
麻原の二男及び麻原の妻について、報告していない。
なお、「構成員」とは、特定の共同目的を達成するための多数人の継続的結合体への加入者を指すものであり、当該団体への明示的な加入行為があればそれによるが、そのようなものがない場合でも、当該団体から加入者として認知されていればそれで足りるものと解されるところ、前記(ア)・b及びcで述べた事実関係に照らせば、麻原の二男及び麻原の妻が「Aleph」の構成員にも該当することは明らかである。
「Aleph」が、本件一部不報告に及ぶ以前から、麻原の二男及び麻原の妻が構成員であることを一切報告してこなかったことは、前記(ア)・dで述べたのと同様である。
また、未成年構成員に加え、在家の構成員の一部についても、「報告書」中の氏名及び住所の記載を「白抜き」とし、報告していない。
(ウ) 活動の用に供されている土地及び建物に関する不報告
新越谷施設、滋賀県甲賀市水口町所在の「Aleph」管理下の施設・通称「水口施設」及び同市信楽町所在の「Aleph」管理下の施設・通称「甲賀信楽施設」の全部並びに埼玉県越谷市北越谷所在の「Aleph」管理下の施設・通称「北越谷施設」(以下「北越谷施設」という。)の一部の所在、地積(規模)及び用途について、報告していない。
また、「Aleph」の役職員である麻原の二男は、前記(ア)・bで述べたオンラインの方法による会議や祭祀活動等の団体の活動を新越谷施設において行ったと認められ、新越谷施設には、これらの活動に供される教本等が存在していたことからすれば、新越谷施設は、「団体の活動の用に供されている建物」として、その所在、規模及び用途を報告すべき対象であると認められる。
「Aleph」が、本件一部不報告に及ぶ以前から、新越谷施設について一切報告してこなかったことは、前記(ア)・dで述べたのと同様である。
p.11 / 3
読み込み中...
テキスト領域
選択中
非公開 (PII)