告示令和8年2月10日
治療と就業の両立支援に関するガイドライン(抜粋)
掲載日
令和8年2月10日
号種
号外
原文ページ
p.4 - p.5
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抽出された基本情報
発行機関厚生労働省
省庁厚生労働省
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治療と就業の両立支援に関するガイドライン(抜粋)
令和8年2月10日|p.4-5
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3 治療と就業の両立支援を行うに当たっての留意事項
(1) 安全と健康の確保
治療と就業の両立支援に際しては、就業によって、疾病の増悪や再発、労働災害が生じないよう、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の適切な就業上の措置及び治療に対する配慮を行うことが就業の前提となる。したがって、業務の繁忙等を理由に必要な就業上の措置及び治療に対する配慮を行わないことはあってはならない。
(2) 労働者本人の取組
治療と就業の両立に当たっては、疾病を抱える労働者本人が、主治医の指示等に基づき、治療を受けること、服薬すること及び適切な生活習慣を守ること等、治療や疾病の増悪防止について適切に取り組むことが重要である。
(3) 労働者本人の申出
治療と就業の両立支援は、私傷病である疾病に関わるものであることから、労働者本人から支援を求める申出がなされたことを端緒に取り組むことが基本となる。なお、労働者本人からの申出が円滑に行われるよう、事業場内ルールの作成及び周知、労働者及び管理職等に対する研修による意識啓発並びに相談窓口及び情報の取扱方法の明確化等、申出が行いやすい環境を整備することも重要である。
(4) 措置等の検討と実施
治療と就業の両立支援を申し出た労働者への対応の検討に当たり、労働者に対する措置等を事業主が一方的に判断しないよう、以下の取組が必要である。
・就業継続の希望や配慮の要望を聴取し、十分な話合い等を通じて労働者本人の了解を得られるよう努める
・疾病のり患をもって安易に就業を禁止せず、主治医や産業医等の意見を勘案し、可能な限り配置転換、作業時間の短縮その他の必要な措置を講じて就業の機会を失わせないよう留意する
・疾病及びその治療に対する誤解や偏見等が生じないよう、事業主、人事労務担当者、上司や同僚等の関係者において必要な配慮を行う
(5) 治療と就業の両立支援の特徴を踏まえた対応
治療と就業の両立支援の対象者は、入院や通院、療養のための時間の確保等が必要となるだけでなく、疾病の症状又は治療の副作用若しくは後遺症等によって、業務遂行能力が一時的に低下する場合等がある。このため、時間的制約に対する配慮だけでなく、労働者本人の健康状態や業務遂行能力も踏まえた就業上の措置及び治療に対する配慮が必要となる。
(6) 個別事例の特性に応じた配慮
症状や治療方法等は個人ごとに大きく異なるため、個人ごとに取るべき対応やその時期等は異なるものであり、個別事例の特性に応じた配慮が必要である。
(7) 対象者、対応方法等の明確化
事業場の状況に応じて、事業場内ルールを労使の理解を得て作成するなど、治療と就業の両立支援の対象者、対応方法等を明確にしておくことが必要である。
(8) 個人情報の保護
治療と就業の両立支援を行うためには、症状、治療の状況等の疾病に関する個人情報(以下「健康情報」という。)が必要となるが、当該情報は機微な情報であることから、安衛法に基づく健康診断において把握した場合を除いては、原則として、事業主が労働者本人の同意なく取得してはならない。また、健康診断又は労働者本人からの申出により事業主が把握した健康情報については、当該情報を取り扱う者の範囲や第三者への漏えいの防止も含めた適切な情報管理体制の整備が必要である。
(9) 治療と就業の両立支援にかかわる関係者間の連携の重要性
治療と就業の両立支援を行うに当たっては、以下の関係者が必要に応じて連携することで、労働者本人の症状や業務内容に応じた、より適切な支援の実施が可能となる。
ア 事業場の関係者(事業主、人事労務担当者、産業保健スタッフ、上司や同僚等、労働組合等)
イ 医療機関の関係者(医師(主治医等)、看護師、医療ソーシャルワーカー等)
ウ 地域で事業主や労働者を支援する関係機関・関係者(都道府県の産業保健総合支援センター、労災病院に併設する治療就労両立支援センター、保健所等の保健師、社会保険労務士等)
また、労働者本人と直接連絡が取れない場合は、その家族等と連携して、必要な情報の収集等を行う場合がある。
特に、治療と就業の両立支援のためには、事業場と医療機関との連携が重要であり、労働者本人を通じた主治医との情報共有や、本人の同意を得た上での産業保健スタッフや人事労務担当者と主治医との連携が必要である。
4 治療と就業の両立支援を行うための環境整備
(1) 事業主による基本方針の表明等と労働者への周知
事業主として、治療と就業の両立支援に取り組むに当たっての基本方針を表明する。
衛生委員会等で調査審議を行った上で、事業主として、治療と就業の両立支援に取り組むに当たっての基本方針や具体的な対応方法等の事業場内ルールを作成し、当事者やその同僚となり得る全ての労働者(以下「全ての労働者」という。)に周知することで、治療と就業の両立支援の必要性や意義を共有し、治療と就業の両立を実現しやすい職場風土を醸成する。
(2) 研修等による意識啓発
治療と就業の両立支援を円滑に実施するため、全ての労働者及び管理職に対して、治療と就業の両立支援に関する研修等を通じた意識啓発を行う。
(3) 相談窓口等の明確化
治療と就業の両立支援は、労働者からの申出を原則とすることから、労働者が安心して相談や申出を行えるよう、相談窓口や申出が行われた場合の当該情報の取扱い等を明確にする。
(4) 治療と就業の両立支援に関する制度、体制等の整備
ア 休暇制度、勤務制度の整備
治療と就業の両立支援においては、短時間の治療が定期的に繰り返される場合、就業時間に一定の制限が必要な場合、通勤による負担軽減のために出勤時間をずらす必要がある場合等があることから、以下のような休暇制度、勤務制度について、各事業場の実情に応じて導入し、治療のための配慮を行うことが望ましい。
(ア) 休暇制度
① 時間単位の年次有給休暇
労働基準法(昭和22年法律第49号)に基づく年次有給休暇は、1日単位が原則であるが、労使協定の締結により、1時間単位で付与することが可能となる(年5日の範囲内)。
② 傷病休暇、病気休暇
事業主が自主的に設ける法定外の休暇であり、入院や通院のために、年次有給休暇とは別に休暇を付与するもの。取得条件や取得中の処遇(賃金の支払いの有無等)等は事業場ごとに異なる。
(イ) 勤務制度
① 時差出勤制度
事業主が自主的に設ける勤務制度であり、始業及び終業の時刻を変更することにより、身体に負担のかかる通勤時間帯を避けて通勤するといった対応が可能となる。
② 短時間勤務制度
事業主が自主的に設ける勤務制度であり、療養中又は療養後の負担を軽減すること等を目的として、所定労働時間を短縮する制度である。
③ 在宅勤務制度
事業主が自主的に設ける勤務制度であり、パソコン等の情報通信機器を活用した場所に とらわれない柔軟な働き方(テレワーク)により、自宅で勤務することで、通勤による身 体への負担を軽減することが可能となる。
④ 試し出勤制度
事業主が自主的に設ける勤務制度であり、長期間にわたり休業していた労働者の円滑な 職場復帰を支援するために、勤務時間や勤務日数を短縮した試し出勤等を行うもの。職場 復帰や治療を受けながら就業することに不安を感じている労働者や、受入れに不安を感じ ている職場の関係者にとって、試し出勤制度があることで不安を解消し、円滑な就業に向 けて具体的な準備を行うことが可能となる。
イ 治療を受ける労働者から支援を求める申出があった場合の対応手順及び関係者の役割の整理
治療を受ける労働者から支援を求める申出があった場合に円滑な対応ができるよう、対応手 順や、事業主、人事労務担当者、産業保健スタッフ、上司や同僚等の関係者の役割をあらかじ め整理しておくことが望ましい。
ウ 関係者間の円滑な情報共有のための仕組みづくり
治療と就業の両立のためには、労働者本人を中心に、主治医、事業主、人事労務担当者、産 業保健スタッフ、上司や同僚等が、本人の同意を得た上で支援のために必要な情報を共有し、 連携することが重要である。特に、就業継続の可否、必要な就業上の措置及び治療に対する配 慮に関しては、症状、治療の状況、就業の状況等を踏まえて主治医や産業医等の意見を求め、 その意見に基づいて対応を行う必要がある。このため、主治医に労働者の就業の状況等に関す る情報を適切に提供するための様式や、就業継続の可否、必要な就業上の措置及び治療に対す る配慮について主治医の意見を求めるための様式を定めておくことが望ましい。(必要に応じて 厚生労働省労働基準局長が定める様式例を活用)
エ 治療と就業の両立支援に関する制度や体制の実効性の確保
治療と就業の両立支援に関する制度や体制を機能させるために、日頃から全ての労働者に 対して、支援制度及び相談窓口の周知を行うとともに、管理職に対して、労働者からの申出又 は相談を受けた際の対応方法や、支援制度及び体制について研修等を行うことが望ましい。
オ 労使や産業保健スタッフの協力
治療と就業の両立支援に関して、支援制度及び体制の整備等の環境整備に向けた検討を行う 際には、衛生委員会等で調査審議するなど、労使や産業保健スタッフが連携し、取り組むこと が重要である。
(5) 事業場内外の連携
治療と就業の両立支援の取組に当たっては、産業保健スタッフや主治医と連携するとともに、 必要に応じて、主治医と連携している医療ソーシャルワーカー、看護師等や、都道府県労働局、 都道府県の産業保健総合支援センター、保健所等の保健師、社会保険労務士等の支援を受けるこ とも考えられる。
5 治療と就業の両立支援の進め方
治療と就業の両立支援は以下の流れで進めることが望ましい。
(1) 治療と就業の両立支援を必要とする労働者が、事業主に申出を行った上で、主治医から支援に
必要な情報を収集して事業主に提出(必要に応じて厚生労働省労働基準局長が定める様式例を活 用)
治療と就業の両立支援の検討は、支援を必要とする労働者からの申出から始まる。安衛法に基 づく健康診断の結果に基づいて医療機関を受診し、又は自ら医療機関を受診する等により、自ら が疾病にり患していることを把握し、主治医等の助言により治療と就業の両立支援が必要と判断
した労働者は、治療と就業の両立支援に関する事業場内ルールに基づいて、主治医から支援に必 要な情報を収集して事業主に提出する必要がある。この際、労働者は事業主が定める様式等を活 用して、就業の状況等に関する情報を主治医に提供した上で、主治医から次のアからエまでの情 報の提供を受けることが望ましい。
ア 症状、治療の状況
・現在の症状
・入院や通院による治療の必要性とその期間
・治療の内容やスケジュール
・通勤や業務遂行に影響を及ぼしうる症状や副作用の有無とその内容
イ 就業継続の可否に関する意見
ウ 望ましい就業上の措置に関する意見(避けるべき作業、時間外労働の制限、出張の可否等)
エ 治療に対する配慮が必要な事項に関する意見(通院時間の確保や休憩場所の確保等)
また、労働者は、主治医からの情報収集や、事業主とのやり取りに際して、主治医と連携し ている医療ソーシャルワーカー、看護師等や、都道府県の産業保健総合支援センター、保健所 等の保健師、社会保険労務士等の支援を受けることも考えられる。
治療と就業の両立支援を必要とする労働者から事業主に相談があった場合は、労働者が必要 かつ十分な情報を収集できるよう、産業保健スタッフや人事労務担当者は、事業主が定める就 業の状況等に関する情報の提供のための書面の作成支援や、治療と就業の両立支援に関する手 続きの説明を行うなど、必要な支援を行うことが望ましい。また、主治医の意見を求める際に は、機微な健康情報を取り扱うこととなるため、産業医等がいる場合には産業医等を通じて情 報のやり取りを行うことが望ましい。
なお、労働者による主治医からの情報収集が円滑に行われるよう、事業主は、日頃から、治 療と就業の両立支援に関する手続きや、事業主が定める様式等について、周知しておくことが 望ましい。
主治医から提供された情報が、治療と就業の両立支援の観点から十分でない場合は、産業保 健スタッフがいる場合には、労働者本人の同意を得た上で、産業保健スタッフが主治医から更 に必要な情報を収集することが望ましい。なお、産業保健スタッフがいない場合には、労働者 本人の同意を得た上で、人事労務担当者等が主治医から必要な情報を収集することもできる。
(2) 事業主が、主治医から提供された情報を産業医等に対して提供し、就業継続の可否、就業上の
措置及び治療に対する配慮に関する産業医等の意見を聴取
事業主は、就業上の措置及び治療に対する配慮を検討するに当たり、主治医から提供された情 報を産業医等に対して提供し、就業継続の可否、就業可能な場合の就業上の措置及び治療に対す る配慮に関する産業医等の意見(主治医の就業上の措置及び治療に対する配慮に関する意見の確 認を含む。)を聴取することが重要である。産業医等がいない場合は、主治医から提供された情報 を参考とする。
(3) 事業主が、主治医や産業医等の意見を勘案し、就業継続の可否を判断
事業主は、主治医や産業医等の意見を勘案し、就業を継続させるか否かの判断に当たり、就業 上の措置及び治療に対する配慮の具体的な内容や実施時期等について検討を行う。その際、就業 継続に関する希望の有無や、就業上の措置及び治療に対する配慮に関する要望について、労働者 本人から聴取し、十分な話合いを通じて本人の了解が得られるよう努めることが必要である。
なお、検討に当たっては、疾病にり患していることをもって安易に就業を禁止するのではなく、 主治医や産業医等の意見を勘案して可能な限り配置転換、作業時間の短縮その他の必要な措置を 講ずることによって就業の機会を失わせないようにすることに留意が必要である。
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