国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 財務諸表注記(会計基準改訂、重要な会計上の見積り等)
令和6年10月15日|p.51-52
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Ⅲ. 重要な会計上の見積り
1. 米国航空宇宙局(以下、「NASA」という。)との等価交換取引に係る費用及び債務の見積り
(1) 当年度の財務諸表に計上した金額
国際宇宙ステーション分担等経費 18,804,407,690円
国際宇宙ステーション未履行債務 56,188,246,432円
(2) 会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
① NASAとの等価交換取引の概要
国際宇宙ステーション計画では、国際宇宙ステーション協力に関する多国間協定及び日本
国政府とアメリカ合衆国政府との了解覚書において「交換を利用することにより、資金の授
受を最小限にとどめる」ことが規定されております。これを受けNASAから日本国政府に
対して提供される国際宇宙ステーションの運用に必要な共通システム等やNASAによる当
機構物資の輸送に係る経費の分担等のために、当機構はHTV2機及びHTV-X3機の打
上げによる物資輸送機会をNASAに提供することとされております。この取引は資金の授
受を伴わない等価交換と考えられるため、HTV2機及びHTV-X3機分の打上げ費用を
見積り、当事業年度におけるNASAからのサービス提供に応じて国際宇宙ステーション分
担等経費と国際宇宙ステーション未履行債務を計上しております。
② 当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
国際宇宙ステーション運用のためにNASAから当機構に提供される平成25年1月から令
和6年12月までのサービス費用総額は、当機構が提供するHTV2機及びHTV-X3機分
の打上げ費用と等価と考えられます。NASAから当機構へのサービスの提供は国際宇宙ス
テーション運用期間を通じて、または物資輸送の都度行われるため、国際宇宙ステーション
運用期間の経過及び物資輸送の都度費用が生じるとの仮定に基づき、各事業年度で国際宇宙
ステーション分担等経費を認識するとともに国際宇宙ステーション未履行債務を計上してお
ります。
また、当機構からNASAへのサービス提供は、HTV及びHTV-Xの打上げの都度行
われます。このため、HTV及びHTV-Xの打上げに応じて当機構の義務が履行されたと
の仮定に基づき、国際宇宙ステーション未履行債務を取り崩しております。
③ 当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出方法
NASAからのサービス提供額は以下のように算出しております。
(i) 物資輸送費用の算出方法
国際宇宙ステーションの運用期間中にHTV及びHTV-X等により国際宇宙ステー
ションへの輸送が想定される重量のうち、一定の重量は当機構物資の輸送に割り当てられ
る予定です。このため、当機構がNASAに提供するHTV2機及びHTV-X3機分の
打上げ費用から輸送1トン当たりのコストを算定し、実際に輸送が行われた当機構物資の
実績重量に1トン当たりのコストを乗じることで算出しております。
(ii) 国際宇宙ステーションの運用に必要な共通システム等に係る経費見積額の算出方法
当機構がNASAに提供するHTV2機及びHTV-X3機分の打上げ費用から(i)の物
資輸送費用総額を差し引いた残額を国際宇宙ステーションの残存運用期間で各事業年度に
配分しております。
④ 翌事業年度の財務諸表に与える影響
今後打上げ予定のHTV-Xの打上げ費用の見積額は、開発プロジェクトや打上げスケ
ジュール変更等により変動することがあります。また、国際宇宙ステーションでの実験等活
動計画の変更による物資輸送重量の変更、国際宇宙ステーション運用期間の変動も将来の金
額に影響を及ぼします。
IV. 会計上の見積りの変更
国際宇宙ステーション未履行債務及び国際宇宙ステーション分担等経費に係る見積りの変更
Ⅲ. 1. (1)の「国際宇宙ステーション未履行債務」及び「国際宇宙ステーション分担等経費」
について、新型宇宙ステーション補給機に係る製作費の見積額が変更になったことにより、会計
上の見積りを変更しております。
これにより、従来と比較して「国際宇宙ステーション未履行債務」は4,181,789,944円、「国際宇
宙ステーション分担等経費」は4,156,532,490円それぞれ増加しております。
V. 重要な債務負担行為
重要な債務負担行為は214,524,799,499円です。
VI. 区分経理関係
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法第22条に基づき、宇宙戦略基金に係る経理(宇宙戦
略基金勘定) とその他の業務に係る経理(一般勘定) とに区分して整理しております。
VII. 貸借対照表関係
1. 当期に減損を認識又は兆候がある固定資産は以下のとおりです。
(1) 減損の認識
① 減損を認識した固定資産の概要
| 番号 |
種類 |
場所 |
用途 |
帳簿価額 |
減損額 |
|
|
|
|
|
※1 |
※2 |
| (i) |
建物 |
茨城県つくば市 |
衝立 |
4,991 |
4,990 |
0 |
| (ii) |
建物 |
神奈川県相模原市 |
空調設備 |
95,586 |
95,585 |
0 |
| (iii) |
建物 |
秋田県能代市 |
試験用施設 |
898,571 |
0 |
0 |
| (iv) |
建物 |
鹿児島県熊毛郡 |
警戒所 |
357,252 |
0 |
0 |
| (v) |
建物 |
鹿児島県熊毛郡 |
送信棟 |
5,744,924 |
0 |
0 |
| (vi) |
建物 |
鹿児島県熊毛郡 |
試験用施設 |
36,782,653 |
0 |
0 |
| (vii) |
建物 |
鹿児島県肝属郡 |
試験用施設 |
23,203,080 |
0 |
0 |
② 減損の認識に至った経緯
上記資産(i)について、固定資産の全部につき、当事業年度に使用しないという決定を行ったため、減損を認識しております。
上記資産(ii)~(v)について、使用されている範囲又は方法に関し、当該資産の使用可能性を著しく低下させる変化が生じており、その全部(又は一部)の使用が想定されていないため、減損を認識しております。
上記資産(vi)~(xi)について、当事業年度に用途変更を行ったため、減損を認識しております。
上記資産(xii)~(xiii)について、固定資産の全部につき、前事業年度以前に使用しないという決定を行ったため、減損を認識しております。
③ 回収可能サービス価額
上記資産(i)~(ii)について、売却見込がないため使用価値相当額により回収可能サービス価額を算定しております。その全部につき今後の使用が想定されていないため、備忘価額1円まで帳簿価額を減額しております。
上記資産(iii)~(xi)について、売却見込がないため使用価値相当額により回収可能サービス価額を算定しております。使用価値相当額は、当該資産の帳簿価額に建設工事費デフレーターと当該資産につき「使用が想定されていない部分」以外の部分の割合を乗じて算出した価額を用いて算定しておりますが、算定額が帳簿価額を上回っていたため、減損額は生じておりません。
上記資産(xii)~(xiii)について、正味売却価額により回収可能サービス価額を算定しております。当該土地に係る地価公示価格相当額で時価評価したところ、回収可能サービス価額が帳簿価額を上回っていたため、減損額は生じておりません。