短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者の待遇の決定基準等に関する指針(抜粋)
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(2) 通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との間に賃金その他の待遇の決定基準・ルールの相違がある場合等の取扱い
通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との間に基本給、賞与、各種手当等の賃金その他の待遇に相違がある場合において、その要因として通常の労働者と短時間・有期雇用労働者の待遇の決定基準・ルールの相違があるときであっても、当該待遇の相違は短時間・有期雇用労働法第8条の適用を受けるものであるが、その相違については、「通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との間で将来の役割期待が異なるため、待遇の決定基準・ルールが異なる」等の主観的又は抽象的な説明では足りず、待遇の決定基準・ルールの相違は、短時間・有期雇用労働法第8条の規定に基づき、客観的及び具体的な実態に照らして、不合理と認められるものであってはならない。派遣先に雇用される通常の労働者と派遣労働者との間の待遇の相違の要因として派遣先に雇用される通常の労働者と派遣労働者の待遇の決定基準・ルールの相違があるときも同様である。
(新設)
(3) 不合理と認められる待遇の相違の解消等に当たり、就業規則の変更により労働条件を変更する場合の留意事項
短時間・有期雇用労働法及び労働者派遣法に基づく通常の労働者と短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者との間の不合理と認められる待遇の相違の解消等の目的は、短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者の待遇の改善であり、その目的に鑑みれば、当該待遇の相違の解消等に当たっては、通常の労働者の労働条件を不利益に変更することなく、短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者の労働条件の改善を図ることが求められる。
その上で、事業主が、通常の労働者と短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者との間の不合理と認められる待遇の相違の解消等に対応するため、やむを得ず、就業規則を変更することにより、その雇用する労働者の労働条件を不利益に変更する場合、労働契約法(平成19年法律第128号)第9条の規定に基づき、原則として、労働者と合意する必要がある。また、労働者と合意することなく、就業規則の変更により労働条件を労働者の不利益に変更する場合、当該変更は、同法第10条の規定に基づき、当該変更に係る事情に照らして合理的なものである必要がある。ただし、基本的に、こうした対応は、望ましい対応とはいえないことに留意すべきである。
(新設)
(4) その他
短時間・有期雇用労働法第8条及び第9条並びに労働者派遣法第30条の3及び第30条の4の規定は、通常の労働者と短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者との間の不合理と認められる待遇の相違等を対象とするものであり、この指針は、当該通常の労働者と短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者との間に実際に待遇の相違が存在する場合に参照されることを目的としている。このため、そもそも客観的にみて待遇の相違が存在しない場合については、この指針の対象ではない。
(新設)
第3 短時間・有期雇用労働者
短時間・有期雇用労働法第8条において、事業主は、短時間・有期雇用労働者の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において、業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならないこととされており、職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものの相違に応じた均衡のとれた待遇とすることが求められている。
第3 短時間・有期雇用労働者
短時間・有期雇用労働法第8条において、事業主は、短時間・有期雇用労働者の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において、業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならないこととされている。
また、短時間・有期雇用労働法第9条において、事業主は、職務の内容が通常の労働者と同一の短時間・有期雇用労働者であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるものについては、短時間・有期雇用労働者であることを理由として、待遇のそれぞれについて、差別的取扱いをしてはならないこととされている。
注
1 短時間・有期雇用労働法第8条におけるその他の事情の取扱い
短時間・有期雇用労働法第8条におけるその他の事情については、職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲に関連する事情に限定されるものではない。職務の成果、能力、経験、合理的な労使の慣行、事業主と労働組合や過半数代表者等との間の交渉といった労使交渉の経緯や結果等の諸事情がその他の事情として想定されるものであり、考慮すべきその他の事情があるときに考慮すべきものである。
また、事業主が短時間・有期雇用労働法第14条第2項の規定に基づき通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との間の待遇の相違の内容及び理由について十分な説明を行わなかったと認められる場合や、事業主が待遇の体系に係る議論において短時間・有期雇用労働者の意向を十分に考慮せず一方的に短時間・有期雇用労働者の待遇を決定した場合には、当該事実も短時間・有期雇用労働法第8条におけるその他の事情に含まれ、通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との間の待遇の相違が不合理と認められることを基礎付ける事情として考慮されうる。
2 定年に達した後に継続雇用された有期雇用労働者の取扱い
定年に達した後に継続雇用された有期雇用労働者についても、短時間・有期雇用労働法の適用を受けるものである。このため、通常の労働者と定年に達した後に継続雇用された有期雇用労働者との間の待遇の相違については、実際に両者の間に職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情の相違がある場合は、その相違に応じた待遇の相違は許容される。
さらに、有期雇用労働者が定年に達した後に継続雇用された者であることは、通常の労働者と当該有期雇用労働者との間の待遇の相違が不合理と認められるか否かを判断するに当たり、短時間・有期雇用労働法第8条のその他の事情として考慮される事情に当たりうる。定年に達した後に有期雇用労働者として継続雇用する場合のそれぞれの待遇について、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められる様々な事情が総合的に考慮されて、通常の労働者と当該有期雇用労働者との間の待遇の相違が不合理と認められるか否かが判断されるものと考えられる。したがって、当該有期雇用労働者が定年に達した後に継続雇用された者であることのみをもって、直ちに通常の労働者と当該有期雇用労働者との間の待遇の相違が不合理ではないと認められるものではない。
3 「通常の労働者としての職務を遂行しうる人材の確保及びその定着を図る」等の目的で待遇を行う場合の取扱い
通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との間に基本給、賞与、各種手当等の待遇に相違がある場合において、その要因として当該待遇を行う目的に「通常の労働者としての職務を遂行しうる人材の確保及びその定着を図る」等の目的があったとしても、当該待遇の相違が不合理と認められるか否かは、通常の労働者と短時間・有期雇用労働者の職務の内容、当該
また、短時間・有期雇用労働法第9条において、事業主は、職務の内容が通常の労働者と同一の短時間・有期雇用労働者であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるものについては、短時間・有期雇用労働者であることを理由として、待遇のそれぞれについて、差別的取扱いをしてはならないこととされている。
(新設)