その他令和7年7月1日
国家公務員倫理審査会業務報告(令和6年度)
号外p.104
号外p.104
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VO1(含671號4合)灘目記号
倫理法及び国家公務員倫理審査会について
倫理法は、幹部公務員を中心に不祥事が続発し、厳しい社会的批判を招いたことを背景として平成
11年8月に制定され、平成12年4月から全面施行された。その目的は、職務の執行の公正さに対する
国民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、公務に対する国民の信頼を確保することである。
倫理法は、職員が遵守すべき職務に係る倫理原則を定めている。あわせて、倫理原則を踏まえ職員
の倫理の保持に必要な事項を定める政令(国家公務員倫理規程(平成12年政令第101号。以下「倫理
規程」という。))の制定、職員と事業者等との接触について透明性を確保するための各種報告制度等
(報告のルール)、職員の職務に係る倫理の保持に関する事務を所掌する機関である国家公務員倫理
審査会(以下「倫理審査会」という。)の設置、行政機関等への倫理監督官(各府省事務次官等)の設
置についても規定している。
倫理規程は、倫理法の倫理原則を受けた倫理行動規準を定めている。また、許認可等の相手方や補
助金等の交付を受ける者などを利害関係者として規定するとともに、 職員が利害関係者から贈与や接
待を受けるなどの禁止行為に関する「行動のルール」についても規定している。
国公法及び倫理法に基づいて人事院に設置された倫理審査会は,会長及び委員4人をもって組織さ
れ、倫理規程の制定・改廃に関する意見の申出、各種報告書の審査、倫理法・倫理規程に違反する疑
いがある場合の調査・懲戒の手続の実施、懲戒処分の承認など、職務に係る倫理の保持に関する事務
を所掌している。具体的には、倫理法・倫理規程の適正な運用を確保するとともに、『職員の倫理意識
のかん養』、『倫理的な組織風士の構築』及び『倫理法等違反への厳正かつ迅速な対応』の3つを主要
な柱に据えて各種施策を実施している。また、令和6年度は倫理審査会発足25周年に当たることを踏
まえ、今後、より実効的な倫理保持の仕組みへ発展させていくため、今までの3つの柱は維持しつつ、
新たに重点的に取り組む課題として、①『「単なる知識」から「具体的な場面を意識した知識」へ』、②
『倫理保持に関する新たな価値観の設定・普及~倫理を「身を守る武器とするもの」へ~』及び③『倫
理法令上の規制に関する検討』の3つを設定した。
倫理審査会には,その事務を処理するため,事務局が置かれている。その業務実施には,倫理審査
会の議決が必要であり、倫理審査会会議は、令和6年度には19回、倫理審査会設立以来計612回開催
されている。
また、各府省及び各行政執行法人に置かれた倫理監督官は、各府省の長等と共に、倫理審査会と連
携して、その属する府省等の職員の職務に係る倫理の保持に関する責務を担っている。
本編は、令和6年度において、倫理審査会が行った業務について記述したものである。
第1章職員の倫理意識のかん養及び倫理的な組織風土の構築
1職員の倫理意識のかん養
職員の倫理意識のかん養のためには,研修等の機会を通じた職員に対する定期的・継続的な意識
啓発が不可欠である。そのため、倫理審査会は、各府省の幹部職員や倫理事務担当者に対して所属
職員への意識啓発の取組を促すとともに,倫理の問題を職員個々人が自分事として捉える機会を提
供できるよう.各府省における研修・啓発活動の企画・実施の支援、府省等植断的な研修・啓発活
動の実施を行ってきている。令和6年度においては、以下の(1)~(4)の業務を実施した。
(1)各府省における現状の把握及び取組の促進
各府省の官房長等や地方機関の長等と倫理審査会会長・委員との懇談会等を行い,各府省にお
ける職員に対する倫理意識のかん養や倫理的な組織風土の構築に向けての取組状況や課題につい
て把握した。また、後述する「国家公務員倫理月間」の機会等を捉え、倫理研修の定期的・計画
的な実施、職員の職務に係る倫理の保持のための相談・通報窓口の利活用促進の要請を行った。
あわせて、各府省における倫理保持のための取組の参考となるよう、各府省で実施された啓発活
動や倫理的な組織風土の構築のための取組の具体例の共有等を行った。
管理制度の周知償底及び各府省における倫理保持に係る取組の推進を目的として、令和6年4
月に、本府省で実務を担う倫理事務担当者等を対象とした倫理制度説明会を、同年10月に、本府
省に加え新たに地方機関の管理事務担当者等にも対象を広げた説明会を、Webでそれぞれ実施
した。また、当該説明会のアーカイブ配信も行い、広く視聴できる機会を提供するよう工夫した。
さらに、Webを通じた有識者講演会として熊田総合法律事務所代表弁護士の熊田彰英弁護士
を講師に拓き、「時代と国民に寄り添う国家公務員を目指して」をテーマとして質疑応答を含めた
ライブ配信での講演を行っていただいた。幹部・管理職員を含む全職員向けに同年12月に実施し、
本府省及び地方機関の職員に広く視聴を呼びかけるとともに、その模様を縁面し、同月から令和
7年2月にかけて約2か月間配信した。同講演会のアンケートにおいて、まずは職員が周囲や上
司に相談しやすい雰囲気を作ることが重要であるということが再認識できた」、「倫理保持は自己
防衛のためであるということが再認識できた」といった感想が寄せられた。
(2)国家公務員倫理制度の運用見直し
192ページに記載した新たに重点的に取り組む課題のうち、③『倫理法令上の規制に関する検
討』を踏まえた取組として、倫理規程の飲食に関する規制について一部運用の見直しを行うこと
とし、「国家公務員倫理規程の運用の見直し等について」(令和6年国家公務員倫理審査会事務局長
通知)において周知した。具体的には、令和4年度に実施した職員アンケートにおいて、当該規
制により民間企業等との意見交換等に支障が生じていると思うとの回答が他の規制による支障と
比較して多かったことや、社会情勢の変化等を踏まえ、利害関係者と飲食時に割り歯をする際、
1円単位での厳密な精算を求めず、自己の飲食費用が1,000円を超える場合には1,000円未満の端
数切捨てを許容するなどした。なお,特定の相手方に繰り返し特数を負担させるなど国民の疑惑
や不信を招かないよう、常識の範囲内で対応することとしている。
倫理審査会としては、今後も、各府省からの意見等を踏まえて、社会情勢等に応じて国家公務
員倫理制度の在り方を検討していきたいと考えている。
(3)各府省が企画・実施する研修の支援
管理審査会は、各府省における研修・啓発活動の充実に資するよう、各種研修教材を制作・配
布している。例えば、倫理制度の概要や法令、マンガ教材を収録した小冊子「国家公務員倫理教
本」を改訂し、主として各府省の新規採用職員及び幹部職員へ配布した。また、各府省における
eラーニングに資する教材(自習研修教材)として、一般職員目、課長補佐総職員用及び幹部・
管理職員用の3階層の教材を各府省へ配布した。
これら教材及び啓発資料の制作・配布のほか、倫理審査会では、各府省からの要請に応じて、
事務局職員を各府省が実施する倫理研修等に講師として派遣している。令和6年度は,各府省に
おける階層別研修など延べ26回・参加者数約2,300人(うちWebを通じたものは10回・参加者数
約1,100人)に講師を派遣した。研修では、具体的なケースも交えて倫理制度の解説を行い、倫
理制度に対する理解の浸透を図るとともに、相談・通報の仕組みの周知などを行った。また、一
部の研修においては、参加者間での討議を取り入れることで、より当事者意識を持って研修に参
加し、考える機会を持てるよう工夫を行った。加えて、中途採用者を含む新規採用職員の倫理に
関する知識の定着を図り、倫理法等違反を防止することを目的として、令和6年度から新たに各
府省が活用できるeラーニングシステムを通じて国家公務員倫理研修を4月期及び10月間の2期
において実施した。
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