その他令和7年7月1日
公務の価値発信と戦略的な人材確保施策について
号外p.66
号外p.66
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号月74日1日 日 日 10日
1社会全体への公務の価値の発信
諸外国においては、「パブリックサービスウィーク」などの形で、職員の士気向上と併せ、公務の
価値を社会一般に発信する取組を行っている例が見られる(後記コラム9参照)。
これに類する取組として、人事院においては、昭和63年から毎年、「人事院総裁賞」を実施してい
る。これは、国民全体の奉仕者として、長年にわたる地道な活動や高いモチベーションの下での勇
気ある行動などを通じ、行政サービスや国民生活の向上に顕著な功績を挙げ、国民の期待に応えた
国家公務員(個人又は職域)を表彰するものである.
このほか、例えば、文部科学省を始め各府省が連携して実施する「こども霞が関見学デー」など
も、 親を始めとした家族や学校関係者も含め、 幅広い世代に対し
て公務の価値を伝えるための取組となっている.
今後は、人材確保の観点から、このような関連するイベントと戦略的に連携していくことが考え
られる。
また、広報の手法に関して、例えば農林水産省では、NIPPONFOODSHIFTに関する新聞広
告が第73回日経広告賞の大賞を受賞するなど、政府の広報で高い認知を得られる効果的な発信を行
う事例も出てきている。
府省それぞれが、他府省における効果的な発信の取組事例も参考にしながら、情報発信を強化す
るとともに、政府が運用している政府広報なども含め、あらゆる発信の機会を活用して、公務の価
値を国民に伝えていくことが重要である。
【コラム9】諸外国におけるパブリックサービスウィーク、アワードの事例
○シンガポール
シンガポールでは、毎年7月に「公共サービス週間(Public Service Week)」を実施してい
る(週間であるが実際には1か月ほどイベントが続く。)。
この期間中は、 職員に公務
員としての使命感を思い出させるとともに、日々の業務の中で見失いがちなやりがいや価値を
再確認させることを目指している。
また、バリューの実践、変革、市民との連携などに基づいてPublic Sector Transformation
(PST)Awards(政府全体、機関、個人の各カテゴリーでの貢献を表彰するもの)を授与する
とともに、公務員がスキルアップできるようなコースやプログラムを提供するなどしている。
○英国
<Civil Service Awards>
英国では、毎年12月頃に、優れた国家公務員を表彰するCivil Service Awardsを民間団体と
共同で開催している。
本イベントは2006年から実施されており、「A Modern Civil Service」(前記コラム8参照)の
策定後は、 このビジョンに合わせて、 [A Skilled Civil Service]、 Service」、
「AnAmbitious Civil Service」のカテゴリーを設けて表彰している。
また、これらのカテゴリーを横断する「ライジング・スター賞」、[内閣官房事務次官優秀リー
ダー賞」、「首相特別公務賞」を設け、職員を表彰している。
<Civil Service Live>
Civil Service Liveは、毎年6~7月に英国各地(7~8か所)で1日ずつ実地開催する能
力開発、学びのイベントであり、民間団体と共同で開催し、約2万人の国家公務員が参加して
いる。このイベントは、各地の国家公務員が横のつながりを作る機会を提供するとともに、各
府省の幹部職員が直接現地に赴くことで、職員との一体感を醸成することも狙いとしている。
本イベントは2008年から実施されており、[A Modern Civil Service (前記コラム8参照)の
策定以降は、そのテーマと連動した内容で実施されている。
<One Big Thing>
One Big Thingは、一つのテーマの下、全職員(約50万人)に学びの機会をオンラインで提
供する能力向上のイベントである。数か月間の実施期間を設定し、各職場での実践につなげて
もらうとともに、ベストプラクティスを共有するプラットフォームも提供している。
このイベントは2023年から開始されており、2023年のテーマはDigital& Data、2024年のテー
マはInnovationとなっている。各職場の職員が自分事として捉えて取り組むことができるよう、
2024年のInnovationのテーマの下では、まずは各職場で小さな変化を起こすよう促すこととさ
れている。
○カナダ
<National Public Service Week>
カナダのNational Public Service Week(NPSW)は、法律に基づいて1992年に制定され
ており、毎年6月第3週に実施されている。その目的は、連邦公務員が提供するサービスの価
値を認識すること及び連邦公務員の連邦行政への貢献を認識することとされている。NPSW
は、カナダ国民及び組織内に対して、連邦公務員が優れた公共サービスを提供していることを
周知し、公共サービス及び連邦公務員に対する信頼を高めるために設けられている。
<Public Service Awards of Excellence>
カナダでは、優れた連邦公務員を表彰するPublic Service Awards of Excellenceを設けてい
る。具体的には、高い専門性を発揮して公務に貢献した職員、イノベーションを進めた優秀な
若手職員、連邦政府が策定した「公務における価値観及び倫理規範(Values and Ethics Code
for the Public Sector。前記コラム8参照)」において示された公務の価値を体現した職員など
が表彰される。この賞は、優れた業績を挙げた連邦公務員をたたえると同時に、連邦公務員の
日々の働きをカナダ国民が認識する機会ともなっている。また、受賞者は、カナダ国民に対し
て優れた貢献を行った連邦公務員の模範となっている。
2戦略的な人材確保施策の実施
人事院においては、各種の人材確保活動を展開してきているが、今後は、公務の魅力を整合的・
効果的に発信するため、人材確保施策について、対象、発信内容、発信時期、発信方法の観点から
整理や見直しを行い、より戦略的に進めていく必要がある。
そのため、人事院としては、以下のとおり取組を進めていく。
(1)対象
従来の人材雑保活動においては,具体的な対象は念頭に置きつつも,幅広く参加者を受け入れ
ることを優先して,各イベントの参加対象を必ずしも限定することなく周知する傾向にあった。
そのため、参加者側にとって、どのイベントに参加すれば有益な情報を得られるのかが分かりづ
らく、発信内容と対象のミスマッチが生じていた可能性がある。
また、従来のイベントは、新規学卒者の就職活動が本格化する大学3年生で、既に国家公務員
に一定の関心を有する者を主な対象とするものが多く、就職活動開始前の者を主な対象とする取
組は少なかった。そのため、就職活動間始時点で、就職先として国家公務員が認知されない場合、
あるいは国家公務員に対してネガティブなイメージを持たれていた場合、国家公務員という進路
が検討されることなく、就職先の候補から外れていた可能性もある。そこで、今後の人材確保活
動の展開においては、対象を大学1、2年生や高校生以下まで拡大した上で、学年、専攻分野、
国家公務員への関心・志望度合い、受験を考えている採用試験等の属性に応じて対象を矧分化し
て設定し、各イベントの対象者の明確化を進めていくこととする。
このほか、近年、選考採用や経験者採用試験による採用などの中途採用が拡大していることに
鑑み、中途採用のターゲット層を対象とした発信も強化していくこととする。
(2)発信内容
従来の人材確保活動では、多様な参加者を意識して、試験制度、試験スケジュール、国家公務
員の仕事の種類・内容、勤務条件等の様々な内容を網羅的に発信する傾向にあった。そのため、
参加者の関心が高いテーマへの言及が少なくなったり,関心が低いテーマに多くの時間が割かれ
たりする場合があったと考えられる。今後は、公務の魅力を効果的に伝えられるよう.対象の特
性等を踏まえて発信内容を適切に選定することとする。
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