その他令和7年7月1日
公務職場の魅力向上のためのMVV等の浸透と活用に関する取組
号外p.63
号外p.63
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報告
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人事院は、最初のユーザーとして令和4年度にGSSを導入し、オンライン会議の活用、ペー
パーレス化のほか、チャット等を通じたコミュニケーションの促進、職員自らのシステム開発
等による業務効率化など、DXを着実に進めている。
また、現在、東京都・霞が関にある人事院本院は、令和7年度中に東京都・虎ノ門のオフィ
スビルに移転する予定である。庁舎移転に当たっては、職員自ら新たなオフィス空間・環境整
備を考え、より一層働きやすいオフィスとなるよう準備を進めている。
第3章魅力の公務職場内への浸透及び公務外への発信
前記第2章において、公務職場の提供価値を「社会への貢献に関する価値」、「職員の成長に関する
価値」、「働く環境や経済的利益に関する価値」の三つの観点から整理した。そして、「社会への貢献に
関する価値」は「国」の視点から社会・国民生活の向上に貢献できるという点で国家公務員の唯一無
二の魅力として整理できること、「職員の成長に関する価値」もより積極的に魅力として整理すること
が可能であることを確認した。また、「働く環境や経済的利益に関する価値」についても、正しいイメー
ジが伝わるように情報発信に取り組むとともに、今後の改善の方向性等を合わせて示すことでネガ
ティブなイメージの払拭に取り組むことが重要であることを確認した。
公務のブランディングを進めていくに当たっては、これらの魅力となる提供価値について、公務職
場内の浸透による魅力向上の取組と、公務外への発信のための取組を一体的、整合的に実施していく
ことが重要となる。そこで、本章においては、公務全体のブランディング施策の方向性を整理する。
なお、公務全体のブランディングと府省ごとのブランディングは、相乗的に取り組んでいくことが
重要である。府省ごとのプランディングは、府省それぞれの所管業務や組織の特徴などを踏まえ、更
に独自の提供価値を整理した上で進めていくこととなる。
まず、第1節では、公務職場内への価値浸透による魅力向上の取組について検討していく。
第1節公務職場内への浸透による魅力向上の取組
公務職場内への浸透による魅力向上の取組について、「社会への貢献に関する価値」、「職員の成長に
関する価値」、「働く環境や経済的利益に関する価値」の三つに分けてそれぞれ検討していく。
1「社会への貢献に関する価値」の浸透
前記第2章第3節1(2)に記載のとおり、「社会への貢献に関する価値」は、国家公務員行動規範の
内容とも密接に関連している。
この点、人事行政諮問会議最終提言においては、各府省でMVV等の制定・見直しを行う際には、
国家公務員行動規範をベースとすることなどを通じて、職員に浸透させていくことが期待されてい
る。 活用することは、 活用することは、 公務職場の唯一無二の価値
を職場内に効果的に浸透させることにつながるものであり、人材確保・定着の観点からも効果的と
言える。
そこで、以下では「社会への貢献に関する価値」の浸透の基盤となるMVVの策定状況や浸透施
策を見ていくこととする。
(1)MVVの策定状況
近年、民間企業を中心に、組織の「ミッション」や「パーパス」といった形で、組織の存在意
義や社会において果たすべき使命を再定義する動きが見られる。また、ミッション等の策定に合
わせ、「ビジョン」という形で組織の目指す将来の社会像を、「バリュー」という形で組織が大事に
する価値観や行動規範を定めることも多く、「ミッション」、「ビジョン」、「バリュー」を合わせた「M
VVという呼称が広く見られるようになっている。
MVVは、組織の構成員が理解しやすいよう、より日常的な言葉で組織の目指す方向性を示す
ことで、それぞれが自らの仕事の意義を認識することを可能とするとともに、日々の業務におけ
る判断の指針として,組織運営に有効なツールとなり得るものである。政府機関の場合、各府省
等の設置根拠となる法令等において、組織の目的や役割が規定されており、それを通じて組織内
に理念が浸透している場合もあるが、法令とは別にMVVを定めている例も多く見られる。
令和7年3月、MVVの策定・活用状況について各府省に聴取したところ、当数以上の機関が
MVV(各府省の解釈上これに相当するものを含む。)を策定済みであった。また、MVVの策定
を現在検討中の機関も多くあった。
https://www.jinji.go.jp/kouho_houdo/sankoudata.html
(2)MVVの浸透施策
MVVは、策定するだけで終わりではなく、組織内に浸透させていく必要がある。前述の各府
省に対する聴取結果によれば、MVVを策定済みの機関では、浸透状況について、いずれの機関
も「非常に浸透している」又は「ある程度は浸透している」と回答した。
また、MVVが一定程度浸透している府省で見られる浸透基策として、①ボスターやカードな
どによる言葉そのものの周知、②部内研修・ワークショップの実施、③幹部からのメッセージが
挙げられる。①は、職員にMVV自体を認知してもらうため、策定の初期段階において有効な施
策である。②は、ある程度MVVの認知が進んだ後、職員それぞれが日々の業務においてMVV
を意識して行動に移し、実践していく段階において有効な施策である。③は、①及び②の施策と
並行して、組織として目指す方向性として設得力を持って組織の構成員に訴えかける施策として
有効であり、これを通じて、より強くMVVを意識させることが可能となるため、最も重要な能
策と言える。さらに、各府省への聴取結果によれば、MVVを策定している機関のほとんどが採
用活動にMVVを活用していると回答している。具体的な活用方法としては、「採用パンフレット
への掲載」、「採用説明会での説明」を行っている機関が多く、[採用ホームページでの明示」や「採
用面接時の質問・評価基準に反映」を行っている機関も見られた。
各府省においては、これらを軸とした様々な施策により、MVVの浸透や活用を図っていくこ
とが期待される。その際、MVVを通じて、公務の唯一無二の価値の組織内への浸透が図られる
よう、国家公務員行動規範との関連付けについても今後取り組んでいく必要がある。これらの価
値を組織内に浸透させるためには、あらゆる機会を活用して取り組む必要があり、特に、幹部職
員を始めとした組織マネジメントに責任を持つ者が率先して、繰り返し発信し続けることが重要
である。
【コラム7】民間企業におけるMVV浸透・活用の例
人事院は、MVVの組織内での浸透や採用活動における活用の取組を進めている民間企業に
対し、ヒアリングを行った。以下、主な取組事例を紹介する。
(1)オムロン株式会社
企業理念(ミッション)として「われわれの働きで、われわれの生活を向上し、より
よい社会をつくりましょう」、バリューズとして「ソーシャルニーズの創造」、「絶えざる
チャレンジ」、「人間性の創造」を掲げている。企業理念(ミッション)は以前から存在
しており、バリューズは直近では10年ほど前にアップデートがなされているが、基本的
には変わっていない。ビジョンである「Shaping the Future2030は長期経営計画とい
う位置付けであり、経営理念を数字に落とし込み、最終的には企業損益等に結び付けて
日々の業務へつながるようにしている。
人事評価において企業理念の実践をコンピテンシー(行動特性)のレベルまで落とし
込んで評価基準としており、それを採用基準と連動させている。また、オムロン株式会
社の歴史と技術を通して企業理念を体感してもらえる施設に、就職活動中の学生や、新
規採用者,就職エージェントを招待して企業理念を理解してもらうと同時に、自社のファ
ンになってもらうことを意識している。
社内向けには,5月10日の創業記念日(ファウンダーズデイ)の式典や表彰式(The
OMRON Global Awards:TOGA)を開催している。TOGAは、企業理念を実践
した社内の取組をたたえ合う大会で、グローバルに開催している。社外からも、パート
ナー企業やメディア関係者、学生などがゲストとして参加しており、元々は企業理念実
践の取組を共有し、共感・共鳴の輪を社内に広げるための取組であったが、社外の人々
も巻き込む形で発展してきた。
社員には企業理念が根付いており、業務上迷ったときには企業理念に立ち返り、企業
理念が判断する際の軸となっている。そのため、日常的に職場で、企業理念やバリュー
ズに照らしてどうかといった観点での会話がなされている。さらに、社外でもオムロン
株式会社のことを知っている方や企業には,オムロン株式会社のイメージが浸透してい
ると認識している。
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