公務のブランディングの取組とエンプロイヤー・ブランディングの潮流
令和7年7月1日|p.55
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(告641號 日本人 1 1 日 1 1 1 日曜 日 GS
そこで、今回、「公務のブランディング」の取組を提案する。公務のブランディングにおいては、ま
ず、公務職場の提供価値のうち、何を魅力として発信すべきかを整理する。具体的には、①公務内外
のターゲットとなる人材が期待する価値を把握した上で、②競合する民間企業等が提供する価値も踏
まえつつ、③公務職場の提供価値のうち差別化した魅力として打ち出すべきものを戦略的に検討する。
その上で、魅力として差別化した公務職場の提供価値について、公務職場内における浸透施策を通
じた魅力向上の取組と、公務外への魅力発信の取組を一体的、整合的に実施する。これらの取組を戦
略的に行うことにより、公務内外のターゲットとなる人材を惹きつけていくことが重要となる。
なお、公務のブランディングは各府省レベルでも実施する必要があるが、今回の提案は公務「全体」
のブランディングとする。これは、公務全体としての魅力を伝えることで、まずは職業選択において
公務を選択肢として考えてもらい、その上で、個々の関心に応じて各府省につないでいくことが有効
かつ効率的と言えるためである。
公務のブランディングの枠組みの全体像を示すと、以下のとおりである(図1-9),
1図1-9公務のブランディングの枠組み
【コラム2】エンプロイヤー・ブランディングの潮流
(寄稿)アビームコンサルティング株式会社ダイレクター佐藤一樹氏
現在、日本の労働市場では、優秀な人材を巡る獲得競争が激化しています。一方で、「衝く場」
としての企業内に目を向けると、日本における社員のエンゲージメントと生産性は諸外国に比
べて長らく低い水準となっています。結果として、多くの日本企業は、優秀な人材の採用が十
分にできない、流出を止めることができない等の問題に直面しています。このような状況が放
置されれば、企業は必要な人材の質及び量を確保することが困難となり、持続的な成長は不可
能となります。企業の人事部を対象にした調査によると、必要な人材の量(ヘッドカウント)
を十分に確保できていると答える企業は12.0%に過ぎず、必要な人材の質(スキル・経験)を
十分に確保できていると答える企業は12.6%にとどまっています。その理由について、「労働市
場の人手不足」という不可避の環境要因を最大の理由としながら、続く理由として挙がったの
は、 というものでした。
このような状況を打破するには、今一度「働く場」としての「自社ならでは」の提供価値を
生内外の労働者に対して訴求し、惹きつける必要があります。この取組がエンプロイヤー・ブ
ランディングです。
エンプロイヤー・ブランディングは、採用市場に対する外面をよくするだけの表面的な採用
ブランディングではありません。社員に対しては、日々の働く経験をよりよいものにする施策
を通してエンゲージメントを高め、それを根拠に採用市場に対しても「働く場」としての価値
を訴求していく一つの統合された取組を指します。つまりエンプロイヤー・ブランディングと
は「働く場としての会社のプランドイメージを構築し、社内外のターゲットとする労働者を惹
きつける取組と言えます。
欧米では、エンプロイヤー・ブランディングは10年以上前から重要視されていますが、日本
では「企業が人を選ぶ」との考えが根強く、あまり注目されてきませんでした。しかし、経済
産業省が発表した「人材版伊藤レポート」は、企業と人が「選び、選ばれる関係」へ見直すこ
とを提案しています。
「選び、選ばれる関係」を創り上げるエンプロイヤー・ブランディングについて、日本にお
いても官民問わず一層の取組が進むことを期待します。
第2章公務職場の魅力の整理
本章では、公務のブランディングの枠組み、すなわち「公務職場の魅力の整理」、「公務職場内の浸
透による魅力向上」、「公務外への魅力発信」に沿って、まず、公務職場の魅力の整理を行う。
公務職場の魅力の整理は、前記第1章第4節で記載したとおり、①公務内外のターゲットとなる人
材が期待する価値、②競合する民間企業等が提供する価値、③公務職場の提供価値を踏まえて行う必
要がある。
以下、それぞれの価値について整理する。
第1節公務内外のターゲットとなる人材が期待する価値
多様な行政ニーズに応え、複雑・高度化する行政課題に対応していくためには、国民全体の奉仕者
として公共の利益のために勤務する高い志と能力を持つ、多様で有為な人材を確保していく必要があ
る。このような人材から「選ばれる「公務職場となるためにはどのような魅力が必要なのか。これを
確認するため、まずは、公務の採用対象となり得る人材が、働く場に対してどのような価値を期待し
ているのかについて、いくつかの民間調査等から確認する。
1就職活動を行った大学生等が仕事に求める価値
「2025年新卒採用大学生の就職活動に関する調査(2024年11月28日株式会社リクルートマネジ
メントソリューションズ)によれば、2025年新卒採用の就職活動を行った大学生・大学院生が仕事
に求めることとして、「安定」、「貢献」、「金銭」、「成長」が上位に挙がっている(図2-1)。同調査で
は、「まず安定した環境を確保した上で、仕事を通じて貢献や成長をしていきたいという学生の考え
がうかがえる」とされている。
なお、同調査を見ると、「チャレンジ」が2025年卒で再び第5位となり、2020年卒からの結果を見
ると、「チャレンジ」を求める学生の割合は2025年卒が最も高くなっている。