第2部「選ばれる」公務職場を目指した魅力向上・発信戦略及び公務のブランディングの必要性
令和7年7月1日|p.51
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第2部「選ばれる」公務職場を目指した魅力向上・発信戦略~働く場としての公務のプランディン
グ~
はじめに
国家公務員は、国民の生活・安全を守るため、国内外で奮闘している。その仕事は、国家の屋台骨
を支える極めて重要なものである。しかしながら、国家公務員の魅力は何か、国家公務員として働く
やりがいとは何かということが、今、改めて問われている。
国家公務員採用試験の志望者の減少や若手職員の離職増加など,公務の人材確保は依然として危機
的な状況にある。こうした中、公務においては、これまで、採用試験の見直しを行うとともに、魅力
「向上」の観点から、超過勤務の縮減や柔軟な働き方の推進、給与制度のアップデートなどに取り組
んできた。また、本年3月に取りまとめられた人事行政諮問会議最終提言において、公務の人材確保
の危機に対応するため、新時代の人事管理を実現するための具体的施策が示された。人事院としても、
同提言の内容を受け止め、公務の魅力向上のための取組を更に進めることとしている。
また,人事院は、令和6年8月の公務員人事管理に関する報告において、公務の魅力の発信強化に
取り組んでいくことを表明しており、人事行政諮問会議最終提言においても、「国家公務員という仕事
のブランディングを人材確保の観点から戦略的に行うべき」とされている。公務職場の魅力の外部へ
の「発信」は、人事院、内閣官房内閣人事局、各府省それぞれで取り組んでいる。しかしながら、国
家公務員として働くやりがいなどについて、必ずしもその魅力が、国民各層、特にこれからの社会を
担う若年層に十分に伝わっているとは言えない状況にある。厳しい人材獲得競争の中で、優秀で志の
ある人材を公務に集めるためには、人材確保を最重要課題として位置付けて、公務内外の人材から積
極的に「選ばれる」魅力的な公務組織を目指す必要がある。そのためには、公務職場内における魅力
の浸透・向上に取り組むとともに、その魅力を外部に対して訴求力を持った形で効果的に発信してい
くことが不可欠である。
そこで、本報告において、「公務のブランディング」として、労働市場において魅力として差別化で
きる公務職場の価値を整理した上で、その魅力を公務内で浸透させることによる内側からの魅力「向
上」と、公務外への戦略的な魅力「発信」を一体的、整合的に展開する取組を提言する。
公務のブランディングは一朝一夕に行えるものではなく、公務全体が連携して、中長期的視点で取
り組んでいくべきものである。そこで、今後の継続的な取組として、公務のブランディングに関する
府省横断チームを立ち上げ、各府省が一丸となって公務の魅力の言語化や発信に取り組むことも提言
している。
今後、公務職場の魅力向上と公務外への魅力発信の取組を両輸として継続的に進めることで、公務
に優秀で志のある人材を確保することを可能とし、質の高い行政サービスの提供及び国民生活の一層
の向上を図っていくこととする。
第1章公務のブランディングの必要性
第1節.現在の公務の人材確保を取り巻く状況
第1節現在の公務の人材確保を取り巻く状況
社会経済情勢、国際情勢が急速に変化する中、生産年齢人口が減少する我が国においては、人材獲
得競争が激しさを増している。働き方やキャリア形成に対する若年層の意識変化を背景として、公務
の人材獲得の競合となる民間企業等では、採用手法、職場環境、雇用慣行や処遇などの面で変革が行
われている。
就職活動を行う学生等にとっては、売り手市場が続く中で、自身の希望に合う就職先を吟味するこ
とが可能となっている。世代による特徴を一括りにして論ずることはできないが、1990年代半ばから
2010年前後に生まれたいわゆるZ世代の学生は、職業選択において、自分らしさややりがいを求める
とともに、仕事だけでなくプライベートの充実への関心が強く、社会の先行きが見通せない中で労働
市場での価値向上のためのキャリア形式や短期間での成長を重視するといった特徴が指摘されてい
る。