その他令和7年7月1日
国家公務員の人事評価・給与制度の改革に関する提言
号外p.45
号外p.45
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発行機関人事院
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などは、まず、人事院において令和7年度から試行的に実施し、好事例や改善点を
内閣人事局と連携して各府省に展開していくべきである。
さらに、人事評価結果と給与上の考誤査定結果を連動させていくことで職員の納
得感を高める必要があることから、人事院の行う試行において、メリハリある人事
評価が行われるよう取り組むことを求める。その一環として、例えば民間企業で行
われているように、評価結果の分布の目安を設けることなども検討すべきである。
(2)基盤となる環境の整備
今後の公務の人材マネジメントで職務基準の人事運営を実現するために求められる制
度・運用の方向性は前述のとおりである。しかしながらこうした給与制度があっても,
基盤となる環境が整備されていなければ,実際の運用につながらない。そのため,運用
(合671 場合合
を確実に実行するために必要な基盤として講ずべき施策を述べる。
①組織・人材戦略と職務基準の人事運営のための指針の策定
【全職員を対象/本提言から3年以内を目途】
行政課題が複雑・高度化する中、各府省には、今後集中的に先行して取り組むべき
政策領域を特定し、その戦略の実施を担う組織を戦略的に構成・運営していくことが
(各671號(第2號(第2號)11
求められる。そのため、各府省において、組織として求める方向性や重視する価値、
自府省の今後の業務領域の展開等を見据えながら、当該事業展開を踏まえた人材ポー
トフォリオ(今後の事業戦略の実現に必要となる人材の質的・量的な構成を明らかに
したもの)を念頭に置いて、今後どのような人材がどのくらい必要となるか、組織が
現在有している人材との差をどのような手段で埋めるのか(新卒採用や経験者採用に
より埋めるのか、あるいは育成や人事異動により埋めるのか)、といった人材の確保・
育成戦略を明確にしていくことが必要となる。
また、各府省が新しい人材マネジメントを確立していくためには、I3(2)で述べた
上司と部下の緊密なコミュニケーションの必要性、マネジメントサーベイによる幹
彗星
部・管理職員の実効的なマネジメント力の養成などを具体的に言語化した職務基準の
人事運営のための指針を策定することが重要である。
官官
②人事管理におけるデジタルツール活用
1 671 號 日 月 日本 日本
【全職員を対象/本提言から3年以内を目途】
若年層を中心に自律的なキャリア形成等に対する意識が変化しており、育児や介護
など様々な個別事情を持つ職員への対応の必要性も増しているなど、組織運営の前提
となる環境は大きく変容している。今後、人手不足の深刻化に伴い労働市場が更に流
動化し、また、SNSや転職サービス等を通じて容易に外部の雇用環境を知ることが
できる環境下にあって、職員個別の状況にきめ細かく配慮しながら組織を運営できな
ければ、優秀な人材を確保していくことはできない。
したがって、各府省の人事担当部署には、人材ボートフォリオとの整合を意識しな
がら、職員個別の状況を細かく動的に把握し人事管理にいかす努力も求められる。そ
の際、職員の経験や保有スキル、キャリアに関する意向等をデータ化し、いわゆるタ
レントマネジメントシステムのようなツールに蓄積して活用することが重要である.
このような人事管理におけるデジタルツールの活用の重要性や府省等共通の人事関連
システムの整備は、「デジタル社会の実現に向けた重点計画』(令和6年6月21日閣議決
日 1月1日 77日
定)でも言及されている。人事院、内閣人事局、デジタル庁には、この閣議決定を踏
まえ、連携して人事管理におけるデジタル活用を積極的に進めることを求める。
(3)公務全体に及ぶ効果
上述のように本府省を中心に政策の企画や立案、高度な調整等を担う国家公務員を対
象とする施策を展開していくことを通じて、公務全体に次のような効果が及ぶことが期
待される。
職務基準の給与制度・運用が徹底されるようになれば、各府省内のポストが担う役割。
その役割を果たすために必要なスキル等の言語化が進展することとなる。その結果、人
材確保でアプローチする範囲を各府省内から府省間、さらには公務部外にも広げやすく
なり、厳しい人材確保の状況の改善の一助となると考えられる。特に、高度専門人材が
必要となるポストなど担う職務や役割が比較的明確なポストは、外部労働市場での競争
力の視点も踏まえた給与水準を設定することで、民間人材等の採用を現行より円滑に行
うことも可能となる。
こうした人事制度・運用面の改善にとどまらず、民間企業経験者や公務員経験者など
多様な人材を取り込んでいく開放的な組織文化を公務で醸成していくことも重要であ
る。
3職員の意欲を高め成長を実感できる公務の実現に向けた環境整備
(1)魅力ある勤務環境
①業務改善と長時間労働の是正
【全職員を対象/本提言から5年以内を目途】
○デジタル技術の活用を含めた業務の効率化
国家公務員全体の勤務環境を魅力あるものとするためには長時間労働の改善は喫
緊の課題である。
まずは、生産性を向上するための業務プロセス改革やDXの推進といった業務効
率化、業務量に応じた柔軟な人員配置に努めるべきである。デジタル技術の活用に
よる業務効率化は、デジタル技術では代替できない業務に対してより多くの人員を
充てることを可能とし、組織パフォーマンスの向上にも資すると考えられる。その
際には、業務遂行の実情に応じ、AI等の最新技術を活用していくべきである。
○必要な人員の確保
公務の現場では、採用の困難化などにより、必要な人員を確保することができず
円滑に業務を遂行することが困難な状況が生じている。今後,生産年齢人口の減少
により人材を確保することが更に困難となっていくことが見込まれる中では、業務
量に応じて必要な人員を確保できる環境を整備するとともに、ワークライフバラン
スのとれた働き方を拡充し、様々な事情に直面する人材が公務で働き続けられるよ
うにすることが人材の確保において極めて重要である。このような働き方改革や業
務見直しを推進するための人員の拡充の検討が政府においてなされることが求めら
れる。
○長時間労働の是正
業務効率化のため、公務部内の人材マネジメントを徹底するなどにより、長時間
労働もやむを得ないとする職場風土や職員意識を抜本的に切り替えることが求めら
れる。その上で、他律的な業務として挙げられることの多い国会対応は、行政府に
おける改善を一層進めるとともに、速やかな質問通告やオンラインによる質問レク
などデジタルツールを利用した質問通告の推進等、立法府でも一層の改善が求めら
れる。
②時間に縛られない働き方の推進
【全職員を対象/本提言から3年以内を目途】
○柔軟な働き方の更なる促進
価値観が多様化している今日、個々の職員の事情に合わせて可能な限り柔軟に働
き方を選択できるようにすることが重要である。例えば、男性国家公務員の育児休
業の取得が近年一般的となってきたように、介護のための休暇、フレックスタイム
制なども広く活用されるよう、職場環境の整備に取り組む必要がある。
○短時間勤務の拡大
様々な事情を抱えながらも職員が継続して活躍していくためには、フルタイムを
前提としない勤務を拡大するための部分休業・休暇や短時間勤務などの制度の対象
を育児や介護などの事情がある職員に限定することなく、一般の職員にも事情を問
わず拡大すべきである。なお、その際には、多様な勤務形態の職員が担っている業
務量がフルタイムの職員の業務量の何人分に相当するかを勤務時間ベースで把握
し、それに基づいて実員を管理するFTE(Full-Time Equivalent)の考え方を我
が国でも研究すべきと考える。
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